エストラジオール吉草酸エステルの成分画像
  • カナ
    エストラジオールキッソウサンエステル
  • 英語名
    Estradiol valerate
  • 化学式
    C23H32O3
  • 分子量
    356.4984 g/mol

エストラジオール吉草酸エステルの特徴

エストラジオール吉草酸エステルはエストラジオールの誘導体で、女性ホルモン補充療法に使用される合成エストロゲンです。
天然のエストラジオールに吉草酸を結合させることで作られており、独特の特性を持っています。

この成分の最大の特徴は、その持続性にあります。
通常のエストラジオールと比べて、体内での作用時間が長くなっています。
これは、吉草酸エステル部分が薬物の代謝を遅らせる働きをするためです。

また、エストラジオール吉草酸エステルは脂溶性が高いという特徴があります。
このため、皮膚や粘膜からの吸収が良好で、局所的な使用に適しています。

エストラジオール吉草酸エステルの主な用途

この成分は更年期障害の治療に用いられます。
ホットフラッシュや寝汗、気分の変動などの症状を緩和する効果があります。
その他にも、以下の症状に処方されることがあります。

  • 無月経
  • 月経周期異常
  • 月経量異常
  • 月経困難症
  • 機能性子宮出血
  • 子宮発育不全症
  • 卵巣欠落症状
  • 不妊症

エストラジオール吉草酸エステルは局所投与が主な使用法であるため、全身への影響を最小限に抑えつつ、必要な部位に直接作用させることができます。
副作用のリスクを低減しながら、効果的な治療を行えるのはメリットです。

使用上の注意点

エストラジオール吉草酸エステルは、他のエストロゲン製剤と同様に、いくつかの注意点があります。

乳がんや子宮内膜癌の既往がある人、または現在治療中の人は使用を避けるべきです。
また、血栓症のリスクがある人も注意が必要です。
妊娠中や授乳中の使用も避けるべきです。
胎児や乳児への影響が懸念されるためです。

局所投与であっても、一部は全身に吸収されるため、他の薬剤との相互作用にも注意が必要です。
特に、抗凝固薬や一部の抗てんかん薬との併用には注意が必要です。

起こりうる副作用

エストラジオール吉草酸エステルを服用すると、以下の症状を感じる人もいます。

  • 発疹等
  • 精神障害の再発
  • 高カルシウム血症
  • ナトリウムや体液の貯留
  • 消退出血
  • 不正出血
  • 経血量の変化
  • 乳房痛
  • 乳房緊満感
  • 疼痛
  • 発赤
  • 硬結
  • 頭痛

重大な副作用は血栓で、これは長期使用によって起こる可能性があります。
頻度は不明ですが、血栓ができやすい体質の方や、家族に血栓による症状がある方は注意しておきましょう。

血栓症リスクが高くなるのは、高齢者やタバコを吸う人、太っている人です。
エストラジオール吉草酸エステルのベネフィットを取る場合、リスクも考慮しておきましょう。

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有効成分
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よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルとは何ですか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルは、女性ホルモンの一種であるエストラジオールを基にした薬剤です。
    エストラジオールは、女性の身体で自然に作られるホルモンで、主に卵巣で分泌されます。
    体内でエストラジオールに変わり、主に更年期障害やエストロゲン不足を補うために使用されます。
    ホットフラッシュ(急な発汗や熱感)、腟の乾燥、骨密度の低下などの更年期症状を和らげ、骨粗鬆症の予防にも役立ちます。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルとはどんな効果があるのですか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルは、更年期障害の症状を軽減する効果があります。
    具体的には、ホットフラッシュ、夜間の発汗、腟の乾燥、骨密度の低下などに効果があります。
    また、エストロゲンは骨の健康に重要な役割を果たすため、骨粗鬆症の予防にも役立ちます。
    さらに、ホルモンバランスを整えることで、気分が安定し、睡眠の質が向上することがあります。
    皮膚の健康にも良い影響を与え、肌のハリや潤いを保つ効果も期待できます。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルの半減期はどのくらいですか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルの効果が体内で半分になるまでの時間(半減期)は、通常12~36時間です。
    経口投与の場合、エストラジオールに代謝された後の半減期は約13~20時間です。
    注射剤やパッチの場合は、より長く体内で効果が持続します。注射剤では、数日間にわたり血中濃度が保たれ、パッチでは貼っている間安定した効果が得られます。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルをすると眠くなるのはなぜですか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステル自体には直接的な眠気を引き起こす作用はありませんが、一部の女性が眠気を感じることがあります。
    これは、エストロゲンが体温や神経伝達物質に影響を与えるためです。
    例えば、更年期障害の症状が改善されることで、眠気を感じやすくなることがあります。
    もし眠気が強く、生活に支障をきたす場合は、医師に相談して投与量や時間を調整することが推奨されます。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルをするとどれくらいで効きますか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルの効果は、通常、使用開始後数日から2週間以内に現れます。
    特にホットフラッシュなどの症状は、比較的早く改善されることが多いです。
    一方、腟の乾燥感や泌尿器系の症状の改善には数週間から数ヵ月かかることがあります。
    骨密度の改善など、長期的な効果を期待する場合は、数ヵ月から1年以上の使用が必要です。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルは更年期障害に効く薬ですか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルは、更年期障害の治療に広く使用されています。
    ホットフラッシュや寝汗、腟の乾燥、泌尿器系の症状を改善する効果があります。
    また、骨密度を維持し、骨粗鬆症のリスクを減らすことが期待されます。
    気分の変動や不眠などの精神的な症状にも効果があるとされています。
    しかし、すべての症状に同じ効果があるわけではなく、個人差があります。
    また、プロゲステロンと併用することが推奨される場合もあります。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルは発がん性はありますか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルに関する研究では、長期間の使用や高用量は、乳がんや子宮内膜がんのリスクが増加する可能性があると報告されています。
    ただし、これらのリスクは個人差があり、全体的なリスクは低いとされています。
    使用する際は、医師と相談し、リスクとメリットを考慮した上で適切に使用することが重要です。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルの製品名は何ですか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルは、「エストラーナ」や「エストラジム」、「ディビゲル」などの名前で販売されています。
    パッチやゲル、注射の形態で提供され、それぞれの用途や投与方法に合わせて選ぶことができます。
    例えば、「エストラーナ」はパッチで、皮膚に貼ることでエストロゲンが徐々に吸収されます。
    「ディビゲル」はゲルで、皮膚に塗ることで効果を発揮します。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルの有効成分は何ですか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルの有効成分は、エストラジオールと吉草酸のエステル結合体です。
    エストラジオールは、女性の主要な性ホルモンの一つで、卵巣から分泌される天然のエストロゲンです。
    吉草酸エステル化することで、エストラジオールの効果を持続させ、体内での吸収と代謝を調整しています。
    この化合物は、エストロゲン補充療法や更年期障害の治療、月経異常の改善などに使用されます。
    エストラジオール吉草酸エステルは、体内でエストラジオールに代謝され、女性ホルモンとしての作用を発揮します。
    これにより、経口投与や注射などの様々な投与経路が可能となり、治療の柔軟性が高まります。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルはをするべき人はどんな人ですか?
    回答:

    この薬は、特に更年期障害や卵巣機能が低下した女性に使用されます。
    閉経後のホットフラッシュや発汗、不眠、気分の変動などの症状に悩む女性が対象です。
    また、月経異常や骨粗鬆症の治療にも使用されます。
    ただし、乳がんや子宮内膜がんの既往歴がある女性や血栓症のリスクが高い女性、重度の肝機能障害がある女性は使用を避けるべきです。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルを女性がするとどうなりますか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルを女性が使用すると、体内のエストロゲンレベルが上昇し、様々な生理学的効果が現れます。
    更年期障害の症状であるホットフラッシュや寝汗、不眠などが改善されることが多いです。
    また、腟の乾燥感や性行為痛が軽減され、尿失禁などの泌尿器系の症状も改善される可能性があります。
    さらに、骨密度の低下を抑制し、骨粗鬆症のリスクを軽減する効果も期待できます。
    若年女性の場合、月経周期の調整や無月経の改善に役立ちます。
    加えて、皮膚のハリや弾力が改善されることもあります。
    一方で、乳房の張りや痛み、吐き気、頭痛などの副作用が現れる可能性もあるため、注意が必要です。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルは肝臓に負担をかけますか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルは、他の多くの薬剤と同様、肝臓で代謝されるため、ある一定の肝臓への負担は避けられません。
    しかし、適切な用量で使用する場合、深刻な肝機能障害を引き起こす可能性は低いとされています。
    ただし、既存の肝疾患がある患者さんや、肝機能が低下している患者では、より慎重な使用が求められます。
    まれに、肝機能検査値の上昇や黄疸などの肝機能障害が報告されることがあります。
    そのため、エストラジオール吉草酸エステルを使用する際は、定期的な肝機能検査を含む医学的モニタリングが推奨されています。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルはいつまでする必要がありますか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルの使用期間は、更年期障害の症状管理の場合、一般的に症状が改善するまで、または更年期症状が自然に軽減するまでの期間とされています。
    これは通常数ヵ月から数年にわたることがあります。
    骨粗鬆症の予防や治療目的では、より長期的な使用が必要となる場合があります。
    さらに、若年女性の月経異常治療の場合は、症状が改善し、正常な月経周期が確立されるまでの期間使用するのが一般的です。
    ただし、長期間の使用に伴う乳がんや子宮内膜がんのリスク増加などを考慮し、定期的に治療の継続の必要性を検討することが重要です。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルはどのくらいの頻度でしますか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルの投与頻度は、一般的な経口製剤の場合、1日1回の服用が多いですが、症状や治療段階に応じて1日2回に分けて服用することもあります。
    注射剤の場合は、通常2~4週間に1回の頻度で投与されます。
    パッチを使用する場合は、1週間に1~2回の貼り替えが一般的です。
    腟用クリームやタブレットの場合、初期は毎日使用し、その後週2~3回の頻度に減らすことが多いです。
    いずれの場合も、個々の患者の症状や反応に応じて、医師が最適な投与頻度を決定します。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルで生理は起こせますか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルは、単独では必ず生理を引き起こすわけではありませんが、月経周期の調整や無月経の改善に役立つことがあります。
    特に、エストロゲン欠乏が原因で無月経となっている若年女性の場合、エストラジオール吉草酸エステルの投与により子宮内膜の成長を促し、その後プロゲステロンを併用することで、計画的に消退出血を引き起こすことが可能です。
    これは「ホルモン補充周期療法」と呼ばれる方法です。
    ただし、この方法で起こる出血は自然な月経とは異なり、排卵を伴うものではありません。
    閉経後の女性の場合、エストラジオール吉草酸エステルの使用で不正出血が起こることがありますが、これは本来の意味での生理ではありません。
    月経周期の回復や調整を目的とする場合は、エストラジオール吉草酸エステルの使用だけでなく、他のホルモン剤との併用や、根本的な原因の治療が必要となることが多いです。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルは女性ホルモンの注射ですか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルは女性ホルモンの一種であり、注射剤として使用されることがありますが、これ以外にも投与方法があります。
    注射剤の他にも、経口錠剤、経皮吸収型パッチ、腟用クリームやタブレットなど、エストラジオール吉草酸エステルは様々な剤形で提供されています。
    注射剤の場合、通常2~4週間に1回の頻度で筋肉内に投与されます。
    この方法は、経口投与が困難な患者や、より安定した血中濃度を維持したい場合に選択されることがあります。
    これは肝臓での初回通過効果を回避できるため、より少ない用量で効果を得られるというメリットがあります。
    ただし、注射による痛みや、投与間隔が長いことによるホルモンレベルの変動などのデメリットもあります。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルの何日後に生理が来ますか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルの投与後、通常、エストラジオール吉草酸エステル単独では生理を引き起こすことはなく、プロゲステロンの併用が必要です。
    ホルモン補充周期療法の場合、エストラジオール吉草酸エステルを10~14日間投与した後、プロゲステロンを5~10日間追加します。
    プロゲステロン投与終了後、通常2~7日以内に消退出血が起こります。
    ただし、これは自然な月経周期とは異なり、排卵を伴うものではありません。
    若年女性の無月経治療の場合、反応までの時間はさらに個人差が大きくなります。
    また、閉経後の女性では、エストラジオール吉草酸エステルの使用で不正出血が起こることがありますが、これは本来の意味での生理ではありません。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルはどのような副作用がありますか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルの一般的な副作用には、乳房の張りや痛み、吐き気、頭痛、めまい、下腹部痛、むくみなどがあります。
    また、不正出血や経血量の変化が起こることもあり、情緒不安定や気分の変動も報告されています。
    より重大な副作用としては、深部静脈血栓症や肺塞栓症などの血栓症のリスク増加があります。
    また、長期的な使用では、乳がんや子宮内膜がんのリスクが若干上昇する可能性があります。
    稀に、肝機能障害や胆石症、高血圧などが起こることもあるため注意が必要です。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルはどのくらいの期間必要ですか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルの必要期間は、通常数ヵ月から数年にわたることがあります。
    これは更年期障害の症状管理の場合、一般的に症状が改善するまで、または更年期症状が自然に軽減するまでの期間です。
    骨粗鬆症の予防や治療目的では、より長期的な使用が必要となる場合があり、5年以上の使用も珍しくありません。
    若年女性の月経異常治療の場合は、症状が改善し、正常な月経周期が確立されるまでの期間使用しますが、個人差が大きいです。
    ただし、乳がんや子宮内膜がんのリスク増加などの長期的な使用に伴うリスクを考慮し、定期的に治療の継続の必要性を再評価することが重要です。

  • 質問:
    エストラジオール吉草酸エステルの値段はいくらですか?
    回答:

    エストラジオール吉草酸エステルの値段は、2024年6月現在、一般的に100錠入りの0.5mgの錠剤で約1,500円~3,000円です。
    日本国内の医療現場で広く使用されているホルモン補充療法(HRT)の一環として処方される薬剤で、この薬は、女性の更年期障害や骨粗鬆症の予防・治療に用いられます。
    エストラジオール吉草酸エステルは、主に処方箋医薬品として市販されており、保険適用外の場合は自己負担が必要です。
    このため、治療が必要な方は、医師の指導のもとで正確な投与量と使用方法を確認しながら使用することが推奨されています。