「プロペシアはどうやって薄毛を改善するの？」
「プロペシアとミノキシジルの違いは？」
このような疑問を持っている人は少なくないのではないでしょうか。

この記事では、AGA治療薬であるプロペシアがどのように働いているのか、服用方法や注意点などについて徹底解説。

同じくAGA治療薬である、ミノキシジルとの違いについても紹介します。
この記事を読めば、プロペシアについての理解を深められます。

AGAに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

プロペシアは日本初のAGA治療薬

プロペシアは、1997年にメルク社(アメリカ)により開発されたAGA治療薬です。
日本国内では2005年に厚生労働省から承認を受け、AGA治療薬として国内で初めて発売されました。

プロペシアには「フィナステリド」という有効成分が含まれています。
フィナステリドの働きにより、抜け毛を抑制する効果が得られているのです。

プロペシアがAGAに効果を発揮するメカニズム

プロペシアがAGAに効果を発揮するメカニズムを解説します。
まずは、そもそもAGAがどのように発生するのかについて見ていきましょう。

AGAが発生するメカニズム

AGAが発生するメカニズムにおいて、重要な物質が男性ホルモンである「テストステロン」です。
テストステロンは、「Ⅱ型5α還元酵素」という物質の働きにより、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という物質に変化します。

ジヒドロテストステロンがターゲットとしているのは、毛包に存在する受容体という場所です。
ジヒドロテストステロンが受容体に結合すると、毛包にある「毛母細胞」という細胞の増殖が抑制されます。
その結果、髪の毛の成長期が短縮してしまうのです。

ここで、正常な髪の毛について少し説明しましょう。
私たちの髪の毛は、基本的に成長期か休止期のいずれかに該当しており、この周期を繰り返しています。

ジヒドロテストステロンの影響で成長期が短縮すると、その分休止期の割合が大きくなります。
十分に成長できない髪の毛は、周期を繰り返すにつれ細く・短くなっていき、最終的に抜けてしまいます。

以上のような、テストステロンによる脱毛の進行がAGAのメカニズムです。

プロペシアが作用するメカニズム

プロペシアに含まれる有効成分のフィナステリドには、Ⅱ型5α還元酵素の働きを阻害する作用があります。
働きを阻害されたⅡ型5α還元酵素は、テストステロンをジヒドロテストステロンに変化させられません。

その結果、ジヒドロテストステロンによる髪の毛の成長期短縮にストップがかかります。
このようなメカニズムで、プロペシアはAGAに対して効果を発揮しているのです。

プロペシアの飲み方

プロペシアには、プロペシア錠0.2mgとプロペシア錠1mgの2種類があります。
有効成分や添加剤などに関して、両者に違いはありません。

一日あたりの使用量は、通常0.2mgを1回経口投与です。
必要に応じて増量は可能ですが、上限は1日1mgと決められています。

プロペシアを服用するタイミングは決められていません。
飲み忘れを防ぐためにも、毎日同じタイミングでの服用が推奨されます。

プロペシアを飲み続ける期間は、効果が現れるまでの期間によって左右されます。
人によっては、3ヵ月ほどの服用で効果が現れる場合があるものの、通常は効果が確認できるまで6ヵ月の連日投与が必要です。

もし、6ヵ月以上飲み続けても効果が確認できない場合は服用を中止します。
場合によっては6ヵ月以上服用するケースもありますが、定期的な効果の確認と継続投与が必要かどうかの検討が必要です。

プロペシアの注意点

プロペシアの注意点を、副作用と禁忌(使ってはいけない)の観点から解説します。
安全に服用するためにも、しっかりと把握しておきましょう。

プロペシアの副作用

プロペシアにより起こり得る副作用としては以下が挙げられます。

• 過敏症：皮膚の痒みや蕁麻疹、発疹など
• 生殖機能障害：性欲減退や勃起機能不全、射精障害、精液量減少、睾丸痛、男性不妊症、精液の質低下など
• その他：乳房圧痛や乳房肥大、抑うつ、めまいなど

発生する頻度は低いものの、重度の肝機能障害が生じる可能性もあります。
肝機能障害の主な症状は、全身倦怠感や食欲低下、黄疸や吐き気などです。

これらの副作用が生じた場合は服用の中止を検討する必要があるため、医療機関を受診しましょう。

プロペシアの禁忌

プロペシアの禁忌(服用してはいけない人)は以下の通りです。

• フィナステリドに対してアレルギー反応を起こしたことがある人
• 妊婦/妊娠している可能性がある女性/授乳中の女性

ジヒドロテストステロンは、男子胎児の生殖器官の正常発育に関わっています。
プロペシアにはジヒドロテストステロンを低下させる作用があるため、妊婦が禁忌となっているのです。

禁忌ではありませんが、以下のような人は注意する必要があります。

• うつ病患者：因果関係は明らかでないものの、自殺念慮・自殺企図が報告されているため
• 肝機能障害患者：プロペシアは肝臓で代謝されるが、肝機能障害がある場合、上手く代謝できない可能性があるため
• 高齢者：一般的に高齢者では生理機能が低下しており、有効性は確立していないため

プロペシアを服用するにあたって気になる事柄がある人は、遠慮せずに医師に相談しましょう。

プロペシアの購入方法

プロペシアは、医師による処方が必要な処方箋医薬品に該当します。
そのため、一般的なドラッグストアや薬局では買えません。

なお、プロペシアには効果が同じであるジェネリック医薬品が数多く存在します。
ジェネリック医薬品であれば、通販サイトでも購入可能です。

ただし、通販サイトを通して医薬品を購入する場合、安全性に関するリスクは否定できません。
心配な方は医療機関を受診し、医師からプロペシアを処方してもらうと良いでしょう。

プロペシアとミノキシジルの比較

プロペシアと同様に、AGAに対して広く使われている治療薬がミノキシジルです。
プロペシアとミノキシジルでは以下のように、作用するメカニズムや使用方法が異なります。

プロペシアとミノキシジルのどちらを使えば良いのかは、脱毛の状態や範囲により異なります。
作用するメカニズムが異なるため、両者を併用するケースも少なくありません。

ミノキシジルがAGAに効果を発揮するメカニズム

ミノキシジルは、以下のようなメカニズムでAGAに対して効果を発揮しています。

• 直接的作用：毛包に直接作用し、毛母細胞の増殖を促す→休止期から成長期への移行を促進される
• 間接的作用：毛包周囲の毛細血管を拡張し、血流を良くする→毛包に栄養や酸素が十分に供給され、発毛が促進される

このように、プロペシアとミノキシジルでは作用するメカニズムが全く異なります。
そのため、両者を併用した際に大きな相乗効果が期待できるのです。

プロペシアに関するQ＆A

プロペシアに関してよくある質問を紹介します。
ここで疑問を解消しましょう。

Q.プロペシアと飲み合わせの悪い薬剤は？

プロペシアと飲み合わせの悪い薬剤はありません。
他の薬剤を服用中の方でも、プロペシアは安心して使えます。

Q.プロペシアは肝臓に負担をかける？

他の多くの薬剤と同様にプロペシアは肝臓で代謝されるため、肝臓に負担をかける恐れがあります。
肝機能障害を指摘されたことがある方は、服用する前に医師に相談してください。
また、可能性はかなり低いものの、プロペシアの副作用として重度の肝機能障害が生じるリスクがあります。

Q.プロペシアは精液に影響する？

プロペシアの副作用には、精液量減少や精液の質低下があります。
男性不妊の原因となるケースもあるため、服用する際は把握しておきましょう。

Q.プロペシアをやめてよかったと感じている人はいる？

脱毛が進行している原因によっては、プロペシアを使用してもあまり効果が現れない可能性があります。
そのような場合では、プロペシアをやめてよかったと感じる人もいるかもしれません。

まとめ：プロペシアでAGAを治療しよう

プロペシアは、テストステロンがジヒドロテストステロンに変化するのを防ぐというメカニズムでAGAを治療します。
一般的に効果が確認できるまで、約6ヵ月の服用が必要です。

プロペシアの副作用として、過敏症や生殖機能障害、肝障害などが報告されています。
フィナステリドに対してアレルギー反応を起こしたことがある人や、妊婦が禁忌である点にも注意してください。

内服薬であるプロペシアと並び、AGA治療によく使われているのが外用薬であるミノキシジルです。
両者は作用するメカニズムが異なるため、併用するケースも少なくありません。
プロペシアをうまく利用し、AGAを治療しましょう。