イトラコナゾールの成分画像
  • カナ
    イトラコナゾール
  • 英語名
    Itraconazole
  • 化学式
    C35H38Cl2N8O4
  • 分子量
    705.6334 g/mol

イトラコナゾールが使用される症状と効果

イトラコナゾールは幅広い抗真菌作用を持つ薬で、多くの真菌感染症の治療に使います。
イトラコナゾールが使用される症状と効果は以下の通りです。

  • 爪真菌症(爪白癬)
    爪真菌症は、爪が厚くなり、変色し、もろくなる症状を引き起こします。
    治療には通常、数か月かかることがありますが、新しい健康な爪が生えてくるまで継続して服用することが大切です。

  • 皮膚真菌症
    体部白癬(たむし)、足白癬(水虫)、股部白癬(いんきんたむし)などの皮膚真菌症にも効果があります。
    かゆみや発赤、鱗屑(りんせつ)と呼ばれる皮膚のはがれが特徴的です。
    イトラコナゾールは、これらの症状を軽減し、皮膚の状態を改善します。

  • 口腔カンジダ症
    口の中に白い斑点ができたり、痛みや不快感を感じる口腔カンジダ症の治療にも使用されます。
    特に、免疫力が低下している患者や、長期間抗生物質を使用している患者に発症しやすい症状です。

  • 全身性真菌症
    肺アスペルギルス症や全身性カンジダ症など、内臓に影響を与える深在性真菌症の治療にも用いられます。
    生命を脅かす可能性があるため、迅速かつ適切な治療が必要です。

  • 膣カンジダ症
    女性が経験する膣カンジダ症の治療にも効果があります。
    かゆみ、おりもの、排尿時の痛みなどの症状を軽減します。

服用方法と注意点

イトラコナゾールが処方されたら、治療期間を守りましょう。
症状が改善しても、医師の指示なく服用を中止しないでください。
真菌は完全に排除されていない可能性があり、中途半端な治療は再発のリスクを高めます。

他の薬との相互作用が多いため、現在服用中の薬やサプリメントについては、必ず医師や薬剤師に伝えてください。

副作用と対処法

イトラコナゾールの副作用は比較的軽度で、多くの場合一時的なものですが、以下のような症状が報告されています。

  • 胃腸障害
    最も一般的な副作用は、吐き気、腹痛、下痢などの胃腸障害です。
    これらの症状は通常、時間とともに改善します。
    症状が持続する場合は、食事と一緒に服用するなど、服用方法を工夫することで軽減できることがあります。

  • 頭痛
    頭痛も比較的よく見られる副作用です。
    軽度の場合は市販の鎮痛薬で対処できますが、持続する場合は医師に相談してください。

  • めまい
    めまいを感じる人もいます。
    特に、車の運転や機械の操作を行う際には注意が必要です。

  • 発疹
    皮膚に発疹が現れることがあります。
    多くの場合は軽度ですが、重度の皮膚反応が現れた場合は即座に医療機関を受診してください。

これらの副作用のほとんどは軽度で一時的ですが、重度の症状や長引く症状がある場合は、速やかに医師に相談することが大切です。
特に、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、極度の疲労感、濃い色の尿、発熱を伴う発疹などの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

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有効成分
イトラコナゾール

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    イトラコナゾールは何に効く薬ですか?
    回答:

    イトラコナゾールは抗真菌薬で、真菌の細胞膜合成を阻害し、抗真菌作用を示します。
    この薬は、真菌血症、呼吸器真菌症、消化器真菌症、尿路真菌症などの内臓真菌症(深在性真菌症)、深在性皮膚真菌症、白癬、カンジダ症などの表在性皮膚真菌症、爪白癬の治療に用いられます。特に、外用剤では治りにくい爪白癬に対して、内服薬の「パルス療法」が非常に高い効果を発揮します。
    一般的に内服薬や局所薬として処方されます。
    ただし、使用に際しては副作用や相互作用にも留意する必要がありますので、必ず医師の指示に従うようにしてください。

  • 質問:
    イトラコナゾールはどのくらいの期間内服しますか?
    回答:

    イトラコナゾールの服用期間は、診断された病状や症状の重さによって異なります。
    一般的には、軽度の真菌感染症では約1~2週間の内服が一般的です。
    しかし、重症や再発性の場合には約数週間から数ヵ月にわたって服用することがあります。
    爪の真菌感染症の場合、治療期間は約数ヵ月から半年以上に及ぶこともあります。
    また、カンジダ症の場合には、通常は約1~2週間の内服が推奨されますが、症状の重症度や患者の免疫状態に応じて調整されることがあります。

  • 質問:
    イトラコナゾールはなぜ食直後に服用するのですか?
    回答:

    イトラコナゾールは、食直後に服用することが推奨されています。
    その理由は、食事によって薬の吸収が助けられるからです。
    具体的には、イトラコナゾールは脂溶性が高く、食事の脂肪成分によって溶解性が高まります。
    また、食事によって胃酸分泌量が増加し、胃の運動が活発になることも、薬剤の吸収を助けます。
    空腹時に服用すると、薬の血中濃度が半分まで低下し、治療効果に大きく影響する恐れがあります。
    したがって、食直後に服用することで、薬の効果を最大限に引き出すことが可能です。

  • 質問:
    イトラコナゾールは1回何錠服用しますか?
    回答:

    イトラコナゾールの一回の服用量は、症状や病状によりますが、一般的な服用方法としては「パルス療法」があります。
    爪白癬へのパルス療法では、成人の場合、イトラコナゾールとして1回200mgを1日2回(1日量400mg)食直後に1週間服用し、その後3週間休薬します。
    これを1サイクルとし、3サイクル繰り返します。
    ただし、これは一般的なガイドラインであり、個々の患者さんの状況により医師が適切な治療計画を立てます。

  • 質問:
    イトラコナゾールを飲み忘れた場合はどうすればいいですか?
    回答:

    イトラコナゾールを飲み忘れた場合の対応は、病状や服用方法によりますが、一般的な対応方法は以下の通りです。
    ・内臓真菌症、深在性皮膚真菌症、表在性皮膚真菌症(爪白癬以外)の治療の際に飲み忘れた場合は、その日のうちに1回分を飲んでください。ただし、次の飲む時間が近い場合(4時間以内)は1回とばしてください。
    ・爪白癬(パルス療法)の治療の際も、決して2回分を一度に飲まないでください。
    ただし、これらは一般的なガイドラインであり、個々の患者さんの状況により医師が適切な対応を指示します。
    具体的な対応については、必ず医師に相談してください。

  • 質問:
    イトラコナゾール内用液はいつ服用しますか?
    回答:

    イトラコナゾール内容液の服用タイミングは、一般的には空腹時、つまり食後2~3時間後が目安とされています。
    しかし、病状や医師の指示により異なる場合があります。
    イトラコナゾールは食事の影響により腸管からの吸収率や生物学的利用率が大きく変化するため、食事による吸収等のばらつきを抑える目的で、服用タイミングが重要です。
    また、イトラコナゾール内容液は、真菌感染症の治療に用いられ、その効果は服用方法により最大限に引き出されます。
    具体的な服用方法については、必ず医師に相談してください。

  • 質問:
    犬にイトラコナゾールを投与するとどんな副作用がありますか?
    回答:

    イトラコナゾールは犬に対しても使用される抗真菌薬ですが、副作用として嘔吐、下痢、食欲不振が見られることがあります。
    また、肝障害が生じる可能性もあります。
    これらの副作用が見られた場合、投与を中止し、適切な処置を行う必要があります。ただし、これらの情報は一般的なものであり、個々の犬の状況により異なる場合があります。
    具体的な治療法や副作用については、必ず獣医師に相談してください。

  • 質問:
    イトラコナゾールは市販されていますか?
    回答:

    イトラコナゾールは、医療用の抗真菌薬であり、一般的には医師の処方箋が必要です。
    したがって、イトラコナゾールを含む市販薬は、通常、販売されていません。
    しかし、海外では一部のオンラインストアで販売されており、個人の使用に限り、個人輸入代行のサイトで購入することが可能です。

  • 質問:
    イトラコナゾールの禁忌はありますか?
    回答:

    イトラコナゾールの禁忌として、以下の方は絶対に服用してはいけません。
    ・ピモジド、シンバスタチン、エルゴタミンなど、多くの薬剤を投与中の方。
    ・重篤な肝疾患や腎疾患のある方。
    ・妊婦または妊娠の可能性がある女性。
    ・イトラコナゾールに過敏症の既往歴がある方。

  • 質問:
    イトラコナゾール内用液はどのような病気に効く薬ですか?
    回答:

    イトラコナゾール内容液は、抗真菌薬として広範囲に使用されます。
    この医薬品は、真菌の細胞膜合成を阻害し、病気の原因となる真菌の増殖を抑えることにより抗真菌作用を示します。
    具体的には、真菌血症、呼吸器真菌症、消化器真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎、口腔咽頭カンジダ症、食道カンジダ症などの深在性真菌症の治療に採用されます。
    また、好中球減少が予測される血液悪性腫瘍または造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防にも使用されます。

  • 質問:
    イトラコナゾールはカンジダに効きますか?
    回答:

    イトラコナゾールは、カンジダに効果がある抗真菌薬です。
    カンジダ症は、カンジダ菌と呼ばれる真菌が皮膚や粘膜に感染する病気です。
    イトラコナゾールはトリアゾール系の抗真菌薬で、広い抗菌スペクトラムと高い抗真菌活性を持ちます。
    特に、口腔カンジダ症や爪カンジダ症などの感染症に対して有効です。

  • 質問:
    イトラコナゾール錠の先発薬は何ですか?
    回答:

    イトラコナゾール錠の先発薬は「イトリゾールカプセル50」で、製造元はヤンセンファーマ株式会社です。
    先発薬とは、新規の有効成分を開発し、その効能・効果や安全性を確認した上で厚生労働省の承認を得て、販売を開始した最初の医薬品を指します。
    その後、特許期間が切れると、同じ有効成分を含む後発薬(ジェネリック医薬品)が製造・販売されます。
    後発薬は先発薬と同等の効果を持ちながら、価格が低く設定されていることが多いです。

  • 質問:
    イトラコナゾールカプセルの副作用は何ですか?
    回答:

    イトラコナゾールカプセルの主な副作用としては以下が報告されています。
    ・消化器系:腹痛、吐き気、下痢、嘔吐、消化不良、食欲不振、鼓腸放屁(腸にガスがたまって張る)
    ・皮膚:発疹、かゆみ
    ・全身的な症状:全身倦怠感、浮腫
    ・神経系の影響:頭痛やめまい、時にはめまい感や倦怠感が報告されることがあります。
    また、重篤な副作用として肝機能異常が報告されています。
    これらの症状が現れた場合は、すぐに医師に連絡してください。

  • 質問:
    イトラコナゾールパルス療法とは何ですか?
    回答:

    イトラコナゾールの「パルス療法」は、特定の期間にわたって薬を服用し、その後一定期間休薬するサイクルを繰り返す治療法です。
    具体的には、1週間の服薬と3週間の休薬を1サイクルとし、このサイクルを通常3回繰り返します。
    この方法は特に爪白癬の治療において高い効果を発揮します。
    イトラコナゾールは血液中に吸収された後、爪に移行し、その後1年以上爪での水虫菌の増殖を抑え続けることが知られています。
    一方、爪に移行しなかった成分は血液中に留まらず、薬を飲み終えて7~8日も経てば身体から出て行ってしまいます。
    したがって、「パルス療法」の効果は1年以上続きますが、副作用は約1週間で治まるでしょう。

  • 質問:
    イトラコナゾールカプセルと内用液の違いは何ですか?
    回答:

    イトラコナゾールカプセルと内容液は、同じ有効成分であるイトラコナゾールを含んでいますが、その形状と服用方法が異なります。
    イトラコナゾールカプセルは固形の薬剤で、食直後に服用することが推奨されています。
    空腹時に服用すると、薬の血中濃度が半分まで低下し、治療効果に大きく影響する恐れがあります。
    一方、イトラコナゾール内容液は液体の薬剤で、通常は食前に服用します。
    ただし、内容液はバイオアベイラビリティ(生体内での利用可能度)が向上しているため、内容液からカプセルへの切り替えについては、イトラコナゾールの血中濃度が低下することがあるので注意が必要です。

  • 質問:
    イトラコナゾールパルス療法の副作用は何ですか?
    回答:

    イトラコナゾールの「パルス療法」にはいくつかの副作用が報告されています。
    主な副作用として以下のようなものがあります。
    ・消化器系:食欲不振、吐き気、嘔吐。
    ・皮膚:皮膚の広い範囲が赤くなる、発疹、かゆみ。
    ・全身的な症状:全身のむくみ、全身倦怠感、呼吸困難。
    重篤な副作用としては、肝障害やうっ血性心不全、肺水腫などが報告されています。
    これらの症状が現れた場合は、すぐに医師に連絡してください。

  • 質問:
    イトラコナゾールはどのような真菌感染症に効果がありますか?
    回答:

    イトラコナゾールは、広範囲の真菌感染症に対して効果を発揮する抗真菌薬です。
    具体的には、白癬菌、カンジダ属、アスペルギルス属などの真菌に対して強力な抗真菌作用を示します。
    また、口、喉、腟、指の爪や足の爪を含む体の他の部分の感染症の治療に使用されます。
    さらに、深在性真菌症の治療にも使用され、特に爪白癬に対しては高い効果を発揮します。
    他にも、イトラコナゾールはクロモミコーシスやスポロトリコーシスなど、比較的まれな真菌感染症にも効果があります。

  • 質問:
    イトラコナゾールの一般的な投与方法はどのようなものですか?
    回答:

    イトラコナゾールは、真菌感染症の治療に用いられる抗真菌薬ですが、剤形(飲み薬や塗り薬)や感染症の種類によって、用法・用量が異なります。
    以下は一般的なイトラコナゾールの投与方法です。
    ・経口薬(飲み薬):通常、成人にはイトラコナゾールとして100~200mgを1日1回食直後に服用します。症状や年齢により、医師の指示に従って服用量や服用回数を調整する場合があります。カプセル、錠剤、内服液などの剤型があります。
    ・外用薬(塗り薬):通常、1日1~2回、患部に適量を塗布します。症状や患部の状態により、医師の指示に従って塗布回数や量を調整する場合があります。クリーム、軟膏、ローションなどの剤型があります。
    イトラコナゾールを服用・使用する前に、必ず医師に相談し、自分の健康状態に合っているかどうか確認してください。

  • 質問:
    イトラコナゾールの投与量はどれくらいですか?
    回答:

    イトラコナゾールの投与量は、真菌感染症の種類、患者の年齢、症状によって異なります。
    以下は一般的なイトラコナゾールの投与量の目安です・
    【経口薬(飲み薬)】
    深在性真菌症:通常、成人にはイトラコナゾールとして200mgを1日1回食直後に服用します。症状によっては、400mgまで増量する場合もあります。
    表在性真菌症:通常、成人にはイトラコナゾールとして50~200mgを1日1回食直後に服用します。症状によっては、200mgまで増量する場合もあります。
    【外用薬(塗り薬)】通常、1日1~2回、患部に適量を塗布します。症状や患部の状態によっては、医師の指示に従って塗布回数や量を調整する場合があります。
    具体的な治療法については、必ず医師に確認してください。

  • 質問:
    イトラコナゾールと他の抗真菌薬の違いは何ですか?
    回答:

    イトラコナゾールはトリアゾール系抗真菌薬の一つで、真菌の細胞膜の重要な構成要素であるエルゴステロールの合成を阻害します。
    この作用により、真菌の増殖を抑え、真菌感染症を治療します。
    イトラコナゾールは、白癬菌、カンジダ属、アスペルギルス属など、幅広い真菌に対して強力な抗真菌作用を示します。
    他の抗真菌薬との違いとしては、例えばキャンディン系抗真菌薬は真菌の細胞壁合成を阻害することで作用します。
    また、アムホテリシンBは真菌細胞膜に直接作用し、細胞内の物質が漏れ出すことで真菌を死滅させます。
    これらの薬剤はそれぞれ異なる種類の真菌に対して効果を発揮し、また副作用や相互作用も異なります。