アシクロビルの成分画像
  • カナ
    アシクロビル
  • 英語名
    Aciclovir
  • 化学式
    C8H11N5O3
  • 分子量
    225.21 g/mol

アシクロビルの特徴と作用

アシクロビルは、ヘルペスウイルスによって引き起こされるさまざまな感染症の治療に用いられる抗ウイルス薬です。
単純ヘルペスウイルス(HSV)や水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)に対して高い効果を示します。

アシクロビルは、ヌクレオシド類似体と呼ばれる薬剤の一種です。
ウイルスの増殖に必要なDNA合成を阻害することで、ウイルスの増殖を抑制します。

アシクロビルの特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 選択性
    アシクロビルは、ウイルスに感染した細胞内でのみ活性化されます。
    そのため、健康な細胞への影響が少なく、副作用のリスクが低くなっています。

  • 広範囲の効果
    単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、2型(HSV-2)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)など、複数のヘルペスウイルスに効果があります。

  • 多様な剤形
    経口薬、注射薬、軟膏、クリームなど、さまざまな形で使用できます。
    症状や感染部位に応じて剤形が選ばれます。

  • 予防効果
    ヘルペスの再発を予防する目的でも使用されます。

アシクロビルの効果

アシクロビルは、以下のようなヘルペスウイルス感染症の治療に効果を発揮します。

  • 口唇ヘルペス(発熱性口唇ヘルペス)
    唇や口の周りに現れる水疱や痛みを軽減し、治癒を早めます。
    早期に使用を開始すると、より効果的です。

  • 性器ヘルペス
    性器周辺に現れる水疱や痛み、かゆみなどの症状を和らげます。
    初発症状の軽減や再発の予防にも効果があります。

  • 帯状疱疹
    神経に沿って現れる発疹や痛みを軽減し、症状の進行を抑えます。
    早期に治療を開始することで、帯状疱疹後神経痛のリスクを下げる可能性があります。

  • 水痘
    主に重症化のリスクが高い患者(成人や免疫機能が低下している人など)に使用されます。
    発疹の広がりを抑え、症状を軽減します。

  • 単純ヘルペス脳炎
    重篤な合併症である脳炎の治療に用いられ、生命予後の改善に寄与します。

  • 新生児ヘルペス
    新生児のヘルペスウイルス感染症の治療に使用され、重症化を防ぎます。

アシクロビルの注意点

アシクロビルはには、以下の点に注意が必要です。

  • 腎機能障害
    腎機能が低下している患者では、用量調整が必要になることがあります。

  • アレルギー反応
    まれに、発疹や呼吸困難などのアレルギー症状が現れることがあります。

  • 副作用
    頭痛、吐き気、下痢などの軽度の副作用が起こることがあります。

  • 水分摂取
    特に高用量を服用する場合は、十分な水分摂取を心がけましょう。

  • 相互作用
    他の薬との相互作用に注意が必要です。
    使用中の薬がある場合は医師に伝えましょう。

アシクロビルを含有する医薬品

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有効成分
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有効成分
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有効成分
アシクロビル

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    アシクロビルは何の薬ですか?
    回答:

    アシクロビルは、ヘルペスウイルスによる感染症の治療に使われる抗ウイルス薬です。
    主に以下の病気に効果があります。
    ・単純ヘルペス(口唇ヘルペス、顔面ヘルペス、性器ヘルペス)
    ・水痘(水ぼうそう)
    ・帯状疱疹
    これらのウイルスが皮膚や粘膜に水ぶくれを作り、発赤や痛みを引き起こす病気に対して使用されます。

  • 質問:
    アシクロビルは1日何回服用しますか?
    回答:

    成人の場合、1日5回服用します。
    また疾患によって投与量が異なり、単純疱疹は通常、成人は1回アシクロビルとして200mgを1日5回経口服用します。
    帯状疱疹は通常、成人は1回アシクロビルとして800mgを1日5回経口服用します。
    造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制には、成人は1回アシクロビルとして200mgを1日5回を骨髄移植施行の7日前より施行後35日まで経口服用します。
    年齢、症状により適宜増減します。

  • 質問:
    帯状疱疹の飲み薬はアシクロビルですか?
    回答:

    アシクロビルは帯状疱疹の治療に用いられます。
    成人で帯状疱疹になった場合は、通常、成人は1回アシクロビルとして800mgを1日5回経口服用します。
    小児で帯状疱疹となった場合は、通常、小児は体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回経口服用します。
    ただし、1回の最高用量は800mgとします。

  • 質問:
    アシクロビルはヘルペスに何日塗りますか?
    回答:

    ヘルペスにはアシクロビルが有効です。
    アシクロビルは、ヘルペスウイルスの遺伝子に働いてウイルスの増殖を抑えます。
    塗布期間は約10日間が目安ですが、かさぶたができて、患部が乾燥すれば薬剤の塗布を止めても問題ありません。
    ただし、水ぶくれ、ただれなど、患部が湿潤していればウイルスがまだ多く存在しています。
    また、かさぶたができても、その下で表皮の再生が完了した状態になるまで感染する可能性があるので注意してください。

  • 質問:
    アシクロビルは口唇ヘルペスに効く薬ですか?
    回答:

    アシクロビルは口唇ヘルペスに効く薬です。
    アシクロビルは、口唇ヘルペスの原因である単純ヘルペスウイルスの増殖を抑える抗ウイルス成分です。
    症状が軽い場合は、アシクロビルやビダラビンなどの抗ヘルペス薬の塗り薬が使用されます。
    アシクロビルは、発病初期に使用することで期待できる効果が高まるため、できるだけ早く使用を始めることが推奨されます。
    通常、7日間使用しても改善が見られない場合や症状が悪化する場合には、他の薬剤を検討することがあります。

  • 質問:
    アシクロビルは抗生物質ですか?
    回答:

    アシクロビルは抗ウイルス薬で、抗生物質ではありません。
    細菌とウイルスはその構造が大きく異なるため、それぞれに適した医薬品が使用されます。
    アシクロビルはウイルスに対して作用し、ヘルペスウイルスなどのウイルスの増殖を抑制します。
    一方、抗生物質(抗菌薬)は細菌に対して使用され、細菌の細胞壁合成を阻害したり、増殖に必要なタンパク質の生合成を阻害したりすることで、細菌を殺したりその増殖を抑えます。
    つまり、アシクロビルはウイルスに対する治療薬であり、細菌感染には効果がありません。

  • 質問:
    アシクロビルはどのくらいの時間で点滴しますか?
    回答:

    成人の場合、通常アシクロビルとして1回体重1kg当たり5mgを1日3回、8時間毎に1時間以上かけて、7日間点滴静注します。
    小児の場合も、通常アシクロビルとして1回体重1kg当たり5mgを1日3回、8時間毎に1時間以上かけて、7日間点滴静注します。
    ただし、必要に応じて増量できるが、上限は1回体重1kg当たり20mgまでになります。
    新生児単純ヘルペスウイルス感染症の場合、通常アシクロビルとして1回体重1kg当たり10mgを1日3回、8時間毎に1時間以上かけて、10日間点滴静注します。

  • 質問:
    アシクロビル軟膏はどのような効果があるのですか?
    回答:

    アシクロビルはヘルペスウイルスに効く抗ウイルス薬です。
    口唇ヘルペスの治療によく用いられ、ヘルペスウイルスの増殖を抑える作用があるので、発症初期に用いることで症状悪化を防ぎ治癒を早めます。
    ウイルス感染細胞内で活性化し、ウイルスDNA鎖の伸長を停止し、ウイルスDNAの複製を阻害します。
    用法は、適量を1日数回塗布します。
    塗り薬のため、副作用はほぼありませんが、より赤みがひどくなったり、かゆみが出てきた場合は、早めに受診してください。

  • 質問:
    アシクロビル軟膏は口内に塗る薬ですか?
    回答:

    アシクロビルは口唇付近に水疱ができる口唇ヘルペスに対して使用します。
    そのため口内に塗る薬ではありません。
    万が一、口の中に入っても害はありませんが、なるべく口の中に入れたり、舐めたりしないでください。
    患部によって異なりますが、患部の表面をうすく覆うように塗ってください。
    塗布した後に飲食をすると、薬がはがれて効果が低下する可能性がありますので、飲食の後に塗布されることをおすすめします。

  • 質問:
    アシクロビル点滴の投与量は帯状疱疹でどのくらいですか?
    回答:

    帯状疱疹に対するアシクロビルの点滴投与量は、以下の通りです。
    ・成人の場合:通常、アシクロビルとして1回体重1kg当たり10mgを1日3回、8時間毎に1時間以上かけて点滴静注します。投与期間は7日間です。
    ・小児の場合:
    通常、アシクロビルとして1回体重1kg当たり10mgを1日3回、8時間毎に1時間以上かけて点滴静注します。投与期間は7日間です。必要に応じて増量できますが、上限は1回体重1kg当たり20mgまでとします。
    免疫機能の低下した患者さん(悪性腫瘍・自己免疫疾患など)に対する投与量も同様ですが、通常、成人は1回体重1kg当たり5mgを1日3回、8時間毎に1時間以上かけて点滴静注します。
    上限は1回体重1kg当たり10mgまでとし、小児も同様に投与します。

  • 質問:
    アシクロビル点滴は他の薬と混注できますか?
    回答:

    アシクロビルの点滴は他の薬と可能な限り混注しないほうが良いです。
    理由としては、アシクロビルはアルカリ性を呈し、pH等の変化により配合変化が起こりやすいためです。

  • 質問:
    アシクロビルの副作用は何ですか?
    回答:

    アシクロビルの主な副作用には、浮腫、紫斑、肺炎、過敏症、発熱、発疹、水疱、紅斑、蕁麻疹、そう痒、固定薬疹があります。
    重大な副作用には、アナフィラキシー、アナフィラキシーショック、呼吸困難、血管浮腫、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、播種性血管内凝固症候群(DIC)、血小板減少性紫斑病、急性腎障害、尿細管間質性腎炎、精神神経症状(意識障害、昏睡、譫妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症)、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、呼吸抑制、無呼吸、間質性肺炎、肝炎、肝機能障害、黄疸、急性膵炎があります。
    これらの副作用が現れた場合は、直ちに投与を中止し、病院を受診する必要があります。

  • 質問:
    アシクロビルの注意点は何ですか?
    回答:

    アシクロビルは意識障害などが現れることがあるため、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意が必要です。
    なお、腎機能障害患者では、特に意識障害などが現れやすいため、状態によっては従事しないようにしましょう。
    アシクロビルは主として免疫機能の低下を伴わない患者に適応されます。
    悪性腫瘍、自己免疫疾患などの免疫機能の低下した方には、アシクロビル注射剤の点滴静脈内投与等を考慮する必要があります。
    性器ヘルペスの発症を繰り返す患者さんに対して投与することが前提であり、体重40kg以上に限り投与することが注意点として挙げられます。

  • 質問:
    アシクロビル軟膏はどこで買えますか?
    回答:

    アシクロビルは第一類医薬品に該当するため、購入できるのは薬剤師がいる薬局・ドラッグストアに限ります。
    医薬品の効果や副作用などに応じて、複数のランクに分類されています。
    第一類医薬品は医薬品の中で最も厳格な規制が適用されており、誤った使用が健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
    そのため、薬剤師からの質問に回答し、適正使用であると判断された場合にのみ購入できます。
    また、用法用量や現在使用している薬との相性、その他の注意点などについても説明を受けなければなりません。

  • 質問:
    アシクロビル眼軟膏の使い方は何ですか?
    回答:

    アシクロビル眼軟膏の使い方は、まず手を洗って清潔にしましょう。
    下まぶたを引き、チューブの先端をまぶたやまつげに触れないよう注意しながら、チューブを少し押して下まぶたに眼軟膏をつけてください。
    目を閉じ、眼軟膏が溶けて全体に広がるまで少し待ってください。
    目の外にあふれた軟膏は、清潔なガーゼやティッシュで拭き取ってください。
    チューブの先端が不潔にならないように注意して、ふたをして終了です。

  • 質問:
    アシクロビルで腎障害になりますか?
    回答:

    アシクロビルは腎障害を引き起こす可能性があります。
    アシクロビルによる腎障害は、副次的な薬理作用として、以下のメカニズムで発生します。
    ・脱水や尿量の減少により、腎尿細管でアシクロビルの濃度が溶解度を超え、結晶化します。
    ・この結晶が尿細管を閉塞させ、腎後性腎障害を引き起こすと考えられています。
    特に注意が必要な人々には以下が含まれます。
    ・腎機能が低下している方(例:慢性腎疾患のある人)
    ・高齢者(加齢に伴い腎機能が低下しやすく、脱水症状も起こりやすい)
    これらの患者には、用法・用量の調節や十分な水分補給が必要です。
    また、状態を確認しながら投与を行うことが重要です。

  • 質問:
    アシクロビルは何を阻害する薬ですか?
    回答:

    アシクロビルは以下のような作用によって抗ウイルス効果を発揮します。
    ・DNAポリメラーゼ阻害:アシクロビルは核酸類似体で、DNAポリメラーゼの基質であるデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)に競合的に拮抗します。これにより、ウイルスDNAポリメラーゼの活性を阻害します。
    ・ウイルスDNA鎖の伸長阻害:アシクロビルはウイルスDNAポリメラーゼの基質としてウイルスのDNA末端に取り込まれ、ウイルスDNA鎖の伸長を阻害します。
    これらの作用によって、ウイルスDNAの複製が阻害され、ウイルスの増殖が抑制されます。

  • 質問:
    アシクロビルは子どもでも服用できますか?
    回答:

    アシクロビルは子どもでも服用可能です。
    特に水痘を含む各種のヘルペスウイルス感染症の治療に広く用いられています。
    通常、小児の場合、体重1kg当たり1回アシクロビルとして20mgを1日4回経口投与します。
    ただし、1回の最高用量は200mgです。

  • 質問:
    アシクロビルの長期使用は何の影響がありますか?
    回答:

    アシクロビルの長期投与は腎機能障害や神経障害に注意が必要です。
    腎機能障害のある方は投与間隔及び投与量を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与する必要があります。
    曝露量が増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高いです。
    肝障害がある方は肝障害が増えるおそれがあります。
    また高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあります。
    曝露量が増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高いので注意が必要です。

  • 質問:
    アシクロビルはどのような機序で作用しますか?
    回答:

    アシクロビルは抗ウイルス薬で、作用機序として、チミジンキナーゼにより酸化されて活性型のアシクロビル三リン酸となります。
    その後、ウイルスのDNAに取り込まれ、形成を阻害することでウイルスの増殖を抑制する効果があります。