水虫は多くの人が悩む足のトラブルですが、適切な治療法を選べば確実に改善できます。
本記事では水虫の一般的な治療法から最新の薬剤や治療中の注意点まで幅広く解説します。
塗り薬と飲み薬の選び方、市販薬と処方薬の違い、新薬「ネイリン」の特徴など水虫治療に関する重要な情報が満載です。
また、治療中の副作用や飲酒の影響、他の薬剤との飲み合わせなど安全に治療を進めるための注意点も詳しく説明しています。
水虫に悩む方、効果的な治療法を知りたい方はぜひ参考にしてください。
水虫の一般的な治療法
水虫は多くの人が悩む足のトラブルで治りにくいと思われがちですが、適切な治療法を選べば確実に改善できます。
この章では、水虫のおもな治療法である塗り薬と飲み薬について解説します。
それぞれの特徴や使い方を知ることで、自分に合った治療法を見つけやすくなります。
水虫に悩む方、効果的な治療法を知りたい方はぜひ参考にしてください。
飲み薬と塗り薬はどっちがいいか
水虫の治療には飲み薬と塗り薬の2つの選択肢がありますが、どちらを選ぶべきかは水虫の種類や症状の現れ方によって変わります。
足の水虫なら、まずは塗り薬から始めるのがおすすめです。
塗り薬は直接患部に塗るので効果が出やすく、身体への影響が少ないため副作用の心配も少なくて済みます。
一方、爪の水虫の場合は爪の中まで薬剤が行き渡りやすい飲み薬が効果的です。
ただし、飲み薬には肝臓への負担などの注意点もあります。
- 足の水虫:塗り薬が第一選択
- 爪の水虫:飲み薬が効果的
- 重症の場合:飲み薬を検討
【塗り薬と飲み薬の特徴】
特徴 | 塗り薬 | 飲み薬 |
---|---|---|
使いやすさ | 〇 | △ |
副作用リスク | 低い | やや高い |
治療期間 | 飲み薬よりも長い | 3~6ヵ月 |
爪への効果 | △ | 〇 |
どちらを選ぶにしても自己判断は避け、症状に合わせて医師に相談しながら最適な治療法を選ぶことが大切です。
飲み薬の服用期間
水虫の飲み薬治療は一朝一夕では終わりません。
効果を得るには多少の期間が必要で、一般的に約3~6ヵ月の服用が必要とされています。
水虫の種類や重さによっても期間は変わり、重度の場合は1年以上かかることもあります。
大切なのは、症状が良くなっても勝手に薬剤を止めないことです。
途中で止めると水虫が再発する可能性があるため、医師の指示通りに最後まで飲み切りましょう。
また、長期間の服用には副作用のリスクもあるため、定期的に病院で検査を受けて身体の状態をチェックすることをおすすめします。
水虫の治療は時間がかかりますが、あきらめずに続けることが大切です。
不安なことがあれば、遠慮なく医師に相談しましょう。
市販薬と処方薬の違い
水虫の治療薬には、処方薬と市販薬の2種類があります。
それぞれに特徴があり、症状や状況に応じて使い分けることが大切です。
処方薬は医師が処方する薬剤でより強力な効果が期待できます。
一方、市販薬は薬局で自由に買える薬剤で軽い症状に適しています。
軽い水虫なら市販薬で様子を見ても良いですが、2週間使っても良くならない場合は病院に行き、処方薬をもらいましょう。
水虫治療の新薬とは
水虫治療の分野に、画期的な新薬が登場しました。
「ネイリン」という名のこの薬剤は、特に爪の水虫に効果があると注目を集めています。
ネイリンは2018年に発売された日本生まれの新薬で、約20年ぶりの爪水虫用新薬として期待されています。
使い方も簡単で、1日1カプセルを3ヵ月間服用するだけでその効果も高く、3ヵ月の服用後9ヵ月経過した時点で完全に治った人が約6割、症状が改善した人が約9割にも達しています。
さらに、ネイリンは従来の薬剤と比べて肝臓への負担が少なく安全性が高いのが特徴です。
ただし、価格は1錠817円と比較的高めで、お腹の不快感などの副作用の可能性があり服用中はお酒を控える必要があります。
これらの点に注意しながら使用すれば、ネイリンは爪の水虫に悩む多くの方々に希望をもたらす新薬となりそうです。
しかし、すべての人に適しているわけではありません。
使う前に必ず医師に相談し、自分に合っているか確認しましょう。
特徴 | ネイリン | 従来の薬剤 |
---|---|---|
効果 | 高い | やや低い |
肝臓への負担 | 少ない | やや多い |
価格 | 高め | やや安い |
飲む期間 | 3ヵ月 | 3~6ヵ月 |
水虫の市販薬おすすめ3選
水虫の治療薬として飲み薬を探している方も多いかもしれません。
しかし、日本国内では水虫の飲み薬は市販されておらず、医師の処方が必要です。
では、薬局で買える水虫薬はどんなものがあるのでしょうか。
ここでは、おすすめの市販の塗り薬を3つ紹介します。
メンソレータムエクシブWディープ10クリーム 35g
メンソレータムエクシブWディープ10クリームは水虫治療に効果的な成分をたっぷり含んでおり、特徴は以下のとおりです。
- 抗真菌成分:テルビナフィン塩酸塩
- 水虫の原因菌を退治
- 尿素10%配合
- かたくなった皮膚をやわらかくして薬剤が浸透しやすくする
- かゆみ止めと炎症を抑える成分入りで不快な症状を和らげる
- 1日1回の使用で24時間効く
- べたつかないクリームタイプ
価格:約1,150円(税込)
このクリームは水虫の菌を退治しながら、症状も和らげる総合的な効果が期待できます。
1日1回の使用で済むので忘れずに続けやすいのも魅力です。
ただし、効果には個人差があるので、使用後の変化をよく観察しましょう。
ブテナロックVαクリーム 18g
ブテナロックVαクリームは、水虫治療に効果的な成分を複数含んだ総合的な塗り薬です。
特徴は以下のとおりです。
- 抗真菌成分:ブテナフィン塩酸塩
- 水虫の原因菌を効果的に退治
- 複合的な効果
- かゆみ止め・抗菌・抗炎症の成分を配合
- メントール入りで塗った時のさわやかな使用感が特徴
- 1日1回の使用で効く
価格:約1,251円(税込)
このクリームは水虫の原因菌を退治しながら、かゆみや炎症も抑える総合的な効果が期待できます。
さわやかな使用感も魅力で、毎日の治療が苦にならないでしょう。
ピロエースZクリーム 15g
ピロエースZクリームは強力な抗真菌作用を持つ塗り薬で、特徴は以下のとおりです。
- 抗真菌成分:ラノコナゾール
- 強い抗真菌活性を持つ
- 幅広い種類の真菌に効果がある
- 副作用が比較的少なく敏感肌の方でも使いやすい
- 1日1回の塗布で済む
- 水虫以外にも、いんきんたむしやぜにたむしにも効果あり
価格:約1,000円~1,500円(税込)
このクリームは強力な抗真菌作用と幅広い効果が特徴で、水虫以外の真菌症にも使えます。
水虫治療の副作用と注意点
水虫の治療薬は効果が高い反面、身体に影響を与えることもあり、特に飲み薬は全身に作用するため注意が必要です。
ここでは、水虫治療の副作用と注意点について解説します。
肝臓への影響
水虫の飲み薬治療で最も注意が必要なのは、肝臓への影響です。
肝臓は身体の中で薬剤を処理する重要な臓器ですが、水虫の薬剤を飲むと肝臓に負担がかかることがあります。
おもな注意点は以下のとおりです。
①肝機能障害のリスク
- 水虫の飲み薬で肝臓の働きが悪くなることがある
- 稀に重い肝臓の病気になる場合も
②定期的な検査が必要
- 月に約1回の血液検査をすることが多い
- 肝臓の状態を常にチェック
③飲める人と飲めない人がいる
- もともと肝臓が弱い人は飲み薬を使えないことも
- そんな時は塗り薬を使う
④薬剤によって影響の度合いが違う
- 従来の薬剤:肝臓への負担がやや大きい
- 新しい薬剤(ネイリン):比較的負担が少ない
⑤生活上の注意点
- お酒は控えめに
- 他の薬剤との飲み合わせに注意
水虫の飲み薬治療は効果が高いですが、肝臓への影響という大切な注意点があります。
必ず医師の指示に従い、定期的に検査を受けましょう。
飲み薬の飲み合わせ
水虫の治療に飲み薬を使用する際は、薬剤同士が互いに影響し合い予期せぬ副作用を引き起こす可能性があるため、他の薬剤との飲み合わせに十分な注意が必要です。
多くの水虫治療薬は、体内のCYP3A酵素の働きを抑制します。
CYP3A酵素は様々な薬剤の代謝に関与しているため、水虫薬と同じ酵素で分解される他の薬剤を併用するとその薬剤の効果が必要以上に強くなってしまう恐れがあります。
特に注意が必要なのは血液をサラサラにするワルファリン、胃薬の一種であるシメチジン、そして結核の治療薬であるリファンピシンです。
これらの薬剤と水虫薬を同時に服用すると、予期せぬ相互作用が起こる可能性が高くなります。
さらに、水虫薬の種類によっては絶対に併用してはいけない薬剤もあります。
そのため水虫の飲み薬を使用する際は現在服用中の全ての薬剤について医療専門家に伝え、適切な指導を受けることが安全で効果的な治療につながります。
飲み薬服用中の飲酒について
水虫の飲み薬での治療期間中は肝臓への負担がかかるため、アルコールを控えることが強く推奨されます。
水虫の薬剤もアルコールも肝臓で代謝されるため、両者を同時に摂取すると肝臓に過度の負担がかかります。
最新の水虫治療薬であるネイリンでさえ、飲酒は控えめにするよう指示されています。
飲酒により胃や肝臓の副作用が出やすくなるリスクもあるため、水虫の治療中はアルコールを避けるのが最善の選択です。
しかし、どうしても飲酒が避けられない場合は量を極力控えめにし、定期的(月に約1回)に肝機能検査を受けることが重要です。
ただし、こうした判断は必ず医師と相談の上で行い、自己判断はやめましょう。
水虫治療の効果と限界
「水虫はすぐに治るのでは?」と期待する方も多いですが、実際はそう簡単ではありません。
ここでは、水虫治療の効果と限界について詳しく解説します。
「一発で治す」は可能か
水虫を「一発で治す」という考えは、残念ながら現実的ではありません。
水虫の治療には時間がかかり忍耐が必要です。
水虫の原因となる真菌を完全に除去するのに時間がかかるため、治療期間は足の水虫で約2~3ヵ月、爪の水虫ではさらに長く6ヵ月以上を要します。
さらに注意すべき点は、症状が消えても油断はできないということです。
外見上は良くなっても菌が完全に除去されていない可能性があるため、症状が消えてからも約1~2ヵ月は治療を継続することが推奨されています。
また、治療を途中で中断すると再発のリスクが高まり、翌年、同じ症状に悩まされる可能性が高くなるのです。
水虫の治療は、まさにマラソンのようなものだといえるでしょう。
一気に走り切るのではなく、ゆっくりと着実に進めていくことが重要です。
焦らずに医師の指示に従って粘り強く治療を続けることが、水虫を完治させる最も確実な方法なのです。
水虫が治らない原因と対策
水虫が治らない、または再発するケースにはいくつかの原因があります。
それぞれの原因と対策を見ていきましょう。
①不適切な治療
- 原因:薬剤の使い方が間違っている、治療を途中でやめてしまう
- 対策:医師の指示通りに最後まで治療を続ける
②誤った診断
- 原因:実は水虫ではなく、他の皮膚の病気だった
- 対策:2週間治療しても良くならない場合は、皮膚科で再診断を受ける
③生活習慣の問題
- 原因:足を清潔に保てていない、蒸れやすい靴を長時間履いている
- 対策:毎日足を洗う、通気性の良い靴や靴下を選ぶ
④体質的な要因
- 原因:免疫力が低下している、糖尿病などの病気がある
- 対策:バランスの良い食事と十分な睡眠で体調管理、必要な場合は基礎疾患の治療
⑤再感染
- 原因:家族や公共の場所から再び感染する
- 対策:家族全員で治療する、公共の場所では素足で歩かない
⑥薬剤が効かなくなる
- 原因:同じ薬剤を長く使い続けて、菌が耐性を持つ
- 対策:医師と相談して、薬剤を変更する
【効果的な水虫治療のポイント】
- 正しい診断を受ける
- 医師の指示通りに治療を完了する
- 生活習慣を改善し、再感染を防ぐ
- 良くならない場合は、すぐに医師に相談する
水虫の完治には時間がかかりますが、適切な治療と生活習慣の改善で多くの場合は治すことができます。
諦めずに根気強く治療を続けましょう。
まとめ
水虫の治療は塗り薬と飲み薬があり、症状や部位に応じて選択します。
市販薬は軽症に適していますが、症状が改善しない場合は医師の処方薬が必要です。
治療中は肝臓への影響に注意し、定期的な検査と飲酒制限が必要です。
水虫の完治には時間がかかり「一発で治す」ことは難しいため、根気強く治療を続けることが大切です。
治らない場合は不適切な治療や誤診、生活習慣の問題、再感染などが原因の可能性があるため、治療に不安がある場合は迷わず医師に相談しましょう。