ブプロピオンの成分画像
  • カナ
    ブプロピオン
  • 英語名
    Bupropion
  • 化学式
    C13H18ClNO
  • 分子量
    239.74 g/mol

禁煙補助薬と抗うつ剤の役割を果たすブプロピオン

ブプロピオンは、禁煙補助薬として知られる一方で、抗うつ薬としても使用される成分です。
日本では承認されていませんが、海外では気分障害の治療にも広く使われています。
この薬の特徴は、ニコチンを含まないにもかかわらず、禁煙をサポートする効果があることです。

禁煙補助薬としてのブプロピオンは、タバコを吸いたい欲求を減らし、禁煙に伴う離脱症状を和らげる効果があります。
抗うつ薬としての側面では、脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、気分の改善や意欲の向上をもたらします。
ただし、日本では承認は受けていないため、服用できません。

ブプロピオンの効果と特徴

ブプロピオンの禁煙補助効果は、プラセボ(偽薬)と比較して高いとされており、ニコチン代替療法と同程度か、場合によってはそれ以上の効果があるのではないかと言われています。

また、うつ症状のある喫煙者に対しては、禁煙サポートと気分改善の両面で効果を発揮する可能性があります。
ただし、これは個人差が大きいため、医師との相談が必要です。

副作用と注意点

ブプロピオンにも他の薬と同様、副作用の可能性があります。
比較的多い副作用としては、不眠、口内乾燥、吐き気などがあります。
まれですが、けいれんのリスクも報告されているため、てんかんの既往がある人や、けいれんのリスクが高い状態の人には使用が推奨されていません。

また、ブプロピオンは他の薬との相互作用にも注意が必要です。
アルコールとの相互作用も報告されているため、服用中の飲酒には注意が必要です。

妊娠中や授乳中の使用については、十分なデータがないため原則として避けるべきとされています。
ただし、喫煙継続のリスクと比較して判断する必要があるため、医師と相談が必要です。

禁煙への道

ブプロピオンなどの禁煙補助剤の効果を最大限に引き出すためには、薬の服用だけでなく、生活習慣の改善や心理的サポートも合わせて行うことが効果的です。
禁煙外来では、薬物療法と共にカウンセリングなども行われることが多いです。

また、ブプロピオンを使用しても、すぐに禁煙が成功するわけではありません。
忍耐強く続けることが大切です。
喫煙欲求が強くなった時の対処法を事前に考えておくなど、心の準備も大切です。

禁煙は簡単ではありませんが、健康に大きな利益をもたらすでしょう。
ブプロピオンは、その過程をサポートするツールの一つです。
ただし、薬に頼りすぎず、自身の意志と周囲のサポートを組み合わせることで、より確実な禁煙成功への道が開かれると言えます。

ブプロピオンを含有する医薬品

ブプロンSR150mgの商品画像
販売価格 2,280円~
1錠 137円~

ブプロンSR150mgとは ブプロンSR150mgは、ブプロピオンを有効成分とする禁煙補助薬です。 この薬剤は、ニコチン置換療法を用いない新しいタイプの禁煙治療薬として知られています。 ブプロンSRは、ザイバンのジェネリック医薬品であり、ザイバンとも同等の成分を持っています。 ブプロンSRは、脳内の神経伝達物質であるドパ...

有効成分
ブプロピオン

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    ブプロピオンの効能は何ですか?
    回答:

    ブプロピオンは主に抗うつ薬として使用される薬で、ノルエピネフリンとドーパミンの再取り込みを阻害することで効果を発揮します。
    アメリカでは「ウェルブトリン」という商品名で知られており、抗うつ症状の改善に役立ちます。
    さらに、禁煙のサポートにも効果があるとされ、禁煙補助剤「ザイバン」として使われていますが、日本ではまだ販売されていません。

  • 質問:
    ブプロピオンは違法ですか?
    回答:

    ブプロピオン自体は合法的な医薬品で、抗うつ薬や禁煙補助剤として使用されています。
    しかし、医薬品として承認されていない製品に含まれる場合や、違法な目的で流通している場合があります。
    最近、東京都で行われた調査で、ブプロピオンを含む製品が違法な形で販売されていたことが発覚しました。
    この場合、製品が「人体摂取用ではない」と表示されていても、ブプロピオンが含まれている場合は無許可での製造・販売が禁じられています。
    したがって、医薬品として承認されていない形で流通するブプロピオンは違法とされます。

  • 質問:
    ブプロピオンは日本で承認されていますか?
    回答:

    ブプロピオンは、日本国内では医薬品として正式に承認されていません。
    日本の医薬品医療機器等法に基づき、経口摂取されるブプロピオンを含む製品は医薬品に該当しますが、現在のところ、日本での製造販売承認を受けていないため、法的には未承認の医薬品として扱われます。
    そのため、日本国内では合法的に取り扱うことができません。

  • 質問:
    ブプロピオンはADHDに効果がありますか?
    回答:

    ブプロピオンは、通常は抗うつ薬として使われていますが、ADHDの治療に対しても一定の効果があるとされています。
    日本国内では正式にADHDの治療薬として承認されていませんが、保険適用外で使用されることがあります。
    研究では、ブプロピオンがADHDの症状を改善する可能性が示されており、実薬とプラセボを比較する研究でも有効性が確認されています。

  • 質問:
    ブプロピオンはタバコと関係がありますか?
    回答:

    ブプロピオンは禁煙を助けるための医薬品として使われることがあります(商品名:ザイバン)。
    この医薬品を使うことで、禁煙に成功する確率が大きく向上し、成功率が49%から72%増加することが研究で示されています。
    具体的には、禁煙を試みる100人中、6人から8人多くが6ヵ月以上の禁煙に成功するというものです。

  • 質問:
    ブプロピオンの値段はいくらですか?
    回答:

    ブプロピオンを成分に持つ「ブプロンSR」は、禁煙支援に使われる薬です。
    ブプロンSR(150mg、100錠入り)の価格が大体7,000円前後です。
    価格は購入する場所によって変わることがありますので、具体的な価格は販売店で確認すると良いでしょう。

  • 質問:
    ブプロピオンの禁忌は何ですか?
    回答:

    ブプロピオンを使用する際には、いくつかの禁忌があります。
    特に、過去に痙攣発作を経験した方や摂食障害のある方、さらに過去2週間以内にモノアミン酸化酵素阻害薬(MAO阻害薬)を使用していた方には適していません。
    ブプロピオンが含まれるブプロンSRに関しては、他の薬との併用に特別な禁忌はありませんが、ニコチンを含む医薬品と一緒に使用しながら喫煙すると、体内のニコチン濃度が急激に上昇し、副作用が現れることがあります。

  • 質問:
    ブプロピオンは性機能障害を引き起こしますか?
    回答:

    ブプロピオンは、うつ病や禁煙支援に用いられる薬で、神経伝達物質のバランスを調整します。
    副作用としては頭痛や興奮、血圧の上昇、まれにけいれん発作が報告されていますが、性機能に対する影響はありません。
    つまり、ブプロピオンを使用しても性機能障害は引き起こさないとされています。

  • 質問:
    ブプロピオンで禁煙するためにはどうしたらいいですか?
    回答:

    ブプロピオンを使って禁煙を成功させるには、医師の指示に従って処方された通りに服用することが大切です。
    研究によれば、ブプロピオンを使うと禁煙に成功する確率が49%から72%高くなるとされています。
    ただし、副作用が現れることもあり、その場合は医師と相談して薬の使用を続けるかどうか決める必要があります。

  • 質問:
    ブプロピオンの適切な飲み方はありますか?
    回答:

    ブプロピオンを含むブプロンSR(BupronSR)を使う際の基本的な服用方法は以下の通りです。
    まず、1~3日目は早朝に1錠を服用し、この時点で禁煙を始めるのが理想的です。
    その後は、1日2回、8時間おきに1錠を7週間続けて服用します。
    夜間の服用は避けてください。
    8日目から本格的に禁煙を開始するのが推奨されています。
    もし服用を忘れた場合は、気づいた時点で服用しますが、8時間の間隔は守るようにしましょう。

  • 質問:
    ブプロピオンはどのような医療用途に使用されていますか?
    回答:

    ブプロピオンは主にうつ病の治療に用いられる抗うつ薬で、ノルエピネフリンとドーパミンの再取り込みを阻害します。
    また、禁煙補助の効果が認められ、アメリカのガイドラインでは禁煙治療の推奨薬の一つです。
    しかし、日本国内では承認されておらず、治験が最終段階まで進んだものの、その後開発が停止されました。

  • 質問:
    ブプロピオンは禁煙補助薬としてどの程度効果的ですか?
    回答:

    禁煙の支援におけるブプロピオンの効果を調べた大規模な研究では、48,832人の喫煙者を対象に行われました。
    この研究の結果、ブプロピオンを使用すると、禁煙成功の可能性が通常よりも49%から72%高くなることがわかりました。
    つまり、100人が禁煙に挑戦した場合、6ヵ月以上禁煙を続けられる人数が6人から8人増えるということです。

  • 質問:
    ブプロピオンとニコチンパッチを併用することは可能ですか?
    回答:

    ブプロピオンとニコチンパッチを一緒に使用する治療法は、禁煙において非常に効果的とされています。
    研究によると、ブプロピオンだけでなく、ニコチンパッチだけを使用するよりも、両方を組み合わせることで禁煙成功率が高くなることが確認されています。
    併用することで、禁煙の成功率がさらに向上する可能性があります。

  • 質問:
    ブプロピオンはうつ病の治療に有効ですか?
    回答:

    ブプロピオンはノルアドレナリンとドーパミンの再取り込みを阻害することで、うつ病の治療に効果を発揮します。
    この薬はうつ病以外にも、注意欠如・多動症やコカイン依存症の治療、禁煙補助としても利用されることがあります。
    副作用としては頭痛や興奮、血圧の上昇、まれにけいれん発作が報告されていますが、性機能障害のリスクは低いです。

  • 質問:
    ブプロピオンは体重減少に役立つことができますか?
    回答:

    ブプロピオンは体重減少に役立つ可能性があります。
    研究によれば、ナルトレキソンとブプロピオンの併用は、ビンジ摂食障害を持つ方の体重を減らすのに効果的であるとされています。
    しかし、最も効果的な体重減少方法としては、行動療法が優れているとの報告もあります。

  • 質問:
    ブプロピオンを服用するときの適切な投与量はどのように決定されますか?
    回答:

    ブプロピオンを服用する際の適切な投与量は、通常、最初に150mgを毎朝3日間服用し、その後は150mgを1日2回に増やすことが推奨されます。
    しかし、1日2回の服用が難しい場合は、150mgを1日1回のペースで続けることもできます。
    投与期間は一般に7~12週間で、必要に応じて最大6ヵ月まで延長可能です。

  • 質問:
    ブプロピオンを服用するときに注意すべき食品や薬物はありますか?
    回答:

    過食症や高血圧がある場合、リスクが高まることがあります。

    ブプロピオンはCYP2D6という酵素に影響を与えるため、他の薬剤との相互作用に注意が必要です。
    特に、CYP2D6を介して代謝される薬物(例:一部の抗うつ薬や心臓薬)を同時に服用している場合は、医師に相談してください。

    また、ブプロピオンは性機能に対する副作用が少ないとされていますが、高用量で服用すると、まれに痙攣発作が起こる可能性があります。
    特に過食症のある方は、痙攣のリスクが高まるため、注意が必要です。

    さらに、アルコールの摂取はブプロピオンと相互作用し、痙攣のリスクを増加させる可能性があるため、控えるか慎重に摂取するようにしましょう。
    以上の点を踏まえ、ブプロピオンを安全に服用するために、服用前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

  • 質問:
    ブプロピオンとして販売される一般的な医薬品にはどのようなものがありますか?
    回答:

    ブプロピオンを含む代表的な医薬品には、ブプロンSR(BupronSR)があり、これは150mgの錠剤が100錠入った禁煙補助薬です。
    その他に、ウェルバトリンSR(Wellbutrin SR)、ザイバン(Zyban)、スモーキット(Smoquit)などもあり、これらはすべて同じ有効成分を含むジェネリック薬です。
    ブプロンSRは、ニコチンを使用しない禁煙治療薬として利用されており、もともとは抗うつ剤として開発されました。

  • 質問:
    ブプロピオンは睡眠障害の治療に有効ですか?
    回答:

    ブプロピオンは、睡眠障害の治療には適していません。
    この治療薬は主にうつ病の治療や禁煙支援のために使用されます。
    睡眠障害の治療には、テトラミドやルジオミールなどの四環系抗うつ薬が利用されることが多く、これらは眠気を引き起こすため、睡眠薬として代用されることがあります。
    また、デジレル(レスリン)は睡眠を改善するためによく使われる薬です。

  • 質問:
    ブプロピオンの効果が持続する期間はどのくらいですか?
    回答:

    ブプロピオンの効果がどのくらい持続するかは、薬の「半減期」を基に判断できます。
    ブプロピオンの半減期は約20時間で、これは薬物の血中濃度が半分になるまでの時間を示しています。
    このため、ブプロピオンは約1日ごとに体内から半分が排出されると考えられ、効果もそれに合わせて持続します。