UCBの製薬会社画像
  • 英語表記
    UCB
  • 設立年月日
    1928年
  • ベルギー

ベルギー発、グローバルバイオ製薬企業UCBの躍進

UCBは、1928年にベルギーの実業家エマニュエル・ジャンセンによって設立された製薬会社です。
当初は化学工業に重点を置いていましたが、1950年代に抗ヒスタミン薬ヒドロキシジン塩酸塩(Atarax)の開発を契機に、製薬部門を拡大しました。
UCBの転換点となったのは、1970年代に開発されたNootropilです。

この成功により、ブリュッセル郊外のBraine-l'Alleudに最新の研究所を建設し、革新的な医薬品開発の基盤を築きました。
その後、UCBはZyrtec(抗ヒスタミン薬セチリジン塩酸塩)、Keppra(抗てんかん薬レベチラセタム)、Xyzal(抗ヒスタミン薬レボセチリジン塩酸塩)など、数々のブロックバスター製品を生み出しています。
2004年には英国のCelltech社を買収し、バイオテクノロジー分野に本格参入しました。
この戦略的決断により、UCBは従来の化学合成医薬品だけでなく、バイオ医薬品の開発にも注力する総合的なバイオ製薬企業へと進化しました。

現在、UCBは神経学と免疫学の分野に特化し、重症化する可能性のある慢性疾患に苦しむ患者さんの生活の改善に焦点を当てています。
特に、てんかんや関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療薬開発に力を入れており、CimziaやVimpatなどの主力製品を展開しています。
UCBは「Patient Value Strategy」を掲げ、患者さんを中心に据えた価値創造を目指しています。
この戦略のもと、革新的な治療法の開発だけでなく、患者さんのニーズに合わせたサポートプログラムの提供にも注力しています。

UCBの革新的な製品ラインナップと研究開発への注力

UCBの特徴は、継続的な研究開発投資と革新的な製品開発です。
同社は年間売上高の約25%を研究開発に投資しており、この比率は業界トップクラスです。
UCBの研究開発は、神経学と免疫学の2つの主要領域に焦点を当てています。
神経学領域では、てんかん治療薬のKeppraが長年にわたりUCBの主力製品となっています。

Keppraは、てんかん発作の抑制に高い効果を示し、世界中の患者さんに使用されています。
さらに、UCBは次世代のてんかん治療薬としてVimpatを開発し、Keppraに続く主力製品として成長させています。
Vimpatは、従来の抗てんかん薬とは異なる作用機序を持ち、難治性てんかんの患者さんにも新たな治療選択肢を提供しています。

免疫学領域では、Cimziaが関節リウマチやクローン病などの自己免疫疾患の治療に使用されています。
Cimziaは、TNF-α阻害薬として高い効果を示すだけでなく、妊娠中の患者さんにも使用可能という特徴を持っています。
これは、UCBが患者さんのライフステージに合わせた治療オプションの提供を重視していることの表れです。
UCBは、これらの主力製品に加えて、パイプラインの充実にも注力しています。

例えば、乾癬や乾癬性関節炎の治療薬として期待されるbimekizumabや、重症筋無力症の治療薬候補であるrozanolixizumabなど、次世代の革新的な医薬品の開発を進めています。
これらの新薬候補は、既存の治療法では十分な効果が得られない患者さんに新たな希望をもたらす可能性があります。

UCBのグローバル展開と患者中心のアプローチ

UCBのグローバル展開は、同社の成長戦略の中核を成しています。
UCBは現在、約40カ国に拠点を持ち、100カ国以上で製品を販売しています。
特に、アメリカ、ヨーロッパ、日本を重要市場と位置づけ、これらの地域での事業拡大に注力しています。
例えば、アメリカ市場では、てんかん治療薬VimpatとBriviactが順調に売上を伸ばしており、UCBの成長を牽引しています。

ヨーロッパでは、本拠地であるベルギーを中心に強固な事業基盤を築いており、Cimziaなどの免疫学領域の製品が好調です。
日本市場では、大塚製薬との提携を通じてE KeppraやCimziaの販売を行っており、着実に市場シェアを拡大しています。

UCBのグローバル戦略の特徴は、「Patient Value Strategy」に基づく患者中心のアプローチです。
この戦略のもと、UCBは単に医薬品を提供するだけでなく、患者さんの生活全体を改善することを目指しています。
例えば、てんかん患者さん向けのモバイルアプリ「MyEpilepsyDiary」を開発し、発作の記録や薬の服用管理をサポートしています。

また、関節リウマチ患者さん向けには、「CIMplicity」というプログラムを通じて、治療のサポートだけでなく、生活習慣の改善や心理的なサポートも提供しています。
これらの取り組みは、UCBが患者さんのニーズを深く理解し、包括的なソリューションを提供することで、競合他社との差別化を図っていることを示しています。

UCBの持続可能な成長と社会的責任への取り組み

UCBは、持続可能な成長と社会的責任を重視しています。
同社は、「Creating value for patients now and into the future」というビジョンのもと、経済的な成功と社会的な貢献の両立を目指しています。

環境面では、UCBは2030年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げています。
この目標達成に向けて、再生可能エネルギーの導入、エネルギー効率の改善、廃棄物削減などの取り組みを進めています。
例えば、ベルギーの主要施設では既に100%再生可能エネルギーを使用しており、他の拠点でも順次導入を進めています。

社会貢献活動としては、UCBは「UCB Societal Responsibility Fund」を通じて、世界中の脆弱なコミュニティにおける医療アクセスの改善に取り組んでいます。
特に、てんかんや関節リウマチなど、UCBが専門とする疾患領域での支援に力を入れています。
例えば、アフリカでのてんかん啓発プログラムや、インドでの関節リウマチ患者支援プロジェクトなどを展開しています。

また、UCBは従業員の多様性と包括性を重視しており、ジェンダーバランスの改善や、異なる文化的背景を持つ従業員の活躍推進に取り組んでいます。
これらの取り組みにより、UCBは持続可能な成長を実現しながら、社会的な価値の創出にも貢献しています。

さらに、UCBは新型コロナウイルスパンデミックへの対応として、自社の研究開発能力を活用した取り組みも行っています。
例えば、抗体治療薬の開発や、既存薬の COVID-19 治療への応用研究など、パンデミック対策にも積極的に貢献しています。
これらの活動は、UCBが社会的責任を果たすグローバル企業としての役割を認識し、積極的に行動していることを示しています

UCBの商品

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有効成分
セチリジン塩酸塩

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    UCBの略称な何ですか?
    回答:

    UCBとは「Union Chimique Belge」の略称で、フランス語で「ベルギー科学連合」を意味します。
    この名前は、UCBの創業者であるエマニュエル・ヤンセンによってつけられました。
    ベルギー人であったヤンセンは、ベルギー国内で医薬品の研究開発をする企業を立ち上げたいと考えていました。
    そのため、自国の科学技術を連想させる様な「ベルギー科学連合」という名前を選んだのです。

  • 質問:
    UCBはどんな会社ですか?
    回答:

    UCBは1928年にベルギーで創業したグローバル企業で、バイオ製薬の研究開発を行なっています。
    同社は、重症な神経筋疾患や自己免疫疾患に苦しむ患者さんの生活の質を改善することを目指し、約9,000人の従業員が世界40カ国以上で活動しています。
    代表的な製品に抗てんかん薬であるイーケプラや、自己免疫疾患に対するTNFα阻害薬であるシムジアがあります。

  • 質問:
    UCBジャパンの年収は?
    回答:

    エン・ジャパンのアンケート調査によると、UCBジャパンの平均年収は905万円でした。
    この調査では、ユーシービージャパンに勤める42人の正社員を対象に行われたものです。
    その結果、平均年収は905万円、年収範囲は450万円から1,700万円でした。
    職種別の平均年収は、営業・MRが808万円、企画経営などが1,208万円、研究開発系が879万円と、職種によって年収に差がありました。

  • 質問:
    UCB Japanの従業員数は?
    回答:

    UCB Japanの従業員数は、569名です。(2024年2月28日時点)
    UCB Japanはベルギーに本社を置く製薬会社UCBの日本法人です。
    UCBは中枢神経疾患、免疫疾患などに関する研究と医薬品の開発・製造・販売を行なっているグローバルな製薬会社です。

  • 質問:
    ユーシービージャパンの親会社は?
    回答:

    ユーシービージャパンの親会社は、ベルギーの首都ブリュッセルに本社をおくUCBです。
    ユーシービージャパンは1988年に設立されました。
    日本国内では、てんかんなどの神経筋疾患や、重症筋無力症などの自己免疫疾患の患者さんへの治療薬の販売を行なっています。
    代表的な製品に抗てんかん薬のイーケプラや、自己免疫疾患に対するTNFα阻害薬のシムジアがあります。

  • 質問:
    UCB日本の社長は誰ですか?
    回答:

    ユーシービージャパン株式会社の代表取締役社長は菊池 加奈子氏です。
    菊池氏は、1962年に北海道森町に生まれました。
    1985年 に北海道大学の薬学部を卒業し、アメリカに語学留学を行き、帰国後、30歳直前にマリオン・メレル・ダウ社の札幌支店に入社しました。
    以後ボシュロム・ジャパン、ボシュ&ロム・インコーポレーテッド、ノバルティスファーマ、グラクソ・スミスクラインを経て2018年5月にUCBジャパンの代表取締役に就任されました。
    「与えられた環境でベストを尽くす」ということをモットーに活躍しています。

  • 質問:
    ユーシービーは買収されましたか?
    回答:

    UCBは買収されたことはありませんが、競合会社を積極的に買収してきた歴史があります。
    2004年には、バイオ医薬品部門の強化のために、イギリスのバイオテクノロジー企業であるセルテック社を買収しました。
    また、2007年にはドイツの製薬メーカーであるシュワルツ・ファーマを買収し、パーキンソン病とてんかんに対する治療薬を手に入れました。
    2022年にはZogenix社も買収しました。
    Zogenix社は、ドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群など薬でコントロールするのが難しいてんかんに対する薬剤を開発していました。
    UCBがZogenic社を買収したことで、てんかん治療薬を提供するリーダーとして地位を強固なものとしました。

  • 質問:
    UCBジャパンは上場していますか?
    回答:

    ユーシービージャパン株式会社は未上場企業です。ベルギーの首都ブリュッセルに本社を構えるUCBの日本法人です。
    ユーシービージャパンは1988年に設立され、東京都新宿区に本社を構えています。
    主な事業は、神経筋疾患や自己免疫性疾患に対する治療薬の販売です。
    代表的な製品には、抗てんかん薬のイーケプラや、自己免疫疾患に対するTNFα阻害薬のシムジアがあります。

  • 質問:
    菊池加奈子の経歴は?
    回答:

    菊池加奈子氏は、ユーシービージャパン株式会社の代表取締役社長です。
    1962年に北海道森町で生まれ、1985年に北海道大学薬学部を卒業後、マリオン・メレル・ダウ社に入社。
    その後、ボシュロム・ジャパンやノバルティスファーマを経て、2013年にグラクソ・スミスクラインに入社し、2017年に同社の代表取締役社長に就任。
    2018年にはユーシービージャパンに移り、代表取締役社長に就任しました。
    外資系製薬企業では珍しい女性社長として活躍しています。

  • 質問:
    UCB Japanの売上高は?
    回答:

    UCBの2023年の決算によると、UCB Japanの売上は2億6900万ユーロで、全体の5.5%を占めています。
    これを2024年2月28日の為替レートで換算すると、約439億円になります。
    最も売上が高い地域は米国で、全体の50.4%に当たる24億5400万ユーロでした。
    次にヨーロッパが全体の28.7%、13億9700万ユーロの売上を記録しています。
    つまり、UCBの売上の約80%は米国とヨーロッパからのもので、グローバルに展開しています。

  • 質問:
    UCBはどこの国に本社がありますか?
    回答:

    UCBの本社はベルギーのブリュッセルに本社があります。
    UCBはベルギーの製薬企業で1928年に設立され、世界40ヵ国以上に拠点を持っています。
    UCBの日本法人であるユーシービージャパンの本社は、東京都新宿区にあります。

  • 質問:
    UCBのランキングは?
    回答:

    世界の製薬会社を時価総額でランキングをつけると、UCBは160億米ドルで世界第48位でした(2023年10月16日時点)。
    当時の時価総額が一番高い製薬会社は、イーライ・リリーで5,783億米ドルでした。
    日本の中で時価総額が一番高かった会社は、第一三共株式会社で、517億米ドルで21位でした。

  • 質問:
    UCBの業績は?
    回答:

    UCBの2023年の収益は52億5,200万ユーロで、二期連続で減少しました。
    減収の原因は、主力商品の特許が切れたことです。
    具体的には、米国とヨーロッパでのVIMPAT(R)、および日本でのイーケプラ(R)の特許が失効しました。
    特にVIMPAT(R)は、2022年に比べて売上が65%減少しました。

  • 質問:
    ユーシービージャパンの業種は?
    回答:

    ユーシービージャパンは、ベルギーに本社を置く製薬企業UCBの日本法人です。
    主に中枢神経系と免疫系の疾患に焦点を当てた製品を開発、販売しています。
    この会社は特に、てんかん、関節リウマチなどの病気の治療薬を扱っていることで知られています。
    医薬品の研究開発にも力を入れており、患者さんの生活の質を向上することを目指しています。

  • 質問:
    ブリバラセタムの申請は?
    回答:

    ユーシービージャパンは、2023年7月28日に、新しいの抗てんかん薬であるブリバラセタムを国内での製造販売を厚生労働省に申請しました。
    ブリバラセタムは、BRIVIACT(R)という名前で2016年に米国で認可された薬です。
    動物実験ではレビチラセタム(商品名イーケプラ(R))よりも強いてんかん発作抑制作用を示しました。

  • 質問:
    UCBの主力製品は何ですか?
    回答:

    ユーシービージャパンが販売している主力商品は、抗てんかん薬としてイーケプラ(R)、ビムパット(R)があります。
    他にも関節リウマチなどに使用する生物学的製剤であるTNFα阻害薬のシムジア(R) 、抗IL-17A/IL-17F抗体であるビンゼレックス(R)があります。
    UCBグループ全体で見ると、2023年に一番売上が多かったのはCIMZIA(R)、次がKEPPRA(R)でした。

  • 質問:
    UCBの強味は何ですか?
    回答:

    ユーシービージャパンの強みは、UCBグループの日本法人として、中枢神経系と免疫疾患系に特化していることです。
    この2つの分野で日本のリーダーとしての地位を確立しています。2023年7月28日には海外ですでに承認されているブリバラセタムという薬剤について、日本でも製造・販売する申請を厚生労働省に提出し、まもなく承認される見通しです。
    また、UCBのグローバルネットワークを活用することで、薬の研究や開発の成果を日本の患者さんに迅速に提供できることも強みです。

  • 質問:
    リスティーゴはいつ発売されましたか?
    回答:

    日本国内では、2023年11月28日に、全身型重症筋無力症に対する初の皮下注製剤であるリスティーゴ(R)が発売開始となりました。
    用法・用量は、体重に応じて280mg~840mgのリスティーゴ(R)を、週1回、6週間連続で皮下に注射します。
    その後は、この治療サイクルを繰り返します。
    リスティーゴ(R)は抗FcRnモノクローナル抗体製剤です。
    「FcRn」とは「胎児性Fc受容体」のことであり、通常はIgGが分解されるのを抑える役割を担っています。
    重症筋無力症ではこのIgGが問題を引き起こしています。
    リスティーゴ(R)が胎児性Fc受容体を阻害することで、IgGの分解が促進され、血中IgG濃度が低下し、重症筋無力症の症状を和らげるのです。

  • 質問:
    イーケプラはどの製薬会社が販売していますか?
    回答:

    イーケプラ(R)は抗てんかん薬で、現在はユーシービージャパンが販売しています。
    イーケプラ(R)はKeppra(R)として海外で販売されている薬です。
    2008年6月にユーシービージャパンと大塚製薬が日本国内で共同で開発・販売をする契約を結び、2010年9月から日本で販売を開始しました。
    2020年9月に契約が終了となり、以後はユーシービージャパンが単独で販売しています。

  • 質問:
    どらべ症候群の治療法は?
    回答:

    ドラベ症候群は、乳児重症ミオクロニーてんかん(SMEI)とも呼ばれ、乳幼児期に発症する難治性のてんかんです。
    2万~4万人に1人発症するといわれています。
    1歳までに最初の発作が起こることが多く、その後は発作を繰り返したり、重積(てんかん発作が5分以上続くこと)したりします。
    ナトリウムチャンネルの遺伝子(SCN1A)の異常が原因と考えられています。
    治療法としては、複数の抗てんかん薬を併用したり、ケトン食療法で対応します。