ミコナゾールの成分画像
  • カナ
    ミコナゾール
  • 英語名
    Miconazole
  • 化学式
    C18H14Cl4N2O
  • 分子量
    416.127 g/mol

ミコナゾールの効果と使用法

ミコナゾールは、さまざまな真菌感染症の治療に用いられる抗真菌薬です。
この成分は、カンジダ症や水虫、たむし、皮膚カンジダ症などの治療に広く使われています。
クリームやゲル、ローション、パウダー、膣坐薬など、多様な剤形があります。

ミコナゾールは、イミダゾール系抗真菌薬に分類される薬剤です。
真菌の細胞膜の形成を妨げることで、真菌の増殖を抑制します。

この薬剤の特徴として、広範囲の真菌に対して効果を示すことが挙げられます。
カンジダ属、トリコフィトン属、ミクロスポルム属など、多くの病原性真菌に対して抗菌活性を持っています。
また、一部の細菌に対しても効果があることが知られています。

ミコナゾールは主に局所用薬として使用されますが、経口薬や注射薬としても利用可能です。
局所用薬の場合、皮膚や粘膜からの吸収率が低いため、全身への影響が少なく、局所的な治療に適しています。

ミコナゾールの使用方法は、製剤の種類や感染部位によって異なります。
皮膚用クリーム・ゲル・ローションであれば、感染した部位とその周辺に薄く塗り広げます。
使用する際は、手をよく洗い、清潔な状態で薬を塗布や挿入することが大切です。
また、治療中は感染部位を清潔に保つよう心がけましょう。

症状が改善しても、医師や薬剤師の指示した期間は治療を続けることがおすすめです。
途中で使用をやめると、症状が再発する可能性があります。

ミコナゾールの効果

ミコナゾールは、多くの真菌感染症に対して高い効果を示します。

  • 皮膚カンジダ症
    皮膚のただれや発赤、かゆみなどの症状を緩和し、カンジダ菌の増殖を抑えます。

  • 水虫(足白癬)
    足の指の間や足底のかゆみ、ただれ、皮むけなどの症状を改善します。

  • たむし(体部白癬)
    体の皮膚に現れる円形の発疹や炎症を治療します。

  • 膣カンジダ症
    膣のかゆみ、おりもの、発赤などの症状を軽減します。

  • 口腔カンジダ症
    口腔内の白い斑点や炎症を改善します。

ミコナゾールの使用上の注意点

ミコナゾールは安全性の高い薬ですが、以下の点に注意が必要です。

  • 誤用に注意
    外用薬を誤って飲み込んだり、目に入れたりしないよう注意してください。

  • 長期使用
    長期間使用しても症状が改善しない場合は、医師に相談しましょう。
    別の治療法が必要な可能性があります。

  • 耐性菌の発生
    必要以上に長期間使用すると、耐性菌が発生する可能性があります。

  • 衛生管理
    特に水虫の治療中は、タオルや靴下を他の人と共用しないようにしましょう。
    感染の拡大を防ぐためです。

ミコナゾールを含有する医薬品

ミコゲルクリーム2%の商品画像
販売価格 1,480円~
1gm 39円~

ミコゲルクリーム2%とは ミコゲルクリーム2%は、ミコナゾールを2%含有する抗真菌外用薬です。 この製品は、皮膚真菌症(水虫、たむし、カンジダ症など)の治療に広く使用されています。 ゲル状の剤形により、患部に塗布しやすく、べたつきが少ないという特徴があります。 ミコナゾールは、その広域スペクトルの抗真菌作用と優...

有効成分
ミコナゾール

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    ミコナゾールは何に効く薬ですか?
    回答:

    ミコナゾールは、白癬菌属、小胞子菌属、表皮菌属、カンジダ属、アスペルギルス属、クリプトコッカス・ネオフォルマンスなどに対して抗真菌作用を示します。
    そのため、斑状小水疱性白癬、頑癬、汗疱状白癬、指間びらん症、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、爪囲炎、外陰カンジダ症、皮膚カンジダ症などの治療に使用されます。
    ミコナゾールは低濃度では細胞膜の透過性を変化させ、抗菌作用を示し、高濃度では細胞の壊死を引き起こし、殺菌的に作用します。

  • 質問:
    ミコナゾールはカンジダに効果がありますか?
    回答:

    ミコナゾールはカンジダに効果があります。
    ミコナゾールは真菌の細胞膜を構成している成分が作られるのを阻害し、真菌の増殖を抑え、カンジダ菌や白癬菌に効果を示します。
    ミコナゾールは主に膣カンジダ用と水虫用に分かれており、それぞれ市販で購入することができます。
    市販のものでも医療用と同様の成分の商品が販売されており、膣カンジダに関して使用する場合は、過去に医師による診断と治療を受けた方が対象となっているため、注意が必要です。

  • 質問:
    ミコナゾールとケトコナゾールの違いは何ですか?
    回答:

    ミコナゾールとケトコナゾールの違いは、ミコナゾールが最初のアゾール系(イミダゾール系)抗真菌剤であり、腸管からの吸収が悪いため内服は存在しない点です。
    ケトコナゾールは1976年にベルギーのヤンセン社で合成され、経口可能なアゾール系(イミダゾール系)抗真菌剤です。
    その後、日本国内でも内服薬として使用が検討されましたが、肝臓への毒性が強いことが判明したため中止となり、外用のみが販売されています。

  • 質問:
    ミコナゾールとワルファリンを併用するとどうなりますか?
    回答:

    ミコナゾールとワルファリンの併用は禁忌です。
    厚生労働省は2016年10月18日に、ミコナゾールとワルファリンの併用を禁忌とするよう添付文書の改正を指示しました。
    理由は、ミコナゾールが薬物代謝酵素チトクロームP450を阻害する作用を持つため、ワルファリンの代謝が妨げられ、ワルファリンの作用が増強し出血を引き起こしやすくなるためです。

  • 質問:
    ミコナゾールは市販されていますか?
    回答:

    ミコナゾールは市販で購入できます。
    購入場所は店舗だけでなく、ネット通販でも可能です。
    市販されているのは主に膣カンジダ用と水虫用です。
    膣カンジダに関しては、過去に医師の診断と治療を受けた方が対象となっているため注意が必要です。
    また、初めてミコナゾールを購入する方で原因がはっきりとわかっていない場合、使用により症状を悪化させる可能性があるため、医師に診察を受けてから購入するようにしましょう。

  • 質問:
    ミコナゾールの禁忌はありますか?
    回答:

    ミコナゾールとワルファリンの併用は禁忌です。
    厚生労働省から、添付文書を訂正するよう2016年10月18日に指示が出ています。
    理由は、ミコナゾールがワルファリンの代謝酵素であるチトクロームP450を阻害し、ワルファリンの作用が増強され、出血を引き起こしやすくなるためです。
    ワルファリンを内服している場合は、ワルファリンの治療を優先し、ミコナゾールは使用しないようにしましょう。

  • 質問:
    ミコナゾールの副作用はありますか?
    回答:

    ミコナゾールの外用薬の主な副作用には、発赤、紅斑、皮膚そう痒感、接触性皮膚炎、皮膚糜爛、皮膚刺激感、皮膚小水疱、皮膚乾燥、皮膚亀裂、丘疹、落屑があります。
    経口剤の主な副作用としては、過敏症、発疹、嘔気、嘔吐、食欲不振、AST上昇、ALT上昇、口腔内疼痛、味覚異常、口腔内異常感、口唇腫脹などが挙げられます。
    これらの症状が出現した場合は、使用を中止し、医療機関を受診しましょう。

  • 質問:
    ミコナゾール硝酸塩は何に効く薬ですか?
    回答:

    ミコナゾール硝酸塩の効能は、外陰カンジダ症、足部白癬、体部白癬、癜風、足汗疱状白癬、体部斑状小水疱性白癬、体部頑癬、股部頑癬、乳児寄生菌性紅斑、皮膚カンジダ症、股部白癬、カンジダ症の間擦疹、カンジダ症の指間糜爛症、カンジダ症の爪囲炎などです。
    用法・用量は医師の指示にもよりますが、1日2~3回、患部に塗布します。
    市販でも購入できますが、自己判断で使用すると症状が悪化する可能性があるため、医師の診察を受けてから購入するようにしましょう。

  • 質問:
    ミコナゾール塩酸塩シャンプーの効果は何ですか?
    回答:

    ミコナゾール塩酸塩シャンプーは、フケの原因菌であるカビの増殖を抑える働きがあります。
    そのため、頭皮の清潔を保ち、フケやかゆみといった症状を抑えることができます。
    「コラージュフルフルネクスト」という商品は、日本で初めてミコナゾール硝酸塩を配合したシャンプーとリンスです。
    コラージュフルフルネクストはカビの増殖を抑えるだけでなく、肌が敏感な方にもおすすめです。

  • 質問:
    ミコナゾールは痒みに効きますか?
    回答:

    かゆみの原因によりますが、原因がカビによるものであれば、ミコナゾールはかゆみに効果があります。
    ミコナゾールの適応症は、斑状小水疱性白癬、頑癬、汗疱状白癬、指間糜爛症、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、爪囲炎、外陰カンジダ症、皮膚カンジダ症などです。
    使用することで、かゆみを含む症状が改善されるでしょう。
    かゆみの原因がわからない場合は、医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。

  • 質問:
    ミコナゾールが配合しているボディーソープはありますか?
    回答:

    ミコナゾールが配合されているボディーソープがあります。商品名はコラージュフルフル液体せっけんとコラージュフルフル泡せっけんです。
    コラージュフルフル石鹸シリーズは、カビの増殖を抑制する成分ミコナゾール硝酸塩を配合しているだけでなく、細菌を抑制する殺菌成分も加えています。
    また、低刺激性で無香料、無色素、弱酸性のため、敏感肌の方だけでなく、赤ちゃんから高齢者まで使用することができます。

  • 質問:
    ミコナゾールは水虫に効きますか?
    回答:

    ミコナゾールは水虫に効果があります。
    ミコナゾールは水虫の原因菌である白癬菌の増殖を抑える抗真菌薬です。市販でも販売されていますが、原因が水虫でなかった場合、症状の悪化に繋がることもあります。
    そのため、まずは医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。
    過去に水虫を経験した方で、忙しい、または遠方で病院の受診が困難、症状が軽いなどの場合は市販薬の使用を検討することも選択肢となります。

  • 質問:
    ミコナゾールの作用機序は何ですか?
    回答:

    ミコナゾールの作用機序として、ミコナゾール硝酸塩は菌の膜透過性に関与している「エルゴステロール」の合成を阻害します。
    その結果、菌細胞膜の物質の運搬と透過性障壁を阻害し、物質の合成阻害と呼吸阻害を行うことで抗菌作用を示します。
    低濃度の場合は細胞の膜透過性を変化させることで抗菌作用を示し、高濃度の場合はRNA分解を促進し、細胞の発育を阻止するか細胞を死に至らせます。

  • 質問:
    ミコナゾールはどのような感染症に効果がありますか?
    回答:

    ミコナゾールの適応症として、斑状小水疱性白癬、頑癬、汗疱状白癬、指間びらん症、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、爪囲炎、外陰カンジダ症、皮膚カンジダ症などの疾患に使用されます。
    ミコナゾールは、白癬菌属、小胞子菌属、表皮菌属、カンジダ属、アスペルギルス属、クリプトコッカス・ネオフォルマンスなどに抗真菌作用を示すため、これらの感染症に有効な治療薬です。
    ただし、ワーファリンを内服している方は、ワーファリンの作用を増強させる恐れがあるため、注意が必要です。

  • 質問:
    ミコナゾールの主な使用方法はどのようなものですか?
    回答:

    ミコナゾールは主に外用薬と経口用薬に分かれます。
    外用薬の場合、一般的には1日2回の場合は朝と夕、1日3回の場合は朝・昼・夕に患部に適量を塗布します。
    1日に数回塗るうちの1回は入浴後に塗布すると良いでしょう。入浴後は清潔な状態で皮膚が柔らかくなっており、外用薬の塗布に適しています。
    経口用薬の場合、成人はミコナゾールとして1日200~400mgを4回(毎食後および就寝前)に分け、口腔内にまんべんなく塗布します。
    病巣が広範囲の場合には、口腔内にできるだけ長く含んだ後、嚥下します。

  • 質問:
    ミコナゾールは子供に使用できますか?
    回答:

    ミコナゾールは外用薬であれば子どもも大人と同じ成分を使用することがありますが、経口用薬の場合は添付文書に成人での用量、用法のみの記載となっているため、医師に相談する必要があります。
    ミコナゾールの外用薬の場合は大人と同様に1日2~3回塗布して使用します。
    ですが、自己判断で使用するとかえって症状が悪化することに繋がりかねないので、まずは医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。
    子どもでも使用できる薬剤がないか薬剤師に相談するのもおすすめです。

  • 質問:
    ミコナゾールと他の抗真菌薬の違いは何ですか?
    回答:

    ミコナゾールはイミダゾール系の抗真菌薬で、幅広い皮膚真菌症に対して効果があり、副作用が比較的少ないことが特徴として挙げられます。
    そのため、敏感肌な方だけでなく、赤ちゃんから高齢の方まで使用することができます。
    また、ミコナゾールは抗真菌薬ですが、真菌の細胞へ選択的に効果を発揮するよう開発されています。
    そのため、人の正常細胞ではなく真菌に対して作用し、その増殖を抑えることができるため、副作用が少ないと考えられます。

  • 質問:
    ミコナゾールの塗布回数は1日に何回が適切ですか?
    回答:

    ミコナゾールの塗布回数は用途によって異なります。
    ミコナゾールには主に外用薬と経口用薬に分かれます。
    外用薬の場合は、一般的に1日3回、朝・昼・夕に患部に適量を塗ります。
    経口用薬の場合、成人はミコナゾールとして1日200~400mgを4回(毎食後および就寝前)に分け、口腔内にまんべんなく塗布します。
    病巣が広範囲の場合には、口腔内にできるだけ長く含んだ後、嚥下します。
    ですが、医師の判断によって用法用量は変わることがありますので、指示に従い使用するようにしましょう。

  • 質問:
    ミコナゾールの経口薬と外用薬の違いは何ですか?
    回答:

    ミコナゾールの経口薬の場合、適応症として食道カンジダ症や口腔カンジダ症に使用されます。
    使用方法として、成人はミコナゾールとして1日200~400mgを4回(毎食後および就寝前)に分け、口腔内にまんべんなく塗布します。
    外用薬の場合、適応症として斑状小水疱性白癬・頑癬・汗疱状白癬・指間びらん症・間擦疹・乳児寄生菌性紅斑・爪囲炎・外陰カンジダ症・皮膚カンジダ症などの疾患に使用されます。
    使用方法は一般的に1日3回、朝・昼・夕に患部に適量を塗ります。

  • 質問:
    ミコナゾールの保存方法はどのようにすれば良いですか?
    回答:

    ミコナゾールの保存方法は、直射日光、高温、湿気を避けて保管してください。
    また、小さいお子様がいる家庭では手の届かないところに置くようにしましょう。誤って誤飲する可能性があります。
    また、薬剤が残った場合、保管しないで廃棄してください。
    薬剤には使用期限があり、効果が得られない可能性があります。同じ様な症状が出た際は、再度医療機関を受診し、新しく処方された薬剤を使用しましょう。