薬の供給不足は、複数の要因が重なって深刻化しています。
まず、国が医療費削減のため後発医薬品の使用を推進したことで、後発品の需要が急増しました。
しかし、一部メーカーの製造不正により供給がストップし、薬不足に拍車をかけました。
さらに、新型コロナやインフルエンザの流行で特定の薬の需要が増加したことも、供給不足を悪化させました。
国の医療費削減策により、多くの後発品メーカーは十分な製造体制を確保できず、需要に対応しきれない状況が続いています。
これらの要因が複合的に作用し、現在の深刻な薬不足を引き起こしていると考えられます。

薬の供給不足は、いくつかの要因が重なって発生しています。
まず、2023年3月時点で後発医薬品の使用率が8割を超え、国が後発品の普及を進めています。
病院や薬局で後発品を処方すると診療報酬が加算されるなどの取り組みも行われています。
しかし、一部の後発品メーカーで製造不正が発覚し、業務や出荷が停止される事態が続きました。
このため、後発品の供給が大幅に減少しました。
さらに、新型コロナウイルスやインフルエンザの流行により、一部の薬の需要が急増し、供給不足がさらに深刻化しています。
これらの要因が組み合わさって、現在も薬の供給不足が続いています。

処方箋が必要な理由は、適切な治療を行い、薬の副作用を防ぐためです。
薬は病気を治す効果がありますが、同時に副作用もあります。
もし患者が自己判断で薬の種類や量を決めてしまうと、効果が不十分だったり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、医師は診察を通じて患者の状態を確認し、最適な薬の種類と量を決めます。
そして、処方箋に基づいて薬剤師が薬を調剤し、服薬の指導を行います。
これにより、患者は副作用を最小限に抑えながら、効果的な治療を受けることができます。

残薬は飲み忘れなどで余ってしまった薬のことで、社会的な問題になっています。
残薬には次の様な問題があります：
・医療費の増加： 残薬が多くなると、医療保険や国の財政に負担がかかります。また、追加で薬が処方されることで、患者の治療費も増えてしまいます。
・患者の治療効果の低下： 薬の残量が多いと、治療が長引いたり、症状が悪化する可能性があります。
これらの問題に対処するため、国や自治体は残薬を減らすための対策を講じています。たとえば、医師や薬剤師による適切な服薬指導や、残薬を回収するボックスの設置などがあります。
患者一人一人ができることもあります。指示通りに薬を服用し、余った薬がある場合は、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

残薬は医師に伝えるべきです。
残薬があるということは、以下の理由が考えられます。
・飲み忘れがある
・薬の効果が十分でない
・副作用が出ている
医師に残薬の状況を伝えることで、以下の様な対応が可能です。
・薬の量や種類を変更する
・服用方法を指導し直す
・副作用の有無を確認する
・症状の悪化の確認をする
自己判断で薬の服用を中止したり、量を変更したりするのは危険です。
残薬がある場合は、必ず医師に相談しましょう。

薬剤師が薬について患者に質問するのは、安全で適切な治療を提供するためです。
処方箋には、薬を処方する理由が書かれていないことが多いので、薬剤師は患者の症状を聞くことで、処方ミスを防いでいます。
また、世の中には似た名前の薬が多く、飲み合わせによって薬の効果が弱くなったり、副作用が出たりすることがあります。
そのため、薬剤師は処方された薬だけでなく、健康食品やサプリメントの使用についても確認しています。
このようにして、薬剤師は患者が安全に治療を受けられるよう、必要な情報を集めて適切な対応を行っています。

薬局で残った薬はもらえません。
前提として、薬局はボランティアではないため、例え残った薬であっても無償でもらうことは難しいです。
また、残った薬というのは、使用期限の切れた薬などが挙げられますが、その様な薬は品質が変化している可能性があります。
服用によって、有効性が発揮されないだけでなく、副作用のリスクが懸念されます。
さらに、医療用医薬品の場合は、原則として医師の診断と処方箋が必要です。
薬が欲しい場合は、病院を受診するか、自身の体調に合った薬を薬局で購入しましょう。

病院でもらった薬は、多くの薬局で一包化できます。
ただし、以下の場合は一包化できないことがあります。
・薬の服用時間が異なる
・薬の形状が異なる
・薬の管理方法が異なる
薬を一包化するには様々な条件があり、医師の指示も必要です。
一包化を希望する場合は、医師または薬剤師に相談してみましょう。

薬が余った場合は、病院か薬局に相談しましょう。
次回の診察で、余った薬の数を調整してもらえ、無駄な出費を減らせます。
また、余る原因を相談し、より適切な薬の提案をしてもらえることもあります。
1日3回飲まなければならず、外出先で薬を服用するのが難しい場合、1日1回の服用で済む様な別の薬を提案してもらえます。
病院や薬局によっては、薬の回収ボックスを設置しています。
薬が余った時は、まず病院や薬局に相談しましょう。

薬の説明書は捨てずに保存しておくことをおすすめします。
薬の説明書には服用方法や保管方法などの注意点が書かれているからです。
例えば、シロップ剤は冷蔵庫での保管が一般的であり、正しく保管しなかった場合、有効性が低下したり、副作用が現れたりする可能性が考えられます。
気になった際にいつでも見返せるよう、薬の説明書は大事に保管しておきましょう。
どうしても捨てたい場合は、検索や相談ができるよう、薬の名前をメモしておくことをおすすめします。

置き薬は、使っていなくても問題ありません。
置き薬のシステムでは、実際に使用した分だけ料金を支払います。
定期的に業者が自宅を訪問し、使った薬を補充したり、使用期限が切れた薬を交換したりします。
使用期限が切れた薬は自己判断で捨てず、業者に回収してもらうことが重要です。
勝手に処分すると、その分の代金を請求されることがあります。
置き薬を使わない場合は料金は発生せず、使用期限が過ぎた薬も業者が交換してくれます。
自分の体調に合わせて、必要な分だけを使うようにしましょう。

薬の有効期限は、薬の種類や保管状態によって異なります。
市販薬の場合、外箱や容器に使用期限が記載されています。
ただし、これらは適切に保管した場合の使用期限であり、開封後などは短期間で使い切る必要があります。
また、処方薬は医師が指示した期間内に服用することが原則です。
医師は、患者の状態に合わせて薬を処方しているため、処方薬は指導された通りの頻度と期間で飲み切りましょう。
薬は正しく保管し、適切な飲み方をすることで有効性を発揮します。
薬の効果を最大限に得るためにも、医師の指示や薬の説明書に従って薬を使用することをおすすめします。

病院でもらった薬は、医師が指示した服用期間内に飲み切ることが原則です。
外箱や薬本体に使用期限が記載されている場合もありますが、それらは製造からの期限であり、処方されてからの使用期限ではありません。
薬が処方された時点で、製造からある程度の期間が経過している場合があります。
また、保管状態によっては、指示された服用期間よりも早く品質が劣化することもあります。
薬は医師や薬剤師に指示された通りに保管し、服用期間内に飲み切りましょう。
万が一、薬を指示された期間内に飲み切れなかった場合は、自己判断で服用せず、医師や薬剤師に相談しましょう。

薬を冷蔵庫に保管して良いかどうかは、薬の種類によって異なります。
錠剤やカプセル剤など多くの薬は、基本的に室温保存が推奨されています。
冷蔵庫に入れると、温度変化や結露による湿気で品質が変化してしまう可能性があります。
シロップ剤、液剤、坐薬、インスリン製剤など、一部の薬は「冷所保存」と記載されており、冷蔵庫での保管が必要です。
ただし、冷蔵庫に入れる際は、送風口の近くなどに置いて凍結しないよう注意しましょう。
薬の保管方法については、薬剤師や医師に確認するか、薬の説明書を確認するようにしましょう。

2022年9月30日より、薬局以外でオンライン服薬指導ができるようになりました。
ただし、以下の条件を満たす必要があります。
・患者の求めがあり、または患者の異議がない
・指導を担当する薬剤師は、調剤担当の薬剤師と連絡が取れる
・患者のプライバシーが確保されている
2022年9月30日までは、オンライン服薬指導を行う場合、薬局以外での指導は認められていませんでした。
薬局以外でのオンライン服薬指導が解禁されたことにより、担当薬剤師が薬局に不在でも指導を受けられるため、患者の利便性向上が期待できます。

2023年8月より、電話と映像によるオンライン服薬指導が受けられるようになりました。
オンライン服薬指導は薬局により流れや対応方法が異なるため、オンライン服薬指導を希望される場合は、事前にかかりつけの薬局に対応可能か確認することをおすすめします。

医師の処方箋がなくても買える薬は、一般的に「市販薬」または「OTC医薬品」と呼ばれ、薬局やドラッグストアなどで手軽に購入できます。
一方、病院で処方される薬は「医療用医薬品」と呼ばれ、処方箋が必要です。
しかし、一部の医療用医薬品は「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」として、処方箋なしでも購入できます。
これらの薬は、零売薬局と呼ばれる特定の薬局で取り扱っています。
このように、一部の医療用医薬品と市販薬は、処方箋不要で購入できます。

2024年6月現在、電話のみでのオンライン服薬指導は禁止されています。
音声と映像によるオンライン服薬指導が必須です。
2023年7月末までは、新型コロナウイルス感染症の臨時的な措置として、電話のみでのオンライン服薬指導が可能でしたが、2023年8月以降は臨時的措置が終了し、法律に基づき音声と映像によるオンライン服薬指導が必須となりました。

オンライン服薬指導を受けた後、薬を受け取る方法は主に2つあります。
まず、薬局に直接行って薬を受け取る方法があります。
これは、オンライン服薬指導を受けた薬局に自分で出向き、その場で薬を受け取る方法です。
即日で薬を受け取ることができるので、すぐに必要な場合には便利です。
次に、自宅に薬を配送してもらう方法があります。
この方法では、薬局が自宅まで薬を届けてくれます。
ただし、自宅配送を提供している薬局と提供していない薬局があるため、配送サービスの有無や条件（送料や配送日数など）は薬局によって異なります。
自宅配送を希望する場合は、事前に薬局に連絡して、配送サービスの有無や詳細を確認しておくことが大切です。
どちらの方法を選ぶかは、オンライン服薬指導の際に薬剤師に相談して、自分のライフスタイルやニーズに最適な方法を選びましょう。

オンライン服薬指導を受けている人の割合は、2022年3月時点で全体の16.3%です。
年代別では次のようになっています。
・20代： 19.0%
・30代： 25.5%
・40代： 17.0%
・50代： 11.0%
・60代以上： 9.0%
なお、2023年7月末までは、新型コロナウイルス感染症に対応するため、電話だけでのオンライン服薬指導が認められていました。
しかし、2023年8月からはこの特例が終了し、法律に基づいて音声と映像を使ったオンライン服薬指導が必須となりました。
そのため、現在のオンライン服薬指導の利用割合は、当時のデータとは異なる可能性があります。