トスフロキサシンの成分画像
  • カナ
    トスフロキサシン
  • 英語名
    Tosufloxacin
  • 化学式
    C19H15F3N4O3
  • 分子量
    404.34 g/mol

トスフロキサシンの特徴と使用方法

トスフロキサシンは、細菌感染症の治療に使われる抗菌薬です。
主に呼吸器系や尿路系の感染症に効果があり、細菌のDNAの複製を阻害することで細菌の増殖を止めます。

トスフロキサシンは、さまざまな細菌感染症に対して効果を発揮します。
代表的な症状には以下のようなものがあります。

  • 気管支炎:のどの奥や気管支に炎症が起こり、咳や痰が続く症状です。

  • 肺炎:肺に炎症が起こり、高熱や呼吸困難を引き起こす重い症状です。

  • 副鼻腔炎:鼻の奥にある空洞(副鼻腔)に炎症が起こり、鼻づまりや頭痛を引き起こします。

  • 膀胱炎:膀胱に炎症が起こり、頻尿や排尿時の痛みなどの症状が現れます。

  • 腎盂腎炎:腎臓や尿管に細菌が侵入して起こる感染症で、高熱や腰痛などの症状が現れます。

トスフロキサシンは、上記の症状に対して効果を示します。
ただし、ウイルス性の感染症には効果がないので、医師の診断に基づいて使用することが大切です。

トスフロキサシンは通常、錠剤などの形で処方されます。
服用量や回数は、症状の程度や患者の年齢、体重などによって異なります。

服用の際は、以下の点に気をつけましょう。

  • 決められた時間に服用する
    効果を最大限に引き出すために、指示された時間通りに服用しましょう。

  • 十分な水で飲む
    錠剤は十分な量の水で飲み込みます。

  • 食事の影響
    空腹時や食後のどちらでも服用できますが、医師の指示がある場合はそれに従いましょう。

  • 飲み忘れた場合
    気づいたらすぐに服用しますが、次の服用時間が近い場合は1回分を抜かして、次の時間に1回分を服用します。
    絶対に2回分を一度に服用しないでください。

  • 服用期間を守る
    症状が改善しても、指示された期間は最後まで服用を続けましょう。
    途中で中止すると、耐性菌の発生リスクが高まります。

副作用と対処法

トスフロキサシンにも、他の薬と同様に副作用があります。
主な副作用には以下のようなものがあります。

  • 消化器系の症状:吐き気、腹痛、下痢などが現れることがあります。

  • 皮膚症状:発疹やかゆみが出ることがあります。

  • 光線過敏症:日光に当たると皮膚が赤くなったり、かゆみが出たりすることがあります。

  • めまいや頭痛:特に高齢者で起こりやすいです。

  • アレルギー反応:まれですが、顔や喉の腫れ、呼吸困難などの重篤な症状が現れることがあります。

これらの症状が現れた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
特に重篤なアレルギー反応の場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    トスフロキサシンはどのような病気に効く薬ですか?
    回答:

    トスフロキサシンはニューキノロン系抗菌薬で、細菌による感染症に有効です。
    グラム陽性菌やグラム陰性菌をはじめ、クラミジアや淋菌にも有効です。
    病原菌が死滅することで、腫れや発赤が改善し、症状としてあった痛みが取れ、発熱していた場合は解熱します。
    尿路感染症をはじめ、呼吸器感染症、皮膚感染症、また耳鼻科領域の感染症などに広く用いられています。
    旧来の抗菌薬に比べて抗菌力が強く、様々な細菌に有効です。

  • 質問:
    トスフロキサシンは抗生物質の先発ですか?
    回答:

    トスフロキサシンは抗生物質の後発医薬品です。
    先発医薬品にはオゼックス錠150(一般名:トスフロキサシントシル酸塩水和物錠・富士フイルム富山化学)、トスキサシン錠150mg(一般名:トスフロキサシントシル酸塩水和物錠・ヴィアトリス製薬)があります。
    後発医薬品としては、トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「日医工」などが出されています。

  • 質問:
    トスフロキサシンは1回何錠飲みますか?
    回答:

    飲む量と回数は、症状などに合わせて医師が決めます。
    通常、成人の飲む量および回数は次のとおりです。
    [骨髄炎、関節炎、腸チフス、パラチフス以外の感染症]
    1回量:1錠
    飲む回数:1日2~3回
    重症または効果が不十分と判断された場合、1日量600mgを2~3回に分けて飲みます。
    [骨髄炎、関節炎]
    1回量:1錠
    飲む回数:1日3回
    重症または効果が不十分と判断された場合、1日量600mgを3回に分けて飲みます。
    [腸チフス、パラチフス]
    1回量:1錠
    飲む回数:1日4回(14日間)

  • 質問:
    トスフロキサシンは小児に使用できますか?
    回答:

    トスフロキサシンは小児にも使用できますが、用量・用法を確実に守る必要があります。
    小児に対しては、トスフロキサシントシル酸塩水和物として1回6mg/kgを1日2回経口投与します。
    ただし、1回180mg、1日360mgを超えないようにしましょう。
    トスフロキサシンは食直前または食後に投与することが望ましいです。

  • 質問:
    トスフロキサシンは何系に分類されますか?
    回答:

    トスフロキサシンはニューキノロン系の抗菌剤で、細菌のDNA複製を阻害することにより殺菌作用を示します。
    通常、皮膚感染症、呼吸器感染症、泌尿器感染症、婦人科領域感染症、耳鼻科領域感染症、歯科・口腔外科領域感染症など広い範囲の感染症の治療に用いられます。
    抗菌薬にも様々な種類があります。
    どこに起きた感染症なのか、どの菌によるものなのかなどから最適な抗菌薬を判断して処方されます。

  • 質問:
    トスフロキサシントシルは何に効きますか?
    回答:

    トスフロキサシンは、皮膚感染症や呼吸器感染症、尿路感染症、消化器感染症、耳や鼻、目の炎症、歯の感染症など、幅広い感染症に対して効果のある抗生物質です。
    また、性行為に関連する感染症や骨・関節の感染症、炭疽にも効果があります。

  • 質問:
    トスフロキサシンは副鼻腔炎に効きますか?
    回答:

    トスフロキサシンは副鼻腔炎に効果があります。
    しかし、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与します。

  • 質問:
    トスフロキサシンの禁忌は何ですか?
    回答:

    次に該当する方には投与しないようにしてください。
    ・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者さん
    ・妊婦または妊娠している可能性のある方(妊娠中の投与に関する安全性は確立していないため)
    ただし、妊婦または妊娠している可能性のある方に対しては、炭疽、コレラに限り、治療上の有益性を考慮して投与することがあります。

  • 質問:
    トスフロキサシンと飲み合わせてはいけない薬は何ですか?
    回答:

    トスフロキサシンは一部の鎮痛薬との併用で、不整脈や痙攣を起こしやすくなります。
    また、一定の間隔をあければ問題ありませんが、胃腸薬(アルミニウム、マグネシウムを含む制酸剤)を同時に飲むと、この薬の効き目が落ちる可能性があります。
    プレドニゾロンなどのステロイド薬と併用する場合は、腱障害に注意が必要です。

  • 質問:
    トスフロキサシンの先発薬は何ですか?
    回答:

  • 質問:
    トスフロキサシンの代替薬はありますか?
    回答:

    トスフロキサシンはニューキノロン系抗菌薬であり、ニューキノロン系抗菌薬には、オフロキサシン、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、ロメフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン塩酸塩、ガチフロキサシン水和物、プルリフロキサシン、パズフロキサシンメシル酸塩、メシル酸ガレノキサシン水和物、シタフロキサシン水和物、トスフロキサシントシル酸塩水和物、ラスクフロキサシン塩酸塩、ナジフロキサシンなどがあります。

  • 質問:
    トスフロキサシンは腎機能に影響を与えますか?
    回答:

    腎機能障害のある方にオゼックス(R)錠150mg(トスフロキサシンとして102mg)を食後に経口投与した場合、腎機能の低下に伴い、血中半減期の延長及び尿中回収率の低下が認められるというデータがあります。
    そのため、高度の腎障害のある方には、投与量・投与間隔の適切な調節を行うなど慎重に投与するようにしましょう。
    小児で腎機能障害のある方における小児用製剤の薬物動態は検討されていませんが、小児においても腎機能の低下に伴い血中半減期の延長及び尿中回収率の低下が予測されるため、慎重に投与する必要があります。

  • 質問:
    トスフロキサシンの服用を中止するタイミングはどう判断しますか?
    回答:

    トスフロキサシンの服用を中止するタイミングは以下のように判断します。
    1.副作用の発現:副作用が現れた場合は、速やかに服用を中止し、担当医療機関に連絡するべきです。副作用には、アレルギー反応、重篤な消化器症状、皮膚の発疹などが含まれることがあります。
    2.症状の悪化:内服中に症状が特別に悪化する場合、再評価が必要です。悪化の原因を医師に相談し、治療方針の見直しを行うべきです。
    3.医師の指示:服用中に疑問や不安がある場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず医師の指示を仰ぐことが重要です。医師は症状の改善や検査結果に基づいて、服用の継続や中止の判断を行います。
    通常、トスフロキサシンを含む抗菌薬は、決められた期間(通常は数日から数週間)内服し続ける必要があります。
    途中で服用を中止すると、感染症が再発したり、症状が悪化する可能性があります。
    従って、医師の指示に従い、定められた期間内服を続けることが重要です。

  • 質問:
    トスフロキサシンはどのような形で処方されますか?
    回答:

    トスフロキサシンは、ニューキノロン系の経口抗菌薬で、細菌の増殖を防ぐことで効果を発揮します。
    この薬は以下の病気に処方されます。
    ・皮膚感染症(表在性、深在性)、膿皮症、ざ瘡(化膿性)
    ・外傷や熱傷の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍
    ・骨髄炎、関節炎
    ・咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
    ・膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性、慢性)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎
    ・胆嚢炎、胆管炎
    ・感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ
    ・バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎
    ・涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎
    ・外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎
    ・歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎
    ・炭疽
    これらの疾患の治療に、医師が判断して処方します。

  • 質問:
    トスフロキサシンの効果が持続する期間はどのくらいですか?
    回答:

    トスフロキサシンの効果が持続する期間は、半減期を基に考えられます。
    健康な成人に150mgまたは300mgを食後に単回経口投与した場合、最高血中濃度は150mgで約2時間、300mgで約2.16時間後に達します。
    半減期は150mgで約4.85時間、300mgで約4.44時間となっていますので、通常の効果は約数時間~半日持続しますが、具体的な持続時間は個人差や服用状況によって異なります。

  • 質問:
    トスフロキサシンの薬価はどのくらいですか?
    回答:

    トスフロキサシンの薬価は製剤や製薬会社によって異なります。
    ・オゼックス錠75:39.1円/錠
    ・オゼックス錠150:51.2円/錠
    ・オゼックス細粒小児用15%:314.3円/g
    ・オゼックス錠小児用60mg:99円/錠
    ・トスキサシン75mg:58.4円/錠
    ・トスキサシン150mg:54.6円/錠
    ・トスフロキサシントシル酸塩錠75mg「サワイ」:37.8円/錠
    ・トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「サワイ」:28.6円/錠

  • 質問:
    トスフロキサシンと他の抗生物質との違いは何ですか?
    回答:

    トスフロキサシンはニューキノロンと呼ばれる抗菌薬で、以前の抗菌薬に比べ抗菌力が強く、様々な細菌に有効です。
    病巣への移行が良いのが特徴で、飲み薬では治療の難しかった難治性の感染症にも良い効果を発揮します。
    副作用も比較的少ないです。
    ニューキノロン系抗生物質は比較的アレルギーを起こすことが少なく、ペニシリン系やセフェム系などの抗生物質にアレルギーのある人にも使われます。
    錠剤に加え、小児用の細粒もあり、副作用の心配から子どもには用いられていませんでしたが、その後有効性と安全性が認められ、小児用細粒剤として承認を取得し、販売されています。
    ニューキノロン系の成人用錠剤は多数販売されていますが、小児感染症を適応とする同系製剤は国内初となっています。
    一般的な抗生物質が効きにくい難治性の中耳炎やマイコプラズマ肺炎に有用です。

  • 質問:
    トスフロキサシンの投与量はどのように決められますか?
    回答:

    飲む量と回数は、症状などに合わせて医師が決めます。
    通常、成人の飲む量および回数は次のとおりです。
    [骨髄炎、関節炎、腸チフス、パラチフス以外の感染症]
    1回量:1錠
    飲む回数:1日2~3回
    重症または効果が不十分と判断された場合、1日量600mgを2~3回に分けて飲みます。
    [骨髄炎、関節炎]
    1回量:1錠
    飲む回数:1日3回
    重症または効果が不十分と判断された場合、1日量600mgを3回に分けて飲みます。
    [腸チフス、パラチフス]
    1回量:1錠
    飲む回数:1日4回(14日間)

  • 質問:
    トスフロキサシンの効果はどれくらいで現れますか?
    回答:

    トスフロキサシンを健康成人に150mgまたは300mgを食後に1回飲んだ場合、血中濃度は以下のようになります。
    ・150mg投与時:最高血中濃度は約2時間後に達します。半減期は約4.85時間です。
    ・300mg投与時:最高血中濃度は約2.16時間後に達します。半減期は約4.44時間です。
    このため、トスフロキサシンの効果は、投与後約2時間で現れやすいと考えられます。

  • 質問:
    トスフロキサシンの一般的な副作用は何ですか?
    回答:

    トスフロキサシンの主な副作用には、発疹、かゆみ、発熱、胃や腹部の不快感、吐き気、下痢、しびれ、手足のふるえなどがあります。
    重大な副作用には、呼吸困難、むくみ、アナフィラキシーショック、皮膚の発疹や水ぶくれ、結膜の充血、尿量の変化、急性腎障害、全身倦怠感、肝機能障害(黄疸)、血便などがあります。
    これらの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。