「ラクシードオレンジ」で快便を目指そう！便秘薬のおすすめをご紹介します

適用部位

胃腸

悩みや症状

QOL向上

薬効分類

便秘薬

便秘の種類と原因を理解しよう

便秘の種類や原因は様々です。
ラクシードオレンジのような薬剤を服用するなら、まずは自分の便秘のタイプを理解しておくと良いでしょう。
あなたの便秘は、以下のどのタイプでしょうか。

弛緩性便秘

弛緩性便秘は、大腸の運動が低下することで起こります。
腸管の緊張が緩んでしまい、蠕動運動が十分に行われないため、大腸内に便が長くとどまってしまうのです。
その結果、便から過剰に水分が吸収され、硬くなってしまいます。

このタイプの便秘は最も一般的で、特に女性や高齢者に多く見られます。
症状としては、おなかの張り、残便感、食欲低下だけでなく、一見便秘とは関係ないように思える肩こりや肌荒れ、イライラなども起こることがあります。

弛緩性便秘の主な原因には、運動不足、水分不足、食物繊維の摂取不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなどがあります。
ラクシードオレンジのような浸透圧性下剤は、腸内の水分量を増やすことで、このタイプの便秘に効果を発揮します。

けいれん性便秘

けいれん性便秘は、大腸が過度に緊張することで起こります。
副交感神経の過剰な興奮によって腸管が緊張しすぎてしまい、便がスムーズに運ばれなくなります。
その結果、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるのが特徴です。

このタイプの便秘では、食後に下腹部痛や残便感などの症状が現れることがあります。
また、便秘と下痢を交互に繰り返すこともあります。

けいれん性便秘の主な原因には、精神的ストレスや環境の変化、過敏性腸症候群などがあります。
このタイプの便秘に対しては、ラクシードオレンジのような薬剤に加えて、ストレス管理や生活習慣の改善も重要になってきます。

直腸性便秘

直腸性便秘は別名「習慣性便秘」とも呼ばれ、直腸に便が停滞することで起こります。
便が直腸に達しても排便反射が起こらず、うまく排便できなくなるのが特徴です。

このタイプの便秘は、高齢者や寝たきりの人に多く見られます。
また、痔や排便時の羞恥心などから排便を我慢する習慣がある人にも起こりやすいです。

直腸性便秘の改善には、規則正しい排便習慣の確立が重要です。
ラクシードオレンジのような薬剤治療に加えて、適切なタイミングでのトイレ習慣や、腹圧をかけやすい姿勢の工夫なども効果的です。

ラクシードオレンジとは？

ラクシードオレンジは、慢性便秘や糞便塞栓症（便が腸内に詰まった状態）を改善するために開発された薬剤です。
その主な特徴は、使いやすい粉末形状にあります。
水に溶かして飲むだけで、腸内の水分量を増やし、便を柔らかくすることで排便をスムーズにする効果があります。

有効成分として、マクロゴール3350、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが配合されています。
これらの成分が相乗的に作用し、便秘の症状を緩和します。
電解質が含まれているため、便秘の治療中も体内のナトリウムやカリウムのバランスを保てて安心です。

使用方法と投与量

ラクシードオレンジの使用方法は非常にシンプルです。
薬1袋をコップに入れ、125mlの水を加えて溶かし、よく混ぜてから飲みます。

慢性便秘の場合、通常は1日1～3回、1袋ずつ服用します。
治療期間は通常2週間を超えないようにしなければいけませんが、必要に応じて繰り返すこともできます。

一方、糞便塞栓症の治療の場合は、1日8袋を6時間以内に服用するのが一般的です。
治療期間は通常3日を超えてはいけません。
ただし、心臓疾患がある患者さんは、1時間に2袋以上服用しないよう注意が必要です。

薬を飲める人

ラクシードオレンジは、12歳以上から使用できます。
慢性的な便秘に悩む方はもちろん、オピオイドなどの薬剤による便秘、多発性硬化症やパーキンソン病に起因する便秘など、様々な原因の便秘に対して効果が期待できます。

ただし、腸閉塞や腸穿孔、重度の炎症性腸疾患（潰瘍性大腸炎やクローン病など）がある方には使用が禁忌となっています。
また、成分にアレルギーがある方も使用を避ける必要があります。

作用機序と特徴

ラクシードオレンジの主成分であるマクロゴール3350は、浸透圧性下剤として働きます。
この成分が腸内で水分を含むことで便の水分量が増加し、便が柔らかくなります。
結果として、腸の蠕動運動が促進され、排便がスムーズになるのです。

他の下剤と比較して特筆すべき点は、電解質が配合されていることです。
下痢などの副作用のリスクを軽減しつつ、体内の電解質バランスを維持できるのがメリット。
長く薬剤を飲まなければいけない慢性便秘患者にとっては、この特徴は嬉しいことでしょう。

ラクシードオレンジは、単なる症状の改善だけでなく、患者さんの生活の質（QOL）の向上にも影響します。
慢性便秘は単に排便の問題だけでなく、腹痛や腹部膨満感、さらには精神的なストレスなど、様々な二次的な問題を引き起こすことがあります。

正しい治療でこれらの問題が改善されることで、患者さんの日常生活がより快適になるでしょう。

副作用と注意点

他の薬剤と同様に、ラクシードオレンジにも副作用の可能性があります。
最も一般的なのは胃腸関連の症状で、腹痛、下痢、吐き気、腹部膨満感などが報告されています。
これらの症状の多くは、用量を調整することで改善されることが多いです。

まれですが、アレルギー反応や電解質異常などの重大な副作用も報告されています。
そのため、使用中に異常を感じた場合は、すぐに医療専門家に相談してください。

また、ラクシードオレンジには比較的高濃度のナトリウムが含まれているため、減塩食を摂っている方は特に注意が必要です。
1袋あたり187mgのナトリウムが含まれており、これはWHOが推奨する1日の最大摂取量の約9%に相当します。

ラクシードオレンジの効果をきちんと出すには水分摂取が欠かせません。
この薬剤は水に溶かして飲むため、十分な水分補給ありきとなっています。
便秘には普段からの十分な水分摂取を心がける必要があるので、こまめに飲むようにすると良いでしょう。

また、ラクシードオレンジの使用中は、他の医薬品の吸収に一時的な影響が出る可能性があります。
特に、抗てんかん薬などの効果が低下する可能性が報告されています。
そのため、ラクシードオレンジの服用前後1時間は他の医薬品の服用を避けることが推奨されています。

日本の便秘薬との比較

ここで興味深いのは、日本における便秘治療の現状です。
日本でも慢性便秘は大きな問題となっていますが、治療アプローチに若干の違いがあります。

日本国内では長年、ピコスルファートナトリウム（ラキソベロンなど）のような大腸刺激性下剤や、酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤が使用されてきました。
近年では、ルビプロストン（アミティーザ）、リナクロチド（リンゼス）、エロビキシバット（グーフィス）など、新しい作用機序を持つ薬剤も登場し、選択肢が増えています。

しかし、ラクシードオレンジのようなポリエチレングリコール（PEG）製剤は、日本国内では長らく慢性便秘の治療薬としては承認されていませんでした。
PEG製剤は欧米のガイドラインでは推奨されているにもかかわらず、日本国内では腸管洗浄剤（モビプレップなど）としてのみ使用されてきたのです。

この状況に変化が訪れたのは2018年9月のことです。
この時、モビコール配合内用剤という名称で、日本初のPEG製剤が慢性便秘症の治療薬として承認されました。
モビコールはラクシードオレンジと同様に、マクロゴール（日本国内ではマクロゴール4000を使用）と電解質を含む配合剤です。

モビコールが承認されたことで、日本の便秘治療にも新たな選択肢が増えました。
特に、2歳以上の小児にも使用できる点が画期的でした。
日本の小児便秘治療では、これまで浸透圧性下剤から始めて効果が不十分な場合に大腸刺激性下剤を追加するのが一般的でしたが、モビコールの登場により、より安全で効果的な治療オプションが増えたと言えるでしょう。

ラクシードオレンジとモビコールの類似点は多いですが、細かな違いもあります。
例えば、使用されているマクロゴールの分子量が違います（ラクシードオレンジは3350、モビコールは4000）。

また、適応年齢や最大投与量にも若干の違いがあります。
しかし、基本的な作用機序や期待される効果は非常に似ています。

日本での便秘治療においては、生活習慣の改善も重要視されています。
適度な運動や食物繊維の摂取、規則正しい排便習慣を持つなど、非薬物療法も重要な役割を果たします。
ラクシードオレンジやモビコールのような薬剤治療は、これらの生活習慣改善と併用することで、より効果的な結果が得られるでしょう。