• カナ
    ノルエチステロン
  • 英語名
    Norethisterone
  • 化学式
    C20H26O2
  • 分子量
    298.419g/mol

ノルエチステロンの主な用途

ノルエチステロンは女性ホルモンの一種で、プロゲステロンに似た働きをする合成ホルモンです。
主に避妊薬や月経異常の治療薬として使われる成分で、体内でのホルモンバランスを調整する役割を担っています。

ノルエチステロンは単独で使用されることもありますが、エストロゲンと組み合わせて使用されることも多いです。
この組み合わせにより、より効果的な避妊や月経周期の調整が期待できます。

ノルエチステロンには様々な用途がありますが、代表的なものをいくつか紹介します。

  • 避妊
    ノルエチステロンを含む経口避妊薬は、妊娠を防ぐ目的で広く使用されています。
    排卵を抑制し、子宮内膜を変化させることで妊娠を防ぎます。
    定期的に服用することで高い避妊効果が得られますが、正しく服用することが大切です。

  • 月経異常の治療
    不規則な月経や過多月経といった月経異常に対しても、ノルエチステロンは効果を発揮します。
    ホルモンバランスを整えることで、月経周期を安定させたり、月経量を調整したりする作用があります。

  • 子宮内膜症の症状緩和
    子宮内膜症の患者の中には、ノルエチステロンを含む薬剤で症状が改善する人もいます。
    痛みや出血を軽減する効果が期待できますが、すべての患者に効果があるわけではありません。

  • 更年期障害の症状管理
    閉経前後の女性が経験する更年期障害の症状管理にも、ノルエチステロンが役立つ場合があります。
    ホットフラッシュや寝汗といった症状を和らげる効果が報告されています。

ノルエチステロンの服用方法と注意点

ノルエチステロンを含む薬の服用方法は、使用目的や製剤によって異なります。
医師の指示に従って正しく服用することが大切です。
一般的な注意点をいくつか挙げます。

  • 決められた時間に毎日服用する
  • 飲み忘れた場合の対処法を医師に確認しておく
  • 他の薬との相互作用に注意する
  • 副作用が気になる場合は医師に相談する

副作用には、吐き気、頭痛、むくみ、体重増加などがあります。
これらの症状が続く場合や、気になる症状が現れた場合は、すぐに医師に相談しましょう。

また、喫煙者や35歳以上の女性、高血圧や糖尿病などの持病がある人は、ノルエチステロンを含む薬の使用に特に注意が必要です。
これらの条件に当てはまる場合は、必ず医師と相談のうえで使用するかどうかを決めましょう。

ノルエチステロンと生活習慣

ノルエチステロンを含む薬を服用する際は、健康的な生活習慣を心がけることで、より効果的に薬を活用できる可能性があります。
以下のような点に気を付けると良いでしょう。

  • バランスの取れた食事を心がける
  • 適度な運動を行う
  • 十分な睡眠をとる
  • ストレス管理を行う
  • 定期的に健康診断を受ける

これらの習慣は、薬の効果を最大限に引き出すだけでなく、全体的な健康維持にも役立ちます。
特に、ホルモンバランスは生活習慣の影響を受けやすいため、規則正しい生活を送ることがおすすめです。

ノルエチステロンを含有する医薬品

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プリモルト-N5mgとは プリモルト-N5mgは、ノルエチステロンを有効成分とする黄体ホルモン製剤です。 1錠中にノルエチステロン5mgを含有しており、バイエル社が開発・製造しています。 この薬剤は、天然の黄体ホルモンであるプロゲステロンに類似した合成ホルモンを含んでおり、女性の月経周期や妊娠に重要な役割を果たしま...

有効成分
ノルエチステロン

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    ノルエチステロンはどのような効果がありますか?
    回答:

    ノルエチステロンは、プロゲステロンの合成ホルモンであり、主に生理不順や月経困難症、子宮内膜症の治療に使用されます。
    避妊薬としても利用され、月経周期の調整や更年期症状の緩和にも効果があります。
    また、プロゲステロン受容体に結合することで、子宮内膜の増殖を抑制し、排卵を防止します。
    さらに、子宮頸管粘液を厚くして精子の進入を防ぐ作用もあります。
    これにより、避妊や月経不順の治療に有効とされています。

  • 質問:
    ノルエチステロンはどのような用途に使用されますか?
    回答:

    ノルエチステロンは、避妊薬として広く使用されるほか、月経困難症や月経過多の治療、子宮内膜症の疼痛緩和、ホルモン補充療法(HRT)として更年期症状の緩和や骨粗鬆症の予防に利用されます。
    また、月経を遅らせるために短期間使用することもあります。
    これにより、旅行や重要なイベントの際に月経をコントロールすることが可能となります。

  • 質問:
    ノルエチステロンの副作用は何ですか?
    回答:

    ノルエチステロンの副作用には、頭痛、乳房の圧痛、吐き気、体重増加、ムードの変動、にきび、異常な月経出血などがあります。
    重大な副作用としては、血栓、心臓発作、脳卒中のリスクが増加することがあります。
    また、視力障害や深部静脈血栓症、肝機能障害も報告されています。
    これらのリスクを管理するため、定期的な医師の診察が推奨されています。

  • 質問:
    ノルエチステロンの服用方法はどうなっていますか?
    回答:

    ノルエチステロンの服用方法は用途に応じて異なります。
    一般的には、避妊薬としては1日1回、特定の時間に服用します。
    月経を遅らせるためには、予想される月経開始日の3日前から1日3回服用し、期間終了後に通常2~3日で月経が開始します。
    また、月経困難症や子宮内膜症の治療には、医師の指示に従い適切な用量で服用することが重要です。

  • 質問:
    ノルエチステロンは月経を遅らせるために使用できますか?
    回答:

    ノルエチステロンは月経を遅らせるために使用できます。
    ノルエチステロンは黄体ホルモン剤の一種で、生理予定日の5日前から延長したい日までノルエチステロンを継続服用することで、月経を遅らせることができます。
    ノルエチステロンの服用を中止すると2~3日で生理が始まるため、長期間服用し続けることで月経を遅らせることが可能です。
    また、ノルエチステロンとエストロゲン剤を配合した低用量ピル(ルナベルLD/ULD)も、月経を遅らせる目的で使用されます。
    この製剤は避妊目的だけでなく、生理予定日の5日前から服用を始めることで、月経を遅らせる効果があります。

  • 質問:
    ノルエチステロンの効果はどれくらいの期間持続しますか?
    回答:

    ノルエチステロンの効果は、服用を続けている期間中持続します。
    月経遅延の場合、服用を中止すると通常2~3日以内に月経が再開されます。
    避妊効果は、規則的に服用することで持続し、服用を停止すると数日から数週間で効果がなくなります。
    長期間の使用が必要な場合は、医師の指導のもとで行うことが重要です。

  • 質問:
    ノルエチステロンはどのように作用しますか?
    回答:

    ノルエチステロンは、プロゲステロン受容体に結合して作用します。
    これにより、子宮内膜の増殖を抑制し、排卵を防止します。また、子宮頸管粘液を厚くして精子の進入を防ぎます。
    これらの作用により、避妊や月経不順の治療に効果があるとされています。
    さらに、子宮内膜症の痛みを軽減し、ホルモンバランスを調整する役割も果たします。

  • 質問:
    ノルエチステロンを服用する際の注意点は何ですか?
    回答:

    ノルエチステロンを服用する際の注意点としては、喫煙を避けること、血栓症のリスクがある場合は慎重に使用の可否を検討することが重要です。
    また、長期間の使用は医師の監督下で行う必要があります。
    副作用が現れた場合は速やかに医師に相談し、手術を予定している場合は、少なくとも4週間前に服用を中止することが推奨されています。

  • 質問:
    ノルエチステロンは避妊に使用できますか?
    回答:

    ノルエチステロンは避妊に使用できます。
    ノルエチステロンは黄体ホルモン剤であり、避妊目的で使用される低用量ピルの一種です。
    特に、ルナベルLD/ULDなどの低用量ピルには、ノルエチステロンとエチニルエストラジオール剤が配合されており、避妊効果があります。
    ノルエチステロンは排卵を抑制し、子宮内膜の変化による着床阻害作用や頸管粘液の変化による精子通過阻害作用により、避妊効果を発揮します。
    一般的に、ノルエチステロンを含む低用量ピルは、正しく服用した場合、避妊効果が高いとされています。

  • 質問:
    ノルエチステロンは不妊治療に使用されますか?
    回答:

    ノルエチステロンは不妊治療には直接使用されませんが、月経周期の調整や子宮内膜症の予防や治療に使用されることがあります。
    不妊治療の一環として、これらの症状への対応が必要な場合に用いられます。
    具体的な治療法については、医師と相談して決定することが重要です。

  • 質問:
    ノルエチステロンは乳がんのリスクを高めますか?
    回答:

    ノルエチステロンの長期間使用は、乳がんのリスクを増加させる可能性があります。
    特に、エストロゲンとの併用療法ではリスクが高まるとされています。
    このため、使用期間や用量については医師と十分に相談するようにしましょう。
    また、定期的な検診を受け、早期発見と予防に努めることが推奨されています。

  • 質問:
    ノルエチステロンの価格はどのくらいですか?
    回答:

    ノルエチステロンの日本における価格は、製剤の種類や容量によって異なりますが、2024年6月現在、東京化成工業が提供するノルエチステロンの価格は、100mgで約3,600円、1gで約11,500円となっています。
    また、富士フイルム和光純薬株式会社が提供するノルエチンドロンの価格は、250mgで13,000円、1gで19,800円とされています。

  • 質問:
    ノルエチステロンはホルモン療法に使用されますか?
    回答:

    ノルエチステロンはホルモン療法に使用されます。
    特に、更年期症状の緩和や閉経後の骨粗鬆症の予防において、エストロゲンと組み合わせたホルモン補充療法(HRT)として用いられます。
    これにより、ホルモンバランスが整い、様々な更年期症状の緩和が期待できます。

  • 質問:
    ノルエチステロンは男性ホルモンと関連がありますか?
    回答:

    ノルエチステロンは女性ホルモン様作用を持つ黄体ホルモン剤であり、男性ホルモンとは直接的な関連はありません。
    ノルエチステロンは男性ホルモンとは異なり、女性ホルモンに類似した作用を持つ合成ホルモン剤です。
    主に月経不順や無月経、機能性子宮出血などの婦人科疾患の治療に用いられます。
    一方、テストステロンは男性の第二次性徴を促進し、筋肉増強や骨代謝促進など、男性らしい体つきを作る働きがあります。
    テストステロンは加齢とともに減少するため、男性更年期障害の改善にも役立ちます。
    したがって、ノルエチステロンと男性ホルモンであるテストステロンは、作用機序が異なるホルモン剤です。

  • 質問:
    ノルエチステロンとドロスピレノンの違いは何ですか?
    回答:

    ノルエチステロンとドロスピレノンは、いずれもプロゲスチン(黄体ホルモン)ですが、化学構造と作用が異なります。
    ノルエチステロンは第一世代のプロゲスチンであり、アンドロゲン(男性ホルモン)作用が強いのが特徴です。
    これに対し、ドロスピレノンは第三世代のプロゲスチンで、抗アンドロゲン作用を持ち、むくみや体重増加などの副作用が少ないとされています。
    ドロスピレノンは、抗鉱質コルチコイド作用も持ち、体内の水分バランスを調整する効果があります。

  • 質問:
    ノルエチステロンはアンドロゲン作用が起こりやすいですか?
    回答:

    ノルエチステロンは、他のプロゲスチンと比較して、アンドロゲン作用が強い傾向があります。
    このため、にきびや体毛の増加、体重増加などの副作用を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
    アンドロゲン作用に敏感な患者さんには、抗アンドロゲン作用を持つドロスピレノンのようなプロゲスチンが推奨されることが多いです。

  • 質問:
    ノルエチステロンの使用を中止した場合の影響は何ですか?
    回答:

    ノルエチステロンの使用を中止すると、通常は数日以内に月経が再開します。
    長期間使用していた場合、中止後にホルモンバランスが変化し、一時的に月経不順や体調の変化が生じることがあります。
    中止する際は、医師と相談することが重要です。
    また、ホルモン補充療法(HRT)として使用している場合は、中止後に更年期症状が再発する可能性もあります。

  • 質問:
    ノルエチステロンの投与量はどのように決まりますか?
    回答:

    一般的な投与量は、1日1回5mgを14~21日間連続経口投与することが多いですが、ノルエチステロンの投与量は、適応症の重症度、年齢、肝機能や腎機能、併用薬剤などを踏まえて、個別に医師が決定します。
    まず、月経困難症や無月経などの適応症の重症度が投与量に影響します。
    次に、年齢が高くなるほど肝臓や腎臓の機能が低下するため、投与量を減らす必要があります。
    実際に、肝機能や腎機能が低下している患者さんには、投与量を減らすか投与間隔を延長することもあります。
    さらに、他の黄体ホルモン剤や経口避妊薬などを併用している場合も、ノルエチステロンの投与量が調整されることがあります。

  • 質問:
    ノルエチステロンはどのような形態で販売されていますか?
    回答:

    ノルエチステロンは主に2つの形態で販売されています。
    1つは、ノルエチステロンのみを含む黄体ホルモン剤です。
    これは月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられ、1日1回5mgを14~21日間連続経口投与します。
    もう1つは、ノルエチステロンとエチニルエストラジオールを配合した低用量ピルです。
    ルナベルLD/ULDなどがこれに該当し、1日1錠を21日間連続経口投与し、その後7日間休薬する周期で使用します。
    低用量ピルは避妊目的でも使用できますが、月経困難症の治療には保険適用されません。

  • 質問:
    ノルエチステロンの長期使用は安全ですか?
    回答:

    ノルエチステロンの1年を超える投与は、治療上必要と判断される場合にのみ行い、定期的に画像診断および臨床検査を行うなど、患者さんの状態に十分注意しなくてはなりません。
    長期服用により肝腫瘍が発生したとの報告もあるため、慎重な経過観察が求められます。
    ただし、ノルエチステロンは半世紀以上の長い使用実績があり、月経困難症や子宮内膜症の治療に有効とされています。
    適切な経過観察を行えば、月経困難症の治療に最適な選択肢となり得ます。
    医師の管理のもと、投与の必要性を慎重に判断することが重要です。