ナフトピジルの成分画像
  • カナ
    ナフトピジル
  • 英語名
    Naftopidil
  • 化学式
    C24H28N2O3
  • 分子量
    392.4907 g/mol

ナフトピジルの前立腺肥大症への効果

ナフトピジルは、前立腺肥大症による排尿障害を和らげるために使用される薬の成分です。
尿が出にくい、頻繁にトイレに行きたくなる、夜中に何度もトイレに起きるなどの症状を軽減します。

前立腺は男性特有の器官で、膀胱の下にあり、尿道を取り囲んでいます。
年齢とともに前立腺が大きくなることがあり、これを前立腺肥大症と呼びます。
前立腺が肥大すると尿道を圧迫し、様々な排尿の問題を引き起こします。

ナフトピジルは、α1遮断薬と呼ばれる薬の一種で、前立腺や膀胱頸部、尿道の平滑筋に存在するα1受容体に作用します。
α1受容体が刺激されると筋肉が収縮しますが、ナフトピジルはこの受容体をブロックすることで、筋肉の緊張を和らげます。

具体的には、ナフトピジルには以下のような効果があります。

  • 尿道の筋肉を緩める
    尿道を取り囲む筋肉の緊張を和らげることで、尿の通り道を広げます。
    尿の勢いが改善し、排尿しやすくなります。

  • 膀胱頸部の筋肉を緩める
    膀胱の出口にある筋肉を緩めることで、尿が出始めるときの抵抗を減らします。

  • 前立腺の筋肉を緩める
    肥大した前立腺による尿道への圧迫を軽減します。

これらの作用により、尿の勢いが改善し、残尿感が減少し、頻尿や夜間頻尿が軽減されます。

副作用と注意点

ナフトピジルにも、他の薬と同様に副作用の可能性があります。
よく見られる副作用には、めまい、立ちくらみ、鼻づまり、頭痛などがあります。
特に、初めて服用する時や増量時には注意が必要です。

めまいや立ちくらみは、急に立ち上がったときに血圧が下がることで起こります。
このため、ゆっくりと体勢を変えるように心がけましょう。

ナフトピジルと生活習慣の改善

ナフトピジルによる治療と並行して、生活習慣の改善も大切です。
以下のような工夫で、症状をさらに軽減できる場合があります。

  • 水分摂取の調整
    夜間の水分摂取を控えめにすることで、夜中にトイレに行く回数を減らせることがあります。
    ただし、日中は十分な水分を取ることが大切です。

  • カフェインとアルコールの制限
    これらは利尿作用があるため、摂取を控えめにすると頻尿が改善されることがあります。

  • 規則正しい排尿
    決まった時間に排尿する習慣をつけることで、膀胱のコントロールが上手くなることがあります。

  • 骨盤底筋体操
    骨盤底の筋肉を鍛えることで、尿の我慢がしやすくなったり、残尿が減ったりすることがあります。

  • 適度な運動
    ウォーキングなどの軽い運動は、全身の血行を良くし、前立腺の状態改善に役立つ場合があります。

  • 便秘の予防
    便秘は排尿障害を悪化させることがあるため、食物繊維の摂取や適度な運動で予防しましょう。

よくあるご質問(FAQ)

  • 質問:
    ナフトピジルの効能効果は何ですか?
    回答:

    ナフトピジルの効能効果として、前立腺肥大症によって排尿が出にくい、出ないなどの障害がある方に治療目的で使用されます。
    作用機序は、前立腺と尿道のα1受容体を遮断します。
    そして、前立腺と尿道の平滑筋収縮の緊張を和らげることで、尿道を広げ排尿が得られるような作用をします。
    ですが、注意点として、ナフトピジルによる治療は原因療法ではなく、対症療法であるため、投与しても効果が得られない場合には手術などを検討する必要があります。

  • 質問:
    ナフトピジルOD錠の副作用は何ですか?
    回答:

    ナフトピジルの主な服用に伴う副作用は以下の通りです。
    ・発疹
    ・めまい
    ・低血圧
    ・ふらつき
    ・立ちくらみ
    ・胃部不快感
    ・霧視
    ・浮腫
    ・かゆみ
    ・蕁麻疹(じんましん)
    ・多形紅斑
    などがあります。
    他に重篤な副作用として、採血データ上、AST、ALT、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。
    症状としては全身倦怠感や掻痒感の症状が出現します。
    また、血圧低下による一過性の意識喪失が出現することがあります。

  • 質問:
    ナフトピジルの副作用にめまいはありますか?
    回答:

    ナフトピジルの副作用にめまいがあります。
    めまいの原因には、ナフトピジルを内服することで低血圧を起こすことがあります。
    低血圧によって、急に立ち上がったり、起き上がったり(起立性低血圧)することによるめまいや立ちくらみがあらわれることがあります。
    そのため、ナフトピジルを内服している方は、高い場所での作業や自動車の運転などに症状が出現する可能性があるので、十分に注意する必要があります。
    副作用が出現した際は医師に相談しましょう。

  • 質問:
    ナフトピジルとタムスロシンの違いは何ですか?
    回答:

    ナフトピジルとタムスロシンはα1アドレナリン受容体遮断薬であり、交感神経の刺激を抑え、尿道の平滑筋収縮を緩め、尿を出やすくします。
    ナフトピジルとタムスロシンの違いとしては、ナフトピジルはタムスロシンで効果が得られなかった残尿感、間欠的排尿、夜間頻尿を改善します。
    一方、タムスロシンはナフトピジルでは効果が得られなかった尿意切迫感、尿勢の低下、腹圧排尿を改善することが示され、治療効果がそれぞれの薬剤により異なることが分かっています。

  • 質問:
    ナフトピジルの先発薬は何ですか?
    回答:

    ナフトピジルの先発品はフリバス錠という製品で旭化成ファーマから販売されています。
    フリバスには、フリバスOD錠があります。
    OD錠とは口腔内崩壊錠という意味で、口の中に入れると唾液で溶ける錠剤となっています。
    メリットとしては、服用する時に水がなくても服用できます。
    フリバスの効果は、尿道や前立腺のα1受容体を遮断することにより、尿道の平滑筋を弛緩し、排尿障害を改善する効果が期待できます。
    適応として前立腺肥大による排尿障害の治療に使用します。

  • 質問:
    ナフトピジルの市販薬はありますか?
    回答:

    ナフトピジルと同成分の市販薬は現在のところ販売されていません。
    ナフトピジルは医療用医薬品であり、重大な副作用として倦怠感、掻痒感、黄疸などを伴う肝機能障害や低血圧による意識障害が出現する可能性があります。
    このような副作用の危険性が高いことから、市販化されるといった情報もありません。
    ナフトピジルは、前立腺肥大症による排尿障害の改善を目的とした治療薬であり、処方を希望される方は医師に相談しましょう。

  • 質問:
    ナフトピジルOD錠50mgの副作用は何ですか?
    回答:

    ナフトピジルOD錠50mgの副作用は以下のような症状があります。
    ・発疹
    ・めまい
    ・ふらつき
    ・頭痛
    ・頭重
    ・立ちくらみ
    ・低血圧
    ・胃部不快感
    ・下痢
    ・過敏症
    ・多形紅斑
    他に重大な副作用としては掻痒感や倦怠感、黄疸などの症状が伴う肝機能障害や血圧低下による一過性の意識障害、失神などがあります。
    ナフトピジルを内服している方で、以上のような症状が現れた際は服用を中断し、医師に相談しましょう。

  • 質問:
    ナフトピジル錠の販売中止はなぜですか?
    回答:

    ナフトピジル錠の販売中止の理由は、ナフトピジル製剤はOD錠へ集約化するため、販売中止となっています。
    ODとは『Oral disintegration』の略であり、口腔内崩壊錠のことを指します。
    口腔内崩壊錠とは、口の中に入れただけで簡単に溶けるような仕組みとなっています。
    そのため、錠剤の飲み込みが苦手な方でも簡単に唾液と一緒に飲み込むことができるようになります。
    また、水がなくても服用できるので、場所を気にせずいつでも内服することが可能となります。

  • 質問:
    ナフトピジルで射精障害は起きますか?
    回答:

    ナフトピジルは、前立腺肥大症に対する治療薬として用いられるα1受容体遮断薬ですが、射精障害を引き起こす可能性があります。
    実際の調査結果によると、2003年5月から10月にかけて前立腺肥大症として診断された88例を対象にした横断的調査では、射精障害の頻度が以下のように報告されています。
    ・タムスロシンでの射精障害の頻度は30%
    ・ナフトピジルでの射精障害の頻度は3%
    この結果から、ナフトピジルはタムスロシンに比べて射精障害の頻度が低いことが示されています。
    ナフトピジルの使用が射精障害のリスクを低減する可能性がある一方で、すべてのα1受容体遮断薬には射精障害のリスクがあるため、使用には注意が必要です。
    患者さんの症状や副作用に応じて、医師が適切な治療法を選択することが重要です。

  • 質問:
    ナフトピジルの作用機序は何ですか?
    回答:

    ナフトピジルの作用機序はアドレナリンα1受容体を選択的に遮断する薬剤となっています。
    α1受容体を阻害することで血管収縮を抑えられ、血管が拡張し血圧が下がったりする作用が働きます。
    ナフトピジルはα1受容体刺激作用に拮抗(ある現象に対して、二つの要因が互いにその効果を打ち消し合うように働く作用)しますが、尿道平滑筋のα1受容体遮断作用により、尿道平滑筋が弛緩し、排尿困難が改善されます。

  • 質問:
    ナフトピジルは立ちくらみを起こしますか?
    回答:

    ナフトピジルは立ちくらみを起こす可能性があります。
    ナフトピジルの主な副作用としては以下のような症状があります。
    ・発疹
    ・めまい
    ・ふらつき
    ・頭痛
    ・頭重
    ・立ちくらみ
    ・低血圧
    ・胃部不快感
    ・下痢
    ・過敏症
    ・多形紅斑
    立ちくらみを起こす原因としては、ナフトピジルの作用機序によりα1受容体を阻害し、血管収縮を抑えることで血管が拡張し血圧が下がる作用が働くためです。
    そのため、血圧が下がることによる起立性低血圧を引き起こし、立ちくらみが発生します。

  • 質問:
    ナフトピジルは頻尿に効果がありますか?
    回答:

    ナフトピジルは頻尿に効果があります。
    頻尿の原因としては前立腺肥大症によって以下のような症状が考えられます。
    ・膀胱の出口にある前立腺が肥大することで、腹圧を加えないと十分に尿を出すことができない
    ・前立腺肥大症の70%が過活動膀胱を併発しており、神経の異常により膀胱に畜尿ができなくなっている
    ・前立腺肥大症では、前立腺が出口をふさいでいるため、尿をすべて出し切ることができず膀胱に残ってしまうことがある
    ナフトピジルは前立腺肥大症に対する治療薬であり、以上のような症状を改善する効果が期待できます。

  • 質問:
    ナフトピジルを飲む時間帯は決まっていますか?
    回答:

    ナフトピジルを飲むタイミングは、処方する医師が患者さんの状態を診断して適宜決めます。
    成人の場合は、1回25mgを1日1回食後に服用を始め、効果が不十分だと判断した場合は1~2週間の間隔をおいて50~75mgに増量します。
    ですが注意点として、1日最高服用量は75mgまでとされていますので、過剰内服しないように気を付けてください。
    過剰内服することで副作用が出現するリスクが高まります。
    また飲み忘れた場合は、気づいた時点で内服し、次の時間までの内服時間が近い場合は、1回分飛ばして次の飲む時間に1回分内服してください。

  • 質問:
    ナフトピジルの効果はいつから現れますか?
    回答:

    自覚症状の指標であるIPSSの尿意切迫感、頻尿、残尿感スコアの合計を閉塞症状スコアと定義したうえで、α1ブロッカーであるナフトピジルを12ヵ月間投与し効果の持続について検討を行いました。
    その結果、1ヵ月後に効果が徐々に現れ始め、12ヵ月後にはさらにスコアの改善が見られ、投与開始時と比較して大きな変化が見られました。
    このことから、投与1ヵ月後からナフトピジルの効果は比較的早期に現れることが分かっています。
    ですが、前立腺肥大症に対して、成人の場合1日1回25mgから始めますが、効果が乏しい場合は徐々に投与量を増やしていくことを検討する必要があります。

  • 質問:
    ナフトピジルの服用方法はどのようになりますか?
    回答:

    ナフトピジルは前立腺肥大症に有効な医薬品です。
    ナフトピジルの服用方法として、成人の場合は1日1回25mgから投与を始めます。
    ですが、排尿困難感が改善しない、頻尿が続くなどの症状が改善しない場合は1~2週間の間隔をおいて50~75mgに増量し、1日1回食後に経口投与します。
    内服後の症状によって、投与量を検討しますが、ナフトピジルの1日最高投与量は75mgまでとなっています。
    ナフトピジルを過剰投与することで、副作用のリスクが高まる可能性があるので注意しましょう。

  • 質問:
    ナフトピジルの摂取量はどれくらいが適切ですか?
    回答:

    ナフトピジルの摂取量は、まず成人の場合は1日1回25mgから投与を始めます。
    ですが排尿困難感が改善しない、頻尿が続くなどの症状が改善しない場合は1~2週間の間隔をおいて50~75mgに増量し、1日1回食後に経口投与します。
    内服後の症状によって、投与量を検討しますが、ナフトピジルの1日最高投与量は75mgまでとなっています。
    それ以上内服することで副作用の出現リスクが高まり、重大な副作用として肝機能障害や低血圧による意識障害が出現する可能性があります。

  • 質問:
    ナフトピジルと他の薬との相互作用はありますか?
    回答:

    ナフトピジルは副作用として低血圧を起こす可能性があります。
    そのため、降圧剤と併用することで低血圧症状が増強する恐れがあります。
    ナフトピジルはα1受容体遮断薬であり、α1受容体が刺激されると血管が収縮し血圧が上昇しますが、α1受容体を阻害すれば血管収縮を抑えられ、血管が拡張し血圧が下がります。
    そのため、現在内服している医薬品があれば、相互作用があるか医師や薬剤師に確認することが大切です。

  • 質問:
    ナフトピジルを使用する際の注意点は何ですか?
    回答:

    ナフトピジル内服の注意点として、副作用による起立性低血圧やめまい、立ちくらみなどがあらわれることがあります。
    自動車の運転や高い場所での業務など、危険性がある作業に注意する必要があります。
    また、ナフトピジルの1日の最大量は75mgまでです。
    その用量を超えると副作用が出現するリスクが高くなるので注意しましょう。
    効果が現れないからといって、自己判断で過剰投与せず、医師に相談しましょう。
    また飲み忘れた際は気づいた時点で服用し、次の内服までの時間が短い場合は、次の時間に服用するようにしましょう。

  • 質問:
    ナフトピジルの価格はどれくらいですか?
    回答:

    ナフトピジルの価格を以下に示します。
    ・ナフトピジル25mgは、1錠で10.1円
    ・ナフトピジル50mgは、1錠で11.4円
    ・ナフトピジル75mgは、1錠で16.9円
    ナフトピジルは前立腺肥大症に使用される薬剤であり、排尿障害や頻尿などの症状の改善が期待できます。
    副作用として、発疹、めまい、ふらつき、下痢、過敏症、多形紅斑などがあります。
    他に重大な副作用には肝機能障害や低血圧による意識障害があるので、症状が出現した際は内服を中断し、医師に相談しましょう。

  • 質問:
    ナフトピジルを飲み忘れた場合、どうすれば良いですか?
    回答:

    ナフトピジルを飲み忘れた場合は、気づいた時点で1回分を内服するようにしましょう。
    もし、次の時間までの内服時間が近い場合は、1回分を飛ばして次の飲む時間に1回分内服してください。
    間隔が近い状態で内服すると、2錠内服したような状態になるため、副作用が出現する可能性が高まります。
    もし誤って1日に2錠内服したり、次の間隔が近い状態で服用をした場合は、薬剤師や医師に相談するようにしましょう。