トラネキサム酸の成分画像
  • カナ
    トラネキサムサン
  • 英語名
    Tranexamic Acid
  • 化学式
    C8H15NO2
  • 分子量
    157.21 g/mol

トラネキサム酸が持つたくさんの効果

トラネキサム酸は、様々な医療場面で使われている成分です。
トラネキサム酸の最も代表的な働きは、出血を抑えることです。
血液中には、傷ついた血管を修復するために血液を固める仕組みと、固まった血液を溶かす仕組みがあります。
トラネキサム酸は、この血液を溶かす仕組みを抑える働きがあります。
その結果、血液が固まりやすくなり、出血が止まりやすくなるのです。

この効果を利用して、トラネキサム酸は様々な場面で使用されています。
例えば、大きな手術の際に出血を減らすために使われており、特に心臓の手術や、人工関節を入れる整形外科の手術などで効果を発揮します。

また、月経過多症という、生理の出血が多すぎる症状にも使います。
トラネキサム酸を服用することで、過剰な出血を抑え、症状を和らげられるのです。

歯科治療の分野でも活躍しています。
歯を抜いた後の出血を抑えるために使用されることがあります。
口の中は血液が固まりにくい環境なので、トラネキサム酸の効果が特に発揮されやすいのです。

美白効果と肌への働き

上記の働きを知ると意外かもしれませんが、トラネキサム酸には美白効果もあります。
肌の中でメラニン色素が作られるのを抑える働きがあるのです。

肌の色素沈着は、メラニンという色素が関係しています。
トラネキサム酸は、このメラニンの生成を抑える効果があり、シミやそばかすの治療にも使います。
特に肝斑(かんぱん)と呼ばれる、頬にできる大きなシミの治療に効果があると言われています。

トラネキサム酸の美白効果は、飲み薬としても外用薬としても利用されています。
内服薬として使う場合は、体の中からメラニンの生成を抑えます。
一方、クリームなどの外用薬として使う場合は、直接肌に塗ることで効果を発揮します。

トラネキサム酸の注意点

トラネキサム酸は安全性の高い成分ですが、いくつか注意点があります。

まず、血栓症のリスクがある人は注意が必要です。
トラネキサム酸は血液を固まりやすくする作用があるため、もともと血栓ができやすい状態の人が使用すると、血栓症のリスクが高まる可能性があります。

副作用としては、胃腸の不快感や吐き気、下痢などが起こることがあります。
また、めまいや頭痛を感じる人もいます。
これらの症状が現れた場合は、医師に相談しましょう。

トラネキサム酸は、出血を抑える、美白効果があるなど、一見異なる分野での効果を持つ成分です。
正しい使用法を守れば、複数の効果を得られるでしょう。

トラネキサム酸を含有する医薬品

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有効成分
トラネキサム酸
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販売価格 2,380円~
1錠 186円~

クリップ500mgとは クリップ500mgは、トラネキサム酸を有効成分とする内服薬です。 トラネキサム酸は抗プラスミン薬に分類され、主にシミやそばかすの改善、肝斑(かんぱん)の治療に使用されます。 クリップ500mgは、メラニン生成のプロセスに介入することで、これらの色素沈着を改善する効果があります。 特に、他の治療法...

有効成分
トラネキサム酸

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    トラネキサム酸は何に効果的ですか?
    回答:

    トラネキサム酸は、色素沈着やメラニン生成を抑える効果があり、美白効果が期待できます。
    2002年には厚生労働省から美白成分として承認されており、シミやそばかすの改善に役立ちます。
    人工的に作られたアミノ酸の一種であるため、食事からの摂取は難しく、医師の指示に従って適切に摂取することが推奨されます。

  • 質問:
    トラネキサム酸は喉の痛みに効きますか?
    回答:

    トラネキサム酸は、1965年に第一三共によって開発された抗炎症成分で、50年以上の実績があります。
    医薬品だけでなく、美白化粧品などにも広く使用されています。
    炎症部位のプラスミンの産生・増加を抑えることで、炎症や痛みを引き起こす物質の発生を防ぎます。
    これにより、喉の痛みや腫れを緩和する効果があります。

  • 質問:
    トラネキサム酸はいつ頃から効果が見られますか?
    回答:

    トラネキサム酸は抗炎症作用だけでなく、美容目的でも注目されています。
    シミや白斑対策での効果は即効性はなく、服用を続けることで徐々に現れます。
    早い場合で4週間、遅い場合で8週間で効果が見られることが多いです。
    トラネキサム酸は、美容クリニックまたはオンライン診療で医師の診療を受ければ自由診療(保険適用外)で処方されることがあります。

  • 質問:
    トラネキサム酸の副作用はありますか?
    回答:

    トラネキサム酸には、吐き気や食欲不振、下痢などの消化器症状が副作用として現れることがあります。
    また、血を固まりやすくする効果があるため、血栓ができるリスクもあります。
    皮膚のかゆみや息苦しさなどのアレルギー症状が出る場合もあり、異変を感じたら服用を中止して医師に相談することが重要です。

  • 質問:
    トラネキサム酸はシミや肝斑に効果がありますか?
    回答:

    トラネキサム酸には、シミや肝斑の原因となるメラニン色素の生成を抑える効果があります。
    メラノサイトの活性化を防ぐため、そばかすや肝斑、老人性色素斑、傷の炎症後色素沈着に対して効果が期待できます。
    これにより、美白効果が得られます。

  • 質問:
    トラネキサム酸は美白にどのように効果がありますか?
    回答:

    トラネキサム酸は、美白効果を持つ薬剤として注目されています。
    その主な作用は、メラニンの生成を抑制することです。
    メラニンは肌のシミやくすみの原因となる色素であり、トラネキサム酸がその生成を抑えることで、肌のトーンを均一にし、シミやくすみを改善する効果が期待できます。
    ただし、副作用として胃腸の不調やめまい、皮膚のかゆみや発疹が報告されているため、使用の際には医師の指導のもと、適切な使い方を守ることが重要です。

  • 質問:
    トラネキサム酸を含む医薬品にはどのようなものがありますか?
    回答:

    トラネキサム酸は、扁桃炎や咽頭炎などの喉の炎症を抑える薬として処方されるほか、美白や肝斑の治療薬としても使用されています。
    市販の医薬品としては、喉の痛みや腫れには「ペラックT錠」や「トラフル錠」、美白やしみケアを目的とした肝斑治療薬として「トランシーノEX」があります。

  • 質問:
    トラネキサム酸はどのようなメカニズムでシミを改善しますか?
    回答:

    トラネキサム酸は、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑制することでシミを改善します。
    具体的には、メラノサイトという細胞がメラニン色素を生成する際にかかわるプロスタグランジンなどの物質を抑制する作用があります。
    これにより、メラノサイトの活動が抑えられ、過剰なメラニンの生成が防がれます。
    結果として、肌のターンオーバーが正常に行われ、シミの予防や改善に繋がります。

  • 質問:
    トラネキサム酸はどのようなタイミングで服用するべきですか?
    回答:

    トラネキサム酸は、成人の場合1日3~8錠(主成分として750~2,000mg)を3~4回に分けて服用します。
    服用量は個人の症状や年齢によって異なるため、必ず医師の指示に従ってください。
    飲み忘れた場合は、思い出した時にできるだけ早く飲むようにし、次の服用時間が近い場合は、1回分だけを服用してください。
    2回分を一度に服用すると、副作用のリスクが高まるため避けてください。

  • 質問:
    トラネキサム酸の効果を最大限に引き出すためにはどうすればよいですか?
    回答:

    トラネキサム酸の美白効果を最大化するためには、美容皮膚科での診察を受けることが推奨されます。
    美容皮膚科医は、患者さんの肌の状態や目標に基づいて最適なトラネキサム酸の使用方法や処方を提供します。
    さらに、専門医による定期的なフォローアップにより、効果の確認と副作用の管理が行われるため、より安全で効果的な美白ケアが可能となります。

  • 質問:
    トラネキサム酸を長期間服用しても安全ですか?
    回答:

    トラネキサム酸を長期間服用する場合には注意が必要です。
    長期使用により、肝機能障害のリスクが増加することが報告されています。
    具体的には、稀に重症の肝障害が発生し、最悪の場合、肝臓移植が必要になるケースもあります。
    トラネキサム酸は腎臓や肝臓で代謝されるため、これらの臓器への負担が大きくなる可能性があります。
    また、血栓形成のリスクも高まるため、長期間の使用は慎重に行うべきです。
    医師の指導の下で適切に使用しましょう。

  • 質問:
    トラネキサム酸と他の美白成分を併用しても問題ないですか?
    回答:

    他の美白成分とトラネキサム酸を併用する際は、医師に相談することが大切です。
    異なる成分同士の相互作用により、効果が減少したり、副作用が強く出る可能性があります。
    美容クリニックでは、トラネキサム酸と他の美容内服薬を併用することが一般的ですが、副作用や効果を慎重に考慮した上で処方されています。
    自己判断で複数の美白成分を併用する前に、医師や薬剤師に相談し、適切な指導を受けることが望ましいです。

  • 質問:
    トラネキサム酸は経口摂取と外用剤のどちらが効果的ですか?
    回答:

    肝斑の治療には内服薬と外用薬がありますが、トラネキサム酸の内服薬は外用薬に比べてより効果的であると報告されています。
    外用薬にはトレチノインやハイドロキノン、ナイアシンアミド、アスコルビン酸、トラネキサム酸などが使われますが、改善率はさほど高くありません。
    一方、トラネキサム酸の内服治療は、肝斑の改善において顕著な効果が認められています。
    内服薬としてのトラネキサム酸は、肝斑治療において非常に有効です。

  • 質問:
    トラネキサム酸の服用を開始する前に医師に相談する必要がありますか?
    回答:

    トラネキサム酸の服用を開始する前には、必ず医師に相談することが重要です。
    トラネキサム酸は、吐き気や食欲不振、下痢などの副作用が生じる可能性があり、用法・用量を守らないと副作用が強く現れることがあります。
    また、長期服用による重大な副作用のリスクもあるため、医師の指導のもとで適切な使用を心がける必要があります。
    医師のカウンセリングを受け、個々の身体状態に応じたスケジュールで服用することをおすすめします。

  • 質問:
    トラネキサム酸の服用をやめるとシミが再発しますか?
    回答:

    トラネキサム酸の内服をやめると、シミが再発する可能性があります。
    これは、トラネキサム酸が抑制していたプラスミンの活動が再び活発になり、メラニン生成が促進されるためです。
    シミの再発には個人差があり、一部の人は再発しない場合もありますが、自己判断で服用を中止すると治療効果がなくなることがあります。
    服用をやめたい場合は、医師と相談して中止のタイミングを決めましょう。

  • 質問:
    トラネキサム酸は市販薬として購入できますか?
    回答:

    トラネキサム酸(トランサミン)は、ドラッグストアで市販されていますが、美肌やシミ対策などの美容目的での購入はできません。
    市販されているトラネキサム酸は、一般的に止血や抗炎症目的で使用されることが多いです。
    美容目的でトラネキサム酸を使用したい場合は、美容クリニックを受診し、医師に処方してもらう必要があります。
    美容内服薬として処方される場合は、保険適用外となることが多いですが、他の成分が含まれていない方が目的に適した治療ができるため、まずは医師のカウンセリングを受けることをおすすめします。

  • 質問:
    トラネキサム酸の服用による肝斑の改善にはどのくらいの期間が必要ですか?
    回答:

    トラネキサム酸を用いた肝斑の改善には、一般的に約2ヵ月の服用が目安とされています。
    治療を開始してから約2ヵ月で効果を実感する人が多いです。
    ただし、肝斑の改善には個人差があり、完全に効果を感じるにはもう少し時間がかかる場合もあります。
    また、内服薬以外の治療法として、美容皮膚科でのレーザー治療や光治療、ケミカルピーリングも選択肢として考えられます。
    肝斑の治療に関しては、医師と相談しながら継続的に治療を進めることが重要です。

  • 質問:
    トラネキサム酸は妊娠中や授乳中に服用しても安全ですか?
    回答:

    トラネキサム酸は、妊娠中や授乳中に服用しても比較的安全とされています。
    オーストラリアの基準では、「カテゴリーB1」に分類されており、動物実験で胎児に対する有害作用は確認されていないものの、使用経験は限られています。
    妊娠中や授乳中に使用する際は、医師と相談の上で服用を決めるのが望ましいです。
    また、個々の体調や状況によっても異なるため、医師の指導に従うことが重要です。

  • 質問:
    トラネキサム酸とビタミンCを併用すると効果が高まりますか?
    回答:

    トラネキサム酸とビタミンCを一緒に使用することで、肝斑やシミの改善効果が高まると考えられています。
    トラネキサム酸はメラニン生成を抑制し、ビタミンCは抗酸化作用とメラニンの生成を防ぐ役割があります。
    両方の成分を併用することで、シミや肝斑の改善がより効率的になることが期待されます。
    ビタミンC(ビタミンC誘導体)は外用薬として使用することもでき、これにより皮膚に直接作用させることで効果を高めることができます。
    併用する際は、専門家と相談して適切な方法を選ぶことが推奨されます。

  • 質問:
    トラネキサム酸は炎症後色素沈着にも効果がありますか?
    回答:

    トラネキサム酸は炎症後の色素沈着にも効果があるとされています。
    これは、トラネキサム酸がプラスミンという物質の生成を抑えることによって、メラノサイトの活性化を防ぐためです。
    メラノサイトが活性化するとメラニン色素が増え、色素沈着を引き起こす原因となります。
    トラネキサム酸は、抗炎症作用もあるので、紫外線の影響で悪化する一般的なシミや肝斑だけでなく、炎症後色素沈着の予防や改善にも効果を発揮します。