セリプロロールの成分画像
  • カナ
    セリプロロール
  • 英語名
    Celiprolol
  • 化学式
    C20H33N3O4
  • 分子量
    415.96 g/mol

セリプロロールの効果と作用

セリプロロールは、高血圧や狭心症などの心臓に関連する病気の治療に使われる薬です。
β遮断薬と呼ばれるグループに属しており、心臓の働きを穏やかにしたり、血圧を下げたりする効果があります。

セリプロロールは、心臓の拍動を遅くし、力強さを和らげます。
これは、心臓にかかる負担を減らすことにつながります。
心臓が余計な力を使わずに済むので、酸素の消費量が減り、心臓の負担が軽くなるのです。

セリプロロールには血圧を下げる効果もあります。
血管を広げる作用があり、それによって血液の流れがスムーズになります。
血管が広がると血圧が下がるのは、水道のホースを太くすると水圧が下がるのと同じ原理です。

さらに、セリプロロールには体内の余分な水分や塩分を排出する利尿作用もあります。
これも血圧を下げるのに役立ちます。

また、セリプロロールは心臓の酸素消費量を減らし、同時に血管を広げて血液の流れを良くします。
そのため、心臓の筋肉に十分な血液が届きやすくなり、狭心症の痛みや不快感が軽くなります。

薬の量は人それぞれ違います。
年齢や症状の程度、体の反応などによって、医師が適切な量を決めます。

効果が現れるまでには時間がかかることがあります。
特に血圧が下がるまでには数週間かかることもあるので、焦らずに継続して服用することが大切です。

副作用と注意点

セリプロロールを使う際は、急に服用をやめると、症状が悪化することがあります。
やめる際は必ず医師と相談しましょう。
また、めまいや立ちくらみが起こることがあるので、急に立ち上がらないよう注意してください。
運動や暑い場所での作業をする際は脱水に気をつけ、アルコールと一緒に飲むと血圧が下がりすぎる可能性があるので控えめにしましょう。

他の薬との飲み合わせにも注意が必要です。
特に糖尿病の薬や他の血圧の薬と一緒に使う場合は、必ず医師に相談してください。

セリプロロールにも副作用があります。
よく見られる副作用には次のようなものがあります。

  • 疲れやすさ
  • めまい
  • 頭痛
  • 手足の冷え
  • 睡眠障害

これらの症状が気になる場合は医師に相談しましょう。

セリプロロールを使っている間は、定期的に血圧を測ったり、心電図検査を受けたりすることが大切です。
これらの検査で、薬が適切に効いているか、副作用は出ていないかを確認します。

セリプロロールは効果的な薬ですが、薬だけに頼るのではなく、生活習慣の改善も大切です。
塩分を控えめにする、適度な運動をする、ストレスを減らすなどの工夫をすると、薬の効果がより高まります。
また、禁煙も心臓を健康にするのにおすすめです。

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    セリプロロールとはどんな薬ですか?
    回答:

    セリプロロールとは降圧剤であり、狭心症の治療にも用いられます。
    作用機序としては、心臓にある交感神経のβ受容体を遮断することで心臓の拍動が抑えられ、血圧が下がります。
    セリプロロールはβ受容体遮断薬ですが、β1にのみ選択的に作用し、心臓のみに作用します。
    β遮断薬は気管支拡張にかかわるβ2受容体に対して遮断作用が働くことがあり、気管支収縮を起こすため、喘息などの患者さんには使用できない薬剤もありますが、セリプロロールは気管支への影響が少ないことが特徴です。

  • 質問:
    セリプロロールの特徴は何ですか?
    回答:

    セリプロロールはβ遮断薬ですが、β1に選択的に作用するため、心臓にのみ作用します。
    β遮断薬ではβ2受容体も遮断するため、喘息患者には使用できませんが、セリプロロールはβ2に選択的な内因性行為感神経刺激作用を持つため、喘息や手足の冷えの副作用が軽減、または改善されます。
    さらに水溶性であるため、肝臓の代謝を受けずに腎臓から直接排泄され、脳内に薬剤が入りにくく、中枢性の副作用が少ないことが特徴です。

  • 質問:
    セリプロロールは血圧をさげる薬ですか?
    回答:

    セリプロロールは血圧を下げる薬です。
    適応としては、腎実質性高血圧症、本態性高血圧症、狭心症などに使用されます。
    作用機序としては、セリプロロールは選択的にβ1受容体への遮断作用により血圧や心拍数などを抑えることで不整脈や狭心症、高血圧の治療に用いられます。
    注意点として、血圧を下げる薬剤のため、降圧剤を内服している方は相乗効果による低血圧を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。
    セリプロロールを内服する際は、現在内服している薬剤を医師に確認してもらいましょう。

  • 質問:
    セリプロロールの副作用は何ですか?
    回答:

    セリプロロールの主な副作用を以下に示します。
    ・発疹
    ・皮膚掻痒感(かゆみ)
    ・動悸
    ・胸痛
    ・徐脈
    ・血圧低下
    ・顔面潮紅
    ・心胸郭比増大
    ・咳
    ・喘息
    ・息切れ
    重大な副作用としては、心不全、房室ブロック、洞房ブロックがあります。
    使用による副作用調査を実施していないため、発現頻度は明確ではありませんが、心機能検査を定期的に行い、その過程で副作用があった場合には投与を中止する必要があります。

  • 質問:
    セリプロロールの先発薬は何ですか?
    回答:

    セリプロロールの先発薬はセレクトールです。
    会社は日本新薬であり、セレクトール錠100mg1錠あたりの薬価は16.70円、セレクトール錠200mgは32.80円となっています。
    それに対し、後発医薬品は、セリプロロール塩酸塩錠100mgが8.8円、セリプロロール塩酸塩錠200mgが17.4円となっています。
    セレクトールの販売は1992年9月から開始されており、セリプロロールは2000年7月から販売が開始されています。

  • 質問:
    セリプロロールの名称変更はいつですか?
    回答:

    セリプロロールはセルトップという名称で、武田テバファーマ株式会社が後発医薬品として開発を企画し、2000年3月13日に承認を取得後、2000年7月7日に販売を開始しました。
    2013年7月22日に販売名をセリプロロール塩酸塩錠「テバ」に変更の承認を得て、2013年12月13日から販売しています。
    その後、武田テバファーマ株式会社から日医工岐阜工場株式会社に製造販売が承継され、2023年8月1日に販売名の屋号を「テバ」から「NIG」に変更しています。

  • 質問:
    セリプロロール塩酸塩錠100mg「テバ」の名称は何ですか?
    回答:

    セリプロロール塩酸塩錠100mg「テバ」の名称は、武田テバファーマ株式会社が販売しているため屋号が「テバ」となっています。
    武田テバファーマ株式会社から販売されているセリプロロール100mg1錠あたりの薬価は8.80円です。
    その後、武田テバファーマ株式会社から日医工岐阜工場株式会社に製造販売が承継され、販売名の屋号を「テバ」から「NIG」に変更しています。
    セリプロロールの適応症として、腎実質性高血圧症、本態性高血圧症、狭心症があります。
    交感神経のβ受容体を遮断することで、心臓の拍動が抑えられ、高血圧や頻脈の改善が期待できます。

  • 質問:
    セリプロロールの薬価はいくらですか?
    回答:

    セリプロロールは、「日医工」「NIG」「CH」などの会社が販売しています。
    セリプロロールの薬価は、100mgは1錠あたり8.8円で、200mgは1錠あたり17.4円です。
    他に、先発品のセレクトール錠があります。
    セレクトール錠は、100mgが16.7円で、200mgは32.8円となります。

  • 質問:
    セリプロロールの作用機序は何ですか?
    回答:

    セリプロロールの作用として、血圧を下げたり、心拍を抑え心臓を落ち着かせる作用があります。
    作用機序としては、心臓にある交感神経のβ受容体を遮断することで、心臓の拍動が抑えられ、血圧が下がります。
    適応疾患としては、腎実質性高血圧症、本態性高血圧症、狭心症の疾患に使用されます。
    セリプロロールの特徴として、心臓のβ1受容体に対する遮断作用の特異性が高いため、気管支への影響が少ないことが挙げられます。

  • 質問:
    セリプロロールの販売中止理由は何ですか?
    回答:

    セリプロロールの販売中止の理由は、需給バランスの問題にあります。
    具体的には、令和3年9月時点でのセリプロロールの供給量が、令和2年9月と比較して5%以上増加していたため、販売が中止されました。
    これは、薬剤の需給バランスが崩れたことによる措置です。

  • 質問:
    セリプロロールは他の薬剤との相互作用が懸念されますか?
    回答:

    セリプロロールは他の薬剤との相互作用が懸念されます。
    交感神経のβ受容体への遮断作用により血圧や心拍数を抑えることで高血圧を改善します。
    しかし、高血圧がある方で降圧剤を内服している場合、セリプロロールとの併用により降圧作用が増強し、低血圧や意識障害を引き起こす恐れがあるため、用量には注意が必要です。

  • 質問:
    セリプロロールを服用中にアルコールを摂取することは避けるべきですか?
    回答:

    アルコールは降圧薬と相性がよくありません。
    アルコールと薬剤を同時に摂取すると、肝臓でのアルコールの分解が優先され、薬剤の分解が滞り、薬効が強く現れる可能性があります。
    セリプロロールは本態性高血圧症や腎実質性高血圧症、狭心症の治療に用いられる降圧薬のため、内服中はアルコールの摂取を控えるべきです。

  • 質問:
    セリプロロールの長期的な使用で注意すべき点はありますか?
    回答:

    セリプロロールを長期投与する場合は、心機能検査を定期的に行うことが推奨されます。
    セリプロロールには重大な副作用として心不全、房室ブロック、洞房ブロックがあります。
    定期的に採血や血圧、脈拍、心電図、レントゲンを行うことで、重大な副作用のリスクを軽減できます。
    内服中に徐脈や低血圧の症状が現れた場合は、減量または投与中止が必要です。
    症状があった際は医師に相談してください。

  • 質問:
    セリプロロールのを忘れた場合、どのように対処すべきですか?
    回答:

    セリプロロールを飲み忘れた場合は、気づいた時にできるだけ早く服用しましょう。
    ただし、次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分は飲まずに1回分を飛ばしましょう。
    飲み忘れたからといって2回分を一度に内服することは避けてください。
    過剰投与は副作用のリスクを高め、意識障害を引き起こす可能性があります。

  • 質問:
    セリプロロールの代替薬には何が含まれますか?
    回答:

    セリプロロールはβ受容体遮断薬であり、代替薬として以下の薬剤があります。
    ・インデラル
    ・テノーミン
    ・メインテート
    ・ビソノ
    ・セロケン
    ・ロプレソール
    ・ハイパジール
    これらの薬剤もβ受容体を遮断しますが、気管支喘息のある方には慎重に投与するか使用しないことが原則です。
    また、セリプロロールはβ1受容体に選択的に作用し、心臓にのみ働くため、気管支への影響が少ないのが特徴です。

  • 質問:
    セリプロロールは肝臓や腎臓に影響を与える可能性がありますか?
    回答:

    セリプロロールは肝臓に影響を与える可能性があります。
    副作用として、AST、ALT、Al-P、LDHの上昇などの肝機能異常が報告されることがあります。
    また、肝機能障害がある場合、薬剤の代謝が遅延し、体内に長く滞ることで薬効が増強したり、副作用が現れる可能性が高くなります。
    腎臓への影響としては、クレアチニンの上昇、蛋白尿、BUNの上昇などが考えられます。
    内服中は定期的に診察を受けるようにしましょう。

  • 質問:
    セリプロロールの錠剤を半分に割って服用することはできますか?
    回答:

    セリプロロールの錠剤を半分に割って服用することはできません。
    セリプロロールはフィルムコーティング錠であり、錠剤の表面にコーティングが施されているため、割ることでコーティング効果が消失する恐れがあります。
    飲みにくい場合は、同じ成分の薬でOD錠、粉薬、液剤に変更できる場合があるので、医師や薬剤師に相談してください。

  • 質問:
    セリプロロールの副作用はいつ出ますか?
    回答:

    セリプロロールの副作用発現頻度は明確にはなっていませんが、主な副作用としては以下があります。
    ・発疹
    ・皮膚掻痒感
    ・動悸
    ・胸痛
    ・徐脈
    ・血圧低下
    ・顔面潮紅
    ・心胸郭比増大
    ・咳
    ・喘息
    ・息切れ
    これらの症状が現れた場合は、服用を中止し医師に相談しましょう。