「ここ数日、のどが痛いな」「ちょっと身体もだるい気がするし風邪かな?」
最近、このような症状はありませんか?
のどの痛みやイガイガする場合、咽頭炎・喉頭炎・扁桃炎を発症している可能性があります。
一般的な市販の薬剤で治るのであれば、問題はありませんが、薬剤を飲んでも治らない場合症状が悪化している可能性あり、ひどい場合は入院しなければなりません。
当記事では、咽・喉頭炎、扁桃炎に関する概要や効果的な治療薬を解説しています。
感染の原因によっては、治療方法なども異なるため、「ただの風邪だろう」と放置せずに、医療機関への受診もおすすめします。
のどが痛いと思ったら!考えられる3つの原因
唾液やご飯を飲み込むのが痛いと、辛いですよね。
現在、コロナウイルスが流行する中で、特にのどの痛みや風邪のような症状には敏感になってしまいます。
のどの痛みを引き起こす原因は、主に3つの発症する箇所の炎症によるものが考えられます。
発症する場所は以下の通りです。
- 咽頭炎
- 喉頭炎
- 扁桃炎
炎症場所や原因が異なると、治療方法なども変わります。
症状をチェックしながら読み進めてください。
咽頭炎(急性咽頭炎)
原因 | ・寝不足や身体疲労などにより、身体の免疫が低下した状態でウイルスや細菌に感染する |
---|---|
症状 | ・のどの痛み ・のどのヒリつき ・発熱 ・倦怠感 ・耳の痛み |
完治までの期間 | のどの痛みは2、3日が酷く、時間の経過とともに改善。 多くの人は約1週間で回復 |
咽頭炎とは、のどの咽頭にウイルスや細菌が原因となり、炎症を引き起こしている状態です。
咽頭炎の中でも、急激に発症するものを急性咽頭炎と呼び、大人から子どもまで発症する可能性のある病気です。
季節の変わり目の気温の変化や睡眠不足による疲労感から、病気に耐える抵抗力が低下している際に感染しやすいでしょう。
初期症状としては、のどの乾燥や違和感を感じることが多く、症状が進行すると食べ物を飲み込むだけでも辛いような痛みに繋がります。
さらに症状を放置しておくと、病気が慢性化しのどの痛みがなくなり、鼻づまりや後鼻漏(多量の鼻水がのどの方に落ちる)などの慢性炎症(慢性上咽頭炎)になります。
慢性咽頭炎になる一番の要因は、喫煙や声の酷使によるものです。
慢性化した場合、上咽頭に塩化亜鉛液を擦る治療法(Bスポット療法)を行います。
慢性炎症の症状が2~3週間続く場合は、一度医師へ相談してみましょう。
喉頭炎(急性喉頭炎)
原因 | ・寝不足や身体疲労などにより、身体の免疫が低下した状態でウイルスや細菌に感染する ・喫煙や声の酷使によるのどの乾燥 |
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症状 | ・のどの痛み ・のどのヒリつき ・発熱 ・痰が出る |
完治までの期間 | のどの痛みは2、3日が一番酷く、時間の経過とともに改善。 多くの人は約1週間で回復 |
喉頭炎とは、のどの喉頭に炎症が生じる病気です。
喉頭は、声を出すための声帯や呼吸に関与しており、食べ物が気管に入らないようブロックしてくれる喉頭蓋が含まれる場所です。
そのため、炎症が酷い場合は誤嚥(食べ物が気管に入る)や発声障害が生じる可能性があります。
喉頭炎は、咽頭炎と同様にウイルスや細菌に感染した場合に炎症を起こします。
さらに、職業柄大きな声を出してのどを酷使したり禁煙を繰り返したりすると、病気になる可能性もあるでしょう。
特に喉頭は、呼吸や声帯に関わる場所であるため、症状の進行により「急性喉頭蓋炎」や「急性声門下喉頭炎」などの呼吸困難に繋がるリスクがあります。
喉頭炎は、2~3日で痛みがピークを迎えます。
あまり声を出さずに安静にしておくと約1週間で回復してくるでしょう。
扁桃炎(急性扁桃炎)
原因 | ストレスや風邪で免疫力が低下するとウイルスが増殖して発症 |
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症状 |
・のどの痛みや腫れ ・耳の痛み ・頭痛/関節痛 ・倦怠感 ・高熱 ・いちご舌(舌に赤いブツブツが出る) |
完治までの期間 | 数日~1週間 |
扁桃炎とは、口を開けた際に見える口蓋垂の両側にある扁桃腺が炎症を起こすことです。
症状は、のどの痛みや38°~40°の発熱などが生じます。
ストレスや疲れなどで免疫力よりも感染力が上回り、菌の増殖で扁桃に炎症が起きます。
菌の種類は様々で、以下の通りです。
- 溶連菌
- ブドウ球菌
- インフルエンザ菌
- 肺炎球菌
- アデノウイルス
- EBウイルス
- 単純ヘルペスウイルス
特に溶連菌は、放置しておくとリウマチ熱や中耳炎などの合併症を引き起こすリスクがあります。
ウイルスと違い細菌は核を保有しており、細胞分裂により増殖を繰り返すため抗生物質で増えるのを抑える必要があるのです。
一方でウイルスに関しては、増殖しないため、基本的には症状を和らげる対症療法が行われます。
急性扁桃炎の感染経路としては、他人のくしゃみによる飛沫感染や菌の付着したドアノブや物品に触れることで感染するでしょう。
症状が強い場合は、内服薬の抗生剤を使用したり、食事が摂取できない場合は点滴で抗生物質を投与したりします。
扁桃炎は、免疫が低下している状態で炎症を起こしやすい箇所です。
年に4~5回急性扁桃炎を繰り返す場合は、手術によって口蓋扁桃を摘出する選択もあります。
咽・喉頭炎・扁桃炎に有効的な治療薬
喉頭炎・咽頭炎・扁桃炎は、原因がウイルスか細菌から感染しているかで大きく異なります。
ウイルスに効く薬剤はないため、症状を緩和させるための薬剤として処方されます。
ここでは、喉頭炎・咽頭炎・扁桃炎に有効的な治療薬を解説するので、一つずつ確認してくださいね。
抗菌薬
抗菌薬とは、細菌を殺したり、増殖を抑えたりする薬剤のことです。
抗生物質とも呼ばれますが、原因が細菌の場合、抗菌薬を使用し治療します。
ウイルス感染の場合は使用しても効果はありません。
種類としては、ペニシリン系やセフェム系などを使用します。
基本的に抗菌薬は、内服薬を飲むことが多いですが、症状が酷い場合は、点滴で抗生剤を投与する場合もあります。
抗菌薬の使用期間は約1~2週間で、指定された容量や期間を守ることが大切です。
解熱鎮痛薬
解熱鎮痛薬は、発熱やのどの痛みを抑える作用があります。
一般的に風邪やインフルエンザ、頭痛や関節痛などの症状にも効果的です。
主な種類は、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬があります。
市販の薬剤では、ロキソニンやカロナールなどが該当します。
しかし、上記の薬剤は妊婦や幼児には使用できないため、注意が必要です。
抗炎症薬
抗炎症薬とは、熱やのどの痛みの炎症を抑える効果のある薬剤です。
その中でも「トラネキサム酸」は、のどの炎症を抑える成分があり、痛みを緩和してくれます。
また、副作用のリスクも少なく、美容目的でも使用されることも多いです。
過剰摂取しすぎると、吐き気や嘔吐にも繋がるため、医師の指導のもと、容量を守って服用することが大切です。
のどが痛すぎる!自宅でできる民間療法!
食事や飲み物を摂取できないほど、のどの痛みが強いと辛いですよね。
薬剤を飲んでもすぐに効いてくるものでもありません。
ここでは、のどの痛みが強い場合に症状を悪化させない飲みものや食べ物、セルフケアの方法を紹介します。
おすすめの食べ物や飲み物が重要
おすすめの飲み物や食べ物は以下の通りです。
食べ物 | ・ハチミツ ・緑茶 ・生姜 |
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飲み物 | ・アイスクリーム ・ゼリー |
ハチミツに関しては、よく効く人もいるかと思います。
ハチミツには、成分の一つである「グルコースオキシターゼ」は、のどの粘膜再生や抗菌活性を持っているため、のどの炎症を抑えてくれます。
緑茶では、「緑茶カテキン」に炎症作用を抑える効果があり、特に緑茶うがいが有効的と言われています。
生姜も緑茶同様に、抗菌作用があり細菌やウイルスと闘う効果があるのでおすすめです。
食べ物に関して、アイスクリームやゼリーを挙げていますが、冷たくて食べやすい点がおすすめする大きな理由です。
特にアイスは冷たいため、一時的にのどの痛みを和らげる効果もあります。
のどの痛みは保湿が大切
のどが痛い場合は、のどの保湿が大切です。
すぐにできることは、マスクの装着や部屋を加湿して温度を上げることがあります。
また、ストールなどで首元を覆うと外側からも保湿できるためおすすめです。
咽・喉頭炎・扁桃炎でよくあるQ&A
ここでは、喉頭炎・咽頭炎・扁桃炎でよくある質問に答えていきます。
Q.早く治す方法はありますか?
とにかく安静にして睡眠をたくさん取ることが大切です。
のどの痛みが強く、食事が摂取できない場合は食べやすいゼリーやアイスクリームなどを摂取しましょう。
また、乾燥した環境ものどの炎症を引き起こす原因となるため、部屋の加湿やのど周りにストールやタオルを巻くのもおすすめです。
Q.お風呂に入っても大丈夫ですか?
身体の状態に合わせましょう。
もし、のどに違和感がある場合や治りかけの場合は、しっかり湯船に浸かり血流を良くしてあげることが大切です。
血流が良くなると免疫細胞が活性化し、免疫力が高まります。
しかし、37.5°以上の発熱がある状態で入浴すると、身体の脱水が進み、めまいやふらつきを起こす可能性もあります。
1回の入浴で、体力はとても消耗されるため高熱がない状態で症状がひどい場合や身体がしんどい場合は安静にしておいた方が良いです。
Q.キスで相手に移ることはありますか?
キスで移る可能性はあります。
くしゃみなどの飛沫により感染する可能性があり、感染者の触れたドアノブや私物などに触れるだけでも感染する恐れもあります。
特に溶連菌の感染力は強いため、家庭内で感染者がいた場合は、使用するタオルや食器なども分けて使うようにしましょう。
Q.仕事はどれくらいで復帰してもいいですか?
仕事を休まなければならない日にちの決まりはありません。
しかし、熱発があった場合や症状がまだ完治していない場合は安静にしておいた方が良いです。
基本的に約1週間を想定しておくと良いでしょう。
職場の上司と相談しながら、職場の規定に従い、復帰の時期を決めていくことが望ましいです。
咽・喉頭炎・扁桃炎は症状が酷くなる前に病院で適切な処置を受けよう
咽頭炎・喉頭炎・扁桃炎の初期症状は、風邪と似た症状であるため、「いずれ治るだろう」と放置する人も多いです。
正しく薬剤を服用し、安静にしていれば症状は軽減します。
しかし、溶連菌などの細菌での発症が原因の場合は、リウマチ熱などの合併症を引き起こすリスクもあります。
市販の薬剤でも症状がなかなか完治しない場合は、一度専門家に診てもらい、適切な治療薬を処方してもらうことがおすすめです。