ノルフロキサシンの成分画像
  • カナ
    ノルフロキサシン
  • 英語名
    Norfloxacin
  • 化学式
    C16H18FN3O3
  • 分子量
    319.33 g/mol

尿路感染症と闘うノルフロキサシン

ノルフロキサシンは、尿路感染症の治療によく用いられる抗菌薬です。
膀胱炎や腎盂腎炎といった尿路の感染症に効果を発揮し、細菌の増殖を抑えることで感染症と戦います。

ノルフロキサシンは、フルオロキノロン系と呼ばれる抗菌薬のグループに属し、細菌のDNA合成を妨げることで効果を発揮します。
特にグラム陰性菌と呼ばれる細菌に対して強い効果があります。

治療期間は症状の重さや感染の種類によって異なり、医師の指示に従って決められた期間きちんと服用することが大切です。
途中で症状が改善したからといって自己判断で服用を中止すると、感染症が再発したり、薬剤耐性菌が生まれたりする危険性があります。

ノルフロキサシンの効果と対象となる感染症

ノルフロキサシンは、主に以下のような感染症の治療に使われます。

  • 単純性膀胱炎
    膀胱に細菌が侵入して起こる炎症で、頻尿や排尿時の痛み、残尿感などの症状が現れます。

  • 複雑性尿路感染症
    尿路に何らかの異常がある場合や、カテーテルを使用している場合などに起こる感染症です。

  • 腎盂腎炎
    腎臓の腎盂という部分に細菌が侵入して起こる感染症で、高熱や腰痛、吐き気などの症状を伴います。

  • 前立腺炎
    前立腺に炎症が起こる病気で、排尿困難や会陰部の痛みなどの症状が現れます。

これらの感染症に対して、ノルフロキサシンは効果的な治療薬として働きます。

ノルフロキサシンの副作用

ノルフロキサシンにも副作用のリスクがあります。
一般的な副作用には以下のようなものがあります。

  • 吐き気や嘔吐
  • 下痢
  • 頭痛
  • めまい
  • 皮膚の発疹

これらの副作用の多くは軽度で一時的なものですが、症状が長引いたり悪化したりする場合は医師に相談することが大切です。

服用中に気を付けること

ノルフロキサシンを服用する際は、次のような点に注意が必要です。

  • 日光や紫外線を避ける
    光線過敏症のリスクを減らすため、日焼け止めを使用したり、直射日光を避けたりすることが大切です。

  • 他の薬との相互作用に注意する
    特に、制酸剤や鉄剤、カルシウムサプリメントなどは、ノルフロキサシンの吸収を妨げる可能性があります。
    これらの薬やサプリメントを服用する場合は、ノルフロキサシンの服用時間と2時間以上空けるようにしましょう。

  • 激しい運動を控える
    腱の炎症や断裂のリスクを減らすため、治療中は激しい運動を控えることが望ましいです。

  • 十分な水分とともに服用する
    薬の吸収を助け、腎臓への負担を減らすために、コップ1杯の水とともに服用します。

ノルフロキサシンを含有する医薬品

ノルフロックス400mgの商品画像
販売価格 1,680円~
1錠 67円~

ノルフロックス400mgとは ノルフロックス400mgは、ノルフロキサシンを有効成分とするニューキノロン系抗菌薬です。 この薬剤は、主に尿路感染症や性感染症の治療に使用されます。 ノルフロキサシンは、1980年代初頭に杏林製薬によって開発された広域スペクトルの抗菌薬です。 その後、多くの製薬会社がジェネリック医薬品を...

有効成分
ノルフロキサシン

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    ノルフロキサシンの何の薬ですか?
    回答:

    ノルフロキサシンはニューキノロン系の抗菌剤です。
    腸チフス、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎などの消化管疾患、慢性膿皮症、野兎病などの皮膚感染症、咽頭炎や急性気管支炎などの呼吸器感染症、腎盂腎炎や前立腺炎、膀胱炎などの泌尿器感染症など広い範囲の感染症の治療に用いられます。
    作用機序としては細菌のDNA合成や増殖を阻害することによって抗菌作用を示します。

  • 質問:
    ノルフロキサシンの効果は何ですか?
    回答:

    ノルフロキサシンは、細菌のDNA複製を妨げることで細菌の増殖を防ぐ抗菌薬です。
    主に細菌による感染症に対して効果があり、以下のような疾患に使用されます。
    表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ、中耳炎、副鼻腔炎、炭疽、野兎病。

  • 質問:
    ノルフロキサシンは何錠飲めば良いですか?
    回答:

    ノルフロキサシンの内服量は、成人は1回100~200mgを1日3~4回服用します。
    疾患や症状によって医師が適宜増減しますので、医師の指示に従いましょう。
    腸チフス、パラチフスの疾患に対して使用する場合、成人であれば1回400mgを1日3回、14日間服用します。
    もし飲み忘れた場合は、忘れたからといって2回分を一度に飲まないようにしてください。
    副作用症状が出現する可能性が高くなります。
    気がついた時にできるだけ早く内服し、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分は飲まないで1回分を飛ばすようにしましょう。

  • 質問:
    ノルフロキサシン点眼は何に効果がありますか?
    回答:

    ノルフロキサシン点眼はニューキノロン系の抗生物質で、細菌のDNA複製を阻害することにより、殺菌的な抗菌作用を示します。
    適応菌種はブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、腸球菌、ミクロコッカス、モラクセラ、コリネバクテリウムなど多様な菌種に作用します。
    ノルフロキサシン点眼を使用する主な疾患は以下の通りです。
    角膜炎、角膜潰瘍、眼瞼炎、結膜炎、麦粒腫、瞼板腺炎、涙嚢炎、眼科周術期の無菌化療法などです。

  • 質問:
    ノルフロキサシンの副作用は何ですか?
    回答:

    ノルフロキサシンの主な副作用には、下痢、発疹、嘔気、嘔吐、食欲不振、白血球減少、血小板減少、めまい、過敏症が含まれます。
    重大な副作用としては、アナフィラキシーショック、呼吸困難、中毒性表皮壊死融解症、急性腎障害、腱断裂、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症増悪、偽膜性大腸炎、横紋筋融解症、急激な腎機能悪化などがあります。

  • 質問:
    ノルフロキサシンは殺菌的に作用しますか?
    回答:

    ノルフロキサシンは細菌の増殖に必要な酵素を阻害して殺菌的に抗菌作用を示す薬で、グラム陽性菌だけでなくグラム陰性菌に対しても強い抗菌力があります。
    ノルフロキサシンはニューキノロンと呼ばれる抗菌薬で、以前使用されていた抗菌薬に比べ抗菌力が強く、様々な細菌に有効です。
    またニューキノロン系抗生物質は比較的アレルギーを起こすことが少なく、ペニシリン系やセフェム系などの抗生物質にアレルギーのある人に使用されます。

  • 質問:
    ノルフロキサシンは動物に使用できますか?
    回答:

    ノルフロキサシンは日本では1998年4月8日に動物用医薬品として製造承認されています。主に産卵鶏を除く鶏の飲水添加剤に使用され、適応症として鶏の大腸菌症に使用されています。
    また1998年5月には豚の飼料添加剤としても使用されており、適応症として、豚の細菌性下痢、胸膜肺炎に使用されています。
    ノルフロキサシン製剤は、動物用医薬品として日本で使用されているほかに、イギリスで牛、豚、山羊、羊用の注射剤および経口投与剤、豚、鶏用の飼料添加剤および飲水添加剤として輸出用製剤が製造されています。

  • 質問:
    ノルフロキサシンは小児に使用できますか?
    回答:

    ノルフロキサシンはニューキノロン系抗菌薬ですが、ニューキノロン系抗生物質のうち、小児で使用が認められているのは、ノルフロキサシンとトスフロキサシントシル酸塩水和物となります。
    ノルフロキサシンは他の抗菌剤が効かないと判断された場合にのみ投与します。
    用法、用量としては通常1日体重1kg当たり6~12mgを3回に分けて経口投与しますが、疾患や症状により適宜増減をする必要があります。
    また、投与期間は原則として7日以内にとどめることが大切です。

  • 質問:
    ノルフロキサシンは膀胱炎に効きますか?
    回答:

    ノルフロキサシンは膀胱炎に効きます。
    泌尿器系疾患では他には腎盂腎炎、前立腺炎急性症、前立腺慢性症、尿道炎などに有効です。
    ノルフロキサシンはブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、炭疽菌、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属、チフス菌など、幅広い菌種に作用します。
    用法、用量としては成人の場合、ノルフロキサシンを1回100~200mgを1日3~4回経口投与します。

  • 質問:
    ノルフロキサシンの一般的な服用期間はどれくらいですか?
    回答:

    ノルフロキサシンの一般的な服用期間は、成人の場合は1回100~200mgを1日3~4回経口投与し、症状により適宜増減します。
    腸チフス、パラチフスの場合は、1回400mgを1日3回、14日間経口投与します。
    炭疽の場合には、類薬であるシプロフロキサシンを60日間投与することを疾病対策予防センター(CDC)が推奨しています。
    このように疾患によって投与期間は異なるため注意が必要です。

  • 質問:
    ノルフロキサシンとカルシウム剤を併用してはいけない理由はなんですか?
    回答:

    ノルフロキサシンは、カルシウムと結合してキレートを形成し、薬の吸収が低下する可能性があります。
    そのため、カルシウムが豊富に含まれる食品(例:牛乳)と一緒に摂取することは避けるべきです。
    ノルフロキサシンはニューキノロン系抗生物質に分類され、他のニューキノロン系抗生物質には、クラビット、タリビット、オゼックス、グレースピット、ジェニナックなどがあります。
    使用する際は、これらとの飲み合わせにも注意が必要です。

  • 質問:
    ノルフロキサシンは抗菌剤のどの種類に分類されますか?
    回答:

    ノルフロキサシンは、ニューキノロン系の抗菌剤に分類されます。
    このグループの薬剤は、細菌のDNA複製にかかわる酵素を阻害することで細菌を殺菌します。
    ノルフロキサシンは、皮膚感染症、呼吸器感染症、泌尿器感染症などの幅広い感染症に使用され、ブドウ球菌、肺炎球菌、大腸菌など多くの細菌に効果があります。

  • 質問:
    ノルフロキサシンの主な適応症にはどのようなものがありますか?
    回答:

    ノルフロキサシンは、以下のような幅広い感染症の治療に使用されます。
    ・皮膚感染症(表在性・深在性・慢性膿皮症)
    ・呼吸器感染症(咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎)
    ・泌尿器感染症(膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、尿道炎)
    ・消化管感染症(胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ)
    ・耳鼻科感染症(中耳炎、副鼻腔炎)
    ・その他(炭疽、野兎病)
    ノルフロキサシンは細菌のDNA複製を阻害することで殺菌作用を発揮します。

  • 質問:
    ノルフロキサシンには経口剤以外の製剤もありますか?
    回答:

    ノルフロキサシンは内服薬の他に点眼薬もあります。
    点眼薬は主に目の炎症の治療や目の手術前後の感染症予防に使用されます。
    内服と点眼の他にも、ニューキノロン系抗生物質には注射剤や点耳液もあり、例えばシプロフロキサシン点滴錠注液やクラビット点滴錠注液、ロメフロンミニムス眼科耳科用液などがあります。

  • 質問:
    ノルフロキサシンは年齢に関係なく使用できますか?
    回答:

    ノルフロキサシンはニューキノロン系抗菌薬であり、小児には原則として使用されません。
    小児に使用すると、副作用として中枢神経症状(例:頭痛、めまい、意識障害)が出る可能性があります。
    また、ノルフロキサシンは関節や腱に副作用が現れることがあり、小児では骨の成長に影響を及ぼす可能性があるため、使用は控えた方が良いとされています。

  • 質問:
    ノルフロキサシンの服用中に腱障害の危険性が高まる理由はなんですか?
    回答:

    ノルフロキサシンの重大な副作用として、アキレス腱の炎症や断裂があります。
    英国の一般医診療データベース「UK MediPlus」の解析によると、アキレス腱障害の発症頻度は高齢者では若年者の約3倍になる可能性があり、60歳以上の高齢者では筋力の低下やステロイド使用、筋骨格障害の既往、肥満などが影響して、アキレス腱への副作用が出現する可能性が高くなります。

  • 質問:
    ノルフロキサシンと相互作用のある薬剤にはどのようなものがありますか?
    回答:

    ノルフロキサシンと相互作用がある薬剤には以下のようなものがあります:
    ・フェニル酢酸系NSAIDs(例:ジクロフェナク、アンフェナク)
    ・プロピオン酸系NSAIDs(例:ケトプロフェン、ロキソプロフェン、プラノプロフェン、ザルトプロフェン)
    これらの薬剤と併用すると、痙攣を引き起こす可能性があります。
    テオフィリンやアミノフィリン水和物と併用すると、薬効が増強する可能性があります。
    シクロスポリンとの併用では、血中濃度が上昇する可能性があります。
    ワーファリンとの併用では、ワーファリンの作用が増強し、出血が止まりにくくなる可能性があります。

  • 質問:
    ノルフロキサシンは感染症以外にも使用できますか?
    回答:

    ノルフロキサシンは主に細菌による感染症の治療に使用されます。
    感染症以外の用途については無く、現在のところ主に感染症の治療に限られています。
    この薬剤は、幅広い菌種に対して強い抗菌力を持ち、尿路感染症、呼吸器感染症、皮膚感染症、耳鼻科感染症などに使用されます。
    感染症以外の適応症は一般的にはありません。

  • 質問:
    ノルフロキサシンの長期服用は避けるべきですか?
    回答:

    ノルフロキサシンの長期服用は避けるべきです。
    長期投与によって耐性菌が発現する可能性があるため、薬剤の感受性を確認し、疾病の治療に必要な最小限の期間での投与にとどめることが重要です。
    長期投与が必要な場合は、副作用のリスクも考慮し、経過を十分に観察する必要があります。
    副作用には重大なものがあり、長期投与により副作用リスクも高くなるため、十分な注意が必要です。

  • 質問:
    ノルフロキサシンを適切に服用しないとどのような問題が起こりますか?
    回答:

    ノルフロキサシンは抗菌薬であり、適正に使用しないと副作用や耐性菌の発生がある可能性があります。
    抗菌薬は、病気の原因となる細菌だけでなく、様々な細菌に作用します。
    しかし、抗菌薬を使用すると、効く菌は死滅しますが、効かない菌(薬剤耐性菌)が生き残り、耐性菌が増えることで抗菌薬の効果が減少し、治療の選択肢が狭まることがあります。