「禁煙するにはどうしたらいい?」
「禁煙補助薬は禁煙しやすいの?」
このような疑問を持っている人は少なくないのではないでしょうか。
本記事では、禁煙補助薬であるザイバンやジェネリック医薬品のブプロンSRについて徹底解説。
同じく禁煙補助薬のチャンピックスや、喫煙がリスクとなる疾患についても紹介します。
薬の力を借りて禁煙したい人に必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。
ザイバンは禁煙にも効果がある抗うつ薬
ザイバンとは、「塩酸ブプロピオン」という成分を含んだ抗うつ薬であり、禁煙を補助する目的でも使用されている薬剤です。
喫煙者を対象とした研究によると、薬剤を使わない場合と比較して、禁煙に成功する可能性が49~72%高くなることが分かっています。
それでは、抗うつ薬であるザイバンがなぜ禁煙に効果を発揮するのか見ていきましょう。
禁煙を難しくしている大きな理由として、タバコに含まれるニコチンの離脱症状があります。
最後の喫煙から24時間以内に、イライラや倦怠感、集中困難、不安、不眠といった症状が現れ、再び喫煙したくなる人が多いです。
塩酸ブプロピオンには、脳内の「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」という物質を増加させる働きがあります。
これらの物質には気分の落ち込みを抑える効果があるため、ニコチンの離脱症状を緩和できるのです。
その結果、禁煙中に再びタバコを吸いたいと感じにくくなり、禁煙の成功につながります。
ザイバンはジェネリックのブプロンSRで気軽に使える
禁煙のためにザイバンを使ってみたい人は、ジェネリック医薬品である「ブプロンSR」の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
ザイバンと同一の有効成分を含んでおり、日本国内では認可されていないもののアメリカ食品医薬品局で認可されている薬剤です。
禁煙の補助・ADHDの症状緩和・やる気の向上などの効果が見られています。
以下で、ブプロンSRの服用方法や口コミについて紹介していきます。
ブプロンSRの服用方法
有効成分の塩酸ブプロピオンによる副作用リスクを上げないため、そして何よりも禁煙の成功率を上げるために飲み方は重要です。
適切な服用方法を見ていきましょう。
まず、1~3日目は早朝に1錠のみ服用してください。
最初に少量から飲み始める理由は、強い副作用が出る可能性を否定できないからです。
続いて、4~7日目は1錠の服用を1日2回行います。
その際、服用の間隔は8時間以上空けつつ、就寝前に服用しないようにしてください。
なお、服用開始から7日目までの喫煙は禁じられていません。
8日目からはいよいよ本格的に禁煙をスタートします。
ブプロンSRの服用回数・間隔は、4~7日目と同様に1日2回・8時間以上です。
この服用ペースを飲み始めてから7週目まで続けるようにしてください。
飲み忘れを防ぐためにも、服用するタイミングは毎日同じにするのがおすすめです。
万が一飲み忘れてしまっても気付いたタイミングで服用すれば問題ありませんが、服用間隔は必ず守るようにしてください。
ザイバンとチャンピックスの違い
禁煙を補助する薬剤として、ザイバンと並んでよく候補にあがるのがチャンピックスです。
ザイバンが日本国内では承認されていない一方で、チャンピックスは医療用医薬品として一般的に処方されています。
チャンピックスには「バレニクリン」という有効成分が含まれており、作用機序や服用方法がザイバンと異なります。
また、それぞれの副作用についても比較しながら見ていきましょう。
作用機序
私たちの脳内には数多くの神経細胞があり、その中には「α4β2受容体」という部位を持つ細胞があります。
タバコに含まれるニコチンがα4β2受容体に結合すると、神経細胞からドーパミンが放出されて快感が得られます。
この快感がニコチンへの依存性につながっているのです。
チャンピックスに含まれるバレニクリンには、α4β2受容体に結合する作用があります。
そして、バレニクリンが既に結合している状態のα4β2受容体には、ニコチンは結合できません。
つまり、バレニクリンが投与されるとα4β2受容体に結合できるニコチンが少なくなり、放出されるドーパミンも減るのです。
その結果、喫煙による快感が抑制されて依存からの脱却に繋がります。
また、バレニクリンがα4β2受容体に結合すると少量のドーパミンが放出されます。
放出されたドーパミンには、禁煙に伴う離脱症状を緩和する働きがあるため、タバコへの切望を軽減可能です。
以上のように、チャンピックスは2つのアプローチで禁煙を補助しています。
脳内のノルアドレナリンやドーパミンを増やすザイバンと比べて、より直接的に作用していると言えるでしょう。
服用方法
チャンピックスの服用方法は以下の通りです。
- 1~3日目…0.5mgを1日1回(食後)
- 4~7日目…0.5mgを1日2回(朝夕食後)
- 8日目以降…1mgを1日2回(朝夕食後)
投与期間は12週間に設定されており、7週間のザイバンよりも長い期間服用する必要があります。
副作用
ザイバンの主な副作用としては以下が挙げられます。
- 口渇感
- 不眠
- 頭痛
- 吐き気
- 食欲低下
一方、チャンピックスの主な副作用には以下のようなものがあります。
- 吐き気
- 便秘
- 不眠症
- 胃炎
- 頭痛
- めまい
これらの副作用が出た場合は服用を中断し、さらなる悪化を防ぐためにも一度医師に相談しましょう。
喫煙がリスクとなる疾患
ここまで禁煙補助薬のザイバンについて解説してきましたが、そもそもなぜ禁煙した方が良いと考えられているのでしょうか?
それは、喫煙が大きなリスクとなる疾患がいくつも見つかっているからです。
代表的な疾患としては以下が挙げられます。
- 肺癌
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 心筋梗塞
それぞれの疾患について解説します。
①肺癌
喫煙が大きなリスクとなる疾患として、肺癌を思い浮かべる人は多いでしょう。
実際、非喫煙者と比較して喫煙者が肺癌になるリスクは、男性で約4.4倍・女性で約2.8倍高いです。
喫煙開始年齢が若いほどリスクが高く、禁煙によりリスクを下げられることも分かっています。
②慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患とは、タバコの煙などの有害物質により気道や肺に炎症を起こし、不可逆的な状態まで障害が進行する疾患です。
慢性的に咳・痰・動いた時の呼吸困難がみられます。
喫煙の影響がかなり大きな疾患であり、患者さんの約90%に喫煙歴があると報告されています。
③心筋梗塞
心筋梗塞とは、心臓を栄養している血管が急激に狭窄したり閉塞したりして、心臓の筋肉に血液が届かなくなる疾患です。
非常に強い胸の痛みや呼吸困難感などが生じます。
非喫煙者と比較して喫煙者が心筋梗塞を起こすリスクは、男性で約4倍・女性で約3倍高いです。
禁煙とメンタルの関係についてのQ&A
禁煙とメンタルの関係について気になる人は多いようです。
よくある質問に回答していきます。
Q.タバコをやめたら鬱になったのはなぜ?
タバコをやめると、ドーパミンの低下によりニコチンの離脱症状が生じます。
その結果、気分が落ち込んだり鬱になったりする人が少なくありません。
ストレス解消のために喫煙していた人が、新たなストレス解消法を見つけられずに鬱となってしまうケースもあります。
Q.禁煙するとメンタルは回復する?
禁煙は鬱病・統合失調症・パニック障害・気分障害といった精神疾患に対して効果があると分かっています。
メンタル面で不調を感じている人は、禁煙が症状緩和に繋がるかもしれません。
まとめ:ザイバンを適切に使って禁煙を成功させよう
ザイバンには有効成分の塩酸ブプロピオンが含まれており、脳内のノルアドレナリンやドーパミンを増やして禁煙をサポートします。
ジェネリック医薬品のブプロンSRが発売されており、禁煙したい人の強い味方となるでしょう。
喫煙は、肺癌・慢性閉塞性肺疾患・心筋梗塞などの大きなリスクです。
メンタル面の不調とも密接に関連しています。
心身ともに健康になるためにも、ザイバンを適切に使って禁煙を成功させましょう。