「睡眠サポートサプリには何が含まれている?」
「睡眠導入サプリのおすすめは?」
このような疑問を持っている人も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、睡眠導入サプリに含まれている成分について徹底解説。
睡眠導入サプリを服用する際の注意点や睡眠薬との違いについても紹介します。
最後には、睡眠導入サプリや睡眠薬を使わずに睡眠を改善する方法を解説しています。
睡眠に悩みを抱えている人は、ぜひ最後までご覧ください。
睡眠導入サプリによく含まれている4つの成分
睡眠導入サプリによく含まれている成分として、以下の4つが挙げられます。
- トリプトファン
- GABA
- グリシン
- テアニン
それぞれがどのような成分であるのか詳しく解説します。
①トリプトファン
トリプトファンは、「メラトニン」という物質の原料である必須アミノ酸です。
脳内の「松果体」という場所で、メラトニンはトリプトファンから合成されます。
松果体からの分泌量は一日の中で変動が大きく、日中は低い一方で、夜間は多くの量が分泌されています。
メラトニンの主な働きは、体内時計の周期の調節です。
夜間に十分な量が分泌されない場合では、睡眠導入がうまくなされません。
②GABA
GABAは、「グルタミン酸」という物質から合成されるアミノ酸の一種です。
合成されたGABAは、脳内の「GABA受容体」という部位に結合して神経活動を抑制します。
具体的には、興奮を落ち着かせてストレスを緩和し、睡眠の質を改善するなどの働きがあります。
このように、GABAは私たちの睡眠に深く関わっている物質です。
しかし、サプリに含まれているGABAに睡眠の質を高める効果があるか否かについては、疑問が呈されています。
ここからは、サプリに含まれるGABAで本当に眠くなるのかについて見ていきましょう。
私たちがサプリを飲んで体内に取り込まれたGABAは、血液に乗って脳を目指します。
ここで登場するのが、脳と血管の間にある「血液脳関門」というバリアです。
血液脳関門には、血液から脳へ有害物質が侵入するのを防いだり、脳内の環境を一定に保ったりする働きがあります。
言わば脳を守る門番のような存在です。
そして、血液脳関門は、GABAが脳内へ移行するのを許してくれません。
以上の理由から、サプリに含まれているGABAは睡眠に対して効かないと言われているのです。
GABAが腸から脳に向かう神経や腸内細菌を介して睡眠を改善するという主張もありますが、メカニズムの不明確さが指摘されています。
③グリシン
グリシンは、私たち人間の身体を構成しているアミノ酸の一種です。
グリシンには、体表の血液の流れを良くする働きがあり、熱放散が促されて深部体温が低下します。
そして、深部体温が低下すると睡眠導入がスムーズに進むのです。
なお、グリシンにもGABAと同様に、脳内で興奮を抑える働きがあります。
しかし、血液脳関門によりグリシンの脳内への移行も妨げられるため、サプリ摂取による効果は見込めません。
④テアニン
テアニンは、お茶に含まれている旨味成分であり、特に高級なお茶に多く含まれています。
テアニンの働きは、交感神経の抑制によるリラックス効果です。
睡眠の質を良くしたり、中途覚醒を防いだりなどが期待できます。
また、テアニンの効果は睡眠導入だけではありません。
記憶学習能力に好影響を及ぼし、アルツハイマー型認知症を予防する効果も期待されています。
睡眠導入サプリを飲む際に気をつけるべきこと3選
睡眠導入サプリを飲む際には、以下の3点について気をつけましょう。
- 成分が本当に有効なものを確認する
- 他の薬剤との相互作用を確認する
- 過剰に摂取しない
それぞれについて詳しく解説します。
①成分が本当に有効なものを確認する
睡眠導入サプリとして販売されている商品には、それぞれ様々な成分が含まれています。
もちろん、睡眠を改善する効果がある成分はありますが、実際には睡眠に対して効果を発揮しない成分も少なくありません。
場合によっては、私たちの身体に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。
睡眠導入サプリを選ぶ際は、本当に有効な成分が含まれているのかしっかり調べましょう。
②他の薬剤との相互作用を確認する
すでに何らかの薬剤を飲んでいたり、他のサプリメントを摂取していたりする場合は、相互作用に注意が必要です。
飲み合わせが悪い場合、思いもよらぬ副作用が生じる恐れがあります。
新たに睡眠導入サプリを飲み始める際は、服用中の薬剤について医師や薬剤師に相談しましょう。
③過剰に摂取しない
睡眠導入の効果をより強くしようとして、過剰にサプリを摂取している人もいますが、副作用のリスクが高まる危険な行為です。
強い健康被害を起こさないためにも、用法用量は必ず守るようにしてください。
睡眠導入サプリを摂取している期間にも注意が必要です。
長期間飲み続けた場合、摂取していた成分に対して依存してしまう可能性があります。
睡眠薬と睡眠サプリの違い
睡眠薬と睡眠導入サプリの違いは以下の通りです。
睡眠薬 | 睡眠導入サプリ | |
---|---|---|
タイプ/成分 | ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系、 メラトニン受容体作動薬など | トリプトファンやGABA、 グリシン、テアニンなど |
目的 | 日常生活に支障をきたすほどの睡眠障害の治療 | 軽い睡眠障害や不規則な睡眠スケジュールに対しサポート |
入手方法 | 基本的に医師の処方が必要 | ドラッグストアや通販サイトで市販されている |
副作用 | 強力な効果が期待できる一方で、強い副作用が生じる可能性もある (よく使われるベンゾジアゼピン系の場合、ふらつきや記憶障害など) | 比較的少ないとされているが、注意は必要 |
睡眠導入サプリを服用しても睡眠障害が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
薬剤やサプリを使わずに睡眠を改善する5つの方法
睡眠薬や睡眠導入サプリを使わずに、睡眠を改善するための5つの方法を紹介します。
- 規則正しく食事を摂る
- 適度に運動する
- 入浴し体温を上げておく
- 寝る前にすべきでないことに気をつける
- 睡眠環境を整える
それぞれ詳しく解説します。
①規則正しく食事を摂る
朝食を摂ることで目覚めを促し、体内時計をリセットできます。
夜に眠気が生じるようにするためには、体内時計のしっかりリセットしなければなりません。
夕食の内容や摂るタイミングも重要です。
消化に悪いものを食べたり、寝る直前に食事を摂ったりすると、胃腸の動きが活発になり睡眠導入がうまく進みません。
可能な限り、寝る2時間前には夕食を済ませましょう。
②適度に運動する
昼間の適度な運動により睡眠導入がスムーズに進みます。
無理のない範囲で、定期的にウォーキングやジョギングなどを行いましょう。
運動する際のポイントは、寝る直前に行わない点です。
長時間の激しい運動も、逆効果となってしまうため気をつけてください。
③入浴し体温を上げておく
私たちの身体は深部体温が低下してくると、眠気が生じる仕組みとなっています。
入浴により一時的に体温を上げておけば、その後自然と体温が下がるため寝付きやすくなるのです。
深部体温が低下する時間を確保するため、寝る2時間前までには入浴を済ませましょう。
特に、38~40度の湯に浸かるのが効果的です。
④寝る前にすべきでないことに気をつける
寝る前にすべきでないこととして、代表的なものは以下の3つです。
- 喫煙
- カフェインの摂取
- アルコールの摂取
- スマートフォンやPCの閲覧
これらの行動にはいずれも覚醒作用があり、寝付きを悪くしてしまいます。
特に、アルコールは寝酒として摂取している人も少なくないですが、熟睡を妨げるため推奨されません。
⑤睡眠環境を整える
睡眠環境を整えるうえで、重視すべきポイントは以下の3点です。
ポイント | 目安 |
---|---|
室温 | 夏…25~26℃ 冬…22~23℃ |
枕 | 仰向け寝…首の骨が緩やかにS字を描く高さ 横向き寝…頭から背骨が真っ直ぐに伸びる高さ |
マットレス | 体圧分散性に優れ、スムーズに寝返りできる反発力 |
睡眠環境は睡眠の質に直結するので、軽視せずに見直しましょう。
まとめ:睡眠導入サプリで睡眠の質を改善しよう
睡眠導入サプリには、トリプトファンやグリシンなどをはじめとする様々な成分が含まれています。
商品ごとに含有量も異なるため、自分にあったサプリメントを見つけましょう。
睡眠導入サプリを服用する際は、有効成分や相互作用についてしっかり確認してください。
強い副作用を起こさないため、過剰摂取にも気をつけましょう。
睡眠に関する悩みは、私たちの生活の質を大きく下げてしまいます。
生活習慣の改善や睡眠導入サプリでも良くならない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。