• カナ
    プレドニゾロン
  • 英語名
    Prednisolone
  • 化学式
    C21H28O5
  • 分子量
    360.450 g/mol

プレドニゾロンの主な効果

プレドニゾロンは、様々な炎症性疾患や自己免疫疾患の治療に使用される強力な副腎皮質ステロイド薬です。
体内で生成される副腎皮質ホルモンと類似した作用を持ち、免疫系の働きを抑制することで炎症を和らげます。

プレドニゾロンは強力な抗炎症作用を持ち、体内の様々な部位で起こる炎症を抑えます。
炎症を引き起こす物質の産生を抑制し、血管の透過性を低下させることで、腫れや痛みを軽減します。

また、免疫抑制作用も持っています。
自己免疫疾患など、免疫系が過剰に反応している状態を抑えることで症状を改善します。

これらの作用により、プレドニゾロンは以下のような幅広い疾患の治療に用いられます。

  • 炎症性疾患
  • アレルギー疾患
  • 免疫疾患

プレドニゾロンは通常、経口投与を行います。
錠剤やシロップ剤の形態があり、症状や疾患の種類によって用量が調整されます。
使用量は患者の状況に応じて医師が決定します。

一般的に、高用量で開始し、症状が改善するにつれて徐々に減量していきます。
長期使用が必要な場合は、副作用のリスクを最小限に抑えるため、最小有効量を用いることが一般的です。

プレドニゾロンの注意点

プレドニゾロンは強力な薬剤であるため、使用には注意が必要です。
以下のような点に気をつけましょう。

  • 急な中止は避ける
    長期使用後に急に中止すると、副腎不全などの深刻な症状が現れる可能性があります。
    必ず医師の指示に従って徐々に減量します。

  • 感染症のリスク
    免疫抑制作用があるため、感染症にかかりやすくなります。
    手洗いなどの感染予防対策を心がけ、感染の兆候があれば早めに医師に相談しましょう。

  • 骨粗鬆症の予防
    長期使用で骨密度が低下するリスクがあります。
    カルシウムやビタミンDの摂取、適度な運動などで骨を強くする努力が必要です。

  • 血糖値の上昇
    血糖値が上昇する可能性があるため、糖尿病の人は特に注意が必要です。
    定期的な血糖値のチェックを行いましょう。

  • 胃腸障害
    胃潰瘍などのリスクが高まるため、胃薬の併用が推奨されることがあります。

副作用と対処法

プレドニゾロンには様々な副作用の可能性があります。
主な副作用とその対処法は以下の通りです。

  • 体重増加
    食事の管理と適度な運動を心がけましょう。

  • 不眠や気分の変化
    就寝時間を規則正しくし、ストレス管理に努めましょう。

  • 皮膚の変化
    皮膚が薄くなったり、傷つきやすくなったりします。
    スキンケアに気をつけましょう。

  • 高血圧
    定期的な血圧測定と、必要に応じて降圧薬の使用を検討します。

これらの副作用は、用量依存的であることが多いため、最小有効量を使用することで軽減できる場合があります。

プレドニゾロンを含有する医薬品

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1錠 59円~

ワイゾロン5mgとは ワイゾロン5mgは、プレドニゾロンを有効成分とする経口ステロイド薬です。 プレドニゾロンは、副腎皮質ホルモンの一種であるコルチゾールの合成類似体で、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持つ薬剤です。 プレドニゾロンは、細胞内のグルココルチコイド受容体に結合し、抗炎症作用や免疫抑制作用を発揮...

有効成分
プレドニゾロン

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    プレドニゾロンの効果は何ですか?
    回答:

    プレドニゾロンは多様な病気の治療に使用されるステロイド系薬剤で、主に以下の3つの作用を持ちます。
    ・抗炎症作用:炎症性疾患の治療に広く用いられます。
    ・抗アレルギー作用:アレルギー反応を抑え、アレルギー性疾患の治療に使用されます。
    ・免疫抑制作用:免疫系の活動を抑えることで自己免疫疾患の治療に役立ちます。
    さらに、プレドニゾロンは糖質、タンパク質、脂質の代謝にも影響を与えます。
    プレドニゾロンはリウマチ、皮膚疾患、神経疾患、悪性腫瘍などの治療に効果がありますが、長期間の使用は副作用のリスクが高まるため、慎重に使用する必要があります。

  • 質問:
    プレドニゾロンの副作用はありますか?
    回答:

    プレドニゾロンにはいくつかの副作用があります。
    主な副作用として以下のものが挙げられます。
    消化器系の副作用として消化不良、下痢、吐き気、食欲増進または食欲不振があります。
    皮膚の問題ではにきび、肌荒れ、毛が増える、脱毛などが報告されています。
    精神的な影響としていらいら感や不眠になることもあります。
    ホルモンバランスの乱れによる生理不順やむくみ、血圧上昇、体重増加も生じる可能性があります。
    また、高血糖や糖尿病を引き起こすことがあります。
    さらに、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなることもあります。
    これらの副作用は特に長期間使用した場合に注意が必要です。

  • 質問:
    プレドニゾロンはどのような疾患に使用されますか?
    回答:

    プレドニゾロンは、様々な疾患の治療に使用されます。
    主な適応疾患としては、リウマチやSLEなどのアレルギー膠原病疾患、溶血性貧血などの血液疾患、原発性ネフローゼ症候群やIgA腎症、ループス腎炎などの腎疾患があります。
    さらに、脳脊髄炎や末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)、重症筋無力症、多発性硬化症などの神経疾患、肺結核、結核性髄膜炎、結核性胸膜炎などの結核性疾患(抗結核剤と併用)にも使用されます。
    悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの悪性腫瘍、強直性脊椎炎などの整形外科領域、重症な湿疹、皮膚炎、乾癬、蕁麻疹などの皮膚科領域にも使用されます。
    また、耳鼻科や眼科領域での炎症抑制にも使用されることがあります。
    プレドニゾロンは炎症を抑える作用を持ち、これらの疾患の症状管理に役立ちますが、副作用のリスクがあるため、使用には医師の指導が必要です。

  • 質問:
    プレドニゾロンの用法と用量はどのように決められますか?
    回答:

    プレドニゾロンの用法と用量は、患者さんの年齢、症状、疾患の種類によって異なります。
    成人の場合、通常は1日5~60mgを1~4回に分けて経口投与します。
    小児の場合も、疾患によって異なり、例えば川崎病の急性期には1日2mg/kg(最大60mg)を3回に分けて投与します。
    プレドニゾロンは症状が落ち着いたら徐々に減量されますが、急激な中止は副腎不全を引き起こすリスクがあるため、医師の指示に従うことが重要です。
    特に長期使用や高用量の投与には副作用のリスクが高まるため、定期的な観察と用量調整が重要です。

  • 質問:
    プレドニゾロンを長期間使用するとどのようなリスクがありますか?
    回答:

    プレドニゾロンを長期間使用すると、いくつかのリスクや副作用が生じる可能性があります。
    主なものとして、皮膚の菲薄化により皮下出血や紫斑が生じやすくなり、骨粗しょう症により骨折のリスクが増加します。
    また、免疫抑制作用で感染症にかかりやすくなります。
    消化性潰瘍に伴い吐血、下血する可能性もあります。
    血糖値も上昇し糖尿病のリスクが増えますし、脂肪の沈着による満月様顔貌(ムーンフェイス)も現れることがあります。
    頻度は稀ですが、血栓症や副腎不全のリスクも増加します。
    高用量または長期間の使用で、これらの副作用が顕著になります。
    そのため、医師の指導のもとで適切に服用することが重要です。

  • 質問:
    プレドニゾロンの服用による体重増加を防ぐ方法はありますか?
    回答:

    プレドニゾロンの服用による体重増加を防ぐためには、摂取カロリーを制限し、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。
    特に糖質と脂質の摂取を控え、野菜や果物、タンパク質を多く含む食事を選ぶ様にしましょう。
    また、適度な運動を日常に取り入れることで、体重増加を防ぐことができます。
    ウォーキングやジョギング、筋力トレーニングなどを行うと良いでしょう。
    一般的に、プレドニゾロンに伴う体重増加は、薬剤の服用を中止すれば元に戻ることが多いです。
    プレドニゾロンの用量や服用期間については医師の指示に従うことが重要です。
    必要に応じて医師に相談し、用量の調整をしてもらいましょう。

  • 質問:
    プレドニゾロンと糖尿病の関係はありますか?
    回答:

    プレドニゾロンを含むステロイド薬は血糖値を上昇させる作用があり、これが原因でステロイド糖尿病と呼ばれる糖尿病が発症することがあります。
    ステロイド糖尿病は、ステロイドの投与により肝臓からの糖の放出が増加し、筋肉など糖分を利用する臓器のインスリン感受性が低下することで、高血糖状態になるために発症します。
    特に、ステロイドの投与量が多い場合や投与期間が長い場合、高齢者や糖尿病の家族歴がある人、肥満などの2型糖尿病のリスクがある人が発症しやすいです。
    既に糖尿病を持っている患者さんがプレドニゾロンを使用すると、糖尿病が悪化する可能性があるため、インスリンを使用するなど治療を強化する必要があります。

  • 質問:
    プレドニゾロンの服用が骨密度に与える影響は何ですか?
    回答:

    プレドニゾロンの長期間の服用は、骨強度を低下させて、ステロイド骨粗しょう症になる可能性があります。
    プレドニゾロンは骨密度だけでなく、骨の強度を保っている微細構造を弱める作用があります。
    そのため、普段の日常生活の動作でも骨折してしまう可能性があります。
    特に脊椎の骨折のリスクが増加するため、長期間の服用時には骨密度の定期的なチェックや必要に応じた骨密度を維持・改善する薬物療法が推奨されます。

  • 質問:
    プレドニゾロンは自己免疫疾患の治療に効果がありますか?
    回答:

    プレドニゾロンは自己免疫疾患の治療に効果があります。
    自己免疫疾患とは、免疫系が自分の組織を攻撃する病気で、膠原病や関節リウマチが代表的な病気です。
    プレドニゾロンはステロイド薬であり、免疫反応や炎症を抑制する作用があります。
    これにより、異常な免疫反応を鎮め、症状の悪化を防ぎます。
    しかし、免疫抑制作用により感染症のリスクが増加するため、医師の指導のもと使用する様にしてください。
    適切な用量と用法を守り、副作用に注意しながら治療を進めましょう。

  • 質問:
    プレドニゾロンの服用が精神的な健康に与える影響はありますか?
    回答:

    プレドニゾロンの服用は精神的な健康に様々な影響を与える可能性があります。
    具体的には、気分の変動、精神病様症状、認知・記憶障害が報告されています。
    気分の変動では、多幸感やそう状態、情緒不安定、不眠、抑うつなどが生じることがあります。
    精神病様症状としては、幻覚や妄想、せん妄などがあります。
    また、認知機能や記憶に影響を及ぼすことも指摘されています。
    これらの症状はプレドニゾロンの投与量や期間によって異なり、個人差も大きいです。
    特に高用量や長期間の使用でリスクが高まるため、精神症状が疑われる場合は医師に相談し、必要に応じて用量の調整や、精神科的な治療を検討することが重要です。

  • 質問:
    プレドニゾロンはステロイドですか?
    回答:

    プレドニゾロンはステロイドで、具体的には糖質コルチコイドに分類される副腎皮質ステロイドの一種です。
    プレドニゾロンは炎症や免疫反応を抑制するために使用され、炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患の治療に役立ちます。
    プレドニゾロンはステロイドの中でも「Weak(弱い)」に分類される最も弱いステロイドであり、作用の持続時間は一般的に12~36時間の短~中間型です。
    通常、初期投与量は20~60mg/日で開始し、症状に応じて増減します。
    症状が落ち着いてきたら、2~4週ごとに減量する薬です。
    連日内服と隔日内服があり、後者のほうが副作用が少ないとされています。

  • 質問:
    プレドニゾロンの強さはどれくらいですか?
    回答:

    プレドニゾロンの強さは、ステロイドの強さの分類において「Weak(弱い)」に位置づけられています。
    この分類は、ステロイド外用剤の効力を基にしたものであり、プレドニゾロンは比較的おだやかな作用を持つとされています。
    ステロイド外用薬の分類には5段階があり、Weak(弱い)、Medium(普通)、Strong(強い)、Very Strong(とても強い)、Strongest(最も強い)があります。
    プレドニゾロンはこの中で「弱い」に分類されています。
    また、プレドニゾロンは作用時間による分類では「短~中間型」に位置し、持続時間は12~36時間です。

  • 質問:
    プレドニゾロンとプレドニンの違いは何ですか?
    回答:

    プレドニゾロンとプレドニンは同じ薬剤のことです。
    プレドニゾロンは薬剤の一般名であり、化学的な物質の名前です。
    一方、プレドニンは商品名であり、製薬メーカーによって市場に出される際のブランド名です。
    両者は同じ成分を含む副腎皮質ステロイド薬であり、抗炎症作用や免疫抑制作用を持ち、リウマチや皮膚疾患、自己免疫疾患などの治療に使用されます。
    効果や副作用に違いはありませんが、使用時には医師の指導のもとで適切に管理することが重要です。

  • 質問:
    プレドニゾロンは花粉症に効きますか?
    回答:

    プレドニゾロンは花粉症の治療に効果があります。
    特に、症状が強く、他の治療で効果が不十分な場合や、急性の症状を抑えたい場合に使用します。
    プレドニゾロンはステロイド薬であり、強力な抗炎症作用を持つため、花粉症による鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状を改善するのに役立ちます。
    ただし、長期使用は副作用のリスクが高まるため、通常は短期間の使用に限られます。
    使用する際は、医師の指導のもとで適切に利用することが重要です。

  • 質問:
    プレドニゾロンは皮膚に効果がありますか?
    回答:

    プレドニゾロンは皮膚に対して効果があります。
    主にステロイドの外用薬として使用され、炎症を鎮める強い作用を持っています。
    これにより、短期間で皮膚炎を抑え、腫れや赤みを迅速に取り除くことが可能です。
    しかし、細菌や真菌(カビ)などによる皮膚感染症には、感染を悪化させてしまう可能性があるので、原則として用いられません。
    また、皮膚が薄い顔や首、陰部などは薬剤が体内に吸収されやすく、副作用も出やすいので注意が必要です。
    皮膚が薄い場所に強いステロイドを使用すると、赤くなったり、皮膚が薄くなるなどの副作用が起こる可能性が高いです。
    塗る部位に応じてステロイドの強さが決められているため、医師の指示通りに使用することが重要です。

  • 質問:
    プレドニゾロンは犬にどのような効果があるのですか?
    回答:

    プレドニゾロンは犬の様々な病気に対して効果があります。
    まず、強力な抗炎症作用を持ち、アレルギーやアトピー性皮膚炎などによる炎症を抑えるのに非常に効果的です。
    また、免疫抑制作用により、免疫系の過剰な反応を抑えるため、自己免疫疾患の治療にも使用されます。
    具体的には、アレルギー性皮膚炎、炎症性腸疾患、リンパ腫などの治療に用いられます。
    しかし、副作用のリスクもあるため、使用にあたっては獣医師の指示のもとで適切に利用する必要があります。

  • 質問:
    プレドニゾロンはどんなときに飲みますか?
    回答:

    プレドニゾロンは以下の様な状況で使用されます。
    まず、リウマチや多発性硬化症などの自己免疫疾患において、免疫系の過剰な反応を抑えるために用いられます。
    また、花粉症やアレルギー性鼻炎などのアレルギー反応を緩和するため、短期間だけ使用されます。
    さらに、様々な炎症性疾患にも適用されます。
    ただし、長期使用は副作用のリスクが高まるため、通常は短期間の使用に限られます。
    症状が改善してきたら、服用量を徐々に減らしていきます。
    突然服用を中止すると危険な場合があるため、医師の指示に従うことが重要です。

  • 質問:
    プレドニゾロン酢酸エステルとは何ですか?
    回答:

    プレドニゾロン酢酸エステルは、合成副腎皮質ホルモンであり、抗炎症作用と抗アレルギー作用を持つ薬剤です。
    この薬剤は「プレドニン眼軟膏」として眼軟膏に使用されるほか、皮膚の炎症を抑える外用剤としても用いられます。
    具体的には、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症など、眼と眼周囲の腫れを和らげることができます。
    長期使用は眼圧の上昇や緑内障のリスクがあるため、定期的な眼圧検査が推奨されます。
    ステロイド外用薬の分類では、Weakに分類されています。

  • 質問:
    プレドニゾロン軟膏は何に使います?
    回答:

    プレドニゾロン軟膏は、皮膚の炎症やアレルギー反応を抑えるために使用されます。
    具体的には、湿疹、皮膚炎、皮膚?痒症、薬疹、中毒疹、虫刺されなどの疾患に対して効果があります。
    この軟膏は抗炎症作用を持つステロイド外用薬であり、患部に直接塗布することで局所的な炎症を効果的に抑えることができます。
    しかし、長期使用すると副腎皮質機能抑制や糖尿病、高血圧、骨粗しょう症など全身の合併症を引き起こす可能性があるため、医師の指示に従い適切な部位に適量を塗布することが重要です。
    感染症を伴う場合には、抗菌剤や抗真菌剤との併用が考慮されることもあります。

  • 質問:
    プレドニゾロンを陰部に塗っても大丈夫ですか?
    回答:

    プレドニゾロンを陰部に塗ることはできますが、注意が必要です。
    この部位の皮膚は薄くて薬剤が吸収されやすいため、ステロイドの副作用が出やすい場所です。
    そのため、医師の指示に従い、適切な強さの薬剤を短期間だけ使うことが大切です。
    医師の指導をしっかり守れば、副作用を低減することができます。
    ステロイドの塗り薬は5段階の強さに分けられています。
    通常、医師は最も弱いステロイドから処方を始め、症状の改善を見ながら必要に応じて強さを調整します。
    塗り薬を始めて症状が良くなるかどうかを、よく観察してみましょう。