• カナ
    スピロノラクトン
  • 英語名
    Spironolactone
  • 化学式
    C24H32O4S
  • 分子量
    416.580 g/mol

スピロノラクトンの働き

スピロノラクトンは、体内の水分バランスを調整し、血圧を下げる効果がある薬の成分です。
主に高血圧や心不全、肝硬変に伴う腹水などの治療に用いられます。
この薬は利尿薬の一種ですが、他の利尿薬とは少し異なる特徴があります。

スピロノラクトンは、体内のホルモンであるアルドステロンの働きを抑える薬です。
アルドステロンは腎臓に作用して、ナトリウムと水分の再吸収を促進し、カリウムの排泄を増やします。
スピロノラクトンはこのアルドステロンの作用を阻害することで、ナトリウムと水分の排泄を促進し、カリウムの排泄を抑えます。

この作用により、体内の余分な水分が尿として排出されるため、むくみの改善や血液量の減少につながります。
血液量が減ることで、心臓にかかる負担が軽くなり、結果として血圧が下がります。
また、カリウムの排泄を抑える効果があるため、他の利尿薬で起こりがちなカリウム不足のリスクが低いのが特徴です。

スピロノラクトンの使用目的

スピロノラクトンは、以下のような症状や病気の治療に使われます。

  • 高血圧症
    血圧を下げる効果があるため、高血圧の治療に用いられます。
    特に、他の降圧薬で十分な効果が得られない場合や、低カリウム血症のリスクがある場合に選択されることがあります。

  • 心不全
    心臓の働きが弱まった状態である心不全では、体内に水分がたまりやすくなります。
    スピロノラクトンは余分な水分を排出し、心臓への負担を軽減するのに役立ちます。

  • 肝硬変に伴う腹水
    肝臓の機能が低下すると、お腹に水がたまる腹水という症状が現れることがあります。
    スピロノラクトンは、この余分な水分を排出する効果があります。

  • 浮腫(むくみ)
    体内に水分がたまってむくみが生じる場合、スピロノラクトンが処方されることがあります。

服用時の注意点

スピロノラクトンを服用する際は、以下の点に気をつける必要があります。

  • 規則正しく服用
    医師の指示通りに、決められた時間に正しい量を服用しましょう。
    自己判断で量を変えたり、急に服用をやめたりするのは危険です。

  • 副作用の観察
    めまい、吐き気、頭痛、胃部不快感などの症状が現れることがあります。
    男性では女性化乳房が起こる場合もあります。
    気になる症状があれば、医師に相談しましょう。

  • 他の薬との相互作用
    カリウム製剤や他のカリウム保持性利尿薬と併用すると、血中のカリウム濃度が上がりすぎる危険があります。
    また、血圧を下げる作用のある薬と一緒に使うと、急激な血圧低下を起こす可能性があります。
    服用中の薬がある場合は、必ず医師に伝えましょう。

スピロノラクトンを含有する医薬品

アルダクトン100mgの商品画像
販売価格 2,480円~
1錠 93円~

アルダクトン100mgとは アルダクトン100mgは、有効成分スピロノラクトンを含むカリウム保持性利尿薬で、ナトリウムの排出を促進しつつカリウムを保持する作用を持ちます。 この薬剤は、アルドステロンというホルモンの作用を抑えることで利尿効果を発揮し、体内の水分バランスを調整します。 特に他の利尿薬との併用で、カ...

有効成分
スピロノラクトン

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    スピロノラクトンはどのような薬ですか?
    回答:

    スピロノラクトンは、カリウム保持性利尿薬に分類される薬剤です。
    主に利尿作用、血圧降下作用、アルドステロン拮抗作用、抗アンドロゲン作用を持ちます。
    これらの効果により、様々な疾患や症状の治療に使用されます。
    作用としては、腎臓でのアルドステロンの作用を阻害することで、ナトリウムの排泄とカリウムの保持を促進します。
    その結果、身体の水分バランスが調整され、むくみの軽減や血圧の低下が期待できるのです。
    また、抗アンドロゲン作用により、多毛症や脱毛症、ホルモンバランスの乱れによるニキビなどの治療にも用いられることがあります。

  • 質問:
    スピロノラクトンの効果は何ですか?
    回答:

    スピロノラクトンの主な効果には、利尿作用による身体の余分な水分排出とむくみの軽減、高血圧治療のための血圧降下作用、心不全治療に有効なアルドステロン拮抗作用、そして多毛症や脱毛症の治療に使用される抗アンドロゲン作用があります。
    これらの効果により、スピロノラクトンは高血圧、心不全、原発性アルドステロン症、肝硬変に伴う浮腫、ネフローゼ症候群などの治療に用いられます。
    また、女性の多毛症や男性型脱毛症、ホルモンバランスの乱れによるニキビの治療にも使用されることがあります。
    効果の発現には個人差があり、使用開始から数週間~数ヵ月かかる場合もあります。

  • 質問:
    スピロノラクトンの副作用は何ですか?
    回答:

    スピロノラクトンの主な副作用としては、カリウム保持作用による高カリウム血症、ナトリウムやマグネシウムのバランスが崩れる電解質異常、血圧低下に伴うめまいや頭痛、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状が挙げられます。
    また、女性では月経不順、特に男性では乳房痛や乳房腫大、性欲の低下や勃起障害などの性機能障害、発疹やかゆみなどの皮膚症状も報告されています。
    これらの副作用の多くは用量依存性であり、適切な用量調整により管理できることが多いですが、高カリウム血症は重篤な合併症に繋がる可能性があるため、定期的な血液検査によるモニタリングが重要です。
    副作用が現れた場合は、直ちに医師に相談することが推奨されています。

  • 質問:
    スピロノラクトンの服用方法はどうすれば良いですか?
    回答:

    スピロノラクトンの服用方法は、一般的には、1日1~4回に分けて内服します。
    これは胃腸への刺激を軽減するため、食後に服用することが多いです。
    服用量は、治療する疾患や症状の重さ、患者さんの年齢や体重によって異なります。
    例えば、高血圧や心不全の治療では、通常1日25~100mgが処方されますが、原発性アルドステロン症の場合は、より高い用量が必要となることがあります。
    服用期間についても、医師の指示に従い、自己判断で中止しないことが重要です。
    長期的な治療が必要な場合もあり、定期的な診察と血液検査を受けることが推奨されています。

  • 質問:
    スピロノラクトンの使用で脱毛が防げますか?
    回答:

    スピロノラクトンは、抗アンドロゲン作用を持つため、男性型脱毛症の進行を遅らせる効果があります。
    これは、男性ホルモンであるアンドロゲンが毛包に与える影響を抑制することで実現されます。
    特に女性においては、多毛症やホルモンバランスの乱れによる脱毛症の治療に有効です。
    ただし、脱毛を完全に防ぐわけではなく、効果の現れ方には個人差があります。
    治療効果を確認するためには、数ヵ月の継続使用が必要です。
    脱毛症の治療を目的とする場合は、専門医の診断と指導の下で使用することが推奨されています。

  • 質問:
    スピロノラクトンはむくみに対して有効ですか?
    回答:

    スピロノラクトンは、利尿作用により身体の余分な水分を排出するため、むくみの軽減に非常に有効です。
    特に、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群などの疾患に伴う浮腫の治療に使用されます。
    これらの疾患では、身体に水分が過剰に蓄積されることが多く、スピロノラクトンの利尿作用がその水分を排出するのに役立ちます。
    また、むくみの軽減により、患者さんの生活の質が向上し、症状の改善が可能です。
    ただし、むくみの原因が他の疾患によるものである場合は、根本的な治療が必要です。

  • 質問:
    スピロノラクトンの使用により高カリウム血症のリスクはありますか?
    回答:

    スピロノラクトンの使用により、高カリウム血症のリスクが存在します。
    これは、スピロノラクトンがカリウム保持性利尿薬であり、腎臓でのカリウムの排泄を抑制するためです。
    高カリウム血症は、心臓のリズムに影響を与え、重篤な場合には致命的な不整脈を引き起こす可能性があります。
    このため、スピロノラクトンを使用する際には、定期的な血液検査を行い、血中カリウム濃度をモニタリングすることが重要です。
    特に、腎機能が低下している患者さんや、他のカリウム保持性薬剤を併用している場合は、リスクが高まるため、医師の厳重な観察が必要です。

  • 質問:
    スピロノラクトンを使用することで体重に影響がありますか?
    回答:

    スピロノラクトンの使用により、体重に影響が出ることがあります。
    主に利尿作用による一時的な体重減少が見られることが多いです。
    これは、身体の余分な水分が排出されるためです。
    ただし、長期的な体重変化については個人差があり、必ずしも体重減少が続くわけではなく、体重の変動は治療する疾患や生活習慣、食事内容など多くの要因に影響されます。
    スピロノラクトンの使用中に体重が急激に増減する場合は、医師に相談するようにしましょう。

  • 質問:
    スピロノラクトンはどのようにして体内で作用しますか?
    回答:

    スピロノラクトンは、腎臓の遠位尿細管および集合管においてアルドステロン受容体に結合し、その作用を阻害します。
    アルドステロンは、ナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進するホルモンです。
    スピロノラクトンがアルドステロンの作用を阻害することで、ナトリウムの排泄が増加し、カリウムの保持が促進されます。
    これにより、身体の水分バランスが調整され、利尿作用が発現します。
    また、抗アンドロゲン作用により、アンドロゲン受容体をブロックし、男性ホルモンの影響を抑制します。
    これが、多毛症や脱毛症、ホルモンバランスの乱れによるニキビの治療に役立ちます。

  • 質問:
    スピロノラクトンの女性の副作用は何ですか?
    回答:

    スピロノラクトンの女性における副作用には、月経不順、乳房痛、乳房腫大、性欲の低下、腟乾燥などがあります。
    これらの副作用は、スピロノラクトンの抗アンドロゲン作用やホルモンバランスへの影響によるものです。
    月経不順は、特に若年女性において報告されることが多く、月経周期が不規則になることがあります。
    また、乳房痛や乳房腫大は、ホルモンバランスの変化によるもので、特に高用量での使用時に見られることがあります。
    性欲の低下や腟乾燥も、ホルモンバランスの変化に関連しています。
    これらの副作用が現れた場合は、医師に相談し、適切な対処法を検討することが重要です。

  • 質問:
    スピロノラクトンは利尿効果がありますか?
    回答:

    スピロノラクトンは、カリウム保持性利尿薬として利尿効果があります。
    腎臓でのアルドステロンの作用を阻害することでナトリウムの排泄を促進し、身体の余分な水分を排出するためです。
    これにより、むくみの軽減や血圧の低下が期待できます。
    利尿効果は比較的穏やかであり、他の利尿薬と比べてカリウムの排泄が少ないため、カリウム保持性利尿薬として分類されます。
    スピロノラクトンは、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群などの疾患に伴う浮腫の治療に特に有効です。

  • 質問:
    スピロノラクトンは危ない薬ですか?
    回答:

    スピロノラクトンは、適切に使用すれば安全性の高い薬剤ですが、いくつかのリスクが伴います。
    特に高カリウム血症のリスクがあり、これは重篤な合併症に繋がる可能性があります。
    そのため、定期的な血液検査によるモニタリングが重要です。
    また、他のカリウム保持性薬剤やカリウムサプリメントとの併用は避けるべきです。
    副作用として、めまい、頭痛、消化器症状、月経不順、乳房痛、性機能障害などが報告されています。
    これらの副作用は用量依存性であり、適切な用量調整により管理できることが多いとされています。
    医師の指示に従い、自己判断での用量変更や中止は避けることが重要です。

  • 質問:
    スピロノラクトンは心不全薬ですか?
    回答:

    スピロノラクトンは、心不全の治療に使用される薬剤の一つです。
    特にアルドステロン拮抗作用により、心不全患者の予後を改善する効果があります。
    アルドステロンは心不全の進行に関与するホルモンであり、その作用を阻害することで、心臓の負担を軽減し、症状の改善が期待できます。
    また、スピロノラクトンは、ACE阻害薬やβ遮断薬などの他の心不全治療薬と併用されることが多く、総合的な治療戦略の一部として使用されます。
    心不全患者さんにおいては、定期的な診察と血液検査を行い、治療効果と副作用のモニタリングが重要です。

  • 質問:
    スピロノラクトンは血圧を下げますか?
    回答:

    スピロノラクトンは、血圧を下げる効果があります。
    これは、腎臓でのアルドステロンの作用を阻害し、ナトリウムの排泄を促進するためです。
    ナトリウムの排泄が増加すると、身体の水分量が減少し、血圧が低下します。
    そのため、スピロノラクトンは、特に原発性アルドステロン症や高血圧を伴う心不全の治療に有効です。
    また、単体で使用されることもありますが、他の降圧薬と併用されることが多いです。
    血圧の管理には、定期的な血圧測定と医師の指導が重要で、スピロノラクトンの使用により血圧が過度に低下する場合は、用量の調整が必要です。

  • 質問:
    スピロノラクトンはお酒と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
    回答:

    スピロノラクトンを服用中にアルコールを摂取することは、一般的には推奨されません。
    アルコールは、スピロノラクトンの副作用であるめまいや頭痛を増強する可能性があるためです。
    また、アルコール自体が利尿作用を持つため、脱水症状を引き起こすリスクが高まります。
    さらに、アルコールは血圧を一時的に低下させることがあり、スピロノラクトンの降圧作用と相まって、過度の血圧低下を引き起こす可能性があります。
    これらの理由から、スピロノラクトンを服用中はアルコールの摂取を控えるか、少なくとも医師に相談してから摂取することが推奨されています。

  • 質問:
    スピロノラクトンはいつまで飲みますか?
    回答:

    スピロノラクトンの服用期間は、治療する疾患や症状の重さ、患者さんの反応によって異なりますが、高血圧や心不全の治療では、長期的な服用が必要となることが多いです。
    原発性アルドステロン症や肝硬変に伴う浮腫の治療でも、症状が改善するまで継続的に服用することが一般的です。
    服用期間中は、定期的な診察と血液検査を受け、治療効果と副作用のモニタリングを行うことが望ましいです。
    自己判断での服用中止は避け、必ず医師の指示に従うようにしましょう。

  • 質問:
    スピロノラクトンはニキビに効きますか?
    回答:

    スピロノラクトンは、抗アンドロゲン作用により、ホルモンバランスの乱れによるニキビの治療に効果があります。
    特に女性においては、男性ホルモンであるアンドロゲンが皮脂腺を刺激し、ニキビの原因となることが多いため、スピロノラクトンが有効です。
    アンドロゲン受容体をブロックすることで、皮脂の分泌を抑制し、ニキビの発生を減少させます。
    治療効果を確認するためには、数ヵ月の継続使用が必要です。
    ニキビ治療を目的とする場合は、専門医の診断と指導の下で使用することが推奨されています。

  • 質問:
    スピロノラクトンは女性ホルモンと関係がありますか?
    回答:

    スピロノラクトンは、抗アンドロゲン作用を持つため、女性ホルモンと関係があります。
    アンドロゲン受容体をブロックすることで、男性ホルモンの影響を抑制し、ホルモンバランスを整える効果があるためです。
    これにより、多毛症や男性型脱毛症、ホルモンバランスの乱れによるニキビの治療に有効です。
    ただ、女性ホルモンのバランスに影響を与えるため、月経不順や乳房痛、性欲の低下などの副作用が現れることがあります。
    これらの副作用が現れた場合は、医師に相談し、適切な対処法を検討することが重要です。

  • 質問:
    スピロノラクトンの副作用で女性化することはありますか?
    回答:

    スピロノラクトンの副作用として、男性において乳房腫大が報告されています。
    これは、スピロノラクトンの抗アンドロゲン作用により、男性ホルモンの影響が抑制されるためです。
    乳房腫大は、特に高用量での使用時に見られることが多く、性欲の低下や勃起障害などの性機能障害も報告されています。
    これらの副作用は用量に依存するといわれており、適切な用量調整により管理できることが多いです。
    副作用が現れた場合は、直ちに医師に相談し、用量の調整や他の治療法の検討を行うようにしましょう。

  • 質問:
    スピロノラクトンは動悸をおこしますか?
    回答:

    スピロノラクトンは、動悸を引き起こすことはあまりありませんが、間接的に起こる可能性があります。
    特に、高カリウム血症や電解質異常が発生した場合、心臓のリズムに影響を与え、不整脈や動悸を引き起こすことがあるとされています。
    高カリウム血症は、スピロノラクトンのカリウム保持作用によるもので、重篤な場合には致命的な不整脈を引き起こす可能性があるためです。
    このため、スピロノラクトンを使用する際には、定期的な血液検査を行い、血中カリウム濃度をモニタリングすることが重要です。
    動悸や不整脈が現れた場合は、直ちに医師に相談し、適切な対処を行うようにしましょう。