• カナ
    ダパグリフロジン
  • 英語名
    Dapagliflozin
  • 化学式
    C21H25ClO6
  • 分子量
    408.880 g/mol

ダパグリフロジンの作用機序

ダパグリフロジンは、2型糖尿病の治療に使用される比較的新しいタイプの薬剤です。
SGLT2阻害薬と呼ばれるグループに属し、従来の糖尿病薬とは異なるメカニズムで血糖値を下げる効果があります。

ダパグリフロジンは、腎臓での糖の再吸収を抑制することで血糖値を下げます。
腎臓の近位尿細管に存在するSGLT2(ナトリウム・グルコース共輸送体2)というタンパク質の働きを阻害します。

通常、腎臓で濾過された糖の大部分はSGLT2を介して血液中に再吸収されます。
ダパグリフロジンはこの再吸収を抑制することで、余分な糖を尿中に排出させます。
そのため血糖値が低下し、同時に余分なカロリーも体外に排出されます。

ダパグリフロジンの主な効果

  • 血糖値の低下
    食後および空腹時の血糖値を改善します。

  • 体重減少
    尿中に糖を排出することでカロリー損失が起こり、結果として体重減少につながることがあります。

  • 血圧低下
    軽度ですが、血圧を下げる効果も報告されています。

  • 心不全リスクの低減
    特定の心血管リスクを持つ患者では、心不全による入院リスクを低減する可能性があります。

使用上の注意

ダパグリフロジンを使用する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 脱水に注意
    尿量が増加するため、十分な水分摂取が必要です。

  • 尿路感染症や性器感染症のリスク
    糖を含んだ尿が増えるため、これらの感染症のリスクが高まる可能性があります。

  • 低血糖
    単独では低血糖のリスクは低いですが、インスリンや他の血糖降下薬と併用する場合は注意が必要です。

  • 手術前
    手術の前には一時的に中止が必要な場合があります。

副作用と効果的な使用法

ダパグリフロジンの主な副作用には以下のようなものがあります。

  • 頻尿や尿量の増加
  • 脱水症状(のどの渇き、めまいなど)
  • 尿路感染症や性器感染症
  • 血圧低下
  • めまいや立ちくらみ

これらの副作用の多くは軽度で一時的なものですが、気になる症状がある場合は医師に相談しましょう。

ダパグリフロジンは、毎日同じ時間に服用することで安定した効果が得られます。
服用中は脱水を防ぐため、十分な水分摂取を心がけましょう。
また、血糖値や腎機能、尿検査などを定期的に受けることが大切です。

普段から適切な衛生管理を行い、尿路感染症や性器感染症を予防しましょう。
さらに、適切な食事療法や運動療法と組み合わせることで、より効果的な血糖コントロールが期待できます。

2型糖尿病の管理は長期的な取り組みが必要です。
ダパグリフロジンを含む薬物療法は、その一部に過ぎません。
バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理など、総合的なアプローチが重要です。

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有効成分
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よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    ダパグリフロジンの効能は何ですか?
    回答:

    ダパグリフロジンは、SGLT-2(ナトリウム・グルコース共輸送体2)阻害薬に分類される糖尿病治療薬です。
    主な効能は糖尿病患者さんの血糖値を下げることです。
    ダパグリフロジンは腎臓でのグルコース再吸収を阻害し、尿中にグルコースを排出することで血糖値を低下させます。
    これにより、血糖コントロールが改善され、糖尿病の合併症リスクが減少します。
    さらに、体重減少や血圧低下の効果も報告されています。
    体重減少は、尿中に排出されるグルコースがカロリーとしても排出されるためであり、血圧低下は利尿作用による体内の余分な水分の排出によるものです。
    これらの効果により、ダパグリフロジンは心血管疾患や腎臓病のリスクを減少させる効果も期待されています。

  • 質問:
    ダパグリフロジンは心不全に適応ですか?
    回答:

    ダパグリフロジンは、心不全の治療にも適応があります。
    特に、心不全による入院リスクを減少させる効果が確認されています。
    ダパグリフロジンは利尿作用や血圧低下作用、心臓の負担を軽減する作用により、心不全の進行を遅らせる効果が期待されています。
    メカニズムとしては、利尿作用により体内の余分な水分が排出され、心臓の負担が軽減されます。
    これにより、心不全の症状が改善され、患者さんの生活の質が向上します。
    また、血圧が低下することで、心臓の負担がさらに軽減されます。
    これにより、心不全による入院リスクが減少するのです。

  • 質問:
    ダパグリフロジンの副作用は何がありますか?
    回答:

    ダパグリフロジンの主な副作用には、尿路感染症、性器感染症、低血糖、脱水症状、血圧低下などがあります。
    特に、尿中にグルコースが排出されるため、尿路や性器の感染症リスクが高まることがあります。
    また、利尿作用により脱水症状や電解質異常が発生することがあります。
    これにより、口渇、めまい、疲労感などの症状が現れることがあります。
    低血糖は、特にインスリンや他の糖尿病治療薬と併用する場合に注意が必要です。
    低血糖の症状としては、発汗、震え、動悸、意識障害などがあります。
    さらに、血圧低下により、めまいや立ちくらみが発生することがあります。
    これらの副作用が現れた場合は、直ちに医師に相談することが重要です。

  • 質問:
    ダパグリフロジンはどのように作用しますか?
    回答:

    ダパグリフロジンは、SGLT-2(ナトリウム・グルコース共輸送体2)を阻害することで作用します。
    SGLT-2は腎臓の近位尿細管に存在し、グルコースの再吸収を行います。
    通常、腎臓は血液中のグルコースを再吸収し、尿中に排出されるグルコースの量を最小限に抑えます。
    しかし、ダパグリフロジンがSGLT-2を阻害することで、グルコースの再吸収が抑制され、尿中に排出されるグルコースの量が増加します。
    これにより、血糖値が低下します。
    また、尿中に排出されるグルコースはカロリーとしても排出されるため、体重減少にも効果があります。
    さらに、ダパグリフロジンの利尿作用により、体内の余分な水分が排出され、血圧の低下にも繋がります。

  • 質問:
    ダパグリフロジンの摂取方法はどのようなものですか?
    回答:

    ダパグリフロジンは、通常1日1回、経口で服用します。
    食事の有無にかかわらず服用できますが、毎日同じ時間に服用することが推奨されています。
    用量としては、一般的に5mgから開始し、必要に応じて10mgに増量されることがあります。
    服用期間中は、定期的な血糖値のモニタリングが重要です。
    服用中に副作用が現れた場合は、直ちに医師に相談することが推奨されています。
    また、ダパグリフロジンは他の糖尿病治療薬と併用することが一般的です。
    併用する薬剤によっては相互作用が発生する可能性があり、特にインスリンやインスリン分泌促進薬と併用する場合は、低血糖のリスクが高まるため注意が必要です。

  • 質問:
    ダパグリフロジンは他の薬と併用しても安全ですか?
    回答:

    ダパグリフロジンは他の糖尿病治療薬と併用することが一般的です。
    ただし、併用する薬剤によっては相互作用が発生する可能性があります。
    特に、インスリンやインスリン分泌促進薬と併用する場合は、低血糖のリスクが高まるため注意が必要です。
    低血糖の症状としては、発汗、震え、動悸、意識障害などがあります。
    低血糖が発生した場合は、直ちに糖分を摂取し、医師に相談することが重要です。
    また、利尿薬と併用する場合は、脱水症状や電解質異常のリスクが増加する可能性があります。
    脱水症状の症状としては、口渇、めまい、疲労感などがあります。
    これらの症状が現れた場合も、直ちに水分を補給し、医師に相談することが重要です。

  • 質問:
    ダパグリフロジンはどのくらいの期間服用する必要がありますか?
    回答:

    ダパグリフロジンの服用期間は、一般的に糖尿病、心不全、または慢性腎臓病の治療において、長期間の継続的な服用が推奨されています。
    具体的には、医師の指示に従って1日1回の服用を続ける必要があります。
    治療を中断する場合は、必ず医師と相談し、指示に従ってください。
    また、突然の中断は病状を悪化させるリスクがあります。
    ダパグリフロジンの効果や副作用を観察するため、定期的な医療チェックが推奨されています。

  • 質問:
    ダパグリフロジンはどのようにして血糖値を下げるのですか?
    回答:

    ダパグリフロジンは、腎臓のSGLT-2を阻害することで血糖値を下げます。
    SGLT-2は腎臓の近位尿細管でグルコースを再吸収する役割を果たしています。
    通常、腎臓は血液中のグルコースを再吸収し、尿中に排出されるグルコースの量を最小限に抑えます。
    しかし、ダパグリフロジンがSGLT-2を阻害することで、グルコースの再吸収が抑制され、尿中に排出されるグルコースの量が増加します。
    これにより、血糖値が低下します。
    さらに、ダパグリフロジンの利尿作用により、体内の余分な水分が排出され、血圧の低下や体重減少の効果も得られます。
    これにより、心血管疾患や腎臓病のリスクが減少する効果も期待されています。

  • 質問:
    ダパグリフロジンはどのようにして体内で排泄されますか?
    回答:

    ダパグリフロジンは主に腎臓を通じて尿中に排泄されます。
    服用後、腎臓でのグルコース再吸収を阻害し、尿中にグルコースを排出することで血糖値を低下させます。
    ダパグリフロジン自体も腎臓を通じて排泄されるため、腎機能が低下している患者さんでは、薬剤の排泄が遅くなる可能性があります。
    このため、腎機能が低下している患者さんによっては、用量の調整が必要です。
    ダパグリフロジンの排泄は主に腎臓を通じて行われますが、一部は肝臓で代謝され、胆汁中に排泄されることもあります。
    ダパグリフロジンの代謝産物は主に尿中に排泄されます。

  • 質問:
    ダパグリフロジンはどのようにして腎臓に作用しますか?
    回答:

    ダパグリフロジンは、腎臓の近位尿細管に存在するSGLT-2を阻害することで作用します。
    SGLT-2はグルコースの再吸収を行う重要なタンパク質です。
    通常、腎臓は血液中のグルコースを再吸収し、尿中に排出されるグルコースの量を最小限に抑えます。
    しかし、ダパグリフロジンがSGLT-2を阻害することで、グルコースの再吸収が抑制され、尿中に排出されるグルコースの量が増加します。
    これにより、血糖値が低下します。
    また、尿中に排出されるグルコースはカロリーとしても排出されるため、体重減少にも効果的です。
    さらに、ダパグリフロジンの利尿作用により、体内の余分な水分が排出され、血圧の低下にも繋がります。

  • 質問:
    ダパグリフロジンの過剰摂取はどのような影響がありますか?
    回答:

    ダパグリフロジンの過剰摂取は、低血糖、脱水症状、電解質異常などのリスクを高める可能性があります。
    特に、インスリンや他の糖尿病治療薬と併用している場合は、低血糖のリスクが増加します。
    低血糖は重篤な状態に繋がる可能性があり、注意が必要です。
    低血糖の症状には、発汗、震え、動悸、意識障害などがあります。
    血糖値が50mg/dL未満に低下すると、脳などの中枢神経がエネルギー不足の状態になり、重症化する可能性があります。

  • 質問:
    ダパグリフロジンはどのようなタイプの糖尿病に効果的ですか?
    回答:

    ダパグリフロジンは、主に2型糖尿病の治療に効果的です。
    2型糖尿病は、インスリン抵抗性やインスリン分泌不足によって血糖値が上昇する疾患です。
    ダパグリフロジンは、腎臓でのグルコース再吸収を阻害し、尿中にグルコースを排出することで血糖値を低下させます。
    これにより、血糖コントロールが改善され、糖尿病の合併症リスクが減少します。
    また、ダパグリフロジンは、インスリンとは異なる作用機序を持つため、1型糖尿病の治療の際にはインスリン製剤の投与を中止しないことが重要です。

  • 質問:
    ダパグリフロジンは食事と一緒に摂取しても効果がありますか?
    回答:

    ダパグリフロジンは、食事の有無にかかわらず効果を発揮します。
    食事と一緒に摂取しても、空腹時に摂取しても、血糖値の低下効果は変わりません。
    これは、ダパグリフロジンが腎臓でのグルコース再吸収を阻害することで作用するためです。
    食事の影響を受けずに一定の効果を発揮するため、患者さんのライフスタイルに合わせて柔軟に服用できます。
    食事のタイミングに合わせる必要はありませんが、毎日同じ時間に服用することが推奨されています。

  • 質問:
    ダパグリフロジンは痩せますか?
    回答:

    ダパグリフロジンは、痩せる効果があるとされています。
    これは、尿中に排出されるグルコースがカロリーとしても排出されるためです。
    ダパグリフロジンの利尿作用により、体内の余分な水分が排出されることも痩せることに繋がります。
    臨床試験では、ダパグリフロジンを服用した患者さんの多くが体重の減少を経験しているとされています。
    そのため、体重の減少は2型糖尿病患者さんにとって重要な治療目標の1つであり、血糖コントロールの改善や心血管リスクの低減に繋がります。
    ただし、痩せるには個人差があり、すべての患者さんに同じ効果が現れるわけではありません。

  • 質問:
    ダパグリフロジンはなぜ心不全に効果があるのですか?
    回答:

    ダパグリフロジンが心不全の治療に効果があるとされる理由は、まず、ダパグリフロジンの利尿作用により体内の余分な水分が排出され、心臓の負担が軽減されるためです。
    これにより、心不全の症状が改善されます。
    さらに、ダパグリフロジンは血圧を低下させる効果があり、これも心臓の負担を軽減する要因となります。
    加えて、ダパグリフロジンは心筋のエネルギー代謝を改善し、心機能を向上させる効果があります。
    これらの効果により、心不全による入院リスクが減少し、心不全の進行が遅れることが期待されています。

  • 質問:
    ダパグリフロジンの先発品は何ですか?
    回答:

    ダパグリフロジンの先発品は「フォシーガ」です。
    フォシーガは、アストラゼネカとブリストル・マイヤーズスクイブによって開発されたSGLT-2阻害薬で、糖尿病の治療に使用されます。
    フォシーガは2012年に欧州連合で初めて承認され、その後、世界中で使用されています。
    ダパグリフロジンを有効成分とし、血糖値の低下、体重減少、血圧低下などの効果があります。
    ジェネリック医薬品も存在し、同様の効果が得られるとされています。

  • 質問:
    ダパグリフロジンは個人輸入できますか?
    回答:

    ダパグリフロジンを個人輸入することは可能で、日本国内では自己使用目的に限られますが、一定の制限を守れば輸入ができます。
    特に、一定量を超えない限り、厚生労働省の許可なしに輸入が可能です。
    個人輸入を行う際も、医師に相談し、適切な指導を受けることで、安全に利用することができます。

  • 質問:
    ダパグリフロジンの禁忌はありますか?
    回答:

    ダパグリフロジンの禁忌には、重度の腎機能障害、透析を受けている患者さん、重度の肝機能障害、妊娠中や授乳中の女性などが挙げられます。
    これらの患者さんには、ダパグリフロジンの使用が推奨されていません。
    また、過去にダパグリフロジンに対するアレルギー反応を示したことがある患者さんも禁忌とされています。
    さらに、低血圧や脱水症状のリスクが高い患者さん、重度の感染症や外傷を有する患者さんにも注意が必要です。
    ダパグリフロジンの使用前には、医師に詳細な病歴を伝え、適切な指導を受けることが重要です。

  • 質問:
    ダパグリフロジンとアルコールは併用できますか?
    回答:

    ダパグリフロジンとアルコールの併用は、一般的には推奨されていません。
    アルコールは血糖値に影響を与える可能性があり、低血糖や高血糖のリスクを高めることがあるためです。
    特に、空腹時にアルコールを摂取すると、低血糖のリスクが増加します。
    ダパグリフロジンは血糖値を低下させる効果があるため、アルコールとの併用により低血糖のリスクがさらに高まる可能性があります。
    アルコールを摂取する場合は、適量を守り、食事と一緒に摂取することがおすすめです。
    また、アルコール摂取後の血糖値のモニタリングを行い、異常があれば直ちに医師に相談するようにしましょう。

  • 質問:
    ダパグリフロジンの薬価はどれくらいですか?
    回答:

    ダパグリフロジンは先発品のフォシーガ錠のみ販売しています。
    フォシーガの薬価は、2024年6月現在、5mg錠が1錠あたり約169.9円、10mg錠が1錠あたり約250.7円とされています。
    フォシーガ(ダパグリフロジン)は主に糖尿病、心不全、および慢性腎臓病の治療に使用されており、これらの患者さんが日常的に服用することを前提として価格が設定されています。
    治療を継続するためには、医師の指示に従って定期的に服用する必要があります。
    また、薬価は保険適用時の価格であり、患者さんの自己負担額は保険の適用状況や処方の内容によって異なります。