レボフロキサシンの成分画像
  • カナ
    レボフロキサシン
  • 英語名
    Levofloxacin
  • 化学式
    C18H20FN3O4
  • 分子量
    361.3675 g/mol

レボフロキサシンの抗菌スペクトルと適応症

レボフロキサシンは、フルオロキノロン系に属する広域スペクトル抗菌薬です。
多くの種類の細菌に対して効果を示すことから、様々な感染症の治療に用いられています。

レボフロキサシンは、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および一部の嫌気性菌に対して幅広い抗菌活性を示します。
主な対象菌には以下のようなものがあります。

  • 肺炎球菌
  • インフルエンザ菌
  • モラクセラ・カタラーリス
  • 黄色ブドウ球菌
  • 大腸菌
  • クレブシエラ属
  • レジオネラ属

これらの細菌による以下のような感染症の治療に使用されます。

  • 呼吸器感染症(肺炎、気管支炎など)
  • 尿路感染症
  • 皮膚軟部組織感染症
  • 耳鼻咽喉科領域の感染症
  • 眼科領域の感染症(結膜炎など)

作用機序と薬物動態

レボフロキサシンの作用機序は、細菌のDNAジャイレースとトポイソメラーゼIVを阻害することです。
これらの酵素はDNAの複製や転写に必要不可欠であり、阻害されることで細菌の増殖が止まり、最終的に死滅します。

薬物動態の特徴は、経口投与後、速やかに吸収されることと、食事の影響をほとんど受けないことです。
組織移行性が良好で、肺や前立腺などにも高濃度で分布します。
また、ほとんど代謝されず、主に腎臓から未変化体として排泄されます。

副作用と注意点

主な副作用には以下のようなものがあります。

  • 消化器症状:悪心、嘔吐、下痢、腹痛など
  • 中枢神経系症状:めまい、頭痛、不眠など
  • 光線過敏症
  • 腱障害:アキレス腱炎、腱断裂など
  • QT間隔延長:心電図異常
  • 低血糖:特に糖尿病患者で注意が必要

これらの副作用に注意しながら、慎重に使用する必要があります。
特に、腱障害やQT間隔延長などの重大な副作用には十分な注意が必要です。

また、投与の際は以下の点に注意が必要です。

  • 腎機能低下患者
    腎機能に応じて用量調整が必要です。

  • 高齢者
    副作用のリスクが高まるため、慎重に投与します。

  • 光線過敏症
    日光や紫外線への暴露を避けるよう指導します。

  • テニス肘などの腱障害
    特に高齢者やステロイド使用中の患者で注意が必要です。

耐性菌の問題と適正使用

レボフロキサシンも他の抗菌薬同様、耐性菌の問題があります。
耐性菌の発生を防ぐために、以下の点に注意が必要です。

  • 適切な適応症での使用
    ウイルス感染症には使用しない

  • 適切な用法・用量の遵守
    不十分な投与は耐性菌を選択する可能性がある

  • 投与期間の適正化
    必要以上に長期間使用しない

  • 他の抗菌薬との適切な使い分け
    広域スペクトル抗菌薬の過剰使用を避ける

レボフロキサシンを含有する医薬品

レボクイン250mgの商品画像
販売価格 1,480円~
1錠 59円~

レボクイン250mgとは レボクイン250mgは、レボフロキサシンを有効成分とするニューキノロン系抗菌薬で、クラビット錠の後発品として開発されたジェネリック医薬品です。 レボフロキサシンは、1990年代初頭に第一三共株式会社によって開発された広範囲な抗菌スペクトルを持つ薬剤です。 その後、多くの製薬会社がこの成分を...

有効成分
レボフロキサシン
レボクイン500mgの商品画像
販売価格 1,680円~
1錠 67円~

レボクイン500mgとは レボクイン500mgは、レボフロキサシンを有効成分とするニューキノロン系抗菌薬のジェネリック医薬品で、クラビット錠の後発品として開発されました。 レボフロキサシンは、1990年代初頭に第一三共株式会社によって開発された広域スペクトルの抗菌薬です。 その後、多くの製薬会社がジェネリック医薬品...

有効成分
レボフロキサシン
クラビット500mgの商品画像
販売価格 2,480円~
1錠 213円~

売り切れ

クラビット500mgとは クラビット500mgは、レボフロキサシンを有効成分とするニューキノロン系抗菌薬です。 この薬剤は、広範囲の細菌に対して強力な抗菌作用を示し、様々な感染症の治療に使用されます。 クラビット500mgは、1日1回の服用で効果を発揮するため、患者の服薬コンプライアンスを向上させる利点があります。 経...

有効成分
レボフロキサシン
クラビット750mgの商品画像
販売価格 2,280円~
1錠 274円~

売り切れ

クラビット750mgとは クラビット750mgは、レボフロキサシンを有効成分とするニューキノロン系抗菌薬です。 この薬剤は、広範囲の細菌に対して強力な抗菌作用を示し、様々な感染症の治療に使用されます。 クラビット750mgは、1日1回の服用で効果を発揮するため、患者の服薬コンプライアンスを向上させる利点があります。 ま...

有効成分
レボフロキサシン
エルクイン500mgの商品画像
販売価格 1,980円~
1錠 89円~

エルクインとは エルクイン500mgは、レボフロキサシンを有効成分とするニューキノロン系抗菌薬のジェネリック医薬品で、クラビット錠の後発品として開発されました。 レボフロキサシンの特徴 開発年: 1993年に第一三共株式会社によって開発。 分類: 広域スペクトルの抗菌薬。 ジェネリック製品: 多くの製薬会社がジェネリ...

有効成分
レボフロキサシン

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    レボフロキサシンは何に効く薬ですか?
    回答:

    レボフロキサシンは泌尿器、皮膚、婦人科、呼吸器、眼科、耳鼻科、歯科など、広範囲の感染症治療に用いられます。
    レボフロキサシンはニューキノロン系の抗生物質であり、細菌のDNA機能を障害して殺菌作用を示します。
    成人の場合、レボフロキサシン500mgを1日1回服用し、症状に応じて適宜減量します。
    副作用には吐き気、めまい、不眠、下痢、発疹などがあるため、これらの症状が出た場合は服用を中断し、医師に相談しましょう。

  • 質問:
    レボフロキサシンと併用してはいけない薬は何ですか?
    回答:

    レボフロキサシンと併用に注意すべき薬剤として、ワーファリンがあります。
    レボフロキサシンとの併用でワーファリンの作用が増強され、出血傾向が高まる可能性があります。
    また、レボフロキサシンの作用を弱める薬としてはアルミニウムを含む胃薬やマグネシウムを含む下剤があります。これらの薬はレボフロキサシン服用後、1~2時間あけて服用するようにしましょう。
    さらに、ロキソプロフェンなどの解熱鎮痛剤を併用すると痙攣を引き起こす可能性があるため、痙攣系疾患のある方は使用に注意が必要です。

  • 質問:
    レボフロキサシン点眼はどんな時に使いますか?
    回答:

    レボフロキサシン点眼は瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、麦粒腫、結膜炎、涙嚢炎、眼瞼炎、眼科手術前後の感染予防に用いられます。
    レボフロキサシンは細菌のDNA複製を阻害して増殖を防ぎ、抗菌作用を発揮します。
    使用方法は1回1滴を1日3回点眼しますが、症状や主治医の判断で適宜増減されます。
    他の点眼薬を使用する際は、5分以上間隔をあけてから使用するようにしてください。

  • 質問:
    レボフロキサシンとクラビットの違いは何ですか?
    回答:

    レボフロキサシンとクラビットは同じ薬剤です。
    クラビットはレボフロキサシンを成分とした先発薬であり、その後に後発薬として登場したのがレボフロキサシンです。
    ニューキノロン系の抗生物質で、泌尿器、皮膚、婦人科、呼吸器、眼科、耳鼻科、歯科など、広範囲の感染症に用いられます。
    レボフロキサシンは錠剤、細粒、点眼液、注射剤など様々な形状で提供されています。

  • 質問:
    レボフロキサシンは抗生物質ですか?
    回答:

    レボフロキサシンはニューキノロン系の抗生物質で、細菌の増殖に必要な酵素を阻害して殺菌的に抗菌作用を示します。
    副作用としては吐き気、めまい、不眠、下痢、発疹などがあり、重大な副作用にはアナフィラキシーショックや中毒性表皮壊死融解症、痙攣、急性腎不全などがあります。
    内服後にこれらの症状が出た場合は、服用を中断し、医師に相談しましょう。

  • 質問:
    レボフロキサシンはどれくらいで効果が出ますか?
    回答:

    成人にレボフロキサシン500mgを空腹時に経口投与した場合、Tmax(最高血中濃度に達する時間)は約1時間で、効果が現れるまで約1時間です。
    t1/2(半減期)は約8時間で、効果が長く持続するため、成人は通常1回500mgを1日1回経口投与します。

  • 質問:
    レボフロキサシンはどのような病気に処方されますか?
    回答:

    レボフロキサシンは泌尿器、皮膚、婦人科、呼吸器、眼科、耳鼻科、歯科など広範囲の感染症治療に用いられます。
    ニューキノロン系抗生物質であり、細菌のDNA機能を障害することで殺菌作用を示します。
    他のニューキノロン系薬剤としてはジェニナック、アベロックス、オゼックス、ジプロキサシンなどがあります。

  • 質問:
    レボフロキサシン500mgを何錠服用すれば良いですか?
    回答:

    通常の感染症に対して、成人にはレボフロキサシン500mgを1日1回服用します。
    腸チフスやバラチフスには14日間にわたってレボフロキサシン500mgを1日1回服用します。
    抗生物質を連用すると耐性菌が出現する可能性があるため、適切な使用が重要です。
    分割投与は避け、1日量を必ず1回で服用し、耐性菌の出現を防ぎましょう。

  • 質問:
    レボフロキサシンは薬局で購入できますか?
    回答:

    抗生物質は一部の外用薬を除き、薬局で購入することはできません。
    抗生物質を連用すると耐性菌が出現し、効果がなくなる可能性があるため、すべて主治医からの処方が必要です。
    用法・用量を正しく守り、耐性菌の出現を防ぎ、最大限の効果を得るようにしましょう。
    副作用が出た場合は、医師や薬剤師に相談してください。

  • 質問:
    レボフロキサシンの副作用は何ですか?
    回答:

    レボフロキサシンの副作用には、発疹、めまい、吐き気、嘔吐、下痢、腹部不快感、食欲不振、消化不良、頭痛、不眠などがあります。
    重大な副作用として、アナフィラキシーショック、中毒性表皮壊死融解症、QT延長、心室頻拍、痙攣、急性腎障害、肝機能障害、黄疸、大腸炎、汎血球減少症、横紋筋融解症などが報告されています。

  • 質問:
    レボフロキサシンは膀胱炎に効果がありますか?
    回答:

    レボフロキサシンは膀胱炎に効果があります。
    ニューキノロン系の抗生物質であるレボフロキサシンは、かつて膀胱炎の治療によく使用されていました。
    しかし、頻繁に使用されたため、膀胱炎の原因菌である大腸菌に対してレボフロキサシンの耐性が増加傾向にあります。
    そのため、現在では耐性菌の増加を防ぐ目的で、セフェム系抗生物質の処方が増えています。
    抗生物質の連用を避けるためにも、定期的に受診し、感染症が治癒したかどうかを医師に判断してもらうことが重要です。

  • 質問:
    レボフロキサシンはクラミジアに効果がありますか?
    回答:

    レボフロキサシンはクラミジアに効果があります。
    子宮内感染、子宮付属器炎、バルトリン腺炎、子宮頸管炎などにおいて、ブドウ球菌属、大腸菌、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)による感染に高い有効率を示します。
    具体的には、子宮頸管炎で93.5%、バルトリン腺炎で98%、子宮内感染で95.1%、子宮付属器炎で85.4%とされています。
    通常、成人にはレボフロキサシン500mgを1日1回経口投与します。

  • 質問:
    レボフロキサシンの目薬は何に効く薬ですか?
    回答:

    レボフロキサシン点眼液は、結膜炎や麦粒腫などの治療に使用されます。
    点眼液を使用する際は、手を消毒し、容器の先が瞼や目に触れないように気をつけ、点眼後は瞬きをせずにしばらく目を閉じるようにします。
    また、他の点眼液を併用する場合は、点眼後5分以上間隔をあけて使用してください。
    薬剤が混ざることで効果が変わる可能性があるため、用法・用量を守って正しく使用しましょう。

  • 質問:
    レボフロキサシン点眼は花粉症に効きますか?
    回答:

    レボフロキサシンは花粉症に効果はありません。
    ニューキノロン系の抗生物質であり、感染症の治療に用いられますが、花粉症はアレルギーが原因のため、抗アレルギー薬を使用します。
    アレジオン、リボスチン、パタノールなどが花粉症の治療に用いられますが、適切な治療薬を見つけるためには、眼科医師の診察を受け、処方してもらうことが大切です。

  • 質問:
    レボフロキサシン目薬は他の目薬と併用できますか?
    回答:

    レボフロキサシンは他の点眼薬と併用可能ですが、必ず5分以上間隔をあけてから点眼するようにしましょう。
    前の薬剤がまだ目に残っていると、後から投与した薬剤によって押し出され、効果が得られない可能性があります。
    点眼を忘れた場合は気づいた時にすぐ投与し、次の投与時間が近い場合は忘れた分を投与せず、次の時間に投与してください。
    忘れた分を一度に2回分投与することは避けましょう。

  • 質問:
    レボフロキサシンの服用スケジュールはどのように設定すべきですか?
    回答:

    レボフロキサシンの服用スケジュールは、腸チフスやパラチフス感染症以外の場合、通常レボフロキサシン250mgを1回2錠1日1回服用します。
    レボフロキサシン500mgの場合は1回1錠1日1回服用し、症状に応じて内服日数を調整します。
    腸チフスやパラチフスの場合は、レボフロキサシン250mgを1回2錠1日1回14日間、500mgの場合は1回1錠1日1回14日間服用します。
    抗生物質の長期服用は耐性菌の出現を引き起こす可能性があるため、連用は避けることが望ましいです。

  • 質問:
    レボフロキサシンを高齢者が使用する際の注意点は何ですか?
    回答:

    高齢者がレボフロキサシンを使用する際は、腎機能が低下していることが多いため、薬剤の排泄が滞りやすく、血中濃度が高くなる可能性があります。
    これにより、副作用が出現しやすくなるため、クレアチニンクリアランス(Ccr)値に基づいて投与量を調整します。
    クレアチニンCcrが20≦Ccr<50の場合は、初日に500mgを1回投与し、2日目以降は250mgを1日に1回投与します。
    Ccrが20未満の場合は、初日に500mgを1回投与し、3日目以降は250mgを2日に1回投与します。

  • 質問:
    レボフロキサシンの薬価はどれくらいですか?
    回答:

    参天製薬のクラビット点眼液0.5%は60.5円/mL、1.5%は54.7円/mL、ヴィアトリス・ヘルスケアの後発薬であるレボフロキサシン点眼液0.5%は26.3円/mL、1.5%は26円/mLです。
    第一三共のクラビット錠250mgは70.4円/錠、500mgは133.3円/錠、大興製薬のレボフロキサシン錠250mgは76.7円/錠、500mgは91.8円/錠となっています。

  • 質問:
    レボフロキサシンの適切な投与量はどれくらいですか?
    回答:

    レボフロキサシンの適切な投与量は感染症の種類や症状によって調整されますが、腸チフスやパラチフス以外では通常レボフロキサシン250mgを1回2錠1日1回服用し、500mgの場合は1回1錠1日1回服用します。
    腸チフスやパラチフスの場合は、250mgを1回2錠1日1回14日間、500mgの場合は1回1錠1日1回14日間服用します。
    抗生物質の長期連用は避けるべきであり、耐性菌の出現を防ぐために、医師の指示に従って適切に服用しましょう。

  • 質問:
    レボフロキサシンと他の抗生物質との違いは何ですか?
    回答:

    レボフロキサシンはニューキノロン系の抗生物質で、細菌の増殖に必要な酵素を阻害して殺菌効果を発揮します。
    他の殺菌性抗生物質には、ペニシリン系、セフェム系、ホスホマイシン系などがあり、静菌性抗生物質としてはマクロライド系、テトラサイクリン系、リンコマイシン系、クロラムフェニコール系などがあります。