肺真菌症って何？症状や人にうつるかどうかを解説！

適用部位

呼吸器

悩みや症状

真菌・ウィルス

薬効分類

抗真菌薬(アゾール系)

肺真菌症の原因

肺真菌症の原因は、主に真菌が呼吸によって肺に入り込むことです。
真菌は土壌や有機物の分解物に多く含まれており、これらを吸い込むことで感染することがあります。

中でも、アスペルギルス属のカビが原因となる「肺アスペルギルス症」がよく知られています。
このカビは日常生活の色々なところに存在しており、免疫力が低下している人は感染リスクが高まります。

肺真菌症の症状

肺真菌症の症状は真菌の種類や患者さんの免疫状態によって異なりますが、一般的には次のような症状が見られます。

咳
発熱
呼吸困難
胸痛
血痰

これらの症状は他の肺疾患と似ているため、診断が難しい場合があります。
今はまだコロナウイルス感染症（COVID-19）との判別が必要になることもあるので、患者さんはどんな症状があるか意識してチェックしないといけません。

肺真菌症の診断方法

肺真菌症の診断には、特定の検査を行わなければいけません。
一般的な診断方法には以下のものがあります。

胸部X線検査：肺の影像を撮影し、異常を確認します。
CTスキャン：より詳細な画像を得るために使用されます。
血液検査：感染の有無や炎症の状態を確認します。
痰の培養検査：痰を採取して真菌の存在を確認します。
気管支鏡検査：気管支鏡を使用して直接肺の内部を観察し、組織を採取します。

肺真菌症の治療方法

肺真菌症の治療方法は、主に抗真菌薬の投与です。
抗真菌薬にはいくつかの種類があり、感染した真菌の種類や患者さんの状態によって薬剤が選ばれます。

一般的な抗真菌薬には、アムホテリシンBやボリコナゾール、イトラコナゾールなどがあり、治療は通常、数週間から数ヵ月にわたって続けます。

肺真菌症の治療期間

肺真菌症の治療期間は、感染の重症度や患者さんの免疫状態によって異なります。
軽症の場合は数週間で治療が完了することもありますが、重症の場合や免疫力が非常に低下している場合は、数ヵ月にわたって治療が必要となることもあるとのこと。

治療の効果を確認するために、定期的な検査を行います。

肺真菌症の入院期間

肺真菌症の入院期間も、感染の重症度や治療の進行具合によって異なります。
軽症の場合は入院せずに外来での治療が可能ですが、重症の場合や合併症がある場合は、長期間の入院が必要になる場合があります。

肺真菌症はうつるのか

肺真菌症は、通常は人から人へうつる病気ではありません。
感染の原因は主に環境中の真菌を吸い込むことだからです。

しかし、免疫力が低下している人が同じ環境にいる場合、感染リスクが高まることはあります。
そのため、免疫力が低下している人は念のため注意をしておきましょう。

肺真菌症とコロナ

肺真菌症と新型コロナウイルス感染症は、2つとも肺に影響を与える病気ですが、原因や治療方法が異なります。
コロナウイルス患者の中には、免疫力が低下しているために二次的に肺真菌症を発症するケースも報告されています。

この場合、コロナウイルス感染症の治療と並行して、肺真菌症の治療が必要です。

肺にカビが入るとどうなるのか

肺にカビが入ると、免疫力が低下している場合に真菌が増殖し、肺真菌症を引き起こします。
咳や呼吸困難、発熱などの症状が現れ、場合によっては肺組織が破壊されることもあります。
早く治療を行わないと、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、体調不良を感じたら医師の診断を受けましょう。

肺にカビが入った状態は治るのか

肺真菌症は、治療を受けることで治ります。
しかし、治療には時間がかかることが多く、患者さんの免疫状態や感染の重症度によっては、長期間の治療が必要となることも覚えておきましょう。

また、治療が遅れると合併症が発生するリスクが高まるため、早期診断と治療がポイントになってきます。

肺アスペルギルス症の余命

肺真菌症の種類の一つとして、「肺アスペルギルス症」というものもあります。
アスペルギルス属（Aspergillus）の真菌によって引き起こされる感染症で、主に肺の感染症です。
こちらも真菌が原因となり、健康な人は普通ならない病気です。

この病気の予後も、やはり患者さんの免疫状態や治療のタイミングによって異なります。
免疫力が低下している患者さんや治療が遅れた場合は予後が悪くなることがあります。

しかし、早めに治療を受けた場合は完全回復できます。
余命について具体的な数字を示すのは難しいですが、医療ケアを受けることで生活の質を改善し、病気の進行を遅らせることができます。

真菌感染症で最も多いのは

真菌感染症で最も多いのはカンジダ症とアスペルギルス症です。
カンジダ症は、主に口腔や食道、膣などの粘膜に感染し、アスペルギルス症は主に肺に感染します。

カンジダ症は聞いたことがある方も多いと思うのですが、一方で、それが真菌感染症という病気の一部であることは知らない方も多いのではないでしょうか。

肺真菌症になるとどうなるのか

肺真菌症になると、初期には咳や発熱などの一般的な呼吸器症状が現れますが、進行すると呼吸困難や胸痛、血痰などの重篤な症状が現れる場合があります。
早期診断と治療が行われない場合、肺組織の破壊や全身への感染拡大など、生命に関わる合併症を引き起こすリスクが高まります。

日常生活におけるカビについて

肺真菌症は、真菌と呼ばれるカビを吸い込むことが原因でしたね。
健康な人なら普通はならない病気ですが、とはいえ、カビが多い環境で暮らせば呼吸器や鼻などに影響が出ることもあります。

ここからは、日常生活の中で発生するカビの発生原因や除去方法について解説していきます。
人の生活からカビを完全に取り除くことはできませんが、健康に害がない程度には掃除をしておきたいものです。

カビの発生原因と影響

カビは湿度が高く、通気性が悪い場所に発生しやすいです。
主な発生原因としては、以下のようなものがあります。

湿気：カビは湿度が60%以上の環境で繁殖します。
特に梅雨の季節や冬場に加湿器を使用する家庭では注意が必要です。
通気不足：通気性が悪いと湿気がこもりやすくなり、カビの温床となります。
清掃不足：定期的な清掃が行われないと、汚れや湿気が蓄積し、カビが発生しやすくなります。

カビは見た目の不快感だけでなく、健康にも悪影響を及ぼします。
カビの胞子を吸い込むことで、アレルギー症状や喘息の悪化などの呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。
風邪が長引くと思っていたら、エアコンから吹き出てくるカビが原因だった、なんてこともありますよ！

カビを取り除く方法

では、一般的なカビを取り除く方法をチェックしていきましょう。
以下に、効果的なカビの除去方法を紹介します。

1.カビ取り剤を使用する

市販のカビ取り剤には強力な殺菌成分が含まれており、効果的にカビを除去できます。
使用方法は製品によって異なりますが、一般的には以下の手順で行います。

準備：カビ取り剤を使用する前に、手袋やマスクを着用し、換気を行います。
適用：カビ取り剤をカビの発生している部分にスプレーし、数分間放置します。
洗浄：放置後、ブラシやスポンジでこすり洗いを行い、カビを除去します。
すすぎ: 最後に、水でしっかりとすすぎ、乾燥させます。

2.酢や重曹を使用する

カビ取り剤を使わないカビ取り方法として、酢や重曹を使用することも効果的です。

酢には抗菌作用があり、カビを除去できます。
酢をスプレーボトルに入れてカビの部分にスプレーし、数分間放置後、ブラシでこすり洗いを行い水で洗い流せばOKです。

重曹は研磨作用があり、カビを物理的に取り除けます。
水と重曹を混ぜてペースト状にし、カビの部分に塗り、ブラシでこすり洗いを行って水で洗い流しましょう。

3.エタノールを使用する

エタノールは揮発性が高く、カビの除去に使用できます。
カビの発生初期に効果を発揮するので、あまり酷いカビ取りにはカビ取り剤を使用しましょう。
エタノールをスプレーボトルに入れ、カビの部分にスプレーし、自然乾燥させるだけでカビを取り除けます。

カビの予防方法

カビの発生を防ぐためには、カビが酷くなる前に日頃からこまめに掃除することをおすすめします。
以下に、カビ予防の方法を紹介します。

1.湿度管理

湿度が高いとカビが発生しやすくなるため、湿度管理がポイントになります。
以下の方法で湿度をコントロールしましょう。

除湿機を使用する：除湿機を使用して室内の湿度を適切に保ちましょう。
特に梅雨時や湿度の高い季節には効果があります。
換気を行う：定期的に窓を開けて換気を行い、湿気を外に逃がすのも良いでしょう。
特に風呂場やキッチンなど、湿気がこもりやすい場所はこまめに換気を行うことがおすすめです。

2.清掃とメンテナンス

カビの発生を防ぐには、定期的な清掃とメンテナンスを行うことも大切です。
風呂場やキッチン、洗濯機のゴムパッキンなど、カビが発生しやすい場所を定期的に清掃しましょう。
上記でご紹介したカビ取り剤や酢、重曹を使って清掃すると効果があります。

エアコンや加湿器のフィルターもカビが発生しやすい部分です。
定期的にフィルターを掃除し、清潔に保ちましょう。

特に、夏前や冬前のエアコンを久々に使う時には、カビ臭さを感じやすいと思います。
エアコンクリーニング業者に掃除を依頼したり、エアコンスプレーを使用するのも一つの手です。

3.防カビ製品の利用

防カビ製品を使えば、効率良くカビを予防できます。
カビが発生しやすい場所に防カビスプレーを使用すると、カビの繁殖を抑えられます。
風呂場や洗濯機周辺におすすめです。

また、クローゼットや収納スペースに防カビシートを設置すると、カビの発生を防げます。

まとめ

肺真菌症は、免疫力が低下している人にとっては深刻な症状が出る可能性もありますが、早くに治療を受けることで回復できます。
健康な人に深在性真菌症が起こることは稀ですが、免疫力が低下している場合は、日常生活で感染リスクを減らすための対策を行いましょう。

真菌感染症のリスクを理解し、予防策を取ればそこまで怖い病気ではありません。