• カナ
    エンカアルミニウム
  • 英語名
    Aluminum Chloride Hexahydrate
  • 化学式
    AlCl3・6H2O
  • 分子量
    241.43 g/mol

塩化アルミニウムの効果

塩化アルミニウムは、アルミニウムと塩素の化合物で、制汗剤や消臭剤として使用される成分です。
強力な発汗抑制作用を持ち、多汗症などの過剰な汗の分泌を抑える目的で医療用や一般用の製品に含まれています。

塩化アルミニウムの主な効果は以下の通りです。

  • 発汗抑制作用
    塩化アルミニウムの最も顕著な効果は、発汗を抑制することです。
    汗腺の開口部を一時的に塞ぐことで、汗の分泌を減少させます。
    特に、腋窩多汗症(わきがの一種)などの局所的な多汗に効果を発揮します。

  • 消臭効果
    汗の分泌を抑えることで、体臭の原因となる細菌の繁殖を抑制し、消臭効果をもたらします。

塩化アルミニウムの使用方法

塩化アルミニウムを含む製品の一般的な使用方法は以下の通りです。

  • 就寝前に清潔で乾いた肌に塗布します。

  • 朝、通常の洗顔や入浴で洗い流します。

  • 効果が現れるまでに数日から1週間程度かかることがあります。

  • 効果が現れたら、使用頻度を徐々に減らしていきます。

使用部位は主にわきの下ですが、手のひらや足の裏など、他の多汗に悩む部位にも使用できることがあります。
ただし、製品の説明書や医師の指示に従うことが大切です。

塩化アルミニウム使用時の注意点

塩化アルミニウムは効果的な発汗抑制成分ですが、以下のような点に注意が必要です。

  • 皮膚刺激や炎症が起こることがあります
  • 傷や炎症のある部位には使用しないでください
  • 目や粘膜に触れないよう注意してください
  • 衣類に付着すると変色することがあります
  • アルミニウムアレルギーのある方は使用を避けてください

これらの症状や懸念がある場合は、使用を中止し、医師に相談することをおすすめします。

塩化アルミニウムと生活習慣

塩化アルミニウムを使用する際は、以下のような生活習慣にも気を付けることで、より効果的に発汗を抑制できる可能性があります。

  • 清潔な衣類を着用する
  • バランスの取れた食事を心がける
  • 十分な睡眠をとる
  • ストレスを管理する
  • 刺激物(辛い食べ物、カフェイン、アルコールなど)の摂取を控える
  • 規則正しい生活リズムを保つ

特に、塩化アルミニウムを含む製品は就寝前に使用することが多いため、夜の習慣として定着させると効果的です。
ストレス管理や食生活の改善など、生活習慣の見直しと塩化アルミニウムの使用を組み合わせることで、より効果的に多汗症状を改善できる可能性も知っておきましょう。

ただし、効果には個人差があり、すべての人に同じように効くわけではありません。
重度の多汗症の場合、塩化アルミニウムだけでは十分な効果が得られないことがあります。

塩化アルミニウムを含有する医薬品

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有効成分
塩化アルミニウム

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    塩化アルミニウムの効果は何ですか?
    回答:

    塩化アルミニウムは、多汗症の治療に用いられる薬剤で、汗腺の細胞に作用して汗の通り道を塞ぎ、発汗を抑制します。
    特に腋窩(わきの下)、手掌(手のひら)、足底、頭部、顔面の多汗症治療の第一選択として推奨されます。
    また、殺菌効果もあり、わきがにも効果があります。
    ただし、効果は一時的であり、長期間外用することで表皮汗管に対するダメージが蓄積し、結果として汗を分泌する細胞の機能的・構造的な変性が生じて汗の分泌が抑えられると考えられています。
    そのため、継続的な外用が重要です。

  • 質問:
    塩化アルミニウムの副作用は何ですか?
    回答:

    塩化アルミニウムの使用にはいくつかの副作用が報告されています。
    皮膚への刺激や炎症反応が比較的よく知られており、特に敏感肌の人や長期間使用する場合に注意が必要です。
    また、塩化アルミニウムはアルミニウム塩であるため、一部の研究ではアルミニウムが神経障害や健康問題と関連する可能性が示唆されていますが、その影響についてはまだ十分な研究が進んでいないため、安全性については議論が続いています。
    使用する際には、使用方法や量、皮膚の反応を注意深く観察することが推奨されます。

  • 質問:
    塩化アルミニウムは多汗症に効果がありますか?
    回答:

    塩化アルミニウムは多汗症の症状を軽減する効果があります。
    これは、塩化アルミニウムが汗腺の働きを一時的に抑制することによるものです。
    塩化アルミニウムは皮膚に塗布すると、皮膚の表面で汗の出口を一時的に閉じることができます。
    これにより、多汗症による過剰な汗の分泌を減少させることができ、体臭や服の汗染みなどの問題も軽減される場合があります。
    ただし、個人によって効果が異なることや、皮膚への刺激やアレルギー反応が起こる可能性があることにも注意が必要です。

  • 質問:
    塩化アルミニウムはどのような作用機序がありますか?
    回答:

    塩化アルミニウムの作用機序は、汗を出す管(汗管)の細胞に作用し、この管を閉塞させることで発汗が減少するといわれています。
    具体的には、アルミニウムイオンが汗中の成分(主に蛋白質)と凝固物を形成し、それによって汗孔を閉塞するという器質的な機序が考えられています。
    つまり、汗腺で作られた汗が汗管を通って皮膚に出るまでの通り道を塞いでいることになるのです。
    また、塩化アルミニウムが皮膚に吸収された場合には、局所的に脳下垂体の働きを抑制することが知られています。

  • 質問:
    塩化アルミニウムは保険適用ですか?
    回答:

    塩化アルミニウムは、多汗症の治療に非常に効果的な薬剤ですが、残念ながら日本の医療保険の適用は受けられません。
    これは、塩化アルミニウムが薬ではなく試薬の扱いになっているためです。
    そのため、皮膚科などを受診した場合でも、塩化アルミニウムの部分については全額自己負担となります。
    ただし、塩化アルミニウムは一般的に院内製剤として自費処方されています。
    しかし、塩化アルミニウムと併用が可能な保険適用薬が2023年6月より発売されました。
    この薬は、手掌多汗症に対してのみ保険適用の新しい外用薬「アポハイドローション(一般名:オキシブチニン塩酸塩)」です。

  • 質問:
    塩化アルミニウムは薬局で購入できますか?
    回答:

    塩化アルミニウムは一部の薬局で購入可能です。
    ただし、すべての薬局で取り扱っているわけではなく、薬局の種類によっては入手方法が異なります。
    具体的には、医薬品製造販売業の認可を得た薬局では、薬局製剤として塩化アルミニウムを製造・販売しています。
    また、一部の薬局ではオンラインでの注文も可能です。
    そのため、まずは皮膚科や多汗症専門の病院を受診して、処方箋や指示書を発行してもらうことが必要です。

  • 質問:
    塩化アルミニウム液の作り方は何ですか?
    回答:

    塩化アルミニウム液を自宅で作ることはおすすめしません。
    塩化アルミニウムは化学物質であり、正確な濃度や処理方法を誤ると皮膚や健康に害を及ぼす可能性があります。
    市販の製品として安全に利用するためには、医療用途や工業用途で製造されたものを専門家の指導の下で使用することが推奨されます。

  • 質問:
    塩化アルミニウムローションとは何ですか?
    回答:

    塩化アルミニウムローションは、主に制汗剤として使用される外用製品です。
    通常、水とグリセリンを含んだ溶液状の形態で、塩化アルミニウムが含まれています。
    これは皮膚に塗布することで、汗腺の活動を一時的に抑制し、過剰な汗の発生を防ぐ効果があります。
    塩化アルミニウムは、皮膚表面で水と反応して凝固し、一種の薄膜を形成します。
    この膜が汗腺の出口を一時的に封じ、汗の分泌を抑えるメカニズムです。
    多くの場合、敏感肌の人にとって刺激が少ないように設計されており、日常的な使用に適しています。
    ただし、個々の製品によって成分や濃度が異なるため、使用方法や頻度については製品の指示に従うことが重要です。
    特に皮膚の刺激やアレルギー反応が心配な場合には、事前に医師に相談することをおすすめします。

  • 質問:
    塩化アルミニウムは毒性がありますか?
    回答:

    塩化アルミニウムには一定の毒性があります。
    具体的には、飲み込むと有害であり、重篤な皮膚の薬傷および眼の損傷を引き起こす可能性があります。
    また、遺伝性疾患のおそれの疑いや、生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑いがあります。
    さらに、長期にわたる、または反復ばく露による臓器の障害のおそれも否めません。
    また、水生生物に対して非常に強い毒性を持ち、長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性を示す可能性があります。
    さらに、いくつかの調査で神経毒性があり、神経組織を破壊し、永続的な害を引き起こす可能性があることが発見されています。

  • 質問:
    塩化アルミニウムはどこで購入できますか?
    回答:

    塩化アルミニウムは一般的には薬局やドラッグストアで入手可能です。
    多くの場合、制汗剤として販売されており、通常の化粧品や医薬品コーナーで見つけることができます。
    また、オンラインショッピングサイトでも購入することができますが、使用目的や製品の選定には注意が必要です。
    塩化アルミニウムを購入する際には、使用する目的や自身の皮膚の状態に応じて適切な製品を選ぶことが重要です。
    特に敏感肌の方やアレルギー反応が心配な場合には、薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
    医療目的で使用する場合には、医師の処方が必要な場合もありますので、その点も確認する必要があります。

  • 質問:
    塩化アルミニウムで肌荒れはしますか?
    回答:

    塩化アルミニウムを使用すると、一部の人々に肌荒れが発生する可能性があります。
    塩化アルミニウムは汗に含まれた水分と反応して塩酸を生成し、これが肌荒れの原因となることが否めません。
    特に肌が敏感な人や、皮膚が弱い人は、塩化アルミニウムの使用による肌荒れのリスクが高いです。
    また、塩化アルミニウムは汗そのものを減らすというより、毛穴をふさいで汗を止める役割を果たしているため、水ぶくれができてしまうことがあります。
    したがって、塩化アルミニウムを使用する際は、肌の状態をよく観察し、異常が見られた場合はすぐに使用を中止し、医療専門家に相談することが重要です。

  • 質問:
    塩化アルミニウムはどこに塗りますか?
    回答:

    塩化アルミニウムは、多汗症が発生する部位に直接塗布します。
    具体的には、手のひら、足の裏、腋(ワキ)、頭部など、多汗症で悩んでいる部位全てに使用可能です。
    塩化アルミニウムを使用する際には、製品の指示に従うことが重要です。
    一般的には、清潔な皮膚に塗り、必要な場合は朝と夜に塗布することが推奨されます。
    具体的な使用方法は各製品のラベルや説明書に記載されていますので、それに従うことが安全で効果的です。

  • 質問:
    塩化アルミニウムを長期に使用するとどうなるか?
    回答:

    塩化アルミニウムを長期に使用すると、一部の人々には無汗症(汗が出なくなる状態)が発生する可能性があります。
    具体的には、ある研究では、全身性多汗症の男性が毎日1回、10年以上にわたり塩化アルミニウム水溶液を外用した結果、不可逆的な無汗症となったと報告されていました。
    また、長期間の使用により、汗管内腔が拡張し、腺房細胞が萎縮するという変化が観察されています。
    さらに、神経系への影響も指摘されており、神経細胞の損傷や学習障害などが認められる可能性があります。

  • 質問:
    塩化アルミニウムによるかゆみ対策はありますか?
    回答:

    塩化アルミニウムによるかゆみが問題になる場合、いくつかの対策があります。
    まず、塩化アルミニウムを含む製品を使用する前に、皮膚を清潔に保つことが重要です。
    皮膚が清潔で乾燥している状態で使用することで、かゆみのリスクを軽減できます。
    もしもかゆみが発生した場合は、以下の対策が役立つことがあるでしょう。
    ・使用頻度の見直し:塩化アルミニウム製品の使用頻度を減らすことで、かゆみが軽減されることがあります。
    ・保湿:かゆみが起きやすい部位には、保湿剤を使用することで皮膚の乾燥を防ぎ、かゆみを和らげることができます。
    ・冷却:冷たい湿布や冷たいシャワーを使用して皮膚を冷やすことで、かゆみを一時的に和らげることができます。
    ・医師の相談:かゆみがひどい場合や、他の症状が伴う場合には、医師に相談することが重要です。
    医師は適切な治療法や製品の変更を勧めてくれることがあります。
    最終的には、個々の体質や皮膚の反応によって対策が異なるため、自身の状況に合った対策を見つけることが重要です。

  • 質問:
    塩化アルミニウムは皮膚から吸収されますか?
    回答:

    塩化アルミニウムは皮膚から一部が吸収される可能性があります。
    しかし、その吸収量は非常に微量であり、体が皮膚を通して著しいレベルのアルミニウムを吸収する可能性はかなり低いとされています。
    また、アルミニウムは皮膚吸収がほとんどなく、通常の代謝機能があれば微量吸収されたものも速やかに排泄されると考えられています。
    さらに、制汗剤として使用されるアルミニウムの量も微量であるため、その吸収は食品から摂取するアルミニウムの量よりも著しく少ないとされています。
    塩化アルミニウムは、適切な使用法を守れば、効果的な制汗剤です。

  • 質問:
    塩化アルミニウムは手汗に効きますか?
    回答:

    塩化アルミニウムは一般的に、わきの下などの多汗部位に対する制汗効果が主に知られていますが、手汗に対しても一定の効果が期待されます。
    手汗の多くは手のひらや指の間などの汗腺が集中している部位から発生します。
    塩化アルミニウムはこれらの汗腺の出口を一時的に塞ぎ、汗の分泌を抑制するメカニズムを持っています。
    ただし、手のひらなどは他の部位に比べて皮膚が厚く、また日常生活や手洗いなどの活動によって塩化アルミニウムがすぐに洗い流される可能性があるでしょう。
    そのため、効果を持続させるためには、適切な使用頻度や方法を守ることが重要です。
    また、個人差があり、一部の人では効果が感じられにくいこともあります。

  • 質問:
    塩化アルミニウムは汗腺を萎縮させますか?
    回答:

    塩化アルミニウムは汗腺を萎縮させる可能性があります。
    具体的には、塩化アルミニウムは汗腺の細胞に作用し、汗の通り道を塞ぎ、発汗を抑制します。
    そして、長期的に使用することで、汗腺そのものが萎縮し、汗そのものの産生を抑えることができるとされています。
    ただし、この効果は個々の体質や使用方法により異なるため、必ずしも全ての人に当てはまるわけではありません。

  • 質問:
    塩化アルミニウムは水と反応するとどうなりますか?
    回答:

    塩化アルミニウムは水と反応すると、化学反応によって特定の化学物質を生成します。
    一般的には、塩化アルミニウムは水と接触すると速やかに水和反応を起こし、水分子と化学結合して水和物を形成します。
    この反応により、塩化アルミニウムが固体から溶液状態に変化し、水中で溶解します。
    具体的には、塩化アルミニウムが水と反応する過程で、アルミニウムイオン(Al3+)と塩化イオン(Cl-)が水分子に包まれて水和されたイオンの複合体を形成します。
    この複合体は水溶性が高く、溶液中でアルミニウムイオンとして存在します。
    塩化アルミニウムの水和反応は比較的速いため、通常は水と接触した瞬間から反応が始まります。
    この性質は、塩化アルミニウムが化粧品や医薬品などの製品において、水中での使用や水性基質との混合に適している理由の一つです。

  • 質問:
    塩化アルミニウムはピリピリしますか?
    回答:

    塩化アルミニウムを使用すると、一部の人々にはピリピリとした感覚が発生する可能性があります。
    これは、塩化アルミニウムが皮膚に接触した際、または皮膚の水分や汗と反応して塩酸を生成することが原因となるでしょう。
    特に、皮膚が敏感な人や、皮膚が弱い人は、塩化アルミニウムの使用によるピリピリ感のリスクが高いです。
    そのため、塩化アルミニウムを使用する際は、肌の状態をよく観察し、異常が見られた場合はすぐに使用を中止し、医療専門家に相談することが重要です。

  • 質問:
    塩化アルミニウムローションは頭部にも使えますか?
    回答:

    塩化アルミニウムローションは頭部にも使用可能です。
    特に、頭部や顔面における多汗症の治療には、10~20%の塩化アルミニウムローションが推奨されています。
    ただし、目の周りや口の周りは避けて使用することが推奨されます。
    使用方法としては、1日1回、就寝前に汗をふき取り、コットンに塩化アルミニウムローションを含ませて患部に塗布し、乾かします。
    そのまま就寝し、翌日洗い流すか、やわらかい濡れタオルでふきとりましょう。
    最終的には、製品のラベルや説明書に従い、使用方法を正しく理解することが安全性と効果の確保に繋がります。