風邪を引いた時の喉の痛みやイガイガはつらいですよね。
のど飴では効果がない、かといって飲み薬に頼りたくない、そんな時は、喉スプレーという選択肢がおすすめです。
中でも、今回は海外製の「Difflam」という会社が販売している商品をご紹介します。
海外の薬剤は日本人には効果が強いと言われていますが、それを逆手に取って、より強い効果を求める方には特におすすめです。
Difflam Forte Throat Sprayとは?
「Difflam Forte Throat Spray」は、喉の痛みや口内の腫れを和らげるスプレーで、特に扁桃炎や口内炎、手術後の痛み、放射線治療後の粘膜炎などに効果があります。
このスプレーは喉の奥など手の届きにくい場所にも届くため、痛みの原因に直接働きかけ、素早く痛みを和らげてくれます。
60秒以内に効果が出る!
スプレーを使用すると、60秒以内に痛みが和らぐという即効性が嬉しいところ。
飲み薬ならこうはいきませんからね。
スプレーは、外出時にも手軽に持ち運べるコンパクトなデザインが特徴です。
炎症を抑える成分としてベンジダミン塩酸塩を含んでおり、喉や口の腫れや痛みを軽減するのに効果的です。
使用方法と注意点
Difflam Forte Throat Sprayは、6歳以上から使用できます。
12歳以上の人は、1.5~3時間おきに2~4回噴射、6~12歳の子どもには1.5~3時間ごとに2回噴射します。
使用する際は目に入らないよう注意し、長期間(7日以上)の使用は避けましょう。
アレルギー反応が出た場合はすぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。
また、30℃以下で保管し、子どもの手の届かない場所に保管するようにと指示があります。
ベンジダミン塩酸塩とは?
Difflam Forte Throat Sprayにはベンジダミン塩酸塩という成分が含まれていると書きましたが、どのような成分なのかもう少し深掘りしてみましょう。
ベンジダミン塩酸塩は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の一種で、局所麻酔や鎮痛効果を持つ成分です。
主に口腔内や喉の痛み、炎症の緩和に使います。
この成分の特徴は以下の通りです。
- 局所作用型NSAID:直接患部に塗布や噴霧することで効果を発揮します。
- 多機能性:鎮痛、抗炎症、局所麻酔の効果があります。
- 独自の化学構造:インダゾール類似体という構造を持ち、一般的なNSAIDとは異なる特性を示します。
- 弱塩基性:多くのNSAIDが酸性であるのに対し、ベンジダミンは弱塩基性です。
喉スプレーの場合は、上記のうちの「局所作用型NSAID」としての働きが目立ちますね。
ベンジダミン塩酸塩の作用機序
ベンジダミン塩酸塩は、他のNSAIDと同様にシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素の働きを抑制します。
COXは炎症や痛みの原因となるプロスタグランジンの合成に関与しているため、この酵素を抑制することで症状を緩和しているのです。
しかし、ベンジダミン塩酸塩は通常のNSAIDとは異なる特性も持っています。
- 局所麻酔作用:患部の神経終末に直接作用し、痛みを和らげます。
- 抗炎症作用:炎症部位での白血球の活動を抑制し、腫れや炎症を軽減します。
- 抗菌作用:一部の細菌やカビの増殖を抑える効果があります。
これらの特性により、ベンジダミン塩酸塩は特に口腔内や喉の炎症、痛みの治療に適していると言えるのです。
日本製品にベンジダミン塩酸塩を含む喉スプレーはない?
ベンジダミン塩酸塩を含む喉スプレーを検索してみたところ、どうやら日本製の商品にはそのようなものはないようでした。
そこで、喉スプレー自体はあるのに、なぜベンジダミン塩酸塩を含んでいないのか考えてみました。
既存製品で事足りる
まず、日本の市場ニーズと既存製品の存在が大きな要因として挙げられます。
日本国内ではすでに評価の高い喉スプレー製品があり、普及もしています。
ドラッグストアなどでは、風邪薬コーナーに喉スプレーも多く陳列してしますよね。
これらの製品が十分な効果を示していると考えられており、新たな成分を導入する必要性が低いと判断されているのかもしれません。
さらに、日本国内では喉の痛みに対するアプローチが海外とは異なり、うがい薬や漢方薬で対処したい層もいるでしょう。
このような文化的な違いも、新しいタイプの喉スプレーの需要を低下させる要因となっているかもしれません。
安全性への懸念
安全性への懸念も重要な要因です。
日本の規制当局は、特に市販薬に関しては効果の強さよりも安全性を重視する傾向があるように感じます。
市販薬でも効果が得られない場合には、病院へ行ってより効果の強い薬剤をもらう方も多いでしょう。
ベンジダミン塩酸塩の長期使用や高用量使用による潜在的な副作用について、慎重な姿勢を取っている可能性はないでしょうか。
また、日本人を対象とした十分な臨床試験データが不足している場合、承認プロセスが遅れたり、承認されなかったりする可能性もあります。
経済的な理由
経済的な観点からも、製薬会社の戦略が影響している可能性があります。
日本市場向けに新しい製品を開発するコストと潜在的な利益を考慮した結果、ベンジダミン塩酸塩製品の導入を見送っているかもしれません。
また、ベンジダミン塩酸塩の製造や安定供給に関する技術的な課題があり、日本市場への導入を妨げていることも考えられます。
もしかしたら、これらの要因が複雑に絡み合い、ベンジダミン塩酸塩を含む喉スプレーが日本で開発されないのかもしれません。
今後、日本の医療関係者や製薬会社がベンジダミン塩酸塩の有効性と安全性を再評価し、日本市場への導入を検討する可能性もあるでしょう。
ただし、それには臨床試験や規制当局との協議が必要になると思われます。
日本でベンジダミン塩酸塩を含んだ喉スプレーが欲しい場合、個人輸入サイトなどで購入することができます。
Difflam Herbal Mouth Sprayとは?
Difflamには喉のトラブル用の薬剤が他にもあるので、他の2つの選択肢もご紹介します。
まずは、マウススプレーの解説です。
天然成分によるケアができる「Difflam Herbal Mouth Spray」は、プロポリスやエキナセアなど7種類の天然エキスを含むスプレーで、抗炎症、抗菌、抗ウイルス作用があり、本来備わっている免疫防御をサポートします。
口内をスッキリ爽やかに
この製品は口内を健康にしてくれるだけでなく、口の中をスッキリ爽やかに保つため、日常的に使用できます。
また、手軽に持ち運べるサイズで、外出先でも簡単に使用できるのが特徴です。
ミントの香りが爽やかで、家族全員で使用できることもポイントです。
使用方法と成分
Difflam Herbal Mouth Sprayは、必要に応じて2~3回スプレーします。
口内に爽快感が広がり、口臭を防ぐ目的でも使用できます。
主要成分としてプロポリスエキスとエキナセア抽出物を含み、これらが抗炎症・抗菌作用を発揮します。
その他の成分には、水、PEG-40水添ヒマシ油、キシリトール、グリセリン、プロピレングリコール、ユーカリ油、ペパーミント油、ティーツリー油などが含まれています。
このスプレーも30℃以下で保管し、使用時には必要以上に高温な場所に置かないように注意する必要があります。
Difflam Plus Anaesthetic Sore Throat Lozengesとは?
スプレーではありませんが、Difflamからは痛みと炎症を同時にケアできる商品も出ています。
「Difflam Plus Anaesthetic Sore Throat Lozenges」は、喉や口内の痛み、炎症を和らげるトローチです。
このトローチは、抗炎症成分であるベンジダミンと局所麻酔成分のリドカイン、さらに抗菌成分のジクロロベンジルアルコールを組み合わせており、喉の痛みや炎症、口内の感染症を迅速に緩和します。
即効性と持続性のあるケア
このトローチは、喉や口内に潤いを与え、速やかに痛みを和らげてくれます。
特に喉の腫れや赤みを抑える効果が期待でき、扁桃炎や咽頭炎、口内炎、または歯科手術後の痛みの緩和にも適しています。
トローチを口の中でゆっくりと溶かすことで効果が持続し、喉全体にしっかりと行き渡ります。
味はハニーレモンやユーカリ&メントールなどがあるので、好みの味が選べるのも嬉しいですね。
使用方法と注意事項
このトローチは6歳以上から使用でき、必要に応じて2~3時間ごとに1個を口の中で溶かしながら使用します。
1日の最大使用量は12個です。
リドカインの麻酔効果があるので、使用後すぐに熱い飲食物を摂取するのは避けた方が良いです。
また、過剰に摂取すると下痢などの副作用を引き起こす可能性があるため、用法用量を守りましょう。
子どもの手の届かない場所で保管し、未使用の状態で保管する際には湿度の影響を受けないように注意が必要です。
また、製品にアレルギー反応が見られた場合は直ちに使用を中止し、医師に相談してください。
まとめ
今回ご紹介した3つのDifflam製品なら、様々な喉や口内のトラブルに対応できるでしょう。
それぞれの特徴に応じた使用方法があるのも魅力的です。
Forte Throat Sprayは、喉の奥まで届くロングノズルが特徴的で、迅速に痛みを緩和できます。
それに対してHerbal Mouth Sprayは、天然成分を使用し、日常的な口腔ケアとしておすすめです。
そしてPlus Anaesthetic Sore Throat Lozengesは、局所麻酔と抗炎症効果を兼ね備えているため、痛みと腫れを同時に和らげます。
どの製品も、正しい使用方法と注意事項を守ることで効果が期待できるでしょう。