身体のために日に当たることが大事と言われたことはありませんか?
そう言われるのは理由があり、身体にとってプラスになるからです。
光を浴びるとメラトニンが分泌されますが、この記事ではメラトニンがどのようなものなのか紹介しています。
睡眠にも関わる話なので、満足できる睡眠がとれていない人も参考にしてください。
メラトニンとは?
メラトニンは主に光によって調節されて分泌されるホルモンで、脳の松果体と呼ばれる部分から分泌されています。
メラトニンとは何か分かりやすくいうと、私たちが快適な睡眠をとるために欠かせないホルモンです。
メラトニンは睡眠の他にも細胞の新陳代謝の促進や老化防止、病気の予防などに効果が期待できることから注目されています。
なぜ眠くなるのか
メラトニンが分泌されるとなぜ眠くなるのかというと、自然な眠りを誘う作用があるからです。
メラトニンは光によって調節されることから光を浴びづらい夜間の方が日中よりも多く分泌されるため、人が眠りについている時に多く分泌されます。
体内時計が眠りにも大きく関わっており、朝に光を浴びることで体内時計を活動状態へと切り替えメラトニンの分泌をストップさせます。
心地よい目覚めができるように朝にカーテンを空けて光を浴びるよう推奨されていますが、これらが関係しているからです。
メラトニンは朝に光を浴びてから分泌がストップするもののずっと分泌しないわけではなく、朝目覚めて太陽光を浴びてから約14~16時間後に再び分泌されます。
メラトニンが徐々に分泌されると深部体温が低下し眠りにつく準備を始め眠くなるのです。
夜眠くなるのは朝の目覚めで光を浴びて体内時計に影響を与え、メラトニンの分泌の動きによるものです。
メラトニンの分泌がストップしてから再度分泌される時間が決まっていることから眠くなる時間の予想がつくので、その時間に睡眠をとれる状態にしておくと快適な眠りを目指せます。
なお、再びメラトニンが分泌され始めて2~3時間後にピークを迎えるので時間をかけずに眠りにつきたいならその時間を狙うのがおすすめです。
セロトニンとは
メラトニンや睡眠について理解する時に知っておきたいものとしてセロトニンが挙げられますが、脳内の神経伝達物質のひとつです。
セロトニンはメラトニンの原料で、メラトニンが睡眠のバランスを調整する作用があるのに対し、セロトニンは気分を安定させる作用を担っています。
三大神経伝達物質のひとつでもあり、精神安定剤のような働きがあることからセロトニンが不足すると精神面にも影響を及ぼすなど非常に重要な役割を果たすものです。
何から作られるか気になると思いますが、セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから合成され、トリプトファンは食事からの摂取によって作られるため良質なたんぱく質をしっかり摂ることが重要です。
メラトニンは日中に分泌されたセロトニンが原料となっているため、セロトニンが少ないとメラトニンも少なくなり睡眠などにも影響を与えます。
メラトニンとセロトニンは密接に関わっており、健やかな身体づくりにも欠かせないものといえます。
メラトニンに関するQ&A
メラトニンは睡眠や精神面などでも欠かせない重要な役割を担うホルモンです。
ここでは、メラトニンに関する疑問を紹介します。
満足のいく睡眠がとれていない人は要チェックです。
年齢を重ねると分泌量が減る?
メラトニンは1歳~5歳頃が最も多く分泌されピークを迎えると、年齢を重ねるごとに分泌量が減少していきます。 壮年期はさらに減り続け高齢者になるとわずかな量しか生成しないという特徴があります。
年配の方が「朝早く目覚めるようになった」と話しているのを耳にしたことがある人もいると思いますが、これはメラトニンの減少が影響しており、それにともない夜中に何度も目覚めるなど満足のいく睡眠がとれなくなる人が多いです。
ストレスと関係があるか?
メラトニンの分泌が減少する理由は加齢だけではなく、ストレスが関係している場合もあります。
メラトニンの分泌が減るということはセロトニンが減少しているということですが、セロトニンは別名幸せホルモンと呼ばれるもので心身をリラックスさせる効果もあります。
しかし、不足することでストレスを感じやすくなるためイライラしたり、うつのような症状になったりと心身にも大いに関わるのです。
また、ストレスが溜まっていることでセロトニンを分泌する機能が弱まり分泌量が減ることにも繋がります。
つまり、メラトニンの分泌量とストレスは切り離せない関係で、メラトニン・セロトニンが減り不足すると何がどのように変わるかというと、うつやめまいなど身体中の不調を引き起こす可能性もあります。
メラトニンが含まれている食品は何?
メラトニンが減少すると身体に影響を及ぼすため、分泌を高められる食品を摂取することも重要。
メラトニンの元となるトリプトファンからセロトニンを生成する際欠かせないのが、「トリプトファン」「炭水化物」「ビタミンB6」の3つの栄養素です。
トリプトファン:豆類や卵、魚など
炭水化物:パンやスパゲッティ、じゃがいも、さつまいもなど
ビタミンB6:キウイフルーツやブロッコリーなど
それぞれの栄養素を含む食品には上記のようなものが挙げられますが、おすすめの食品はバナナです。
3つの栄養素が含まれていて手軽に食べられるので、忙しくて食事に気を遣えない時でも重宝します。
どんな睡眠トラブルを抱えている人が多い?
睡眠障害にはなかなか眠れない不眠症や眠っているのに日中に強い眠気に襲われる過眠症などがあります。
日本国内では約5人に1人の割合の人が不眠症の症状に悩まされているなど悩みを抱えている人も多いです。
不眠症は「入眠困難」「中途覚醒」「早期覚醒」「熟眠障害」の4つのタイプからなり、1つのタイプだけではなく複数の症状に悩まされていることもあります。
睡眠障害に効果が期待できるものはある?
睡眠障害は長期化することも多く、日常生活にも影響を及ぼすことも珍しくありません。
寝つきが悪い、頻繁に目が覚めるなどの睡眠での困った症状があるなら、早めに対策するべきです。
睡眠だけではなく心身のバランスを悪化させないためにも、効果が期待できる対策を知り行動に移すことが重要です。
睡眠の改善が期待できるサプリを選ぶ
薬局やドラッグストア、通販などで購入できる睡眠補助サプリなどは、種類も豊富で医師の処方なども必要ないので手軽に手に入るのが特徴です。
また、メラトニンをサプリで補いたいと考えている人がいると思いますが、日本国内ではサプリではなく医薬品としての扱いなので購入する場合は個人輸入になります。
アメリカではサプリメントとして販売されているものの、日本で禁止されている理由は副作用のリスクの高さからです。
遺伝的背景や体質など様々な要因で安全性や効果などが異なる可能性がある点から専門的な知識を持つ医師の元で使用すべきものなので、サプリメントとしての販売がありません。
個人輸入は可能ですが、安全性などを考慮するなら病院を受診して医師による治療を受けるのがおすすめです。
病院を受診して薬剤を内服する
メラトニン受容体作動薬としては2種類ありますが、使用できる年齢などにも違いがあります。
- ロゼレム:成人
- メラトベル:6歳~15歳までの小児期のみ対象
ロゼレムは成人用の錠剤で、不眠症における入眠困難の改善を目的としています。
メラトベルは小児用の粉薬で、小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善が適応症となっています。
このように、それぞれ使用できる年齢や適応症に違いがあります。
ロゼレムは自然な眠気を強くする睡眠薬なので、大人で不眠症に悩んでいる人におすすめです。
病院に受診して相談すれば一人ひとりに合った治療が受けられるので、睡眠による不調をしっかりと治療したい人は病院受診を推奨します。
メラトニンを分泌させて心地よい睡眠を目指そう
健やかな日々を過ごすためには睡眠は欠かせず、満足いくような睡眠がとれないと身体にも影響を及ぼします。
メラトニンをしっかりと分泌させるための行動を心がけることから始めましょう。
睡眠サプリを試したり、病院へ受診し相談したりして自分の身体と向き合うのがおすすめです。