田辺三菱製薬

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英語表記Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation
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設立年月日2007年10月1日
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代表者上野裕明
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国日本
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所在地大阪本社:〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10 東京本社:〒103-8405 東京都中央区日本橋小網町17-10
日本を代表する製薬企業、田辺三菱製薬の歴史と企業理念
田辺三菱製薬は、2007年に田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併して誕生した日本を代表する製薬企業です。
その歴史は、1678年に創業した田辺五兵衛商店にまで遡ります。
一方、三菱ウェルファーマは、1934年に設立された東京田辺製薬と、1950年に設立された三菱化成工業の医薬事業部門が統合して2001年に誕生しました。
この長い歴史の中で、田辺三菱製薬は常に医療の発展と人々の健康に貢献することを使命としてきました。
合併後は、「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献します」という企業理念のもと、革新的な医薬品の開発と提供に注力しています。
同社の強みは、長年培ってきた創薬技術と、幅広い疾患領域での豊富な経験です。
特に、自己免疫疾患、中枢神経系疾患、糖尿病・腎疾患、ワクチンなどの分野で高い専門性を有しています。
田辺三菱製薬は、「医療ニーズに的確に応える医薬品の創製」「国際創薬企業として、グローバル市場での飛躍」「社会から信頼される企業活動」の3つを経営方針として掲げています。
これらの方針のもと、患者さんを中心に据えた医薬品開発と、高い倫理観に基づいた企業活動を展開しています。
同社の企業文化の特徴として、「挑戦と革新」の精神が挙げられます。
常に新しい治療法の開発に挑戦し、医療の進歩に貢献することを目指しています。
また、「患者さん中心」の考え方も重視しており、医薬品の開発から情報提供まで、常に患者さんの視点に立った活動を行っています。
田辺三菱製薬は、これらの理念と伝統を守りつつ、時代の変化に柔軟に対応しています。
近年では、デジタル技術の活用やオープンイノベーションの推進など、新たな取り組みにも積極的にチャレンジしています。
田辺三菱製薬の主要製品と研究開発の取り組み
田辺三菱製薬は、幅広い疾患領域で革新的な医薬品の開発と提供に取り組んでおり、主要製品として関節リウマチやクローン病治療薬「レミケード」、関節リウマチ治療薬「シンポニー」、2型糖尿病治療薬「テネリア」や「カナグル」、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ラジカット」、関節リウマチ治療薬「バリシチニブ」などが挙げられます。
これらの製品は、それぞれの疾患領域において高く評価され、多くの患者の治療に貢献しています。
研究開発の取り組みとして、田辺三菱製薬は「自己免疫疾患」「中枢神経系疾患」「糖尿病・腎疾患」「ワクチン」を重点領域に設定し、革新的な医薬品の創出に注力しています。
自己免疫疾患では、既存の生物学的製剤に加え、新しい作用機序を持つ低分子化合物の開発に取り組んでおり、中枢神経系疾患では、アルツハイマー病やALSといった難治性疾患に対する新薬開発を進めています。
糖尿病・腎疾患分野では、新規作用機序を持つ糖尿病治療薬や糖尿病性腎症の進行を抑制する薬剤の開発を進め、ワクチン開発にも力を入れ、感染症予防のための新規ワクチンの開発を推進しています。
田辺三菱製薬の研究開発の特徴には、オープンイノベーションの推進があります。
同社は、大学や研究機関、ベンチャー企業との連携を積極的に構築し、最新の科学的知見や技術を取り入れ、創薬プロセスを加速させています。
さらに、AIやビッグデータ解析を活用して創薬プロセスの効率化を図り、精密医療にも注力しています。
遺伝子解析技術を活用し、個々の患者に最適な治療法の提供を目指すことで、個別化医療の実現を目指しています。
また、グローバルな開発体制も強化しており、日本、米国、欧州の研究拠点を中心に、世界規模での臨床開発を進めています。
これらの取り組みを通じて、田辺三菱製薬は未だ満たされていない医療ニーズに応える革新的な医薬品の創出を目指しています。
同社は、患者のQOLの向上や医療経済性の改善に重点を置き、社会的価値の高い医薬品の開発に尽力しています。
田辺三菱製薬の世界市場での展開と成長
田辺三菱製薬は、日本国内での強固な事業基盤を活かしつつ、グローバル市場での成長を積極的に推進しています。
同社のグローバル戦略は、北米、欧州、アジアを重点地域として位置づけ、各地域の特性に合わせた戦略を展開していることが特徴です。
主要市場では自社販売体制を構築し、製品価値の最大化を図る一方、グローバル展開を加速するために各地域の有力企業とのパートナーシップを積極的に構築しています。
また、グローバル市場を見据えた新薬開発に注力し、競争力のある製品ポートフォリオを構築することにも取り組んでいます。
北米市場では、子会社のMitsubishi Tanabe Pharma Americaを通じて、ALSなどの難治性疾患領域で事業展開を強化しており、特にALS治療薬「ラジカット」の販売を通じて米国市場での存在感を高めています。
欧州市場においては、自己免疫疾患領域を中心に自社販売体制の構築を進め、欧州医薬品庁(EMA)との連携を強化して新薬承認の取得を加速しています。
アジア市場では、中国、韓国、台湾などの主要市場で自社製品の販売を拡大し、現地ニーズに応じた製品開発を推進するため、アジア地域の研究開発拠点も強化しています。
また、田辺三菱製薬はグローバル開発体制の強化にも力を入れており、日本、米国、欧州の研究開発拠点の連携を強化することで、効率的なグローバル開発を推進しています。
国際共同治験の実施を通じて開発スピードを向上させると同時に、成功確率の向上を図っています。
さらに、ライセンス活動にも積極的で、有望な開発品の導入や自社開発品の導出を通じて、グローバルでの製品価値最大化を目指しています。
田辺三菱製薬は、これらのグローバル戦略を通じて、世界市場での成長と競争力の強化を進めており、特にアンメットメディカルニーズが高い疾患領域での貢献に重点を置いています。
同社は、患者の生活の質を大きく改善する革新的な医薬品の提供を目指し、社会的な責任を果たしながら成長を続けています。
今後の課題としては、グローバル人材の育成や各地域の規制環境への適応、競合他社との差別化などが挙げられますが、田辺三菱製薬はこれらの課題にも長期的な視点で取り組んでいく方針です。
田辺三菱製薬の社会と環境への貢献
田辺三菱製薬は、企業の社会的責任(CSR)を重視し、持続可能な社会の実現に向けて様々な取り組みを行っています。
同社の持続可能性への取り組みは、医療アクセスの改善、環境保全、人材育成と多様性の推進、倫理的な事業運営、そして社会貢献活動の5つの主要な柱に基づいています。
まず、医療アクセスの改善において、田辺三菱製薬は希少疾患や難治性疾患に対する医薬品の開発・提供に力を入れており、途上国での医療アクセス改善プログラムや患者支援プログラムも展開しています。
これにより、医療が届きにくい地域や患者層に対して、必要な治療を提供することで、健康の不平等を解消する取り組みを行っています。
環境保全の取り組みでは、CO2排出量削減の目標設定や省エネルギー、再生可能エネルギーの導入を推進し、水資源の有効利用や廃棄物の削減、リサイクルの推進にも注力しています。
これらの活動により、環境への負荷を最小限に抑えつつ、持続可能な事業運営を目指しています。
また、田辺三菱製薬は人材育成と多様性の推進にも積極的に取り組んでおり、グローバル人材の育成やダイバーシティ&インクルージョンの推進、ワーク・ライフ・バランスの支援を行っています。
これにより、多様なバックグラウンドを持つ従業員が活躍できる環境を整え、企業の競争力を高めています。
倫理的な事業運営の面では、コンプライアンスの徹底や研究倫理の遵守、サプライチェーンにおける人権尊重を重視しています。
これにより、企業としての信頼性を確保し、持続可能な発展を支える基盤を築いています。
社会貢献活動としては、科学教育支援プログラムの実施や地域コミュニティとの協働、災害時の支援活動を通じて、社会に広く貢献しています。
田辺三菱製薬は、これらの活動を通じて、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に寄与しており、特に「すべての人に健康と福祉を」(目標3)の実現に向けた取り組みに注力しています。
同社の持続可能性への取り組みの特徴は、事業活動と社会貢献の融合にあります。
たとえば、希少疾患に対する医薬品開発は、事業戦略であると同時に社会貢献活動でもあり、環境保全への取り組みは社会的責任を果たすだけでなく、企業価値の向上にもつながると考えられています。
田辺三菱製薬は、これらの持続可能性への取り組みを通じて、「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献する」という企業理念の実現を目指しており、経済的価値と社会的価値の両立を図りながら持続可能な成長を目指しています。
よくあるご質問(FAQ)
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質問:三菱田辺製薬の年収は?回答:
上場廃止前までに公開されていた平均年収は850~900万円でした。
現在は公開されてていないので不明となります。
親会社である三菱ケミカルグループ株式会社の平均年収は1,045万円となっているので、現在も上場廃止前と似た金額ではないかと予想されます。 -
質問:田辺三菱製薬が上場廃止になるのはなぜですか?回答:
三菱ケミカルホールディングスの完全子会社になったことで上場廃止となっています。
具体的には株式売渡請求を承認したことで、東京証券取引市場第一部の上場廃止基準に該当することになりました。
その後、整理銘柄に指定されてそのまま上場廃止となりました。 -
質問:田辺三菱製薬は買収されるのか?回答:
2019年11月すでに三菱ケミカルホールディングスの完全子会社となっています。
三菱ケミカルグループ株式会社の完全子会社は「三菱ケミカル株式会社」「田辺三菱製薬株式会社」「日本酸素ホールディングス株式会社」の3社です。 -
質問:田辺製薬は上場していますか?回答:
現在、上場していません。
三菱ケミカルホールディングスの子会社となったことにより、2020年2月に東京証券取引市場第一部の上場廃止基準に該当することとなり、上場廃止されています。
上場していた期間は1949年~2020年の間でした。 -
質問:武田製薬は業界で何位ですか?回答:
2023年12月期決算における武田薬品工業の売上高は世界の製薬会社の中で「13番目」に高い金額である298.5億ドルとなっています。
また、研究開発費においては「14番目」に高い51.09億ドルと研究開発にも力を入れていることがわかります。 -
質問:田辺三菱製薬はいつ上場廃止になりますか?回答:
2024年6月現在では非上場企業であり、すでに上場廃止となっています。
三菱ケミカルホールディングスの完全子会社となった際に上場廃止基準に該当することとなりました。
1949年から続いていましたが、2020年2月27日に上場廃止となっています。 -
質問:田辺三菱製薬は完全子会社ですか?回答:
三菱ケミカルホールディングスの完全子会社です。
研究開発費の上昇や薬価引き下げなどの逆風で生き残るための手段として三菱ケミカルホールディングスとの連携強化、研究開発のデジタル化をテコ入れする必要があり完全子会社化となっています。 -
質問:田辺三菱製薬への出資比率は?回答:
三菱ケミカルホールディングスの完全子会社であることから、親会社である三菱ケミカルホールディングスからの出資比率が100%となっています。
他の企業や個人からの出資はありません。
完全子会社化となるまでは三菱ケミカルホールディングスの出資は56%強でした。 -
質問:田辺三菱の株主は誰ですか?回答:
田辺三菱製薬の株主は親会社である「三菱ケミカルホールディングス」のみです。
三菱ケミカルホールディングスが全株を保有しているため、他の株主はいません。
完全子会社化の結果として、株主構成が単一となっています。 -
質問:田辺三菱製薬の従業員数は?回答:
2022年度のデータを紹介します。
田辺三菱製薬単体の従業員数は3107人(男性:2354人、女性:753人)であり、平均年齢は46.3歳、平均勤続年数は20.4年となっています。
また新卒採用数は17人(男性:8人、女性:6人)でした。 -
質問:田辺三菱の年商はいくらですか?回答:
2022年度の医薬品事業の売上高は5,354億円(前年比38.8%増)でした。
ノバルティスとロイヤリティを締結している多発性硬化症治療薬での収益が大幅増収の要因となっています。
そのため2023年度の予想は3,885億円としています。 -
質問:製薬会社のランキングは?回答:
製薬会社の世界の売上高は1位から順にロシュ:672億ドル、メルク:601億ドル、ファイザー:585億ドル、J&J:547億ドル、アッヴィ:543億ドルとなっています。
日本国内での売上高ランキングは世界で13位の武田薬品工業:298億ドル(4兆2638億円)が国内で1位となっています。
その他の国内メーカーは大塚HD:2兆286億円、アステラス製薬:1兆6037億円、第一三共:1兆6027億円、中外製薬:1兆1114億円となっています。 -
質問:日本で1番儲かっている会社は?回答:
国内最大の売上高を誇るのは「武田薬品工業」です。
2023年12月期決算において4兆円を超える売上高でした。
世界においては13番目の売上高です。
「がん」「希少遺伝性・血液疾病」「神経精神疾患」「消化器系疾患」「ワクチン」といった領域の医薬品で患者に貢献しています。 -
質問:製薬会社に強い大学はどこですか?回答:
製薬会社の研究職以外であれば学部による縛りはありません。
しかし、研究職の場合は理系学部か理系の修士課程以上でないと応募資格を満たさないことが多いので注意が必要となります。MR職に関しては学部問わずに応募可能です。
実際に文系出身のMRも多く活躍しています。 -
質問:日本の5大製薬会社はどこですか?回答:
日本の5大製薬会社は武田薬品工業、大塚HD、アステラス製薬、第一三共、中外製薬の5社です。
売上高、研究開発費において日本の製薬業界をリードしています。
国内トップの武田薬品工業は世界では13位に位置しており、大塚HDが20位、アステラス製薬が23位、第一三共が24位といった状態になっています。 -
質問:製薬会社に入るには何学部?回答:
MRでは新卒採用の募集要項には理系文系の縛りは特にありません。
しかし、企業によっては理系が優遇される可能性があります。
しかし、文系出身では採用されないということではありません。
一方、研究職・技術職などに関しては応募資格が理系学部または理系の修士以上で絞られてしまう可能性があります。 -
質問:世界で一番大きい製薬会社は?回答:
世界最大の製薬メーカーはスイスのロシュです。
2023年12月期決算における売上高は672億7000万ドルで、日本国内1位である武田薬品工業(298.5億ドル)の倍以上の金額となっています。
新型コロナウイルス感染症治療薬の需要減があったものの、眼科用VEGF/Ang-2阻害薬や多発性硬化症治療薬といった新製品が好調であり、アメリカのメルクから首位を奪還しました。 -
質問:日本で1番大きい製薬会社は?回答:
武田薬品工業が国内最大の製薬メーカーです。
売上高もそうですが、研究開発費も国内最大の7,299億円です。
国内だけでなく世界の約180カ国で事業を展開しており、シャイアーの買収によりグローバル化が進みました。
また消化器系疾患、オンコロジー、ニューロサイエンス、ワクチンなど幅広い領域で強みを持ちリーダーシップを発揮しています。 -
質問:五大製薬会社とは?回答:
2024年現在の5大製薬会社は「武田薬品工業」「大塚HD」「アステラス製薬」「第一三共」「中外製薬」の5社です。
いずれのメーカ-も1兆円以上の売上高となっています。
6番目のエーザイ株式会社の売上高は7418億円と差が開いていることがわかります。 -
質問:中堅製薬会社一覧は?回答:
中堅製薬会社の明確な定義はありませんが、今回は5大製薬会社以外で売上高が2,000億円以上の製薬企業を紹介します。
順番に、エーザイ株式会社(7,417億円)、小野薬品工業(5,026億円)、協和キリン(4,422億円)、三菱ケミカルグループ(4,374億円)、塩野義製薬(4,350億円)、住友ファーマ(3,145億円)、参天製薬(3,019億円)、東和薬品(2279億円)、旭化成(2,084億円)、明治HD(2,061億円)の10社です。
この他に、売上高が1,000億円以上の製薬会社が7社あります。