リスペリドンの成分画像
  • カナ
    リスペリドン
  • 英語名
    Risperidone
  • 化学式
    C23H27FN4O2
  • 分子量
    410.485 g/mol

リスペリドンが持つ効果

リスペリドンは、統合失調症や双極性障害の躁状態、自閉スペクトラム症に伴う興奮や攻撃性の治療に用いられる抗精神病薬です。
脳内の神経伝達物質のバランスを整える働きがあり、幻覚や妄想などの症状を和らげます。

リスペリドンは、統合失調症の陽性症状と陰性症状の両方に効果を示します。
陽性症状には幻覚や妄想が含まれ、陰性症状には感情の平板化や意欲の低下などが該当します。

この薬は、脳内のドーパミンとセロトニンの受容体に作用し、これらの神経伝達物質の過剰な活動を抑えます。
その結果、思考の乱れや現実感の喪失といった症状が改善されることがあります。

リスペリドンは、統合失調症の再発予防にも有効です。
症状が安定した後も継続して服用することで、症状の再燃リスクを下げる効果が期待できます。

双極性障害と自閉スペクトラム症への応用

双極性障害の躁状態に対しても、リスペリドンは効果を発揮します。
過度の興奮や活動性を抑え、気分の安定化を助けます。

自閉スペクトラム症の方の中には、強い興奮や攻撃性を示す場合があります。
リスペリドンはこうした症状の緩和に役立つことがあり、コミュニケーションや社会性の改善にもつながる可能性があります。

日常生活での注意点

リスペリドンの効果が現れるまでには時間がかかります。
すぐに効果が感じられなくても、医師の指示通りに服用を続けることが大切です。

リスペリドンを服用中は、アルコールを控えめにすることをおすすめします。
アルコールにより眠気などの副作用が強まる可能性があるためです。

暑い環境下では体温調節機能が低下することがあるため、熱中症に注意が必要です。
外出時は帽子や日傘を使用し、こまめな水分補給を心がけましょう。

運転や危険を伴う機械の操作は、慎重に行う必要があります。
特に服用開始時や増量時は、眠気やめまいが生じやすいため注意が必要です。

副作用と対処法

リスペリドンによく見られる副作用には以下があります。

  • 眠気
  • 体重増加
  • めまい
  • 口の渇き

これらの症状の多くは、時間とともに軽減することがあります。

体重増加は比較的よく見られる副作用の一つです。
規則正しい食生活と適度な運動を心がけましょう。

また、まれに不随意運動(体の一部が勝手に動いてしまう症状)が現れることがあります。
このような症状に気づいたら、速やかに医師に相談しましょう。

高齢者では、脳血管疾患のリスクが高まる可能性があるため、注意深く経過を見守る必要があります。

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    リスペリドンはどのような症状の治療に使用されますか?
    回答:

    リスペリドンは第二世代の抗精神病薬(非定型抗精神病薬)であり、中枢神経系に作用するドパミンやセロトニンの機能を調節して、不安、緊張などの症状を和らげ、精神の不安定な状態を抑え、気力や関心の持てない状態を改善させます。
    通常、統合失調症、小児期(原則として5歳以上18歳未満)の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の治療に用いられます。

  • 質問:
    リスペリドンの副作用には何がありますか?
    回答:

    ブスピロン塩酸塩の主な副作用には、アカシジア、不眠、便秘、ふるえ、よだれ、眠気、不安、筋肉のこわばり、倦怠感、発疹、肝機能異常があります。
    重大な副作用には、強い筋肉のこわばり、飲み込みにくい、脈が速くなる(悪性症候群)、口や舌の異常(遅発性ジスキネジア)、筋肉の痛みやしびれ(横紋筋融解症)、のどの渇きや尿の増加(糖尿病の可能性)、呼吸困難、胸痛、浮腫(血栓症の可能性)が含まれます。
    これらの症状が現れた場合は、すぐに医師または薬剤師に相談してください。

  • 質問:
    リスペリドンはどのようにして服用すればよいですか?
    回答:

    リスペリドンの服用方法を体重ごとにまとめると、以下のようになります。
    ・成人:初めは1mgを1日1回、その後2~6mgを1日2回。なお、年齢、症状により適宜増減し、1日量は12mgまで
    ・体重15kg~20kg:初めは0.25mgを1日1回、その後0.5mgを1日2回。増量は1週間おきに0.25mgずつ、最大1mgまで
    ・体重20kg以上:初めは0.5mgを1日1回、その後1mgを1日2回。増量は1週間おきに0.5mgずつ、体重に応じて最大2.5mg(45kg未満)または3mg(45kg以上)まで

  • 質問:
    リスペリドンどのくらいの時間で効きますか?
    回答:

    リスパダールの半減期(体内の濃度が半分になるまでの時間)は約1.1時間で、最高血中濃度に達するまでの時間は4時間です。
    つまり、リスパダール自体の効果は短い時間で減少します。
    しかし、リスパダールが体内で分解されるとパリペリドンという成分ができ、これが長く効果を持続させます。
    パリペリドンの半減期は6.6~13.8時間で、最高血中濃度に達するまで24時間かかります。
    このため、リスパダールは1日1回の服用でも、比較的長く安定した効果が得られます。

  • 質問:
    リスペリドンは1日何回まで使用できますか?
    回答:

    通常、成人にはリスペリドンとして1回1mg(1mL)を1日2回から開始し、徐々に増量します。
    維持量は通常1日2~6mg(2~6mL)を原則として1日2回に分けて経口投与します。
    なお、年齢、症状により適宜増減しますが、1日量は12mg(12mL)を超えないことが重要です。
    0.25mg単位での調節が必要な場合は、内用液または細粒を使用します。

  • 質問:
    リスペリドンの副作用は何がありますか?
    回答:

    主な副作用として立ちくらみ、めまい、眠気、口の渇き、便秘、尿が出にくい、動悸、体重増加などがあります。
    ホルモン関連(高プロラクチン血症)の副作用として、女性では生理不順や乳汁分泌を起こしたり、男性では乳房が大きくなったりすることがあります。
    服用量が多くなると、手のふるえ、こわばり、じっとできないといったパーキンソン病の様な症状が出やすくなります。
    血糖値の変動による昏睡や意識障害もあり、症状としては、のどが異常に渇く、多飲、多尿、頻尿などが挙げられます。
    低血糖の場合は脱力感や倦怠感、冷や汗、ふるえ、眠気などが現れます。

  • 質問:
    リスペリドン を急に中断するとどうなりますか?
    回答:

    リスペリドンを急に飲むのをやめると離脱症状が出現する可能性があります。
    症状としてはめまい、頭痛、吐き気、だるさ、耳鳴り、イライラ、不安、不眠などが生じる可能性もあります。
    中止する場合は、服用期間や量に応じて、少しずつ減量しながら中止していく薬になるため、主治医に相談しましょう。

  • 質問:
    リスペリドン は抗精神薬ですか?
    回答:

    リスペリドンは抗精神病薬に分類される薬剤です。
    リスペリドンは第二世代抗精神病薬であり、セロトニン・ドーパミン遮断薬というグループに属します。
    効果としては幻覚や妄想、興奮などの精神科的症状を抑えることができます。
    副作用として眠気が強くなったり、ぼーっとしてしまうことがあり、これを過鎮静と言います。
    抗精神病薬に分類される薬剤はどの薬も過鎮静を引き起こす可能性があります。
    過鎮静を起こしてしまった場合は、その原因となった薬剤を止めることを検討する必要があります。

  • 質問:
    リスペリドン の高齢者への副作用はありますか?
    回答:

    リスペリドンを使用することで高齢者の副作用症状が強く出る可能性があります。
    高齢者は代謝能力が低下するため、薬剤が体内から排出されにくくなり、副作用が起こりやすいだけでなく重症化しやすくなります。
    高齢者に起こりやすい症状として、ふらつき、転倒、記憶障害、せん妄、抑うつ、食欲低下、便秘、排尿障害、尿失禁などがあります。

  • 質問:
    リスペリドン は認知症の人にも適応がありますか?
    回答:

    リスペリドンは、幻覚や妄想を軽減させる第二世代抗精神病薬です。
    リスペリドンはドーパミン受容体だけではなく、セロトニン受容体も遮断することができます。
    それにより、副作用である錐体外路症状を和らげたり、統合失調症の自閉・感情鈍麻や認知機能低下を軽減することも期待されます。
    ただし、認知症関連の精神症状に対する適応外使用例において、死亡率が1.6~1.7倍高かったという研究報告があるため、認知症における安易な使用は控えましょう。

  • 質問:
    リスペリドンには鎮静効果がありますか?
    回答:

    リスパダールは、幻聴や妄想などの陽性症状に対しての効果が期待でき、効果に安定感もあります。
    また、双極性障害に対しては、穏やかな鎮静作用があるため、躁状態を中心に効果が期待できます。
    うつ病や強迫性障害に対しては、抗うつ剤の効果増強のために使われることもあります。
    リスパダールには鎮静作用があるため、衝動をコントロールしやすくするために使われたり、強い不安や不眠に対しても使われることがあります。

  • 質問:
    リスペリドンの適切な投与量はどのくらいですか?
    回答:

    統合失調症に対するリスペリドンの適切な投与量として、通常、成人にはリスペリドンとして1回1mgを1日2回より開始し、徐々に増量します。維持量は通常1日2~6mgを原則として1日2回に分けて経口投与しますが、年齢、症状により適宜増減します。
    ただし、1日量は12mgを超えないようにすることが重要です。

  • 質問:
    リスペリドンと他の抗精神病薬との違いは何ですか?
    回答:

    リスペリドンは、幻覚や妄想を軽減させる第二世代抗精神病薬であり、セロトニン・ドーパミン遮断薬(serotonin dopamine antagonist、通称SDA)というグループに属します。
    以前使用されていた第一世代抗精神病薬は、ドーパミン受容体だけを遮断するものでしたが、第二世代抗精神病薬はセロトニン受容体も遮断することができます。
    そのため、副作用である錐体外路症状を和らげたり、統合失調症の陰性症状(自閉・感情鈍麻など)や認知機能低下を軽減することも期待されます。

  • 質問:
    リスペリドンを服用すると眠気が出ることがありますか?
    回答:

    リスペリドンを服用することで眠気が出ることがあります。
    その他の副作用としては、立ちくらみ、めまい、口の渇き、便秘、尿が出にくい、動悸、体重増加などがあります。
    そのため、眠気が出たり注意力や反射運動能力が低下することがあるので、車の運転など危険を伴う機械の操作、高所での危険な作業は避けましょう。

  • 質問:
    リスペリドンと他の薬との併用できますか?
    回答:

    この薬の活性代謝物はパリペリドンと同じため、パリペリドンとの併用は避ける必要があります。
    その他の安定剤との飲み合わせでも、作用が増強したり副作用が出やすくなる可能性があり、パーキンソン病の薬ではお互いの作用が弱まる可能性があります。
    降圧薬との併用では、めまいや立ちくらみの発現に注意が必要です。
    また、アドレナリンとの併用ではアドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を引き起こす恐れがあります。

  • 質問:
    リスペリドンの血中濃度を測定する必要がありますか?
    回答:

    定期的にリスペリドンの血中濃度を測定する必要があります。
    リスペリドン服用により高頻度で起こる副作用として高プロラクチン血症が挙げられます。
    典型的な臨床症状としては性腺機能低下症と乳汁漏出無月経症候群があります。
    女性では90%以上に月経異常が起こり不妊の原因となり、男性では性欲減退や稀に女性化乳房になることがあります。
    リスペリドンの用量が多いと、副作用が出現する可能性が高いため、症状の観察と定期的な血中濃度の測定が必要です。

  • 質問:
    リスペリドンの過剰摂取時の対処法は何ですか?
    回答:

    リスペリドンの副作用として、立ちくらみ、めまい、眠気、口の渇き、便秘、尿が出にくい、動悸、体重増加などがあります。
    過剰摂取することで、これらの副作用が出現するリスクが高まります。
    また、服用量が多くなると、手のふるえ、こわばりといった症状が出やすくなります。
    さらに長期服用することで遅発性ジスキネジアが出現する可能性があります。
    そのほかにも血糖値の変動が見られ、高血糖になると、のどが異常に渇く、多飲、多尿、頻尿などが挙げられます。
    低血糖を起こすと、脱力感や倦怠感、冷や汗、ふるえ、眠気などが現れます。以上のような症状が現れた場合はすぐに受診しましょう。

  • 質問:
    リスペリドンは妊娠中に服用しても安全ですか?
    回答:

    リスパダールのお薬の添付文書には、「妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること」と記載されています。
    リスパダールは、奇形のリスクに関して明確な報告はありません。
    しかし、リスパダールが影響するのは産まれた後の赤ちゃんになります。
    離脱症状や錐体外路症状が認められることがあると報告されています。

  • 質問:
    リスペリドンの長期使用による影響は何ですか?
    回答:

    リスペリドンを長期使用すると遅発性ジスキネジアが出現する可能性があります。
    唇をすぼめる、舌を左右に動かす、口を突き出す、口をもぐもぐさせるといった意味のない動きが、自分の意思とは無関係に繰り返されます。
    治療としては、使用している薬を減らす、薬を変更する、症状を抑える薬を使うなどが挙げられます。
    症状が見られた場合は、抗精神病薬を処方されている病院を受診しましょう。

  • 質問:
    リスペリドンの代謝経路は何ですか?
    回答:

    健康成人にリスペリドンを経口投与した場合、主に肝臓で代謝されると推定されます。
    リスペリドン1mgを単回経口投与した場合、投与後7日間までに放射活性の14%が糞中に、69%が尿中に排泄されたというデータがあります。