痔になると、椅子に座るのも痛くて困りますよね。
専用の椅子を持ち歩くなど多少の対処はあるものの、やはり早く治すためにも薬剤に頼りたいもの。
今回は、そんなつらい痔の薬剤を3つご紹介します。
それぞれ海外の薬剤なのですが、坐薬の他にクリームと軟膏があり、シリーズとなっています。
もちろん日本の薬剤でも良いのですが、効き目には個人差があるため、海外の薬剤を試してみたい方におすすめです。
どのタイプの痔か見極めよう
痔とは、肛門や直腸の血管が腫れたり炎症を起こしたりする状態を指します。
主に以下の2種類があります。
- 内痔核:肛門の内側に発生し、排便時の出血や痛みを引き起こします。
- 外痔核:肛門の外側に発生し、痛みや腫れを伴います。
痔の主な症状には、出血や痛み、かゆみ、腫れ、不快感などがあります。
原因としては、慢性的な便秘や下痢、長時間の座位、妊娠、加齢などが挙げられます。
多くの場合、生活習慣の改善(食物繊維の摂取増加、十分な水分補給、規則的な排便習慣など)と局所的な治療(軟膏や坐薬の使用)で症状を管理できます。
しかし、症状が重度の場合や長期間続く場合は、医療処置や手術が必要になることもあります。
痔は生命を脅かす病気ではありませんが、日常生活の質を著しく低下させることがあるため、早期の対処が重要になってきます。
1. ゲルモロイド坐薬
痔のとして最初にご紹介するのは、「ゲルモロイド坐薬」という薬剤です。
ゲルモロイド坐薬は、痔の症状を緩和するために作られたの製品で、Germoloids(ゲルモロイド)という会社から販売されています。
この製品は、特に内痔核(痔核)に伴う痛みやかゆみに対して即効性があります。
実は、ゲルモロイドは麻酔薬を配合した英国ナンバーワンの痔の治療ブランドとして知られています。
長年の実績と信頼性により、多くの患者さんから支持を得ています。
4つの効果を1度に得られる
ゲルモロイド坐薬の特徴的な点は、「4in1治療法」です。
以下の4つの効果を1つの薬剤で得られるという意味です。
- 局所麻酔による痛みの緩和:塩酸リドカインという局所麻酔薬を含有しており、痔による痛みを素早く和らげます。
- かゆみを和らげる:痔に伴う不快なかゆみを抑制します。
- 痔核を縮小:腫れた痔核を小さくする効果があります。
- 感染予防:敏感になった部位を感染から守ります。
主な成分と効果
ゲルモロイド坐薬の主要成分は以下の通りです。
- 塩酸リドカイン(0.7%):局所麻酔薬として機能し、痛みやかゆみを即座に緩和します。
- 酸化亜鉛(6.6%):収斂作用と防腐作用があり、痔核を小さくし、感染を予防してくれます。
- サリチル酸メチル:抗炎症作用があり、痔の炎症を抑えます。
- トリステアリン酸グリセリル:坐薬の基剤として使用され、有効成分を治療部位に伝えます。
これらの成分が相乗的に作用することで、痔の症状を総合的に改善するのです。
使用方法と用量
ゲルモロイド坐薬の使用方法は以下の通りです。
- 対象年齢:12歳以上
- 使用タイミング:就寝時、朝の排便後(可能であれば排便直後)
- 挿入方法:直腸に坐薬を1つ挿入します。
- 追加使用:必要に応じて日中も使用可能ですが、使用間隔は最低3~4時間空けてください。
- 1日の最大使用量:24時間以内に4個を超えないようにしてください。
12歳未満の子どもに使用する場合は、必ず医師の指示に従ってください。
製品の特徴
ゲルモロイド坐薬は海外製らしく、ベジタリアン対応という特徴もあります。
動物由来の成分を含まないため、ベジタリアンの方が安心して使用できるというわけです。
また、医師の指導のもと、妊娠中や授乳中の女性も使用できます。
12個入りと24個入りの2種類のパックがあるので、まずはお試しで使ってみたいという方には12個入りを、効果を感じられ、継続して使いたいという方には24個入りをおすすめします。
2. ゲルモロイドクリーム
痔の症状がつらいけれど、坐薬を入れるのが苦手という方には「ゲルモロイドクリーム」がおすすめです。
ゲルモロイドクリームは、痔の症状を迅速かつ効果的に緩和するために開発された製品です。
このクリームは、ゲルモロイドシリーズの中でも特に使いやすく、内痔核と外痔核の両方に適用できる汎用性の高い製品です。
期待できる効果
ゲルモロイドクリームも、坐薬と同様に「4in1」であり、以下の効果が期待できます。
- 局所麻酔による痛みの緩和
- かゆみを和らげる
- 痔核を縮小
- 感染を予防
これらの作用により、痔に伴う不快な症状を総合的に改善します。
主な成分と効果
ゲルモロイドクリームの主要成分は以下の通りです。
- 塩酸リドカイン(0.7%w/w):局所麻酔薬として機能し、痛みやかゆみを即座に緩和します。
- 酸化亜鉛(6.6%w/w):収斂作用と防腐作用があり、痔核を小さくし、感染を予防します。
- ポラワックス:クリームの基剤として使用され、有効成分を効果的に伝えます。
- 白色ソフトパラフィン:保湿効果があり、肌を保護します。
- サリチル酸メチル:抗炎症作用があり、痔の炎症を抑えます。
- ヒドロキシ安息香酸メチル・ブチル:防腐剤として機能し、製品の品質を保ちます。
使用方法と用量
ゲルモロイドクリームの使用方法は以下の通りです。
- 対象年齢:12歳以上
- 使用頻度:1日2回以上、ただし使用間隔は最低3~4時間空けてください。
- 使用タイミング:一日のどの時間でも使用可能ですが、排便後の使用が推奨されています。
- 1日の最大使用回数:24時間以内に4回を超えないようにしてください。
- 外痔核の場合:患部に直接塗布します。
- 内痔核の場合:使用前にアプリケーターにクリームを少量塗ります。
アプリケーターを肛門にそっと挿入し、チューブを慎重に絞ってクリームを行き渡らせます。
使用後は必ずアプリケーターをすすいでください。
製品の特徴
坐薬と違い、クリームなので内痔核と外痔核の両方の症状緩和に効果的なのが嬉しい点です。
また、水ベースのクリームになっているため、患部に潤いを与え、鎮静効果をもたらしてくれる特徴もあります。
衛生的なアプリケーターがあり、内痔核への適用も簡単です。
25mlと55mlのチューブがあるので、お好きな方を購入してみてください。
3. ゲルモロイド軟膏
ゲルモロイド軟膏は、ゲルモロイドシリーズの中でも特に持続的な効果を期待できる製品です。
油性ベースの処方により、長時間にわたって患部を保護し、症状を緩和します。
ゲルモロイド軟膏も、他の製品と同様に局所麻酔による痛みの緩和や、かゆみを和らげる効果、痔核を縮小する効果、感染を予防する効果が期待できます。
主な成分と効果
ゲルモロイド軟膏の主要成分は以下の通りです。
- 塩酸リドカイン(0.7%):局所麻酔薬として機能し、痛みやかゆみを即座に緩和します。
- 酸化亜鉛(6.6%):収斂作用と防腐作用があり、痔核を小さくし、感染を予防します。
- 黄色ソフトパラフィン:軟膏の基剤として使用され、有効成分を効果的に伝えます。 また、保護膜を形成し、患部を外部刺激から守ります。
- 無水ラノリン:保湿効果が高く、肌を柔らかく保ちます。
- サリチル酸メチル:抗炎症作用があり、痔の炎症を抑えます。
- プロピレングリコール:保湿剤として機能し、また他の成分の浸透を助けます。
- メントール結晶:清涼感を与え、かゆみを抑制します。
使用方法と用量
ゲルモロイド軟膏の使用方法は以下の通りです。
- 対象年齢:12歳以上
- 使用頻度:1日2回以上、ただし使用間隔は最低3~4時間空けてください。
- 使用タイミング:一日のどの時間でも使用可能ですが、排便後の使用が推奨されています。
- 1日の最大使用回数:24時間以内に4回を超えないようにしてください。
- 外痔核の場合:患部に直接塗布します。
- 内痔核の場合:クリームと同様で、使用前にアプリケーターに少量の軟膏を塗ります。
アプリケーターを肛門の開口部に静かに挿入し、チューブを軽く押して少量の軟膏を塗布します。
使用後は必ずアプリケーターをすすいでください。
製品の特徴
軟膏もクリームと同じく、内痔核と外痔核の両方の症状緩和に効果的です。
ただ、油性ベースの軟膏になっている点がクリームと異なります。
油性ベースの軟膏は、水ベースのクリームよりも長時間患部に留まる傾向があります。
そのため有効成分が徐々に放出され、より持続的な症状緩和効果を発揮します。
特に夜間や長時間の外出時など、患部に頻繁に軟膏を塗れない場合に適しています。
保護バリアの形成ができるのも軟膏の特徴です。
軟膏は患部に保護膜を形成し、外部刺激や摩擦から敏感な組織を守ります。
外痔核の治療や、日中の活動が多い患者さんにおすすめです。
また、無水ラノリンやプロピレングリコールなどの成分により、軟膏は高い保湿効果を持ちます。
乾燥によるかゆみや刺激を防ぎ、組織の癒合を促してくれます。
軟膏にはメントールによる追加効果も期待できるでしょう。
メントール結晶の配合により、清涼感とともにかゆみ抑制効果が得られます。
かゆみが主な症状である患者さんにおすすめです。
まとめ
ゲルモロイドの商品は、どれも痔の不快な症状を和らげてくれます。
坐薬、クリーム、軟膏それぞれに特徴があるため、自分が使いやすいものを選びましょう。
痔が内側にできやすい方は坐薬も使えますが、痔が外側に出来たのか内側に出来たのかわからない場合は、どちらにも使用できるクリームや軟膏がおすすめです。
「最初は病院へ行っていたけれど、定期的に痔になるので自分で薬を選びたい」、そんな方は海外製品も視野に入れると、選択肢が大幅に広がるでしょう。