「アダラートを飲んで本当に効果はあるの?」「アダラートの副作用について知りたい」など、アダラートに関してお悩みの方がいるのではないでしょうか。
アダラートは、血圧を下げる代表的な薬剤で高血圧や狭心症などの治療に用いられることが多い薬剤です。
当記事では、アダラートの概要を詳しく解説しています。
合わせて、アダラートを内服してはいけない人や投薬方法に関しても詳しく説明しています。
アダラートの内服を検討している方や不安がある方は、ぜひ参考にしてくださいね。
アダラートは高血圧に効能のある薬!概要を把握しよう
アダラートは高血圧に効く薬剤と解説しましたが、2023年時点で20歳以上の2人に1人が高血圧と言われています。
そのような高血圧患者が多い日本で、アダラートは第一選択薬の一つです。
まずは、アダラートに関して基本情報を確認しましょう。
そもそもアダラートとは?
アダラートCR錠は、1988年にドイツのバイエル社から発見された高血圧を治療する薬剤です。
日本との共同開発により、1976年にアダラートカプセルが狭心症治療薬として承認・販売開始されました。
その後、研究開発が進み1985年には12時間効果が持続するアダラートL錠が販売、1998年には、24時間効果持続するアダラートCR錠が販売されています。
現在では、24時間効果が持続するアダラートCR錠が主流となっているため、アダラートカプセル錠とアダラートL錠は2023年2月をもって販売停止となりました。
しかし、他社の製薬会社ではジェネリック医薬品(後発医薬品)として、今もなおアダラートカプセル錠とアダラートL錠が販売されています。
アダラートに関する基本情報
アダラートに関して、種類や効果、副作用について以下の表でまとめました。
総称名 | アダラート |
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一般名 | ニフェジピン |
薬効分類名 | 持続性Ca拮抗剤(高血圧・狭心症治療剤) |
主な種類 |
・アダラートCR錠10mg ・アダラートCR錠20mg ・アダラートCR錠40mg |
効果 |
・高血圧症 ・腎実質性高血圧症 ・腎血管性高血圧症 ・狭心症 ・異型狭心症 |
副作用 |
・過度な血圧低下 ・動悸 ・頭痛 ・ほてり感 ・顔面紅潮(顔面が赤くなる) ・浮腫(むくみ) ・便秘 ・歯肉肥厚(歯肉の腫れ) |
アダラートが販売中止したって本当?理由を解説
大阪に本社を構えるバイエル薬品株式会社では、2023年の3月にアダラートCR錠の3種類が販売停止と発表がありました。
原因としては、他社製品の限定販売により薬剤の供給が急激に増加、十分な生産ができないことが要因です。
販売停止当初は、出荷解除予定日は未定となっていましたが、1年もしない2024年2月に限定出荷が解除され通常出荷となりました。
内服前に要チェック!アダラートが禁忌の人とは?
アダラートの内服には副作用が伴うため、飲んではいけない人がいます。
確認してみましょう。
合併症・既往歴等のある人 |
・大動脈弁狭窄、僧帽弁狭窄、肺高血圧のある人 ・過度に低血圧の人 ・血液透析治療中の循環血液量減少を伴う高血圧の人 ・うっ血性心不全の人 |
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腎機能障害患者 | ・急速な血圧低下により腎機能が悪化する恐れがある |
肝機能障害患者 | ・血中濃度(体内に入っている薬剤の量)が上昇し、効果が効きすぎる恐れがある |
妊婦 |
・動物実験にて、催奇形性及び胎児毒性が報告されている ・投与する場合は、治療での有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ |
授乳婦 | ・授乳しない方が良い |
小児等(新生児・乳児・幼児) | ・臨床実験未実施 |
高齢者 |
・血圧を下げることで脳にダメージを与え脳梗塞を発症する恐れあり ・使用する場合は、低用量(10mg/日)から開始し慎重に投与する |
アダラートの用法・用量について解説
アダラートの用法や容量に関しては、病気の症状によって異なります。
さらに、一日の摂取量も決められているため、以下の表で確認してください。
高血圧症 |
・通常成人には、20~40mgを1日1回使用 ・最初は1日10~20mgより投与を開始し、必要に応じて増量していく ・1日40mgで効果が不十分な場合、1回40mgを1日2回まで増量可能 |
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腎実質性高血圧症 腎血管性高血圧症 |
・通常成人は20~40mgを1日1回使用 ・最初は1日10~20mgから開始し、必要に応じて増量していく |
狭心症 異型狭心症 |
・通常成人は40mgを1日1回使用 ・症状に応じて増減は可能だが、最高用量は1日1回60mgまで |
内服する際の4つの注意点
内服する場合は以下の4つの注意点を必ず確認しておきましょう。
- 飲み忘れた場合は気づいた時点で内服する
- アダラートCRは分割して内服しない
- 服薬は急に中止しない
- 降圧作用による症状に注意する
注意点は必ず確認しておかないと、副作用を強めたりするなど身体に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。
もし不明点があれば必ず医師に相談してください。
飲み忘れた場合は気づいた時点で内服する
アダラートを飲み忘れた場合でも、気づいた時点で1回分を内服しましょう。
しかし、飲み忘れた後の服用と時間が近い場合は、飲み忘れは一旦内服し、次の服用時間をずらして飲むようにしてください。
注意点としては、必ず2回分を一度に内服しないことです。
飲み忘れないように、お薬カレンダーやスマホのアプリなどを活用し防止する努力をしましょう。
アダラートCRは分割して内服しない
アダラートは、割ったり噛み砕いたりして飲むことは禁止されています。
なぜなら、噛み砕くことで体内の血中濃度(体内に入っている薬剤の量)が上昇し、頭痛や顔面紅潮などの副作用が現れる可能性が高くなるからです。
さらに噛み砕くことで、薬剤の成分の溶出量が変動してしまうため24時間の持続効果も保ちにくくなります。
錠剤は、体内で徐々に溶け出すような仕組みになっているため、必ず砕いて内服しないようにしましょう。
服薬は急に中止しない
医師の指導のもと、正常な範囲内で血圧が維持できる中で減薬をしたり、薬剤の飲む回数を減らすことは可能な場合もあります。
ですが、必ず自己判断で服薬を休止したり減らしたりするのはやめましょう。
なぜなら、血圧は身体の状態や食事、季節によっても変動しやすいからです。
例えば、気温が高い夏では、体内から熱を逃すために血管が広がりやすく、血流が緩やかになるため心臓に戻る血流量が低下し、血圧低下を引き起こします。
必ず医師へ「減薬や種類の変更、中止を行える状態なのか」を確認することが重要です。
季節や、身体の状態により休薬や薬剤の変更などの調整が行われる場合もあるでしょう。
降圧作用による症状に注意する
内服による副作用で、めまいなどの症状が現れる可能性があります。
特に仕事や日常生活で高所作業や車の運転など行う場合は、重大な事故に発展する可能性があるため注意しましょう。
特にグレープフルーツジュースには、血中濃度(体内に入っている薬剤の量)が高くなり、降圧効果が高まる成分が含まれるため、飲み合わせには注意してください。
高血圧の治療はアダラートの内服と共に生活習慣も見直そう!
血圧のコントロールの方法としてアダラートなどの内服もありますが、本態性高血圧症(原因が明らかとなっていない高血圧)は、生活習慣を見直すことで改善されることもあります。
まずは自身の生活習慣を見直し、改善できることから少しずつ日常生活で気をつけていきましょう。
適度な運動を定期的に行う
運動したら血圧が上昇するのではないか?と思う人もいるかと思いますが、軽いウォーキングは比較的、血圧上昇は大きくありません。
一方で重いものを持ち上げるなど息を堪える運動は、血圧上昇しやすいのでおすすめできません。
さらに運動不足は肥満の原因にもなります。
体脂肪により血管が圧迫され、血液の中に脂質の多いドロドロの血液が圧迫された細い血管を通ることで、血圧が上昇しやすくなります。
標準体重を目標にしなくても、体重を3%減らすことで血中脂質や血圧の改善が見込めます。
90kgの体重の人は3kg体重を減らすだけでも効果があることになります。
まずは散歩を週1~2回でもいいので、少しずつ運動する習慣を身に付けましょう。
塩分の過剰摂取など食生活に注意する
1日の塩分摂取量は成人男性は約7.5g、女性は約6.5gに抑えた食事を意識しましょう。
なぜなら、塩分の多い食事は血圧上昇の大きな原因となるからです。
塩分をグラム数で聞いてどのくらいの量かわかりにくいですが、ラーメン一杯の塩分は6g前後含まれています。
現代は味の濃い食事が多いため、すぐに目安塩分摂取量の数字はオーバーしそうですよね。
しかし、今では塩分を控えた調味料や食品が数多く取り揃えられています。
料理の中で減塩調味料を活用し、味見をしながら作る習慣を身に付けましょう。
さらにカリウムは、身体の中の余分な塩分を外に排出する効果があるため積極的に摂取すると良いでしょう。
カリウムは水に溶けやすいので、野菜や果物などを生で食べられる食材がおすすめです。
お酒とタバコは控える
お酒やタバコは高血圧の要因となるのはもちろん、がんや脳卒中などの重篤な病気にも発展しやすいため改善する必要があります。
お酒に関しては、1~2週間禁酒することで収縮期血圧は約3mmHg、拡張期血圧は約2mmHほど低下すると言われています。
また、タバコに関しては受動喫煙でも体に害を及ぼすため注意が必要です。
ストレスを溜め込まない
高血圧の要因として、実はストレスも大きく関連しています。
ストレスを溜め込むことで、我慢したり緊張した状況が続き、自律神経が乱れて高血圧になりやすいからです。
ストレスを溜め込まないためには、睡眠時間を確保したり、入浴や自分の好きなことをしてリラックスできる環境を整えましょう。
まずは、自分がどんなことにストレスを溜め込んでいるのか把握し、自分に合った対処法を見つけてくださいね。
アダラートに関するよくある質問
ここでは、アダラートに関するよくある質問に答えていきます。
アダラートはどのくらいで効果が出てきますか?
個人差はありますが、血圧の上昇が明らかでない高血圧の場合、効果が出るまで約1~2時間かかります。
また、1日1回20~40mgの投与を2週間続けることで血圧低下の効果が現れ始め、一日中血圧の高低差なく24時間効果が持続されると報告されています。
アムロジピンとアダラートの違いはなんですか?
アダラートはアムロジピンよりも降圧効果が高いと言われています。
一方で、アムロジピンは、血中濃度(体内に入っている薬剤の量)が安定し、降圧効果が持続しやすいため、自分の飲みやすいタイミングで内服できることがポイントです。
しかし、効果の違いに関しては明らかになっていない部分も多いです。
アダラートはどこで購入できますか?
アダラートCR錠は医療用医薬品に指定されているため、医師の処方箋がないと購入できません。
そのため、ドラッグストアなどで手軽に購入できず、病院での医師の診断が必要になります。
最近は、オンライン診療を行っている病院もあるため、「わざわざ行くのは面倒!」という人はぜひ活用してください。
アダラートは医師の診断のもと正しく内服して治療しよう
アダラートは、降圧薬として効果を発揮する第一選択薬の一つです。
高血圧症の方だけでなく狭心症などの疾患にも有効的です。
しかし、疾患によって用法や容量は変わってくるため医師からの指導のもと内服する必要があります。
さらに季節や身体の状態によっても血圧の変動はあるため、自身の判断で休薬や増減など行ってはいけません。
自身の健康を守るためにも、医師と相談しながら正しくアダラートを内服し治療していきましょう。