五大栄養素の1つであるビタミンには13もの種類があり、私たちの身体に様々な働きをもたらしてくれます。
なかでも、若返りのビタミンとも呼ばれるビタミンEは、主に皮膚科で処方されるユベラという薬剤の主成分として使用されています。
今回は、ビタミンEの特徴やユベラの効果や副作用、長期服用の問題点を解説していきます。
併せて、ユベラが販売中止となった理由にも触れ、他のビタミンEの薬剤やサプリメントを紹介していきます。
ビタミンEの薬ユベラとは
ビタミンEを主成分として配合しているユベラは、1938年にエーザイ株式会社の前身である桜ヶ岡研究所が開発した日本初のビタミンE剤です。
ここではビタミンEの特徴、ユベラの効果・副作用について確認していきます。
ユベラの主成分ビタミンEの特徴
別名トコフェロールとも呼ばれるビタミンEは、4種のトコフェロールと4種のトコトリエノールの総称であり、脂溶性ビタミンの1つです。
脂溶性ビタミンは身体の中に蓄積されやすい性質がありますが、ビタミンEに限っては摂取量の2/3が便に排泄されるため、過剰摂取となりにくいのが特徴です。
ビタミンEは強い抗酸化作用があり、体内で過酸化脂質が生成されるのを抑え、血管を健康に保ったり、細胞の酸化を防いだりして老化を防止する効果があります。
さらにビタミンEには血液の流れを良くする働きやホルモンバランスを整える作用もあるとされています。
ビタミンEが不足すると神経や筋障害などの症状が現れるのに加え、抗酸化力がなくなることからシミやシワができやすくなると言われています。
反対に過剰に摂取すると、血液が止まりにくくなるなどの問題が起きますが、ビタミンEは身体に蓄積されにくい性質のため、通常の食事を摂取している分には過剰症は起こりにくいでしょう。
ユベラの効果
ビタミンEを主成分としたユベラには次のような効果があります。
- ビタミンE欠乏症の治療・予防効果
- 血液の流れをスムーズする効果
- 体内で発生する過酸化脂質を抑制する効果
ビタミンE欠乏症は新生児や脂肪吸収障害の方に起こりやすく、目や肺に障害が起きたり神経機能に異常が現れたりするのに加え、寿命が低下してしまう恐れがあります。
ビタミンC欠乏症は、ユベラなどの薬剤を使用して身体にビタミンEを充足させると改善するとされています。
また、しもやけなどの末梢神経障害に対しても、ユベラの血液循環を促進させる効果が有効であると認められています。
この血液の循環をスムーズにする作用と過酸化脂質を抑制する抗酸化作用があることから、ユベラには肌の新陳代謝を正常化させて老化を抑える効果も期待できます。
注意点として、ネットで「ユベラで痩せる」という口コミを見かけることがありますが、ユベラに?身効果はありません。
ユベラを始めとする医薬品には副作用のリスクもあるため、認められている効能以外の使用方法、つまりダイエット目的で使用するのは避けましょう。
ユベラの副作用
ユベラは栄養素の1つであるビタミンEが主成分ではありますが、薬剤なので副作用のリスクがあります。
主な副作用として次のような症状が見られる可能性があります。
- 便秘
- 胃部不快感
- 下痢
- 過敏症
- 発疹
このような症状が現れた時には、医師や薬剤師に相談しましょう。
また、ユベラを用量を超えて使用したり、長期服用を続けたりすると過剰症を引き起こす恐れがあります。
ユベラは医薬品なので勝手に量や期間を変更するのはやめ、医師の指示に従って使用してください。
なお、ユベラには飲み合わせに注意が必要な薬剤や食品はないとされていますが、過剰摂取を避けるためにも他の薬剤やサプリメントなどを服用する時には、同じ成分であるビタミンEが配合されていないことを確認してください。
禁忌もありませんが、胎児や母乳への移行の可能性があることから、妊娠中や授乳中の方への投与には注意が必要とされています。
ビタミンEの薬ユベラが販売中止となった理由
ユベラと名前がつく薬剤には様々な種類があり、過去には「ユベラ顆粒」「ユベラN顆粒」も販売されていましたが、最終生産品の使用期限を経過したため、2010年10月に販売中止となりました。
現在のユベラの医療用医薬品の内服薬には、「ユベラ錠」「ユベラNカプセル」「ユベラNソフトカプセル」の3種類があります。
どの薬剤もビタミンEが含まれているのは同じですが、「ユベラ錠」は含有されている酢酸エステルにより末梢血流の改善や過酸化脂質の増加防止に用いられ、「ユベラNカプセル」「ユベラNソフトカプセル」は配合されているニコチン酸エステルにより末梢血流の改善や高脂血症の治療に使用される違いがあります。
また、ユベラやユベラNのジェネリック医薬品として「トコフェロール酢酸エステル錠」や「トコフェロールニコチン酸エステルカプセル」などが各社で製造されています。
内服薬以外にも外用薬として「ユベラ軟膏」があり、しもやけや手荒れの改善に使用されます。
ユベラ軟膏にはビタミンEの他に、皮膚の代謝機能を促して角化を抑える効果のあるビタミンAが含有されているのが特徴です。
ユベラ以外のビタミンEの薬・サプリメント
ユベラを処方してもらうには、医療機関で医師の診断を受ける必要があります。
ただし、ユベラはビタミンEの欠乏症やしもやけの治療では保険適用されるものの、美容目的では自費で負担しなければなりません。
また、医師の診断結果によっては、希望していないユベラ以外の薬剤が処方される可能性もある点には注意が必要です。
このような時に心強い味方となるのが、ユベラと同じ成分ビタミンEを主成分とする市販薬やサプリメントの存在です。
ここでは、ビタミンEの市販薬とサプリメントについて紹介していきます。
ビタミンEの市販薬
ビタミンEが配合された薬剤は、薬局やドラッグストアで市販薬として販売されています。
市販薬は処方薬よりも安全性を重視して設計されているため、有効成分の含有量は少なく、効果が穏やかなものが多いです。
製品ごとにビタミンE以外に配合されている成分が異なるため、血行を促進させて肩こりに効果的なもの、シミや色素沈着に効果的なものなど、効能もそれぞれ違います。
このような理由からも、ビタミンEの市販薬は悩んでいる症状に合ったものを選択するとよいでしょう。
また、安全性が高いとは言え、副作用のリスクが全くないわけではありません。
用法用量を正しく守り、体調に異変を感じた時には医師や薬剤師に相談してください。
ビタミンEのサプリメント
ビタミンEは処方薬や市販薬の他に、食品に位置付けられているサプリメントも販売されています。
サプリメントは日々の食生活の補助的な役割として使用する錠剤で、薬局やドラッグストア、コンビニなどの小売店で購入できる製品です。
また、サプリメントは特に飲むタイミングが決められていませんが、ビタミン類のサプリメントは食事と一緒に摂ることで吸収率がアップするとされています。
さらに脂溶性ビタミンであるビタミンEは油に溶けやすい性質を持つため、油の多い食事を食べるタイミングがおすすめです。
しかしながら、飲むタイミングはあくまでおすすめのため、過度に神経質にならなくても問題ありません。
ビタミンEが多い食品
ビタミンEを不足させないためには、日頃からバランスの良い食事を心掛けることが大切です。
ここではビタミンEが多く含まれる食品を紹介していきます。
毎日の食事に少しずつ取り入れるよう意識していきましょう。
植物性食品
野菜やフルーツなどを始めとする植物性食品の中でビタミンEが多く含まれるのは、次のような食品です。
- ナッツ類
- モロヘイヤ
- かぼちゃ
- 緑茶
- ブロッコリー など
ビタミンEはアーモンドやヘーゼルナッツなどのナッツ類に多く含まれています。
また、モロヘイヤやかぼちゃ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜にも豊富なため、日々の食事に取り入れていくとよいでしょう。
外食などのお付き合いで食事が選べない時には、休憩時間に煎茶や抹茶、玉露などの緑茶でひと息入れるのもおすすめです。
動物性食品
肉や魚などの動物性食品の中でビタミンEが多く含まれる食材には次のようなものがあります。
- すじこ・いくら
- ツナ缶
- ウナギ
- 卵
ビタミンEは動物性食品の中では魚類に多く含まれます。
魚の調理が難しい時には、ツナ缶などの缶詰を取り入れると手軽にビタミンEが補給できるでしょう。
朝食やお弁当などに利用しやすい卵にも豊富に含まれています。
ビタミンEの薬剤やサプリメントで豊かな生活を
ビタミンEは、強い抗酸化作用や血液の流れをスムーズする作用のある栄養素です。
脂溶性ビタミンに分類されますが、摂取量の2/3は体外に排出される特徴があります。
ビタミンEが不足すると神経や筋障害などの症状やシミやシワができやすくなるため、日々意識して摂取していくことが大切です。
ユベラはビタミンEが豊富に含まれている薬剤ですが、処方してもらうには医師の診断を受ける必要があるうえに美容目的では保険適用されません。
さらに効果が高いために副作用のリスクもあるため、病気の治療目的以外での使用はおすすめできません。
そのため、食事の補助としてビタミンEを取り入れたい時には、サプリメントを利用するのも1つの手段です。
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