• カナ
    イミダプリル
  • 英語名
    Imidapril
  • 化学式
    C20H27N3O6
  • 分子量
    405.444 g/mol

イミダプリルの作用と効果

イミダプリルは高血圧治療に使われる薬で、ACE阻害薬と呼ばれるグループに属します。
この薬は血管を緩める作用があり、血圧を下げます。

イミダプリルは体内のアンジオテンシン変換酵素(ACE)という物質の働きを抑えます。
ACEは血管を収縮させるホルモンの生成に関わっており、イミダプリルがACEの働きを抑えることで、血管収縮が緩和され、血圧が下がります。

また、イミダプリルには血管を拡張させる物質の分解を抑える効果もあります。
これによって血管がさらに広がり、血圧低下につながります。

イミダプリルは心臓の負担を軽くする効果もあります。
血圧が下がることで心臓が血液を送り出す際の抵抗が減り、心臓の仕事が楽になります。

高血圧は腎臓にも悪影響を与えます。
イミダプリルには腎臓を保護する作用があり、特に糖尿病性腎症の進行を遅らせる効果が期待されています。

注意点と副作用

イミダプリルを使う際は以下の点に注意が必要です。

  • 妊娠中や妊娠の可能性がある場合は使用できません。

  • カリウムを含むサプリメントとの併用に注意が必要です。

  • 利尿薬と併用すると血圧が急激に下がることがあります。

  • 手術や歯科治療の前には、使用していることを医師に伝えましょう。

イミダプリルでよく見られる副作用には次のようなものがあります。

  • めまい
  • 頭痛
  • むくみ
  • 味覚異常
  • 皮膚のかゆみ

まれですが、急激な血圧低下や腎機能障害が起こることもあります。
顔や舌の腫れ、呼吸困難などのアレルギー症状が出たら、すぐに医療機関を受診してください。

生活習慣と定期的な検査

イミダプリルの効果を最大限に引き出すには、生活習慣の改善も大切です。
塩分制限、適度な運動、禁煙などに取り組むことで、薬との相乗効果が期待できます。

また、イミダプリルを使用中は、定期的に血圧測定や血液検査を受けることが重要です。
特に腎機能やカリウム値のチェックが必要です。

イミダプリルは効果的な降圧薬ですが、正しい使用と定期的な管理が欠かせません。
気になる症状があれば、すぐに医師に相談しましょう。

イミダプリルの長期使用と高齢者の注意

イミダプリルは長期的な使用が必要な薬です。
高血圧は一生付き合っていく病気なので、症状が改善しても勝手に薬をやめないことが大切です。
突然服用を中止すると、リバウンドで血圧が急上昇する危険があります。
薬の減量や中止を考える場合は、必ず医師と相談しましょう。

高齢者がイミダプリルを使用する際は、より慎重な対応が必要です。
年齢とともに腎機能が低下することがあるため、通常より少ない量から始めることが多いです。
また、高齢者は立ちくらみなどの副作用が出やすいので、特に注意が必要です。
家族や介護者の方は、高齢者の様子をよく観察し、異変があればすぐに医療機関に相談しましょう。

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    イミダプリルの効果は何ですか?
    回答:

    イミダプリルは、高血圧治療薬として広く使用されています。
    アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)と呼ばれ、血圧を上げる物質であるアンジオテンシンIIの生成を抑えることで血圧を下げます。
    また、イミダプリルは腎臓を保護し、糖尿病による腎機能の悪化を抑える効果もあります。
    特に、1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症の治療に用いられます。
    これらの効果により、イミダプリルは高血圧の治療だけでなく、臓器保護の観点からも重要な役割を果たします。

  • 質問:
    イミダプリルは血圧をさげる薬ですか?
    回答:

    イミダプリルは高血圧治療薬として使用される薬で、血圧を下げる効果があります。
    具体的には、イミダプリルはアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)というクラスの薬剤で、血圧を上げる物質であるアンジオテンシンIIの生成を抑えることで、血圧を下げる作用を持っています。
    その結果、血管がリラックスし、血液がより容易に流れるようになります。
    これにより、心臓にかかる負担が軽減され、高血圧の症状が改善します。
    したがって、イミダプリルは確かに血圧を下げる薬剤と言えます。

  • 質問:
    イミダプリルは先発薬ですか?
    回答:

    イミダプリルは1993年に「高血圧症および腎実質性高血圧症」の治療薬として承認され、田辺製薬から「タナトリル錠2.5」「タナトリル錠5」「タナトリル錠10」の商品名で発売されました。
    その後、イミダプリルの特許が切れたことにより、同じ成分を含む後発薬(ジェネリック)が登場しました。
    後発薬は先発薬と同じ有効成分を含み、同じ効果を持つ薬ですが、価格は通常、先発薬よりも安価です。
    したがって、イミダプリルは後発薬であり、先発薬はタナトリルという商品名です。

  • 質問:
    イミダプリルはどのメーカーが製造していますか?
    回答:

    イミダプリルは、複数の製薬会社によって製造されています。
    元々は田辺製薬(現在の田辺三菱製薬)が開発し、1993年に「タナトリル錠」の商品名で発売されました。
    その後、特許が切れたことにより、同じ有効成分を含む後発薬(ジェネリック)が登場しました。
    現在では、日医工岐阜工場がイミダプリル塩酸塩錠2.5mg「NIG」、第一三共エスファがイミダプリル塩酸塩錠2.5mg「DSEP」、辰巳化学がイミダプリル塩酸塩錠2.5mg「TCK」など、各社がイミダプリルを製造・販売しています。
    これらの製品はすべて、高血圧や腎実質性高血圧症の治療に使用されます。

  • 質問:
    イミダプリルの一般名は何ですか?
    回答:

    イミダプリルの一般名は「イミダプリル塩酸塩」です。
    イミダプリルはアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)の一つで、高血圧や腎実質性高血圧症の治療に使用されます。
    また、1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症の治療にも用いられます。
    イミダプリルはプロドラッグ型の薬物で、体内で活性化されます。
    これらの情報により、イミダプリルの一般名は「イミダプリル塩酸塩」であると言えます。
    ジェネリック医薬品を選ぶ際には、一般名を覚えておくことで、様々なメーカーの医薬品を比較検討しやすくなるでしょう。

  • 質問:
    イミダプリルの副作用は何ですか?
    回答:

    イミダプリルの副作用は患者さんによって異なりますが、一部の人々には次のような症状が報告されています。
    頭痛、ふらつき、めまい、低血圧、咳、咽頭部異和感・不快感、発疹、かゆみなどです。
    また、次のような重大な副作用がまれに発生する可能性があります。
    呼吸困難、顔面・舌・のどのはれ(血管浮腫)、鼻血、歯ぐきの出血、四肢などの皮下出血(血小板減少)、尿量の減少、顔や全身のむくみ、頭痛(急性腎不全、腎機能障害の増悪)、手足や唇のしびれ、筋力の減退、手足の麻痺(高カリウム血症)、皮膚・粘膜が赤く腫れて発疹や水ぶくれができる、かゆみ、発熱(紅皮症(剥脱性皮膚炎)、皮膚粘膜眼症候群、天疱瘡様症状)などです。
    これらの症状が現れた場合、または気になる症状がある場合は、すぐに医師または薬剤師に相談してください。

  • 質問:
    イミダプリル5mgの副作用は何ですか?
    回答:

    イミダプリル5mgの主な副作用として、頭痛、ふらつき、めまい、低血圧、咳、咽頭部異和感・不快感、発疹、かゆみなどが報告されています。
    また、次のような重大な副作用がまれに発生する可能性があります:呼吸困難、顔面・舌・のどのはれ(血管浮腫)、鼻血、歯ぐきの出血、四肢などの皮下出血(血小板減少)、尿量の減少、顔や全身のむくみ、頭痛(急性腎不全、腎機能障害の増悪)、手足や唇のしびれ、筋力の減退、手足の麻痺(高カリウム血症)、皮膚・粘膜が赤く腫れて発疹や水ぶくれができる、かゆみ、発熱(紅皮症(剥脱性皮膚炎)、皮膚粘膜眼症候群、天疱瘡様症状)などです。
    これらの症状が現れた場合、または気になる症状がある場合は、すぐに医師または薬剤師に相談してください。

  • 質問:
    イミダプリルの効果時間はどのくらいですか?
    回答:

    イミダプリルは体内で代謝され、その効果時間は服用後の血中濃度によります。
    イミダプリルを服用すると、約2時間後に血中濃度が最高になり、その半減期は約2時間です。
    つまり、イミダプリルの効果は服用後約2時間で最大になり、その後約2時間で半減します。
    しかし、イミダプリルは体内でイミダプリラトという活性化した形に変わります。
    イミダプリラトの血中濃度は服用後約6~8時間で最高になり、その半減期は約8時間です。
    したがって、イミダプリルの全体的な効果時間は服用後約8時間と言えます。

  • 質問:
    イミダプリルの禁忌は何ですか?
    回答:

    イミダプリルの禁忌とは、イミダプリルを使用すべきでない特定の状況や条件を指します。以下のような状況では、イミダプリルの使用は避けるべきです。
    ・本剤の成分に対し、過敏症の既往歴のある患者
    ・血管浮腫の既往歴のある患者(薬剤性、遺伝性、後天性、特発性等)
    ・デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコールまたはポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者
    ・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者
    ・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
    イミダプリルを服用する前に、必ず医師に相談し、適切な指示に従って服用することが重要です。

  • 質問:
    イミダプリルは心不全に有効ですか?
    回答:

    イミダプリルは心不全に対して有効な治療薬として認識されています。
    イミダプリルはアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)であり、血圧を下げるだけでなく、心臓や腎臓に対する臓器保護作用もあります。
    これは、イミダプリルがレニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAA)系を抑制し、カリクレイン-キニン系を活性化することで、心臓に対する負荷を軽減し、心臓リモデリングを抑制する効果があるためです。
    その結果、イミダプリルは心不全の予後を改善し、心不全の発症や入院を防ぐことができます。
    したがって、イミダプリルは心不全の治療において重要な役割を果たします。

  • 質問:
    イミダプリルにはどのような注意が必要ですか?
    回答:

    イミダプリルを使用する際には以下の注意が必要です。
    ・過敏症の既往歴:以前に薬や食べ物でかゆみや発疹などのアレルギー症状が出たことがある場合。
    ・血管浮腫の既往歴、アフェレーシス(吸着器を用いた不要成分除去治療)施行中、血液透析施行中。
    ・他の薬の併用:他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意が必要です。相互作用により、作用が強まったり、弱まったりする可能性があります。
    ・飲み忘れた場合:気がついた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分を飲まず、1回分を飛ばしてください。絶対に2回分を一度に飲まないでください。
    ・妊娠または授乳中、妊娠している可能性がある。
    イミダプリルは、高血圧症や心不全などの治療に効果的な薬剤です。
    医師の指示に従って、正しく服用してください。

  • 質問:
    イミダプリルの薬価はどのくらいですか?
    回答:

    イミダプリルの薬価は製品や製造会社により異なりますが、一般的な価格は以下の通りです。
    ・イミダプリル塩酸塩錠10mg:約32.80円
    ・イミダプリル塩酸塩錠5mg:約16.20円
    ・イミダプリル塩酸塩錠2.5mg:約10.10円
    なお、以上の薬価はあくまでも参考値であり、実際の薬価は調剤薬局や販売薬局によって異なる場合があります。
    また、ジェネリック医薬品は、先発医薬品よりも安価であることが多いです。

  • 質問:
    イミダプリルはどのような作用機序で高血圧の治療に使われますか?
    回答:

    イミダプリルはアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)として作用します。
    血圧を上昇させる物質であるアンジオテンシンIIの生成を抑制することで、血圧を下げる作用があります。
    具体的には、イミダプリルはアンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する酵素であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害します。
    これにより、アンジオテンシンIIの生成が抑制され、血圧が下がります。
    また、イミダプリルはプロドラッグであり、体内で代謝を受けて活性化します。

  • 質問:
    イミダプリルの一般的な服用量は何ですか?
    回答:

    イミダプリルの一般的な服用量は、症状や患者の状態により異なりますが、通常、成人にはイミダプリル塩酸塩として5~10mgを1日1回経口投与します。
    特に、重症高血圧症や腎障害を伴う高血圧症では、1回2.5mgから投与を開始することがあります。
    また、1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症の場合、通常は5mgを1日1回経口投与しますが、重篤な腎機能障害を伴う患者では2.5mgから投与を開始することがあります。
    イミダプリルの効果が十分に感じられない場合は、医師に相談し、服用量の調整や他の薬剤との併用を検討してください。

  • 質問:
    イミダプリルの価格はどのくらいですか?
    回答:

    イミダプリルの薬価は製品や製造会社により異なりますが、一般的な価格は以下の通りです。
    ・イミダプリル塩酸塩錠10mg:約32.80円
    ・イミダプリル塩酸塩錠5mg:約16.20円
    ・イミダプリル塩酸塩錠2.5mg:約10.10円
    なお、以上の薬価は参考値であり、実際の価格は調剤薬局や販売薬局によって異なる場合があります。
    他に先発医薬品のタナトリル錠もあります。
    薬価は、10mgが64.8円で、5mgは34円、2.5mgは19.9円で販売されています。

  • 質問:
    イミダプリルの代替薬は何ですか?
    回答:

    イミダプリルはアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)として作用し、代替薬には以下があります。
    ・ACE阻害薬:エナラプリル、リシノプリル、ベナゼプリル
    ・アンジオテンシンII受容体拮抗薬:ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、カンデサルタン
    これらの薬も血圧を下げる作用がありますが、作用機序や副作用には違いがあります。

  • 質問:
    イミダプリルの成分は何ですか?
    回答:

    イミダプリルの主成分は「イミダプリル塩酸塩」です。
    イミダプリルはプロドラッグ型のアンジオテンシン変換酵素阻害薬で、体内で代謝されて活性化します。
    イミダプリル塩酸塩錠には、乳糖水和物、軽質無水ケイ酸、硬化油、タルク、クロスポビドン、ステアリン酸マグネシウムなどの添加剤が含まれており、これらは錠剤の形状や安定性を保つために使用されます。
    イミダプリルは一般的に安全性の高い薬剤ですが、服用前に医師に相談し、適切な指示に従って服用することが重要です。

  • 質問:
    イミダプリルは食事と一緒に服用しても大丈夫ですか?
    回答:

    イミダプリルは食事と一緒に服用しても問題ありません。
    食事によって吸収に影響を受けないため、飲み忘れた場合でも食事に関係なく服用することができます。
    服用する際は、コップ1杯の水で服用してください。
    ただし、服用方法や他の薬剤との併用については、医師や薬剤師に相談してください。

  • 質問:
    イミダプリルの使用目的は何ですか?
    回答:

    イミダプリルは主に高血圧症の治療に使用される薬剤です。
    アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)として作用し、血圧を上昇させる物質であるアンジオテンシンIIの生成を抑制します。
    これにより血圧が下がり、心臓や腎臓の負担が軽減されます。
    また、イミダプリルは腎実質性高血圧症の治療にも用いられ、1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症の治療にも適応があります。
    これらの効果により、イミダプリルは高血圧の治療だけでなく、臓器保護の観点からも重要な役割を果たします。

  • 質問:
    イミダプリルを長期間使用しても安全ですか?
    回答:

    イミダプリルは長期使用しても一般的には安全とされています。
    高血圧や心不全、糖尿病性腎症などの治療に用いられ、これらの疾患は長期的な管理が必要なため、長期間にわたって服用することが一般的です。
    ただし、副作用のリスクも存在するため、定期的な医療チェックが必要です。
    特に、咳が出ることがありますが、これは初期(1週間~数ヵ月)に発現し、2~3ヵ月の継続により約8割の患者さんで消失するとされています。
    また、薬剤の効果や副作用は個々の体質や病状により異なるため、医師の指示に従って服用し、異常を感じた場合はすぐに医師に相談してください。