効果効能

クレサー40mgは、高血圧症の治療に用いられる薬剤で、24時間持続的な降圧効果を提供します。

• 作用機序
  テルミサルタンはAT1受容体に選択的に結合し、アンジオテンシンIIの作用を阻害します。
  これにより、以下の効果が得られます。

  • 血管収縮の抑制
  • 水分およびナトリウムの貯留抑制

• 血圧低下のメカニズム
  血管が拡張し、末梢血管抵抗が低下することで血圧が下がります。

• 持続効果
  テルミサルタンは24時間以上の持続効果があり、1日1回の服用で安定した血圧コントロールが可能です。
  脂溶性が高く、組織への浸透性が良いため、より効果的な降圧作用が期待できます。

• 効果の発現時間
  服用開始後1～2週間で効果が現れます。
  最大効果は通常4～8週間で得られます。

臨床試験結果

臨床試験では以下の効果が確認されています。

• 収縮期血圧が平均15～20mmHg低下
• 拡張期血圧が平均10～15mmHg低下
• 24時間にわたる安定した降圧効果
• 長期投与における安全性と有効性の確認

適応症

クレサー40mgは以下の症状や状態に特に有効です。

• 本態性高血圧症
• 早朝高血圧
• 糖尿病合併高血圧症

特に、朝の血圧上昇(モーニングサージ) を抑制する効果が高いことが特徴です。

注意点

• 即効性はありません。
  急な降圧が必要な場合には適していません。
• 突然の服用中止はリバウンド現象(血圧の急上昇)を引き起こす可能性があります。 徐々に減量してください。

使用方法

クレサー40mg(15錠)の使用方法は以下の通りです。

服用方法

• 標準用量: 1日1回40mg
• 最大用量: 1日80mgまで増量可能(医師の指示に従う)
• 服用方法:
  錠剤は噛まずに水またはぬるま湯で飲み込みます。
  食事の影響を受けにくいため、食前・食後を問わず服用可能です。
  毎日同じ時間帯に服用することで、血中濃度が安定し、治療効果が最大化します。

飲み忘れた場合

• 気づいた時点で1回分を服用してください。
• 次回の服用時間が近い場合は、1回飛ばし、通常の時間に服用します。
• 2回分を一度に服用しないでください。

服用頻度

クレサー40mgは、通常1日1回の服用で、長時間にわたる降圧効果を得ることができます。

• 毎日一定の時間帯に服用することで、血中濃度を安定させ、より効果的な治療が可能です。

• 食事の有無を問わず服用できますが、毎日同じタイミングでの服用が推奨されます。

• 症状改善が見られない場合
  用量を40mgから80mgに増量することがあります。

• 高齢者や肝機能障害のある患者
  低用量から開始し、慎重に増量します。

• 重要な注意点
  急な中止はリバウンド現象(血圧の急上昇)を引き起こす可能性があるため、注意しながら徐々に減らしていくことが大切です。

副作用

クレサー40mgの副作用には、血管浮腫や腎機能障害などの重大なものがあります。

一般的な副作用

通常は軽度で一時的ですが、持続する場合は医師に相談してください。

• めまい、頭痛、倦怠感
• 動悸、ほてり
• 消化器症状: 悪心・嘔吐、腹痛、下痢、便秘
• 皮膚症状: 発疹、そう痒感
• 代謝系: 高カリウム血症
• 筋骨格系: 筋肉痛、関節痛
• その他: 咳嗽、口渇、味覚異常

重大な副作用

以下の症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医療機関を受診してください。

• 血管浮腫
  顔面や舌、喉の腫れ、呼吸困難

• 腎機能障害
  尿量の減少、浮腫、乏尿

• 高カリウム血症
  脱力感、しびれ、動悸

• 肝機能障害・黄疸
  皮膚や白目の黄染、AST・ALTの上昇

• ショック・失神
  冷や汗、めまい、意識消失、血圧低下

注意点

• 定期的な検査: 血液検査や腎機能・肝機能検査で副作用の早期発見が可能です。
• 危険作業の回避: めまいやふらつきがある場合は、自動車運転や危険作業を避けてください。
• 高カリウム血症への注意: 腎機能障害や糖尿病のある患者は特に注意が必要です。

禁忌

クレサー40mgは、以下の患者に使用できません。

• 過敏症の既往歴がある患者
• 妊婦および妊娠の可能性がある女性
• 授乳中の女性
• 重度の肝機能障害患者
• 胆汁分泌が極めて悪い患者
• アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者
• 特定の吸着器を用いたアフェレーシス施行中の患者

これらの場合、代替治療の検討が必要です。

使用注意

クレサー40mgを使用する際、以下の患者には特に注意が必要です。

• 腎機能障害患者
  クレアチニンクリアランスが30mL/分以下または血清クレアチニンが3mg/dL以上の場合は、用量調整が求められます。
  両側性腎動脈狭窄や片腎の腎動脈狭窄がある場合は、原則使用を避けるべきです。

• 高カリウム血症のリスクがある患者
  血清カリウム値のモニタリングが必要です。

• 高齢者
  生理機能の低下を考慮し、低用量から開始します。

• 手術前
  手術の24時間前には使用を中止することが望ましいです。

• 妊娠の可能性がある場合
  妊娠が疑われる場合は、直ちに医師に相談してください。

これらの注意事項を守ることで、安全な治療が可能です。

併用禁忌

クレサー40mgは、以下の薬剤や治療法との併用が禁忌です。

• アリスキレンフマル酸塩(ラジレス)
  併用により、重度の低血圧や腎機能悪化、高カリウム血症が引き起こされる可能性があります。

• 特定の吸着器によるアフェレーシス
  併用により、アナフィラキシーショックのリスクが高まります。

• 他のアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)やACE阻害薬
  慎重に行う必要があり、特に腎機能障害や高カリウム血症のリスクが考慮されます。

併用注意

クレサー40mgを使用する際、以下の薬剤との併用には注意が必要です。

• カリウム保持性利尿剤・カリウム補給剤
  高カリウム血症のリスクがあります。

• 利尿降圧剤
  併用により、降圧効果が増強される可能性があります。

• リチウム製剤
  リチウム濃度上昇による中毒のリスクがあります。

• NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
  降圧作用が減弱する可能性があります。

• ACE阻害剤
  併用により、腎機能障害や高カリウム血症のリスクが増大します。

併用時は、以下を行うことで安全に使用します。

• 定期的な血液検査(腎機能・カリウム値の確認)
• 血圧測定を行い、副作用の早期発見に努めてください。

保管方法

クレサー40mgを保管する際は、以下の点に注意してください。

• 温度管理
  室温(1～30℃)で保管してください。
  直射日光を避け、涼しく乾燥した場所を選びます。

• 湿気対策
  湿度の高い場所(浴室、キッチン)は避けてください。

• 容器管理
  遮光性のある容器に保管し、薬剤の品質を保ちます。

• 子どもやペットの手の届かない場所
  高い位置や鍵のかかる場所に保管してください。

• 使用期限の確認
  使用期限を定期的に確認し、期限切れの薬剤は適切に処分してください。