効果効能

セラゼッタ0.075mgの主な効果は避妊ですが、その作用機序は複数のメカニズムによって実現されています。

• 排卵抑制
  デソゲストレルは、視床下部-下垂体-卵巣軸に作用し、黄体形成ホルモン(LH)のサージを抑制します。
  これにより、排卵が阻害されます。セラゼッタを正しく服用した場合、約97%の周期で排卵が抑制されるとされています。

• 子宮頸管粘液の変化
  デソゲストレルは子宮頸管粘液を粘稠にし、精子の通過を困難にします。これにより、精子が子宮内に到達する可能性が低下します。

• 子宮内膜への影響
  子宮内膜を薄くし、受精卵の着床を妨げます。ただし、この効果は主要な避妊メカニズムではありません。

臨床試験では、セラゼッタの避妊効果は非常に高いことが示されています。
パールインデックス(100人が1年間使用した場合の妊娠数)は0.14とされており、これは従来のエストロゲン含有ピルと同等の高い効果を示しています。

効果の発現時間については、服用開始後7日目から避妊効果が得られます。
ただし、より確実な避妊効果を得るためには、2週間の連続服用が推奨されています。

避妊以外の効果

• 月経困難症の改善
  プロスタグランジンの産生を抑制することで、月経痛を軽減します。
  多くの場合、服用開始から2-3周期で効果が現れます。

• 子宮内膜症の症状緩和
  子宮内膜の増殖を抑制し、症状を軽減する効果があります。
  効果は個人差がありますが、3-6ヵ月の継続使用で改善が見られることが多いです。

• ニキビの改善
  男性ホルモンの作用を抑制することで、皮脂の分泌を抑え、ニキビの発生を減少させます。
  効果は通常3-6ヵ月の継続使用で現れ始めます。

• 月経量の減少
  子宮内膜の増殖を抑制することで、月経量が減少する効果があります。
  これにより、貧血のリスクも低下します。

• PMS(月経前症候群)の症状緩和
  ホルモンバランスを整えることで、気分の変動や身体症状を軽減する効果が期待できます。

セラゼッタの特徴的な点は、エストロゲンを含まないことです。
これにより、エストロゲン関連の副作用(血栓症のリスク増加など)を回避しつつ、高い避妊効果を得ることができます。
また、授乳中の女性や、エストロゲン含有ピルが禁忌とされる女性にも使用可能です。

ただし、セラゼッタはミニピルであるため、従来のピルと比べてより厳密な服用時間の管理が必要です。
効果を最大限に発揮するためには、毎日同じ時間に服用することが重要です。

使用方法

セラゼッタ0.075mgの具体的な使用方法は以下の通りです。

服用方法

用量

1日1錠(デソゲストレル0.075mg含有)を服用します。
1シートには28錠が含まれています。

服用時期

毎日ほぼ同じ時間(±3時間以内)に服用します。
食事の前後に関わらず服用可能ですが、胃腸障害を避けるため食後の服用が推奨されます。

服用サイクル

28日間連続で服用します。休薬期間はありません。
1シート(28錠)を使い終わったら、翌日から新しいシートを開始します。

初回使用時の注意

月経開始日から5日以内に服用を開始します。
他の曜日から開始する場合は、最初の7日間は追加の避妊措置が必要です。

服用を忘れた場合

• 12時間以内に気づいた場合
  すぐに忘れた錠剤を服用し、次の錠剤は通常の時間に服用します。
• 12時間以上経過している場合
  次の服用時間に1錠だけ服用し、その後は通常通り続けます。
  ただし、7日間は追加の避妊措置が必要です。

他の薬との相互作用

• 抗生物質や抗てんかん薬などと併用する場合は、医師に相談し、追加の避妊措置が必要かどうか確認してください。

嘔吐や下痢の場合

• 服用後3時間以内に嘔吐や激しい下痢があった場合、その日の錠剤の吸収が不十分な可能性があります。
  この場合、追加の避妊措置が必要です。

長期連続投与

• セラゼッタは休薬期間なしで連続投与します。
  不正出血が増える可能性がありますが、これは正常な反応です。

妊娠を希望する場合

• 服用を中止し、月経周期が正常に戻るまで待つことが推奨されます。

授乳中の使用

• 授乳中でも使用可能ですが、医師の指導に従ってください。

これらの使用方法を正確に守ることで、セラゼッタ0.075mgの効果を最大限に引き出し、安全に使用することができます。

副作用

セラゼッタ0.075mgの一般的な副作用とリスクには以下のようなものがあります。

• 不正出血 (発生頻度：比較的高い)
  症状：予期せぬ出血、点状出血
  対応：通常は服用を継続することで改善します。
  大量の出血や長期間続く場合は医師に相談してください。

• 乳房の痛み (発生頻度：中程度)
  症状：乳房の腫れや痛み
  対応：通常は一時的なものですが、痛みが強い場合は医師に相談してください。

• 頭痛 (発生頻度：中程度)
  症状：頭の痛み、圧迫感
  対応：軽度の場合は市販の鎮痛剤で対処可能ですが、頻繁に発生する場合は医師に相談してください。

• 気分不良 (発生頻度：中程度)
  症状：不快感、だるさ
  対応：症状が持続する場合は医師に相談してください。

• 吐き気・嘔吐 (発生頻度：中程度)
  症状：吐き気、嘔吐
  対応：食後に服用することで軽減できる場合があります。
  症状が持続する場合は医師に相談してください。

• 神経系の症状 (発生頻度：低～中程度)
  症状：不安感、イライラ
  対応：症状が重度の場合や日常生活に支障をきたす場合は医師に相談してください。

• 乳がんのリスク (発生頻度：非常にまれ)
  症状：乳房のしこりや変形
  対応：定期的な乳がん検診を受けてください。
  異常を感じた場合は速やかに医師に相談してください。

• 子宮頸がんのリスク (発生頻度：非常にまれ)
  症状：異常な出血や分泌物
  対応：定期的な子宮頸がん検診を受けてください。
  異常を感じた場合は速やかに医師に相談してください。

これらの副作用の多くは、服用開始時や用量変更時に発生しやすく、時間とともに軽減することが多いです。
しかし、重篤な副作用の可能性もあるため、異常を感じた場合は速やかに医師に相談することが重要です。

セラゼッタはエストロゲンを含まないため、通常のピルで懸念される血栓症のリスクは低いとされています。
また、子宮体がんや卵巣がんのリスクも低下すると考えられています。

副作用のリスクを低減するために

• 毎日同じ時間に服用する
• 定期的な健康診断を受ける
• 副作用の症状に注意を払い、異常を感じたら速やかに医師に相談する

これらの注意点を守ることで、セラゼッタ0.075mgをより安全に使用することができます。

禁忌

セラゼッタ0.075mgは以下の人には使用が禁忌とされています。

• 妊娠している人、または妊娠している可能性がある人
  理由: 胎児への影響が不明であるため。

• 本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある人
  理由: 重篤なアレルギー反応を引き起こす可能性があるため。

• 重度の肝機能障害がある人
  理由: 薬剤代謝に影響を与え、副作用のリスクが高まる可能性があるため。

• 乳がんまたは子宮内膜がんの人、またはその疑いのある人
  理由: ホルモン感受性のあるがんの成長を促進する可能性があるため。

• 原因不明の性器出血がある人
  理由: 重大な疾患の可能性を見逃す恐れがあるため。

• 重度の動脈疾患がある人
  理由: 血栓症のリスクが高まる可能性があるため。

これらの禁忌事項は、主に薬剤の安全性と有効性を考慮して設定されています。
特に、既に妊娠している場合や重度の肝機能障害がある場合は、薬剤の効果が期待できないだけでなく、健康上のリスクが高まる可能性があります。

また、乳がんや子宮内膜がんの既往歴がある場合は、ホルモン剤の使用によって病状が悪化するリスクがあるため、使用を避ける必要があります。

使用可能な場合

一方で、セラゼッタはエストロゲンを含まないため、通常のピルでは禁忌とされる以下の人にも使用可能です。

• 35歳以上の喫煙者
• 肥満の人
• 授乳中の人
• 高血圧の人(軽度から中等度)

ただし、これらの条件に該当する人でも、個々の状況に応じて判断が必要です。
使用前には必ず最適な避妊方法を選択することが重要です。

使用注意

セラゼッタ0.075mgはデソゲストレルを有効成分とする避妊薬で、特定の状況や条件下で使用する際に注意が必要です。

• 不規則な月経や無月経を引き起こす可能性があるため、服用中にこれらの症状が現れた場合、医師に相談することが重要です。
• また、糖尿病や高血圧の既往歴がある人は、セラゼッタの使用によってこれらの症状が悪化する可能性があるため、定期的な健康状態のモニタリングが必要です。

過去に乳がんの診断を受けた人や現在乳がん治療中の人には、セラゼッタの使用が推奨されません。
乳がんはホルモンに依存して成長することが多いため、ホルモン療法の一環として使用される薬は避けるべきです。

• また、肝疾患を持つ患者も慎重な管理が求められます。
  肝臓の機能が低下していると、セラゼッタの代謝に影響が出る可能性があるため、医師との相談が必要です。
• セラゼッタの成分は、母乳に微量含まれる可能性があるため、授乳中の女性には慎重な使用が推奨されます。

ただし、セラゼッタはエストロゲンを含まないため、エストロゲンベースの避妊薬よりは授乳中の使用に適しているとされています。

併用禁忌

セラゼッタ0.075mgと以下の薬剤の併用は禁忌とされています。

• 抗結核薬(例：リファンピシン)
  理由: これらの薬は肝臓での酵素誘導を促進し、デソゲストレルの代謝を早め、避妊効果を減少させる可能性があるため、併用は避けるべきです。

• 抗てんかん薬(例：フェニトイン、カルバマゼピン)
  理由: これらの薬も肝臓での酵素誘導を促進し、デソゲストレルの代謝を加速させ、避妊効果が低下するリスクがあるため、併用は禁忌です。

• セントジョーンズワート(ハーブ)
  理由: セントジョーンズワートは代謝を促進し、セラゼッタの薬効を弱める可能性があるため、併用は禁忌です。

• HIV治療薬
  理由: 一部のHIV治療薬は肝臓での酵素を誘導し、デソゲストレルの効果を低減させるリスクがあるため、併用は禁忌です。

• C型肝炎治療薬
  理由: これらの薬剤も肝臓での酵素誘導を促進し、デソゲストレルの効果を低下させる可能性があるため、併用は避けるべきです。

これらの薬剤と併用する場合、セラゼッタの避妊効果が著しく低下する可能性があります。

併用注意

併用が可能であるものの、注意が必要な薬には、抗生物質や抗真菌薬の一部が含まれます。
これらの薬は、肝臓でのデソゲストレルの代謝を部分的に阻害する可能性があるため、服用期間中は追加の避妊方法を併用することが推奨されます。
特に、長期にわたってこれらの薬を使用する場合は、医師と相談して、避妊効果が保たれているかどうかを確認することが必要です。

さらに、利尿剤や降圧薬を使用している場合は、ホルモンの影響で体内の水分バランスが変化する可能性があるため、定期的な健康チェックが推奨されます。
また、血栓リスクのある人が抗凝固薬と併用する場合も注意が必要です。
ホルモン療法は血栓リスクを増加させることがあるため、定期的な血液検査や健康チェックが推奨されます。

保管方法

セラゼッタ0.075mgは、高温多湿を避けて保管することが重要です。
直射日光や高温にさらされると、薬剤の品質が劣化し、効果が低下する可能性があるため、乾燥した涼しい場所で保管してください。
また、小児の手の届かない場所に保管することも大切です。
特に、誤飲による事故を防ぐため、しっかりと蓋を閉め、使用後は適切に収納してください。

セラゼッタの使用期限にも注意を払い、期限が過ぎた場合は使用しないでください。
期限が過ぎた薬剤は効果が低下する可能性があるため、廃棄する際は、環境に配慮した方法で処理することが推奨されます。
また、未使用の薬剤を廃棄する場合は、薬局や医療機関で推奨される方法に従い、適切に処分してください。