• カナ
    メラトニン
  • 英語名
    Melatonin
  • 化学式
    C13H16N2O2
  • 分子量
    232.278 g/mol

メラトニンの働き

メラトニンは、脳で自然に分泌されるホルモンで、体内時計の調整や睡眠・覚醒サイクルの維持に重要な役割を果たしています。
日中は光の影響でメラトニンの分泌が抑えられ、夜になると分泌量が増加します。
この日内変動が、私たちの体に「眠る時間」を知らせる仕組みとなっています。

メラトニンの主な働きは、体内時計の調整です。
具体的には以下のような効果があります。

  • 睡眠の促進
    メラトニンは脳に「眠る時間」というシグナルを送り、自然な眠りを誘います。

  • 体温の調整
    体温を下げる作用があり、これも良質な睡眠を促進します。

  • 抗酸化作用
    フリーラジカルを除去し、細胞のダメージを防ぐ働きがあります。

  • 免疫システムの調整
    免疫機能を高める効果があるとされています。

メラトニンサプリメントの利用

メラトニンは、多くの国でサプリメントとして市販されています。
主に以下のような状況で利用します。

  • 時差ぼけの軽減
    海外旅行などで時差が生じた際に、新しい時間帯への体内時計の適応を助けます。

  • 交代勤務者の睡眠改善
    不規則な勤務時間による睡眠障害の改善に役立つ可能性があります。

  • 不眠症の改善
    寝つきが悪い、中途覚醒が多いなどの症状を軽減する効果が期待されています。

  • 高齢者の睡眠質の向上
    年齢とともに減少する内因性メラトニンを補うことで、睡眠の質を改善します。

メラトニンの注意点

メラトニンのサプリは効率良く必要な成分を補えますが、以下の点には注意しましょう。

  • 副作用
    頭痛、めまい、吐き気などの軽度の副作用が報告されています。

  • 依存性
    長期使用による依存性の可能性が指摘されています。

  • 相互作用
    抗うつ薬、血液凝固抑制薬などと相互作用を起こす可能性があります。

  • 妊娠・授乳中の使用
    安全性が確立されていないため、避けるべきです。

  • 自動車の運転
    服用後は眠気を感じる可能性があるため、運転は避けるべきです。

メラトニンの自然な分泌を促す方法

メラトニンサプリメントに頼らずに、自然なメラトニン分泌を促す方法もあります。

毎日同じ時間に起床・就寝することで体内時計を整えられますし、朝は明るい光を浴び、夜は暗い環境を作ることでメラトニンの分泌リズムを整えられます。
また、ブルーライトの制限として、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控えることもおすすめです。

就寝前のストレス軽減や瞑想などでリラックスすることも効果的です。
さらに、トリプトファンを含む食品(牛乳、バナナ、ナッツ類など)を摂取することで、メラトニンの原料を補給できます。

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よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    メラトニンは何に効きますか?
    回答:

    メラトニンは睡眠ホルモンとして知られており、眠気を誘い、深い睡眠へと導きます。
    また、体内時計を整え、抗酸化作用や免疫力の向上にも寄与します。
    日本国内では処方箋が必要な医療用医薬品ですが、アメリカではFDA(アメリカ食品医薬品局)によってサプリメントとして分類されており、アメリカ国内で購入するか、個人輸入などで入手することが可能です。

  • 質問:
    メラトニンはなぜ日本では禁止されているのですか?
    回答:

    メラトニンは日本国内では、処方箋の必要な医薬品成分であり、処方箋なしで購入することはできません。
    また、メラトニンを配合した商品を許可なく販売することもできません。
    しかし、アメリカではメラトニンは医薬品成分ではなく、サプリメント成分として認められているため、メラトニンが配合されたサプリメントをアメリカで購入したり、個人で使用することを前提に個人輸入を代行するネット通販で購入することが認められています。

  • 質問:
    メラトニンが不足するとどうなりますか?
    回答:

    メラトニンが不足すると、睡眠時間が短くなるだけでなく、睡眠の質も悪化し、睡眠から得られる効果が減少します。
    メラトニンは夜に分泌され、朝に日光を浴びることで分泌が抑えられる仕組みになっています。
    このため、メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、睡眠を促進する役割を果たしています。
    夜になると自然に眠気を感じるのは、メラトニンが分泌されるためです。

  • 質問:
    メラトニンは幸せホルモンですか?
    回答:

    メラトニンは「幸せホルモン」とは呼ばれていませんが、幸せホルモンであるセロトニンと密接に関連しています。
    セロトニンは日中に分泌され、覚醒や活動モードを促進します。
    一方、メラトニンは夜に分泌され、リラックス神経を活発にして休息と睡眠へと導きます。
    メラトニンとセロトニンの両方が適切に働くことで、健康的で幸せな生活を送ることができます。

  • 質問:
    メラトニンサプリは危険ですか?
    回答:

    メラトニンはアメリカではFDA(アメリカ食品医薬品局)によってサプリメント成分として認められており、危険な成分ではありません。
    メラトニン自体に毒性はありませんが、過剰摂取すると作用が強く出る恐れがあります。
    メラトニンは睡眠を促すホルモンであるため、運転前に過剰摂取することは危険です。
    また、メラトニンには排卵抑制や子宮収縮抑制作用があるため、妊娠中や授乳中の女性は服用に注意が必要です。

  • 質問:
    メラトニンは日本で処方してもらえますか?
    回答:

    メラトニンは日本国内では、2020年3月に、商品名「メラトベル」で「小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善」の適応で承認されていて、処方箋が必要な医療用医薬品です。
    適応があれば、医師から処方してもらうことが可能です。
    アメリカではメラトニンはサプリメント成分として認められており、処方箋なしで入手できます。

  • 質問:
    メラトニンの副作用は何ですか?
    回答:

    メラトニン医薬品「メラトベル」の添付文書に記載されている副作用は以下の通りです。
    1%以上の発症:傾眠、頭痛、肝機能検査値上昇
    1%以下の発症:高カリウム血症、易刺激性、寝言、激越、鎮静、落ち着きのなさ、睡眠障害、いびき、悪心、腹痛、口内炎、肩こり、蛋白尿、血尿、疲労感、倦怠感

  • 質問:
    メラトニンのホルモン作用は何ですか?
    回答:

    メラトニンは人間を含むあらゆる動物の生体リズムに重要な役割を果たしているホルモンです。
    具体的には次のような作用があります。
    ・季節リズムや睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌リズムなどの概日リズムを整える
    ・就寝時間の1~2時間前に分泌され、眠気を増大させる
    ・強力な抗酸化作用を持つため、老化やしみ、しわなどの予防
    また、セロトニンの分泌量がメラトニンの分泌量を左右すると言われています。

  • 質問:
    メラトニンはどこで分泌されますか?
    回答:

    メラトニンは「睡眠ホルモン」として、脳の松果体で生成されます。
    起床から約15時間経過し、周囲が暗くなると分泌が始まります。
    また、網膜からの外界の光刺激は体内時計(生物時計・視交叉上核)を経て松果体に伝わり、メラトニンの分泌が抑制され、日中にはメラトニンの分泌が低くなります。

  • 質問:
    メラトニンとセロトニンの関係は何ですか?
    回答:

    メラトニンは脳の松果体から分泌されるホルモンで、「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、眠りを誘う作用に関連しています。
    人間の体は朝になって光を浴びることで体内時計が進み、活動状態に導かれます。
    このとき、脳はメラトニンの分泌を止める指令を出します。
    その後、14~16時間ほど経過し、網膜が暗さを感知すると、脳の松果体で脳内に蓄えられたセロトニンからメラトニンが作られ、分泌されます。
    夜になると自然に眠くなるのは、メラトニンのおかげです。

  • 質問:
    メラトニンが増えるとどうなりますか?
    回答:

    メラトニンは「睡眠ホルモン」として知られ、体内時計と深い関係があります。
    朝日を浴びた後、14~16時間後にメラトニンの分泌量が増え、眠気が増大します。
    メラトニンが増えると眠気が増しますが、加齢に伴ってメラトニンの分泌量は減少しやすく、年齢を重ねると朝早く目が覚め、睡眠時間が短くなることがあります。

  • 質問:
    メラトニンは老化防止に効果がありますか?
    回答:

    メラトニンは睡眠ホルモンともいわれ、睡眠の質を高める効果がありますが、もうひとつの強い作用は、抗酸化作用です。
    老化を引き起こすものに酸化があります。
    メラトニンの強い抗酸化作用は、酸化によって細胞が損傷されることで引き起こされる老化を防ぐ役割を果たします。
    この抗酸化作用は、ビタミンCやビタミンEよりも強いとされています。

  • 質問:
    メラトニンは何歳まで分泌されますか?
    回答:

    メラトニンは人間を含むあらゆる動物の生体リズムに重要な役割を持っているホルモンです。
    メラトニンは脳の「松果体(しょうかたい)」という器官から分泌され、季節リズムや概日リズムなど、様々な生物に欠かせない生体リズムに重要な役割があります。
    具体的には以下の点が挙げられます。
    ・生体リズムを調整する:メラトニンは季節リズムや睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌リズムなどの概日リズムを調整します。生体リズムが乱れると日中に眠くなったり、食欲不振になったりすることがあります。
    ・睡眠を促す:メラトニンは就寝時間の1~2時間前に分泌され、覚醒力を低下させて眠気を増大させます。明るい光の下では分泌が抑制されるため、寝る前に照明を落とすことが良いでしょう。
    ・老化を抑える:メラトニンは抗酸化作用が期待できるホルモンであり、老化やしみ、しわなどの予防に繋がる可能性があります。
    メラトニンの分泌量は加齢とともに減少することが知られており、子どもの1~3歳頃をピークに徐々に減少していきます。

  • 質問:
    メラトニンはストレスとの関係がありますか?
    回答:

    メラトニンは睡眠を促進する作用があり、夜になると自然に眠気を感じるのはメラトニンの分泌によるものです。
    不足すると睡眠時間が短くなるだけでなく、質も悪化し、睡眠から得られる効果が減少します。
    メラトニンは直接ストレスに関与しませんが、睡眠不足はストレスを蓄積させ、ストレスが睡眠を妨げるという悪循環を引き起こすことがあります。
    良質な睡眠を確保することで、ストレスの軽減が期待できます。

  • 質問:
    メラトニンの長期使用によるリスクはありますか?
    回答:

    メラトニンは日本国内では、2020年3月に、商品名「メラトベル」として「小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善」の適応で承認されている医療用医薬品です。
    添付文書には長期服用に関する注意がなく、用法用量としては、メラトニンとして1日1回1mgを就寝前に経口投与し、症状により適宜増減しますが、1日1回4mgを超えないことが推奨されています。
    一方、アメリカではメラトニンは医薬品ではなくサプリメント成分であり、長期使用のリスクについては言及されていないようです。

  • 質問:
    メラトニンを服用している際に避けるべき食べ物や飲み物はありますか?
    回答:

    メラトニンを摂取する際には、カフェインを避けるべきです。
    カフェインと一緒に摂取することで、メラトニンの血中濃度が上昇し、作用が強く現れる恐れがあります。
    逆に、喫煙はメラトニンの血中濃度を低下させ、作用が減弱する恐れがあるため、おすすめできません。

  • 質問:
    メラトニンの服用を中止する際の注意点は何ですか?
    回答:

    「小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善」の適応で販売されているメラトベルの添付文書には、中止をする際の注意事項として以下の記載があります。
    神経発達症に伴う諸症状または、睡眠障害の悪化があらわれることがあるので、投与を中止する際には患者さんの状態を慎重に観察すること。

  • 質問:
    メラトニンと他の薬との相互作用はありますか?
    回答:

    メラトニンと一緒に摂取してはいけない成分として、フルボキサミンマレイン酸塩(商品名:ルボックス、デプロメール)が挙げられます。
    一緒に摂取することでメラトニンの血中濃度が上昇し、作用が強く現れる恐れがあります。

  • 質問:
    メラトニンの価格はどれくらいですか?
    回答:

    「小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善」の適応で販売されている医薬品「メラトベル顆粒小児用0.2%」の薬価は207.70円です。
    アメリカでは、メラトニンはサプリメント成分として販売されており、処方箋がなくても入手可能です。
    一般的には1ヵ月分を約1,000~2,000円で販売されています。
    個人輸入を通じてネットで購入することも可能です。

  • 質問:
    メラトニンは子どもにも安全ですか?
    回答:

    メラトニンは「小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善」の適応で承認されており、処方箋があれば子どもでも安全に使用できます。
    副作用としては以下のものが報告されています。
    1%以上の発症:傾眠、頭痛、肝機能検査値上昇
    1%以下の発症:高カリウム血症、 易刺激性、ねごと、激越、鎮静、落ち着きのなさ、睡眠障害、いびき、悪心、腹痛、口内炎、肩こり、蛋白尿、血尿、疲労感、倦怠感
    と報告されています。