テストステロンの成分画像
  • カナ
    テストステロン
  • 英語名
    Testosterone
  • 化学式
    C19H28O2
  • 分子量
    288.42 g/mol

男性の健康を支えるテストステロンの役割

テストステロンは精巣で作られる男性ホルモンの一種です。
女性の体内でも少量産生されますが、男性の体内では10倍以上の量が存在しています。
このホルモンは、男性の身体的特徴や性機能だけでなく、全身の健康維持に広く関わっています。

  • 筋肉量の維持と増加
    テストステロンは筋肉の成長と修復を促します。
    適度な運動と組み合わせることで、筋力や筋肉量の増加につながります。

  • 骨密度の維持
    骨の強度を保つ上で重要な役割を果たします。
    テストステロン不足は骨粗しょう症のリスクを高める可能性があります。

  • 体脂肪の分布
    テストステロンは体脂肪の分布に影響し、腹部周りの脂肪蓄積を抑える効果が期待できます。

  • 赤血球の生成
    赤血球の産生を促進し、体内の酸素運搬能力を高めます。

  • 性欲と性機能
    性欲の維持や勃起機能に関与します。
    テストステロン不足は性機能障害の一因となることがあります。

  • 精子の生成
    精子の形成と成熟に不可欠です。

  • 気分や認知機能
    脳の機能にも影響を与え、気分の安定や認知機能の維持に関与します。

  • 体毛の成長
    男性型の体毛パターンの形成に関与します。

テストステロンレベルの変化と影響

テストステロンレベルは年齢とともに自然に低下します。
30歳を過ぎると、年に約1%ずつ減少するとされています。
しかし、個人差が大きく、生活習慣によっても変動します。

テストステロンが低下すると、以下のような症状が現れることがあります。

  • 疲労感や意欲の低下
  • 筋力の低下
  • 体脂肪の増加(特に腹部)
  • 性欲の減退
  • 勃起機能の低下
  • 抑うつ気分
  • 集中力の低下
  • 骨密度の減少

一方、テストステロンが過剰になると、以下のような問題が起こる可能性があります。

  • にきびの増加
  • 攻撃性の増加
  • 睡眠時無呼吸症候群のリスク上昇
  • 前立腺肥大のリスク増加

テストステロンレベルの維持と向上

テストステロンレベルを健康的に維持するためには、以下のような生活習慣の改善が有効です。

  • 適度な運動
    特に、ウェイトトレーニングなどの筋力トレーニングがテストステロン分泌を促進します。

  • 十分な睡眠
    質の良い睡眠は、ホルモンバランスの維持に重要です。

  • ストレス管理
    慢性的なストレスは、テストステロン分泌を抑制する可能性があります。

  • バランスの取れた食事
    タンパク質、健康的な脂肪、複合炭水化物をバランス良く摂取することが大切です。

  • 適正体重の維持
    肥満はテストステロンレベルの低下につながる可能性があります。

  • アルコールと喫煙の制限
    過度の飲酒や喫煙は、テストステロン分泌に悪影響を与える可能性があります。

  • ビタミンDの摂取
    ビタミンDは、テストステロン産生に関与していると考えられています。

  • 亜鉛の摂取
    亜鉛は、テストステロン産生に必要な栄養素の一つです。

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    テストステロンはどのようなホルモンですか?
    回答:

    テストステロンは男性ホルモンのことを指し、筋肉量を増やしたり造血作用があります。
    また、男性としての性機能の維持、集中力、内臓脂肪やメタボリック症候群、骨密度にも関与します。
    テストステロンの約95%が精巣で、5%が副腎で合成・分泌されています。
    テストステロンは加齢によって低下し、20代をピークに減少していきます。そのため、食生活や生活習慣を整えることでテストステロンの低下を防ぐことができます。

  • 質問:
    テストステロンの主な作用は何ですか?
    回答:

    テストステロンの主な作用として、筋肉量の増加促進や造血作用があります。
    また、性衝動を引き起こす働きもあり、ドパミンという興奮作用のある物質を分泌します。
    近年では、性格や思考、社会性にも多大な影響を与えることが研究でわかってきています。
    リスクを恐れず、決断力があるなど、いわゆる「男らしい行動」を引き起こす源がテストステロンであることが示されています。
    テストステロンの低下は採血で判断できるので、気になる方は医療機関を受診しましょう。

  • 質問:
    テストステロンが不足すると、どのような症状が現れますか?
    回答:

    テストステロンが不足すると、筋肉量が減少し、基礎代謝が低下します。
    基礎代謝が低下することで、肥満や糖尿病、循環器系疾患、動脈硬化のリスクが増加する可能性が高まります。
    また、体調不良や筋力の低下、肥満、血糖値やコレステロール値の上昇、性欲減退、活気の低下、だるさなどの自覚症状がある場合、テストステロン不足の可能性があります。
    採血によってテストステロン値を測定できるので、該当する症状がある方は医療機関での診察を検討しましょう。

  • 質問:
    テストステロンが過剰だと、どのような影響がありますか?
    回答:

    テストステロンが過剰だと、精子の生成が抑制され、不妊の原因となることがあります。
    他にも、睡眠障害や頭痛、高血圧、前立腺肥大、攻撃的な行動、心臓病のリスク増加などの可能性があります。
    ただし、体内で過剰なテストステロンが生成されることはほとんどありません。
    過剰となる場合は、前立腺や睾丸の腫瘍や、筋肉増強剤として使用されるタンパク同化ステロイドを過剰に摂取した場合に引き起こされます。

  • 質問:
    テストステロンはなぜ男性ホルモンと呼ばれているのですか?
    回答:

    テストステロンは主に精巣で作られており、これによって男性生殖器、体毛、たくましい体格、太い声帯など、いわゆる「男性らしい」身体の特徴が生じます。
    そのため、テストステロンは「男性ホルモン」と呼ばれています。
    男性のテストステロン分泌は20代がピークであり、それ以降は徐々に減少していきます。
    テストステロンが減少することにより、肥満や糖尿病、循環器系疾患、動脈硬化のリスクが高まる可能性があります。

  • 質問:
    テストステロンの分泌は年齢によってどのように変化しますか?
    回答:

    テストステロンの分泌は加齢によって徐々に減少していきます。
    テストステロンが最も分泌されるのは20代であり、それ以降は減少の一途を辿ります。
    しかし、食生活や生活リズムを整え、ストレスを溜めないようにすることで、テストステロンの減少を抑えることができます。
    テストステロンが減少すると、体調不良や筋力の低下、肥満、血糖値やコレステロール値の上昇、性欲減退、活気の低下、だるさなどの症状が現れるため、テストステロン値が気になる方は医療機関の受診を検討しましょう。

  • 質問:
    テストステロンは女性にとってどのような役割がありますか?
    回答:

    テストステロンは女性にとっても、筋肉や骨を維持する効果が期待できます。
    女性は閉経後、エストロゲンの減少によって骨粗しょう症のリスクが高まるため、テストステロンがそのリスクを軽減する可能性があります。
    また、認知力の低下を防ぐ効果も期待されており、女性は男性に比べてアルツハイマー型認知症になる傾向が高いため、テストステロンを高めることで発症リスクを軽減できる可能性があります。

  • 質問:
    テストステロンと筋肉の関係はありますか?
    回答:

    テストステロンと筋肉の関係について、テストステロンは細胞核から筋肉を太くする様々な信号を送り、筋繊維を太くします。
    男性の血中テストステロン濃度は350~1000ng/dLが正常とされており、運動しても筋肥大が得られにくい場合、テストステロンが不足している可能性があります。
    テストステロン値は採血によって簡単に把握できるため、気になる方は医療機関の受診を検討しましょう。

  • 質問:
    テストステロンと性欲の関係はどうなっていますか?
    回答:

    テストステロンは生殖機能に関与しており、精子の生成や性欲のコントロールを行っています。
    テストステロンは20代をピークに減少していくため、年齢を重ねるにつれて性欲が低下する可能性があります。
    テストステロンを増やす方法として、筋力トレーニングや亜鉛、たんぱく質、ビタミンを多く含む食品を摂取すること、睡眠時間をしっかり確保しストレスを溜めないことなど、日常生活での工夫が有効です。
    改善しない場合は、ホルモン補充療法を行うことも一つの手段として考えられます。

  • 質問:
    テストステロンと抜け毛の関係はありますか?
    回答:

    テストステロンと抜け毛の関係には大きな関連があります。
    テストステロン自体が薄毛やハゲの原因ではありませんが、テストステロンが還元酵素5αリダクターゼと結びつくことで、ジヒドロテストステロンに変換されます。
    ジヒドロテストステロンは頭皮のアンドロゲンレセプターという受容体と結合し、髪の毛の成長期を短くします。
    成長期が短い髪の毛は細く耐久性も乏しいため、薄毛やハゲといった変化を引き起こします。

  • 質問:
    テストステロン値を高める方法はありますか?
    回答:

    テストステロン値を高める方法として、まず筋力トレーニングが効果的です。
    筋肉に刺激を与えることでテストステロンの分泌が促進され、基礎体力の向上やモチベーションアップにも繋がります。
    次に、動物性たんぱく質や亜鉛を多く含む食事を摂取することがテストステロン値の上昇に効果的であるという報告があります。
    最後に、睡眠時間をしっかり確保し、ストレスを溜めないよう日常生活での工夫を心がけることが重要です。

  • 質問:
    テストステロン値を低下させる要因にはどのようなものがありますか?
    回答:

    テストステロン値を低下させる要因として、まず加齢が挙げられます。
    テストステロンは20代をピークに徐々に減少していきます。
    また、環境の変化や人間関係などによるストレスもテストステロンの減少原因と考えられています。
    ストレスがかかると抗ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、過剰に分泌されることで副腎が疲弊します。
    副腎はテストステロンの分泌にも関与しているため、その機能低下によりテストステロン値が低下すると考えられます。

  • 質問:
    テストステロン補充療法には副作用はありますか?
    回答:

    テストステロン補充療法の副作用には、肝機能障害、男性不妊、精巣機能低下、多血症、善玉コレステロールの減少、ニキビができやすくなる、体毛増加、性欲低下、乳房の膨らみなどがあります。
    テストステロン補充療法は比較的安全な治療法ですが、投与量が多くなると副作用が生じやすくなります。
    そのため、治療中は定期的に血中濃度を測定することで副作用の発現を抑えることができます。
    万が一副作用が出た場合は、治療中の医療機関に相談しましょう。

  • 質問:
    テストステロン補充療法とはどのようなものですか?
    回答:

    テストステロン補充療法とは、テストステロンの低下による男性更年期障害(性欲減退、集中力欠如、活気の低下、倦怠感、肥満傾向)の治療やEDの改善を目的に行われる治療です。
    テストステロン補充療法には注射や塗り薬による方法があります。
    しかし、前立腺がん、前立腺肥大症、睡眠時無呼吸症候群、肝臓病のある方は治療を受けられない場合もあるため、医師に相談が必要です。

  • 質問:
    テストステロンと男性型脱毛症の関係はありますか?
    回答:

    テストステロンと男性型脱毛症には関連があります。
    テストステロン自体が原因ではありませんが、テストステロンが還元酵素5αリダクターゼと結びつくことでジヒドロテストステロンに変換されます。
    ジヒドロテストステロンは頭皮のアンドロゲンレセプターと結合し、脱毛因子であるTGF-βを産生して毛母細胞の増殖を阻害し、軟毛化を引き起こします。
    この過程により、ハゲや薄毛などの変化が起こります。

  • 質問:
    テストステロンが多い男性の特徴はありますか?
    回答:

    テストステロンが多い男性の特徴には、身体的にはたくましい筋肉質で骨格がしっかりしており、体力があります。
    性的特徴としては恋愛に対して積極的(いわゆる肉食系)で、性的欲求が高いです。
    精神的特徴としては、行動力があり社交性が高く、冷静で怒りに任せて行動せず、ポジティブな思考を持つことが挙げられます。
    一般的に「男らしい」と言われる特徴は、テストステロン値が高い男性に見られるものです。

  • 質問:
    テストステロンブースターとは何ですか?
    回答:

    テストステロンブースターとは、テストステロンを増やすためのサプリメントです。
    医薬品ではないため、気軽に購入できることが特徴ですが、テストステロンブースターには様々な種類があり、体質によっては頭痛や下痢、吐き気などの副作用が出る場合があります。
    製品によっては体調が悪化するケースもあるため、心配な方は薬剤師や医師に相談しましょう。

  • 質問:
    テストステロンサプリには何がありますか?
    回答:

    テストステロンのサプリは「テストステロンブースター」とも呼ばれます。
    商品としては、DHCの「トンカットアリエキス30日分」やiHerbの「テストステロンブースター」などがあります。
    これらには亜鉛、マカ、アルギニン、シトルリン、トンカットアリなどの成分が含まれており、テストステロンの増加に役立つと言われています。
    サプリメントは手軽に購入できますが、体質に合わない場合や過剰摂取による副作用が出ることもあるため、用量用法を守り、正しく摂取しましょう。

  • 質問:
    テストステロンを高めるためには何を食べればいいですか?
    回答:

    テストステロンを高めるためには、卵、肉、魚、牛乳、豆類といったたんぱく質が豊富な食品を積極的に摂りましょう。
    その他にも、山芋や里芋はDHEAという男性ホルモン値を上げる効果があると言われています。
    牡蠣やレバーには亜鉛が含まれており、亜鉛は性腺機能を正常に保つのに役立ちます。
    また、きのこ類にはビタミンDが豊富に含まれており、ビタミンDはテストステロンを増加させると言われているため、積極的に摂取しましょう。

  • 質問:
    テストステロンが多いと女性ではどうなりますか?
    回答:

    テストステロンは女性にも存在しますが、男性ほど多くはありません。
    しかし、女性でテストステロンが多いと「男性化」と呼ばれる症状が現れ、体毛が濃くなったり、顔に毛が生える、声が低くなる、ニキビができやすくなるなどの症状が発生します。
    この原因には、副腎や卵巣の腫瘍やホルモン産生の異常が考えられます。
    テストステロン値は医療機関で採血を行うことで測定できるため、症状がある方は医療機関の受診を検討しましょう。