クラリスロマイシンの成分画像
  • カナ
    クラリスロマイシン
  • 英語名
    Clarithromycin
  • 化学式
    C38H69NO13
  • 分子量
    747.953 g/mol
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クラリスロマイシンの効果と服用方法

クラリスロマイシンは、さまざまな細菌感染症の治療に効果を発揮し、特に呼吸器系の感染症に対して高い有効性を示します。
承認されて以来、その使いやすさと効果から多くの医療現場で重宝されています。
天然物ではないため抗生物質とは少し違い、天然物を化学修飾した半合成品という立ち位置の薬になります。

クラリスロマイシンは以下のような感染症の治療に用いられます。

  • 呼吸器感染症
  • 耳鼻科感染症
  • 皮膚感染症
  • 非結核性抗酸菌症

クラリスロマイシンは、一般感染症の場合、成人は1回1錠(200mg)を1日2回服用します。
非結核性抗酸菌症の場合は、成人は1回2錠(400mg)を1日2回服用します。
小児や高齢者、腎機能障害のある患者では、用量調整が必要になることがあります。

クラリスロマイシンの副作用と注意点

クラリスロマイシンにも他の抗生物質と同様に副作用があります。
主な副作用には以下のようなものがあります。

  • 消化器症状：下痢、腹痛、吐き気、嘔吐

  • 肝機能障害：まれに肝機能の異常が現れることがあります。

  • アレルギー反応：発疹、かゆみなどが現れることがあります。

  • 味覚異常：薬の苦みを感じたり、味覚が変化したりすることがあります。

また、クラリスロマイシンは多くの薬と相互作用を起こす可能性があるため、薬を併用する際には注意が必要です。
正しく服用しないと、耐性菌が出現する可能性があることや、抗生物質関連下痢症や偽膜性大腸炎が起こる可能性があることも理解しておきましょう。

クラリスロマイシンの特徴

クラリスロマイシンは、以下のような特徴を持っています。

  • 広い抗菌スペクトル
    グラム陽性菌、グラム陰性菌、マイコプラズマ、クラミジアなど、幅広い菌種に効果があります。

  • 組織移行性が良好
    特に肺組織への移行性が高く、呼吸器感染症に効果的です。

  • 抗炎症作用
    細菌の増殖抑制だけでなく、軽度の抗炎症作用も持っています。

  • 長い半減期
    1日2回の服用で効果を維持できます。

  • プロドラッグではない
    体内で代謝されて活性化する必要がなく、そのまま効果を発揮します。

治療前に医師に伝えるべきこと

クラリスロマイシンを使用する際には、治療を始める前に、以下の点を医師に伝えておきましょう。

  • アレルギーの有無
  • 現在服用中の薬
  • 肝臓や腎臓の機能状態
  • 妊娠中や授乳中であるか
  • 過去の抗生物質使用歴

処方された用法・用量を守り、症状が改善しても指示された期間は服用を続けてください。
副作用が現れた場合は速やかに医師に相談し、残った薬を自己判断で他の感染症に使用しないようにしましょう。

クラリスロマイシンを含有する医薬品

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有効成分
クラリスロマイシン
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ゾクラー500mgとは ゾクラー500mgは、マクロライド系抗生物質であるクラリスロマイシンを有効成分とする薬です。 主に細菌感染症の治療に用いられ、上気道感染症(喉や鼻の感染症)や下気道感染症(気管支炎、肺炎など)、皮膚や軟部組織の感染症、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療などに効果的です。 ゾクラー500mgは、細菌...

有効成分
クラリスロマイシン
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よくあるご質問（FAQ）

  • 質問：
    クラリスロマイシンは何に効きますか？
    回答：

    クラリスロマイシンは、マクロライド系抗生物質の一種で、幅広い細菌感染症に効果があります。
    主に肺炎、気管支炎、咽頭炎などの呼吸器感染症、皮膚感染症、中耳炎、副鼻腔炎、マイコプラズマ感染症、レジオネラ感染症、ヘリコバクター・ピロリ菌による胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療に使用されます。また、クラリスロマイシンは、グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌など多くの病原菌に対して効果を示し、非定型肺炎の原因となるマイコプラズマやクラミジアにも有効です。
    さらに、クラリスロマイシンは、細菌のタンパク質合成を阻害することで、細菌の増殖を抑制します。
    ただし、ウイルス感染症には効果がありません。

  • 質問：
    クラリスロマイシンは副鼻腔炎に効きますか？
    回答：

    クラリスロマイシンは、副鼻腔炎の治療に効果的です。
    副鼻腔炎は、副鼻腔の粘膜が炎症を起こす疾患で、細菌感染が原因となることが多いです。
    クラリスロマイシンは、副鼻腔炎の原因となる肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスなどの一般的な細菌に対して効果があります。
    特に慢性副鼻腔炎の治療において、クラリスロマイシンの少量長期療法が有効とされています。
    これは抗菌作用だけでなく、抗炎症作用や粘液分泌抑制作用も期待できるためです。

  • 質問：
    クラリスロマイシンの飲み合わせ禁忌は何ですか？
    回答：

    クラリスロマイシンには、いくつかの重要な飲み合わせ禁忌があり、まず、エルゴタミン製剤との併用は避けるべきです。
    クラリスロマイシンはエルゴタミンの代謝を阻害し、血管攣縮や壊疽のリスクを高める可能性があるからです。
    次に、ピモジドとの併用も禁忌とされています。
    クラリスロマイシンはピモジドの血中濃度を上昇させ、不整脈のリスクを増加させることがあるためです。
    また、コルヒチンとの併用は肝機能障害のリスクが高まるため避けるべきです。
    ロバスタチンやシンバスタチンとの併用も横紋筋融解症のリスクが増加するため注意が必要です。

  • 質問：
    クラリスロマイシンの副作用はありますか？
    回答：

    クラリスロマイシンの一般的な副作用としては、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状が挙げられます。
    これらの症状は、クラリスロマイシンが胃腸の粘膜を刺激するために起こることがあります。
    また、味覚異常や口内炎、頭痛、めまい、発疹なども報告されています。
    これらの副作用は通常、軽度で一過性ですが、持続する場合や重篤な場合は医師に相談することが重要です。
    重篤な副作用としては、肝機能障害や肝炎、QT延長による不整脈、アナフィラキシーショックなどがあります。
    特にQT延長は致命的な不整脈を引き起こす可能性があるため、心疾患の既往がある患者や他のQT延長を引き起こす薬剤を服用している患者さんは注意が必要です。

  • 質問：
    クラリスロマイシンはどのくらいの期間服用しても大丈夫ですか？
    回答：

    クラリスロマイシンの服用期間は、急性の細菌感染症に対して5～14日間の服用が推奨されています。
    例えば、呼吸器感染症や皮膚感染症の場合、通常は7～14日間の服用が一般的です。
    一方、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療では、他の抗生物質やプロトンポンプ阻害薬と併用して7日間の服用が推奨されています。
    慢性副鼻腔炎の治療においては、クラリスロマイシンの少量長期療法が行われることがありますが、この場合も医師の指示に従って適切な期間で使用するようにしましょう。

  • 質問：
    クラリスロマイシンは小児に使用できますか？
    回答：

    クラリスロマイシンは小児にも使用可能な抗生物質です。
    小児に対しても、クラリスロマイシンは、肺炎、気管支炎、中耳炎などの呼吸器感染症、皮膚感染症、副鼻腔炎などの治療に使用されます。
    また、小児用のクラリスロマイシンは、錠剤だけでなく、ドライシロップなど飲みやすい形で提供されています。
    通常、小児に対するクラリスロマイシンの用量は、体重1kgあたり10～15mg(力価)を1日2～3回、12時間ごとに服用することが一般的で、最大用量は成人の標準用量である400mgとされています。
    クラリスロマイシンは、小児に対しても有効であり、安全性が確認されていますが、副作用には注意が必要です。

  • 質問：
    クラリスロマイシンは子どもにどんな効果がありますか？
    回答：

    クラリスロマイシンは、子どもに対しても幅広い細菌感染症に効果を示します。
    主に肺炎、気管支炎、中耳炎などの呼吸器感染症、皮膚感染症、副鼻腔炎などの治療に使用されます。
    クラリスロマイシンは、細菌のタンパク質合成を阻害することで、細菌の増殖を抑制し、感染症の症状を改善します。
    特に、マイコプラズマやクラミジアなどの非定型細菌による感染症にも有効です。
    また、クラリスロマイシンは、子どもに対しても安全性が確認されており、適切な用量で使用することで効果を発揮します。
    通常、小児に対するクラリスロマイシンの用量は、体重1kgあたり10～15mg(力価)を1日2～3回、12時間ごとに服用することが一般的で、最大用量は成人の標準用量である400mgとされています。

  • 質問：
    クラリスロマイシンは風邪薬として使用できますか？
    回答：

    クラリスロマイシンは風邪薬として使用することは適切ではありません。
    風邪の原因は主にウイルスであり、クラリスロマイシンは細菌感染症に対して効果を発揮する抗生物質だからです。
    そのため、ウイルス感染症には効果がないため、風邪の治療には使用されません。
    鼻水、喉の痛み、咳、発熱などの風邪の症状は、通常は自然に治癒するものであり、抗生物質の使用は不要です。
    風邪の治療には、対症療法が一般的に用いられます。
    ただし、風邪が細菌感染症を引き起こすことがある場合、クラリスロマイシンが処方されることがあります。

  • 質問：
    喉の痛みでクラリスロマイシンを使用しても良いですか？
    回答：

    喉の痛みの原因が細菌感染症である場合、クラリスロマイシンの使用される場合があります。
    例えば、細菌性咽頭炎や扁桃炎の原因となる溶連菌に対してクラリスロマイシンは効果的です。
    クラリスロマイシンは、細菌のタンパク質合成を阻害することで、細菌の増殖を抑制し、感染症の症状を改善するためです。
    ただし、喉の痛みの原因がウイルス感染症である場合、クラリスロマイシンは効果がありません。
    喉の痛みが細菌感染症によるものかを判断するためには、医師の診断が必要です。

  • 質問：
    クラリスロマイシン錠200mgは何日飲めば良いですか？
    回答：

    急性の細菌感染症に対して、クラリスロマイシン錠200mgの服用期間は、5～14日間の服用が推奨されています。
    例えば、呼吸器感染症や皮膚感染症の場合、通常は7～14日間の服用が一般的です。
    一方、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療では、他の抗生物質やプロトンポンプ阻害薬と併用して7日間の服用が推奨されています。
    慢性副鼻腔炎の治療においては、クラリスロマイシンの少量長期療法が行われることがありますが、この場合も医師の指示に従って適切な期間で使用することが重要です。

  • 質問：
    クラリスロマイシンはニキビに効きかますか？
    回答：

    クラリスロマイシンは、ニキビの治療に効果があります。
    特に、炎症性のニキビに対して有効です。
    クラリスロマイシンは、細菌のタンパク質合成を阻害することで、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑制します。
    これにより、炎症を軽減し、ニキビの症状を改善します。
    クラリスロマイシンを使用する場合は、医師の処方に基づいて適切な用量と期間で使用することが重要です。
    クラリスロマイシン単独での使用よりも、他のニキビ治療薬と併用することで、より効果的な治療が可能です。

  • 質問：
    クラリスロマイシンで下痢することはありますか？
    回答：

    下痢はクラリスロマイシンの主な副作用の一つとしてあげられます。
    クラリスロマイシンは腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスを乱し、これが下痢の原因となることがあります。
    通常、この下痢は軽度で一過性であり、薬の服用を中止すると改善することが多いです。
    しかし、重度の下痢や血便が見られる場合は、偽膜性大腸炎の可能性があるため、直ちに医師に相談する必要があります。
    偽膜性大腸炎は、抗生物質の使用によって引き起こされる重篤な腸の炎症です。
    下痢のリスクを軽減するためには、食事と一緒に服用したり、プロバイオティクスを摂取したりすることが有効です。
    また、十分な水分補給も重要です。

  • 質問：
    クラリスロマイシンの推奨される投与量はどのくらいですか？
    回答：

    クラリスロマイシンの推奨される成人の投与量は、通常の細菌感染症に対して200mg～400mgを1日2回、7～14日間服用することが一般的です。
    重症感染症の場合は、400mgを1日2回投与することがあります。
    ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療では、400mgを1日2回、7日間他の薬剤と併用して服用します。
    また、非結核性抗酸菌症の場合は、400mgを1日2回投与します。
    小児の場合、体重1kgあたり10～15mg(力価)を1日2～3回投与することが一般的で、最大投与量は1日あたり400mgです。
    高齢者や腎機能障害のある患者では、投与量を減量することがあります。

  • 質問：
    クラリスロマイシンと他の抗生物質の違いは何ですか？
    回答：

    クラリスロマイシンと他の抗生物質の違いは、その作用機序と抗菌スペクトル(どの細菌に有効かの範囲)にあります。
    クラリスロマイシンはマクロライド系抗生物質で、細菌のリボソームに結合してタンパク質合成を阻害します。
    これは、ペニシリン系やセフェム系抗生物質の細胞壁合成阻害とは異なる機序です。
    クラリスロマイシンは、グラム陽性菌、グラム陰性菌、マイコプラズマ、クラミジアなどの非定型菌に広く効果を示し、特に呼吸器感染症や皮膚感染症に有効です。
    また、組織への移行性が高く、特に肺や気管支などの呼吸器組織に高濃度で分布します。
    さらに、クラリスロマイシンは抗菌作用に加えて抗炎症作用も持っています。

  • 質問：
    クラリスロマイシンの価格はどれくらいですか？
    回答：

    日本国内では、クラリスロマイシンの先発品(クラリス錠)の場合、200mgの錠剤は1錠あたり30円、子ども用の50mg錠は1錠あたり約23円です。
    ジェネリック(後発品)の場合、200mg錠は1錠あたり約20～25円、50mgの子ども用錠は1錠あたり約12円です。
    ドライシロップ(粉薬)では、1gあたり約60～85円です。
    実際に支払う金額は、保険の種類や自己負担割合によって変わります。
    また、薬局や病院によっても価格が異なる場合がありますので、具体的な金額は医療機関で確認してください。

  • 質問：
    クラリスロマイシンは肺炎の治療に効果がありますか？
    回答：

    クラリスロマイシンは肺炎の治療に効果的な抗生物質の一つです。
    非定型肺炎に対しては、マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラなどの非定型病原体による肺炎に対して高い効果を示します。
    また、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスなどによる一般的な細菌性肺炎(市中肺炎)にも効果があります。
    特に高齢者の肺炎には、複数の病原体が関与していることが多いため、クラリスロマイシンの広い抗菌スペクトルが有効です。
    クラリスロマイシンの優れた組織移行性により、特に肺組織に高濃度で分布し、肺炎の治療に適しています。
    また、抗炎症作用も持つため、肺の炎症を軽減します。

  • 質問：
    クラリスロマイシンの処方方法は何ですか？
    回答：

    クラリスロマイシンの一般的な処方方法は以下の通りです。
    ・成人の場合：普通の細菌感染症では、200mgの錠剤を1回に1錠、朝と夕方の1日2回、7～14日間服用します。感染症が重い場合は、400mgの錠剤を同じように1日2回、7～14日間服用します。
    ・小児の場合：体重1kgあたり10～15mg(力価)の量を1日2～3回、7～14日間服用します。このとき、粉薬(ドライシロップ)を使うこともあります。
    ・ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療：200mgの錠剤を1回2錠、1日2回、他の薬剤と一緒に7日間服用します。
    ・非結核性抗酸菌症の場合：200mgの錠剤を1回4錠を1日1回、または1回2錠を1日2回服用します。

  • 質問：
    クラリスロマイシンとアルコールを併用しても問題ないですか？
    回答：

    クラリスロマイシンとアルコールの併用は、絶対的な禁忌ではありませんが、避けることが推奨されます。
    クラリスロマイシンとアルコールはともに肝臓で代謝されるため、併用すると肝臓への負担が増加します。
    また、アルコールはクラリスロマイシンの消化器症状や中枢神経系の副作用を増強する可能性があります。
    例えば、吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、めまいなどの副作用が悪化することがあります。
    さらに、アルコールは免疫機能を抑制するため、感染症の治癒を遅らせる可能性があります。

  • 質問：
    クラリスロマイシンの作用機序はどうなっていますか？
    回答：

    クラリスロマイシンは、マクロライド系抗生物質の一種で、細菌のリボソームの50Sサブユニットに結合し、タンパク質合成を阻害します。
    これにより、細菌は増殖できず死滅します。
    クラリスロマイシンは、グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌に対して広範な抗菌スペクトルを持ち、バイオフィルム形成の抑制や抗炎症作用もあります。
    経口投与後に速やかに吸収され、肝臓で活性代謝物(14-ハイドロキシクラリスロマイシン)に変換され、この代謝物も抗菌活性を持ちます。
    これにより、クラリスロマイシンは多様な細菌感染症の治療に有効です。

  • 質問：
    クラリスロマイシンは妊娠中に使用しても安全ですか？
    回答：

    クラリスロマイシンの妊娠中の使用については、一般的には避けるべきとされています。
    動物実験ではクラリスロマイシンが胎児に対して毒性を示すことが報告されていますが、ヒトでの十分なデータはありません。
    そのため、妊娠中の使用についてはリスクとベネフィットを慎重に検討する必要があります。
    ただし、感染症が重篤であり、他の治療法が適切でない場合には、医師の判断によりクラリスロマイシンが処方されることがあります。
    この場合、母体の健康と胎児のリスクを踏まえて、治療法を選択することが重要です。