• カナ
    アフォキソラネル
  • 英語名
    Afoxolaner
  • 化学式
    C26H17ClF9N3O3
  • 分子量
    625.88 g/mol

アフォキソラネルの特徴と用途

アフォキソラネルは、犬のノミやマダニの駆除に用いられる薬です。
動物用医薬品として開発され、主にペットの外部寄生虫対策に使います。
ノミやマダニの神経系に作用し、これらの寄生虫を効果的に駆除します。

この薬の特徴は、長期間にわたって効果が持続することです。
1回の投与で約1ヶ月間、ノミやマダニの再感染を防げます。
また、経口投与が可能なため、犬に負担をかけずに簡単に与えることができます。

アフォキソラネルは、成虫のノミやマダニだけでなく、ノミの卵や幼虫にも効果があります。
そのため、寄生虫の生活環を断ち切り、再感染のリスクを大幅に減らせます。

アフォキソラネルの投与方法

アフォキソラネルは通常チュアブル錠(噛んで食べる錠剤)として使います。
投与方法は以下の通りです。

  • 犬の体重に応じて適切な用量を選びます
  • 通常、1ヶ月に1回の投与です
  • 食事の時間に関係なく与えることができます
  • 犬が喜んで食べるよう、おやつのように与えることもできます
  • 必ず獣医師の指示に従って投与してください

アフォキソラネル使用時の注意点

アフォキソラネルを使用する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 犬専用の薬
    この薬は犬専用です。
    猫やその他のペットには絶対に与えないでください。

  • 妊娠中・授乳中の犬
    妊娠中や授乳中の犬への使用については、獣医師の判断が必要です。

  • 副作用の観察
    投与後は犬の様子を注意深く観察してください。
    異常が見られた場合は獣医師に相談してください。

  • 他の薬との併用
    他の薬を使用している場合は、必ず獣医師に相談してください。

  • 手洗い
    薬を扱った後は、必ず手を洗ってください。

アフォキソラネルの効果を最大限に引き出すための環境対策

ノミやダニは、以下のような対策を行うことでも減らせます。

  • 定期的な掃除
    犬の寝床や普段過ごす場所を頻繁に掃除し、掃除機をかけましょう。
    特に、カーペットや畳、ソファの隙間などに注意を払います。

  • 洗濯
    犬用のベッドカバーや毛布は定期的に洗濯します。
    高温での洗濯や乾燥機の使用は、ノミの卵や幼虫の駆除に効果的です。

  • 庭の手入れ
    庭がある場合は、草刈りを定期的に行い、落ち葉を片付けます。
    マダニは草むらや湿った場所を好むため、これらの環境を減らすことが大切です。

  • ペットの同居動物への対策
    家庭内に他のペットがいる場合、それらの動物にも適切な寄生虫対策を行いましょう。

  • 定期的なグルーミング
    犬を定期的にブラッシングすることで、ノミやマダニの早期発見ができます。

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    アフォキソラネルとはどのような薬剤ですか?
    回答:

    アフォキソラネルは、主に犬のノミ・マダニ駆除薬として使用される、比較的新しい殺虫剤です。
    錠剤の形で投与され、寄生虫の神経系に作用して麻痺させ、死滅させます。
    アフォキソラネルはイソオキサゾリン系の駆虫薬で、この成分は寄生虫が持つガンマアミノ酪酸(GABA)受容体と結合し、神経活動を阻害して寄生虫を死に至らせる効果があります。
    哺乳類もGABA受容体を持っていますが、アフォキソラネルは無脊椎動物(特に節足動物)の受容体に特異的に結合する特性があります。
    しかし、市場に出回ってから、一部の犬で神経系の副作用が報告されています。

  • 質問:
    アフォキソラネルの適応症はどのようなものがありますか?
    回答:

    アフォキソラネルは、主に犬のノミやマダニの駆除に使用されます。
    また、犬のニキビダニ症(毛包虫症)にも効果があり、特に汎発性や局所性のニキビダニ症の治療に有効とされています。
    さらに、疥癬(カイセン)の治療にも使用されることがあります。
    ただし、アフォキソラネルは比較的新しい成分であり、一部の犬で神経系の副作用が報告されているため、使用には注意が必要です。
    使用する際は必ず獣医師の指示に従ってください。

  • 質問:
    アフォキソラネルと他の薬剤を併用する場合の影響はありますか?
    回答:

    アフォキソラネルと他の薬剤を併用する場合の影響については、具体的な報告はありません。
    一部の犬で神経系の副作用が報告されているため、他の薬剤との併用については必ず獣医師と相談してください。
    併用する際には、副作用が強く出る可能性があるため、いつもと同じ量を飲ませるように注意が必要です。

  • 質問:
    アフォキソラネルの副作用にはどのようなものがありますか?
    回答:

    アフォキソラネルの副作用については、一部の犬で神経系の副作用が報告されています。
    具体的には、ひきつけ、振戦(ぶるぶる震える)、運動失調(足元がフラフラする)などの神経症状が見られることがあります。
    また、嘔吐、下痢、元気消失、食欲不振などの一般的な副作用や、皮膚のかゆみなどの皮膚症状も報告されています。
    これらの副作用は稀ですが、使用する前には必ず獣医師と相談してください。

  • 質問:
    アフォキソラネルの作用機序はどのようなものですか?
    回答:

    アフォキソラネルは、寄生虫が持つガンマアミノ酪酸(GABA)受容体と結合することで作用します。
    GABAは神経に対する抑制作用を持つため、この働きがなくなることで寄生虫の中枢神経が過剰に興奮し、最終的に死亡します。
    GABA受容体は人間を含む哺乳動物も持っていますが、アフォキソラネルは無脊椎動物(特に節足動物)の受容体に特異的に結合するため、寄生虫を効果的に駆除できます。

  • 質問:
    アフォキソラネルの体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)はどうなっていますか?
    回答:

    アフォキソラネルは、摂取後すぐに消化管から吸収されます。
    体内に吸収されたアフォキソラネルは血液を通じて全身に分布します。
    その後、約0.01%が腎臓で代謝され、約30%が胆汁中に排泄されてヒドロキシルやグルクロニドといった代謝産物となり、体外に排泄されます。
    また、アフォキソラネルの血中濃度は投与後27日、55日、83日でほぼ同じであり、成分が体内に蓄積することはないと考えられています。

  • 質問:
    アフォキソラネルは肝臓や腎臓に影響を与える可能性はありますか?
    回答:

    アフォキソラネルは摂取後すぐに消化管から吸収され、その一部は腎臓で代謝されます。
    また、約30%が胆汁中に排泄されて代謝産物となり、体外に排泄されます。
    これらの情報から、アフォキソラネルが肝臓や腎臓に一定の影響を及ぼす可能性があると考えられます。
    しかし、具体的な影響については、現時点では詳細な報告は見当たりません。
    そのため、アフォキソラネルを使用する際には、必ず獣医師と相談し、適切な用量と投与間隔を確認してください。

  • 質問:
    アフォキソラネルと特定の食品や飲み物との相互作用はありますか?
    回答:

    アフォキソラネルと特定の食品や飲み物との相互作用については、具体的な報告はありません。
    一部の犬で神経系の副作用が報告されているため、他の飲食物との併用については必ず獣医師と相談してください。
    併用する際には、副作用が強く出る可能性があるため、注意が必要です。

  • 質問:
    アフォキソラネルを妊娠中や授乳期に服用するリスクはあるでしょうか?
    回答:

    アフォキソラネルの妊娠中や授乳期の使用については注意が必要です。
    具体的なリスクについては詳細な報告はありませんが、一部の犬で神経系の副作用が報告されています。
    そのため、妊娠中や授乳期の犬には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与が推奨されます。
    また、体重が1.8kg未満の犬や生後8週齢未満の犬には使用が避けられるべきです。

  • 質問:
    アフォキソラネルの一般名や商品名はどのようなものがありますか?
    回答:

    アフォキソラネルは一般的にはその化学名で知られていますが、商品名としては「ネクスガード(R)」や「ネクスガード スペクトラ(R)」などがあります。
    これらの製品は、犬向けのノミ・マダニ駆除製品として広く使用されています。
    「ネクスガード スペクトラ(R)」はアフォキソラネルとミルベマイシンオキシムを含有しており、ノミ・マダニ駆除だけでなく、フィラリア予防にも使用されます。

  • 質問:
    アフォキソラネルは犬に服用できますか?
    回答:

    アフォキソラネルは犬に使用できます。
    この薬剤は犬のノミやマダニの駆除に効果があり、商品名として「ネクスガード(R)」や「ネクスガード スペクトラ(R)」があります。
    ただし、一部の犬で神経系の副作用が報告されているため、使用には注意が必要です。
    また、体重が1.8kg未満の犬や生後8週齢未満の犬に対しては、安全性が確認されていないため、使用は避けるべきです。
    使用する前には必ず獣医師と相談し、適切な用量と投与間隔を確認してください。

  • 質問:
    アフォキソラネルとイベルメクチンの違いは何ですか?
    回答:

    アフォキソラネルとイベルメクチンは、どちらも寄生虫を駆除するための薬剤ですが、作用機序や対象となる寄生虫、使用方法が異なります。
    アフォキソラネルは、犬のノミやマダニの駆除に主に使用されます。
    この成分は、寄生虫が持つガンマアミノ酪酸(GABA)受容体と結合し、神経活動を阻害して寄生虫を死に至らせる効果があります。
    哺乳類もGABA受容体を持っていますが、アフォキソラネルは無脊椎動物(特に節足動物)の受容体に特異的に結合する特性があります。
    一方、イベルメクチンは、フィラリアや疥癬などの寄生虫を駆除するために使用され、寄生虫の神経と筋肉のクロライドイオンチャネルを開放し、神経伝達を阻害して寄生虫を麻痺させ、死に至らせます。
    ただし、イベルメクチンは一部の犬種(特にコリー系)で神経毒性を引き起こす可能性があるため、使用には注意が必要です。

  • 質問:
    アフォキソラネルは疥癬に効きますか?
    回答:

    アフォキソラネルは疥癬の治療に効果があります。
    疥癬は、イヌヒゼンダニという寄生虫が引き起こす皮膚病で、激しいかゆみや脱毛、皮膚の炎症が主な症状です。
    アフォキソラネルを含む製品「ネクスガード(R)」は、ノミ・マダニ駆除の基準量で2週ごとに2回投与することで、疥癬や犬毛包虫に対して高い駆虫効果を示すことが報告されています。
    投与後、数日で症状が改善し始め、1ヵ月以内に完治することがほとんどです。
    使用する際には必ず獣医師と相談し、適切な用量と投与間隔を確認してください。

  • 質問:
    アフォキソラネルはノミやダニに効果がありますか?
    回答:

    アフォキソラネルはノミやダニに対して非常に効果的です。
    アフォキソラネルはイソオキサゾリン系駆虫薬で、寄生虫の神経にある塩素イオンチャネルのガンマアミノ酪酸(GABA)受容体と結合し、神経活動を阻害して寄生虫を死に至らせます。
    この作用により、ノミは6時間以内、マダニは12時間以内に駆除されます。
    ただし、新しい成分であるため、一部の犬で神経系の副作用が報告されており、使用には注意が必要です。

  • 質問:
    アフォキソラネルは市販されていますか?
    回答:

    アフォキソラネルは、日本では動物病院でのみ処方・販売される獣医師専用医薬品であり、一般の薬局では販売されていません。
    動物病院で獣医師の診察を受け、処方してもらう必要があります。
    インターネット通販で販売している業者もありますが、獣医師の診察なしで購入することは違法であり、安全性や品質が保証されない可能性があります。
    使用する前には必ず獣医師と相談し、適切な用量と投与間隔を確認してください。

  • 質問:
    アフォキソラネルの保管方法は何ですか?
    回答:

    アフォキソラネルを含む製品の保管方法については、一般的に医薬品の保管には以下の注意が必要です。
    直射日光や高温多湿の場所を避け、子どもやペットの手の届かない安全な場所に保管してください。
    製品のパッケージに記載されている使用期限を守り、期限が過ぎた製品は使用しないでください。
    開封後は指定された期間内に使用し、長期間開封したままにしないようにしましょう。
    具体的な保管方法や使用期限については、製品のパッケージや添付文書を参照し、必要であれば獣医師に相談してください。

  • 質問:
    アフォキソラネルの有効期限はどの程度ですか?
    回答:

    アフォキソラネルを含む製品の有効期限については、製品のパッケージや添付文書に通常、製造日や有効期限が記載されています。
    処方してから1年以上経過した薬は、変性する可能性があるため使用を避けるべきです。
    具体的な有効期限については、製品のパッケージや添付文書を確認し、必要であれば獣医師に相談してください。

  • 質問:
    アフォキソラネルの製造国や供給国はどこになりますか?
    回答:

    アフォキソラネルを含む製品は、ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパン株式会社によって製造・販売されています。
    この会社は、ドイツに本社を置くグローバルな製薬会社で、動物の健康に関する製品を多数提供しています。
    製品のパッケージや添付文書には通常、製造国や供給国に関する情報が記載されていますので、詳細はそちらを確認してください。

  • 質問:
    アフォキソラネルの処方箋は必要ですか?
    回答:

    アフォキソラネルを含む製品は処方箋が必要です。
    動物病院で獣医師の診察を受け、処方してもらいましょう。
    インターネット通販で販売している業者もありますが、獣医師の診察なしで購入することは違法であり、安全性や品質が保証されない可能性があります。
    アフォキソラネルは犬のノミやマダニの駆除に使用される薬剤で、その使用には獣医師の指導が必要です。
    市販薬では効果がないとされていますので、必ず獣医師に相談し、適切な用量と投与間隔を確認してください。

  • 質問:
    アフォキソラネルに関する最新の研究動向や治療への応用はありますか?
    回答:

    アフォキソラネルに関する最近の研究では、犬のニキビダニ症に対する治療効果が確認されています。
    具体的には、6例の犬ニキビダニ症(汎発性5例、局所性1例)に対し、アフォキソラネルを初診時に経口投与し、その後3~6週間隔で投与したところ、ニキビダニの陰転に必要な投与回数は2例が1回、3例が2回、1例が3回であり、皮膚病変は初診から4~12週間で全症例が回復したと報告されています。
    さらに、エメラルドツリーボアに寄生したヘビオオサシダニの駆除にも使用されたことが報告されています。
    これらの研究結果から、アフォキソラネルは犬のニキビダニ症だけでなく、他の寄生虫に対する治療にも応用可能であることが示唆されています。