抗アレルギー薬を飲み続けるとどうなる？アレグラなどの鼻炎薬は長期服用しても大丈夫なのか？

適用部位

目・眼

悩みや症状

花粉症

薬効分類

抗アレルギー薬

抗アレルギー薬とは

抗アレルギー薬は花粉症や鼻炎などの時に使用する薬剤で、内服薬や点鼻薬、点眼薬などの様々な剤型があります。

多種多様な成分が抗アレルギー薬として使用されていますが、現在主流となっているのが、第2世代抗ヒスタミン薬という種類の薬剤です。
そのため、ここからは第2世代抗ヒスタミンの内服薬を中心とした抗アレルギー薬について解説をしていきます。

第2世代抗ヒスタミン薬の市販薬

第2世代抗ヒスタミン薬の市販薬には、以下のような製品があります。

アレグラFX
アレジオン20
ストナリニZジェル
クラリチン
新コンタック鼻炎Z

これらの第2世代抗ヒスタミン薬は薬局やドラッグストアで購入できる身近な抗アレルギー薬のため、知っている方も多いのではないでしょうか。
製品によって1日1回で効いたり、眠くなりにくかったりするなどの特徴があります。

また、花粉症のシーズンになると、60日分や120日分の薬剤が1箱に入った大容量の商品が商品棚にずらっと並ぶことも珍しくありません。

効果

第2世代抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬は、体内でアレルギー反応を引き起こす働きを阻害して、花粉症やアレルギー性鼻炎による鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみなどを緩和する薬剤です。
また、鼻以外にもアトピーなどの痒みを抑えるために使用することもあります。

製品ごとに主成分が異なるため、効かないと感じた時には他の成分が配合された製品を試してみるのも1つの手段です。

副作用

副作用は配合された成分によって多少異なるのですが、第2世代抗ヒスタミン薬の主な副作用は眠気や集中力の低下、口の渇きなどです。

眠気や集中力低下などを引き起こす可能性がある成分が含まれている抗アレルギー薬には、運転や機械操作に関する注意書きの記載があります。
どうしても運転や機械操作をする必要がある場合には、アレグラやクラリチンなど眠くなりにくい薬剤を選択するとよいでしょう。

抗アレルギー薬を飲み続けても大丈夫なのか？

このようにアレルギー反応を抑えてくれる抗アレルギー薬は症状の性質上、長期間するケースも少なくありません。
例えば、スギ花粉シーズンになると、早いと2月頃から約2～3ヵ月飲み続ける方もいらっしゃるのではないでしょうか。

さらに昨今では、スギ花粉に限らず、ヒノキ、イネ、ブタクサに加え、ダニやハウスダストなど1年中何かしらのアレルギーの原因物質があり、数年単位の長期服用をしている方もいるかもしれません。

このような時に心配になるのが「抗アレルギー薬を飲み続けても大丈夫なのか」「長期服用は問題ないのか」はないでしょうか。
ここではアレルギー薬の長期服用とその問題について解説していきます。

飲み続けても大丈夫

抗アレルギー薬は安全性が高い薬剤とされているため、毎日服用や長期服用に関してそれほど神経質にならなくても大丈夫とされています。

特にアレグラなどの第2世代抗ヒスタミン薬は症状が始まる少し前から飲み始め、症状が改善しても良い状態を保つために花粉の飛散が終わるまで飲み続けることで症状が改善しやすくなる効果があると言われています。

また、年中症状が出るようなハウスダストアレルギーやアトピーなどでは、もっと長い期間服用を続けるケースがあるかもしれません。
そのような場合でも、副作用が起きていないのであれば、基本的に飲み続けても問題ないとされています。

長期服用で心配な副作用

しかしながら、どんなに安全性が高い薬剤であっても副作用の恐れはあります。
抗アレルギー薬を服用して眠気や集中力低下、口の渇きなどの副作用が現れた時には医師や薬剤師に相談してください。

さらに抗アレルギー薬が肝臓で代謝されることから、長期服用の際には肝障害や腎障害にも気を配る必要があります。
ごく稀に現れる副作用のため、過度な心配はいらないとされていますが、不安がある場合には定期的に血液検査で肝臓の状態を確認しておくとよいでしょう。

飲み合わせにも注意

また、抗アレルギー薬は飲み合わせに注意が必要となる薬剤があります。
例えば、アレグラは以下の薬剤との併用を禁止されています。

他の抗アレルギー薬
抗ヒスタミン成分が配合された内服薬
制酸剤
エリスロマイシン
アパルタミド

特に抗ヒスタミン成分が配合された内服薬には、風邪薬や鎮咳去痰薬、乗物酔い薬などがあります。
抗アレルギー薬を服用中に他の病気などの薬剤を飲む場合は、必ず医師や薬剤師に相談してから使用してください。

抗アレルギー薬をやめるタイミング

抗アレルギー薬は安全性が高い薬剤ではありますが、副作用がゼロではないため、特に長期間服用を続ける時には、いくら「大丈夫」と言われても多少なりとも不安は残ってしまうのかもしれません。
そのような時はタイミングを見て、薬剤を中断したり、減らしたりするのも1つの手段です。

そもそも抗アレルギー薬は症状を抑えるための薬剤であって、アレルギーを治す薬剤ではありません。
そのため、原因物質が減ったり、症状が落ち着いたりしている時には薬剤を中断したり、減らしたりできます。
長期服用に対して不安が強い場合には、このように体調と症状のバランスを確認しながら調整して服用してみるのもよいでしょう。

しかしながら、アレグラなどは飲み続けることで効きやすくなる抗アレルギー薬であるため、できるだけ継続して服用していく方が効果的であるとも言えます。
これらのことを踏まえて、抗アレルギー薬との付き合い方を考えていく必要があるでしょう。

抗アレルギー薬と併用したいアレルギー改善方法

抗アレルギー薬は比較的安全性が高い薬剤ではありますが、飲み続けることに対して不安を感じる方もいるかもしれません。
ここでは抗アレルギー薬だけに頼るのではなく、日常生活の改善や内服薬以外の手段でアレルギーを改善していく方法を紹介します。
日々、少しずつ取り入れながら、辛い症状を緩和していきましょう。

アレルギーの原因物質を避ける

まずはアレルギー症状の原因となる物質が体内に入らないような工夫をしましょう。
花粉アレルギーであればマスクや眼鏡をしたり洗濯物の外干しを避けたり、ハウスダストアレルギーであれば部屋の掃除をこまめにしたり布団に潜むダニを掃除機で吸い取ったりします。

また、手洗いやうがいもアレルギー物質を洗い流す効果があります。
可能であれば、鼻粘膜についてしまったアレルギー物質を洗浄液で洗い流す鼻うがいも効果的です。
慣れるまでは難しいかもしれませんが、続けていくうちにコツが掴めるでしょう。

食生活に気を付ける

アレルギー物質は目や鼻だけでなく、乾燥した皮膚や荒れた皮膚からも体内に入ってくることから、皮膚の機能を正常に保ってアレルギー症状を抑えるためには食生活にも気を配る必要があります。

東洋医学では、身体の冷えから衛気というエネルギーが不足して肌荒れに繋がるとされています。
そのため、身体を冷やすと言われているアイスクリームやジュースなどの冷たい食べ物や、刺身や生野菜などの生もの、ケーキやチョコレートなどの甘いものは避けるようにしましょう。

また、解毒作用のある肝臓に負担をかけるアルコールや、刺激の強い香辛料などにも気をつけてください。

しっかり休養する

疲れやストレスは自律神経を乱してアレルギー症状を悪化させてしまうため、しっかり休養をとり、体調を整えることも大切です。

自律神経を正常に保つためには、就寝・起床時間ができるだけ一定になるよう生活リズムを整え、適度な運動をするとよいでしょう。
ストレスをためないためにも趣味や気分転換を取り入れ、心身ともに健やかな状態でいることを心掛けてください。

点鼻薬・点眼薬を併用する

アレルギー物質を避けたり、日常生活に気を配ったりしてもなかなか改善が見込めない時には、点鼻薬や点眼薬を使ってみるのも1つの手段です。

点鼻薬や点眼薬は鼻や目に対して局所的に使用するため、ピンポイントで症状緩和が期待できるうえに、体内に薬が回りにくく内服薬に比べて副作用の全身症状が起きにくいメリットがあります。
「鼻水だけ」「目のかゆみだけ」など、一部分だけに症状が出ているだけであれば、飲み薬ではなく点鼻薬や点眼薬などの外用薬を試してみるのもよいかもしれません。

また、点鼻薬や点眼薬は内服薬と併用することも可能なため、症状が辛い時には両方使用していくなどの使い方もできます。