• カナ
    イベルメクチン
  • 英語名
    Ivermectin
  • 化学式
    C47H72O14 (H2B1b)
  • 分子量
    875.1 g/mol

イベルメクチンの主な効果

イベルメクチンは、もともと動物用の駆虫薬として開発されましたが、その後ヒトの寄生虫疾患の治療にも使用されるようになった薬剤です。
近年では、新たな用途の可能性も研究されています。
特に腸管糞線虫症や疥癬の治療に用いられます。

イベルメクチンは、寄生虫の神経系や筋肉系に作用します。
グルタミン酸作動性塩素イオンチャネルを開放させ、寄生虫の筋肉を麻痺させることで駆虫効果を発揮します。
この作用は寄生虫に特異的であり、人体への影響は比較的少ないとされています。

一方で、近年のコロナパンデミック下では、イベルメクチンが適切な科学的根拠なく別の用途で使用される事例が報告され、医療従事者や規制当局に混乱をもたらしました。
医薬品の適切な使用や科学的根拠に基づいた医療の重要性を再認識させる契機となりました。

使用上の注意点

イベルメクチンは安全性の高い薬剤ですが、いくつかの注意点があります。

  • 妊娠中の使用
    妊娠中の安全性は確立されていないため、使用は控えめにすべきです。

  • 肝機能障害
    重度の肝機能障害がある場合は、用量調整が必要になることがあります。

  • ロア糸状虫感染
    ロア糸状虫に感染している場合、重篤な副作用が起こる可能性があるため、使用前に確認が必要です。

  • 薬物相互作用
    特定の薬剤との相互作用に注意が必要です。

イベルメクチンの副作用

イベルメクチンの副作用は一般的に軽度で一時的なものが多いですが、以下のような症状が現れる可能性があります。

  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気
  • 下痢
  • 筋肉痛や関節痛
  • 皮膚のかゆみや発疹

これらの症状の多くは、寄生虫が死滅する際に起こるマゾッティ反応によるものと考えられています。

イベルメクチンの効果的な使用

イベルメクチンを効果的に使用するためには、以下の点に注意しましょう。

  • 医師の指示に従う
    処方された用法・用量を厳守しましょう。

  • 全ての服用を完了する
    症状が改善しても、指示された期間の服用を完了することが重要です。

  • 副作用に注意する
    気になる症状があれば医師に相談しましょう。

  • 再感染を防ぐ
    特に疥癬などの場合、衣類や寝具の洗濯・消毒が重要です。

  • 定期的なフォローアップ
    特に長期治療が必要な場合は、定期的な検査や診察を受けましょう。

イベルメクチンは、適切に使用すれば多くの寄生虫疾患に効果的な治療薬です。
新たな可能性も研究されていますが、現時点では確立された治療法は寄生虫疾患の治療に限られています。

使用にあたっては、必ず医師の指示に従い、疑問や不安がある場合は遠慮なく相談しましょう。
また、予防的な衛生管理や生活習慣の改善も、寄生虫感染のリスクを減らすために重要です。

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イベルヒール 3mgとは イベルヒール3mgは、有効成分イベルメクチンを含む経口駆虫薬で、主に寄生虫感染症である腸管糞線虫症や疥癬(かいせん)の治療に用いられます。 この薬は寄生虫に直接作用して麻痺させ、体内での繁殖を防ぎ、最終的に排出される仕組みです。 イベルメクチンは、寄生虫による感染症の治療に非常に効果的...

有効成分
イベルメクチン

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    イベルメクチンは何に効きますか?
    回答:

    イベルメクチンは、主に寄生虫感染症に効果があります。
    日本国内では、腸管糞線虫症や疥癬の治療薬として認められており、海外では酒さの治療にも使用されています。
    また、人だけでなく動物でも寄生虫の駆除や予防に使用されます。
    このように、イベルメクチンは様々な疾患に有効な薬剤です。

  • 質問:
    イベルメクチンクリームはどの順番で塗りますか?
    回答:

    1日1回、洗顔後に豆粒大のイベルメクチンクリームを患部に塗ってください。
    スキンケアが必要な場合は、スキンケアの後にクリームを使用します。
    なお、クリームは皮膚のみに使用し、口や目など粘膜には使用しないでください。
    使用後は、手をよく洗いましょう。

  • 質問:
    イベルメクチンクリームとロゼックスゲルの違いは何ですか?
    回答:

    イベルメクチンクリームとロゼックスゲルは、どちらも酒さという皮膚疾患の治療に使われる塗り薬ですが、次のような違いがあります。
    ・国内承認の有無:イベルメクチンクリームは日本国内では承認されておらず、保険適用外です。一方、ロゼックスゲルは保険適用です。
    ・効き方の違い:イベルメクチンクリームは、酒さの原因と考えられているニキビダニの駆除や、炎症を抑える効果で酒さを改善します。一方、ロゼックスゲルは炎症や免疫を抑える効果で酒さを改善します。
    このように、どちらも酒さの治療に用いられますが、承認の有無や有効成分に違いがあります。

  • 質問:
    イベルメクチンクリームの副反応はありますか?
    回答:

    イベルメクチンクリームには、次のような副作用が報告されています。
    塗った部分の赤みや腫れ、ブツブツ、かゆみ、皮むけ、蕁麻疹
    これらの異常が長引く場合や、強い反応が現れた場合は、医師に相談してください。

  • 質問:
    イベルメクチンクリームは飲酒に効きますか?
    回答:

    イベルメクチンクリームは飲酒には効きません。
    イベルメクチンクリームは酒さという皮膚の病気の治療に使用される塗り薬であり、飲酒とは全く関係がありません。
    なお、イベルメクチンクリームは日本国内では承認されていない薬剤です。
    処方には医師の診断が必要ですので、酒さに悩んでいる方は一度医師に相談してください。

  • 質問:
    イベルメクチンクリームは安全ですか?
    回答:

    イベルメクチンは、安全性の高い薬剤です。
    アメリカでは2014年に使用が認められ、1年間の長期使用でも安全性に問題がないことが試験で確認されています。
    しかし、一部の方にはアレルギーのような重い副作用が出ることがあります。
    また、イベルメクチンクリームは日本国内で承認されていません。

  • 質問:
    イベルメクチンはニキビに効きますか?
    回答:

    イベルメクチンは、ニキビに効果があります。
    ニキビの原因の1つとして、顔の毛穴に寄生するニキビダニが考えられています。
    イベルメクチンは寄生虫を殺す効果があり、ニキビダニを死滅させることでニキビを改善するとされています。
    ただし、日本国内で承認されているイベルメクチンは錠剤のみであり、ニキビ治療には使用されていません。
    ニキビ治療に用いられるイベルメクチンにはクリームタイプのものがありますが、医師の判断により海外の薬剤が処方されます。
    個人で使用する場合、通販を利用して個人輸入することができます。

  • 質問:
    イベルメクチンクリームは長期使用しても大丈夫ですか?
    回答:

    イベルメクチンは、長期間使用しても問題ないとされています。
    アメリカでは2014年から使用されており、1年間の長期使用でも安全性に問題がないことが確認されています。
    しかし、人によっては皮膚の赤みやかゆみなどの副作用が現れることがあります。
    長期間使用する場合は、皮膚の状態をよく観察し、定期的に医師の診察を受けてください。

  • 質問:
    イベルメクチンクリームは未承認医薬品ですか?
    回答:

    イベルメクチンクリームは未承認医薬品です。
    アメリカでは「酒さ」という皮膚疾患の治療薬として2014年に承認されていますが、日本国内では2024年現在、承認されていません。
    ただし、個人で使用する場合に限り、通販で個人輸入することも可能です。

  • 質問:
    イベルメクチンクリームは授乳中でも使えますか?
    回答:

    授乳中のイベルメクチンクリームの使用は禁止されていませんが、通常は処方されないことが一般的です。
    妊娠中や授乳中にイベルメクチンクリームを使用したデータは少なく、安全性が確立していません。
    皮膚に塗った場合の情報はありませんが、服用によりイベルメクチンが乳汁中へ移行することが報告されています。
    そのため、乳児への潜在的な影響を考慮して、授乳中は処方されないことが一般的です。
    授乳中にクリームを使用したい場合は、必ず医師に相談してください。

  • 質問:
    イベルメクチンは犬に禁忌ですか?
    回答:

    イベルメクチンは、犬の寄生虫駆除薬として広く使用されていますが、コリー犬やその系統の犬種には禁忌とされています。
    これは、コリー犬やその系統の犬種に対して、イベルメクチンが神経毒性を引き起こす可能性があるためです。
    また、犬種に関係なく、イベルメクチンの使用によって元気や食欲がなくなるなどの副作用が現れることもあります。
    イベルメクチンは、正しく使用すれば有効な薬剤ですが、誤った使用は重大な副作用を引き起こす可能性があります。
    安全のため、必ず獣医師の指示に従ってイベルメクチンを使用してください。

  • 質問:
    疥癬のかゆみはイベルメクチンで治せますか?
    回答:

    イベルメクチンは、疥癬の原因であるヒゼンダニを駆除する効果があり、疥癬の治療薬として使用されます。
    ただし、イベルメクチン自体にはかゆみを直接抑える効果はありません。
    疥癬によるかゆみの原因は、ヒゼンダニやその糞に対するアレルギー反応によるものです。
    かゆみには、ステロイドや抗ヒスタミン薬などのかゆみ止めが処方されます。
    疥癬によるかゆみに悩んでいる場合は、医師に相談し、適切な治療を受けてください。

  • 質問:
    ヒゼンダニにイベルメクチンはどのくらいの間隔で投与しますか?
    回答:

    イベルメクチンは、1回の服用でヒゼンダニに効果を発揮します。
    通常、体重1kg当たり約200?gのイベルメクチンを1回服用します。
    ヒゼンダニが原因となる「疥癬」という皮膚病に対して、日本国内では「ストロメクトール錠3mg」が承認されています。
    そのため、1回の服用量は体重に応じて決まります。
    重症の疥癬の場合、初回服用から1~2週間後に効果を確認し、2回目の投与が行われることもあります。
    必要なイベルメクチンの量は、個人の症状や体重によって異なるため、ヒゼンダニに悩んでいる方は医師に相談してください。

  • 質問:
    イベルメクチンクリームは蕁麻疹を起こしますか?
    回答:

    イベルメクチンクリームは、蕁麻疹などのアレルギーを引き起こすことが知られています。
    副作用として、塗った部分の赤みや腫れ、ブツブツ、かゆみ、皮むけ、じんましんが報告されています。
    これらの症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談してください。

  • 質問:
    イベルメクチンはどのようにして寄生虫を駆除しますか?
    回答:

    イベルメクチンは、寄生虫の神経や筋肉に作用して駆除効果を発揮します。
    寄生虫の神経や筋肉の細胞には、グルタミン酸作動性クロライドチャネルという受容体が存在しており、イベルメクチンはこの受容体に選択的に高い親和性を持ちます。
    その結果、寄生虫の神経や筋肉を麻痺させ、駆除します。
    人や他の哺乳類はこの受容体を持っていないため、イベルメクチンは安全かつ効果的に寄生虫を駆除することができます。
    そのため、イベルメクチンは様々な寄生虫感染症の治療に用いられています。

  • 質問:
    イベルメクチンはどのようにして蠕虫症を治療しますか?
    回答:

    イベルメクチンは、神経や筋肉に作用して蠕虫症を治療します。
    具体的には、グルタミン酸作動性クロライドチャネルという受容体に結合し、蠕虫の神経や筋肉を麻痺させて駆除します。
    哺乳類にはこの受容体が存在しないため、イベルメクチンは安全に寄生虫を駆除できます。
    そのため、蠕虫症だけでなく、様々な寄生虫感染症の治療薬として利用されています。

  • 質問:
    イベルメクチンはどのようにして免疫系に影響を与えますか?
    回答:

    イベルメクチンの免疫系への影響は完全には解明されていません。
    イベルメクチンはウイルスの増殖に必要なタンパク質の働きを抑える作用があり、その結果として抗ウイルス作用があると考えられています。
    しかし、イベルメクチンは抗ウイルス薬としては使用されておらず、免疫系への影響は明らかではありません。

  • 質問:
    イベルメクチンはどのようにして投与されますか?
    回答:

    イベルメクチンの投与方法は、薬剤の種類によって異なります。
    酒さという皮膚の病気にはクリームを患部に直接塗布しますが、疥癬という寄生虫病には錠剤が使用されます。
    また、動物では寄生虫の予防や駆除にイベルメクチンが使用され、経口投与が一般的です。
    このように、イベルメクチンの投与方法は薬剤の種類によって異なります。

  • 質問:
    イベルメクチンは獣医学で使用されますか?
    回答:

    イベルメクチンは、寄生虫の駆除薬として獣医学で広く使われており、牛、馬、豚などの家畜や犬、猫などのペットで、内部寄生虫や外部寄生虫の駆除・予防に使用されています。
    具体的には、以下の寄生虫の駆除・予防に効果があります:

    ・内部寄生虫:オステルターグ胃虫、牛腸結節虫、クーペリアなど
    ・外部寄生虫:疥癬ダニ、シラミ、ノサシバエ

    ・大円虫、小円虫、馬回虫、馬蠅幼虫

    ・内部寄生虫:豚回虫、豚腸結節虫、豚糞線虫
    ・外部寄生虫:疥癬ダニ、豚ジラミ

    ・犬糸状虫、猫回虫、猫鉤虫

    ・犬糸状虫、犬回虫、犬鉤虫
    このように、イベルメクチンは複数の動物種に対して、様々な寄生虫感染症の治療に使用されています。

  • 質問:
    イベルメクチンは脳内の神経伝達物質に影響しますか?
    回答:

    イベルメクチンは、脳内の神経伝達物質に影響を与えますが、その作用は非常に弱く、哺乳類の脳へはほとんど移行しません。
    イベルメクチンは神経伝達物質であるGABA(ギャバ)の受容体に結合することが知られていますが、その作用が弱いため、安全性の高い駆虫薬として人や動物に広く使用されています。