「喉が痛い」「咳が出て苦しい」などの辛い症状の強い味方となるのが、風邪の幅広い症状に対応する成分が配合されている総合風邪薬です。
便利な総合風邪薬ですが、飲むと眠くなってしまう可能性があるため飲むタイミングに困る方も多いかもしれません。
今回はそのようなお悩みを抱えている方のために、市販で購入できる「眠くならない総合風邪薬」を症状のタイプ別に紹介していきます。
総合風邪薬で眠くなる理由や眠くならない薬剤の選び方、早く治すコツも併せて学んで、風邪が酷くならないうちに治していきましょう。
風邪と総合風邪薬の効果
風邪は子どもから高齢者まで幅広い年齢の方に起こる喉の痛み・鼻水・咳・発熱など一般的な症状の総称のことで、正式には「風邪症候群」というウイルス感染から起こる病気の総称です。
ウイルス感染症から起こる通常の風邪に対する特効薬はなく、症状を和らげる対症療法を行いながら体調を回復させていきます。
総合風邪薬はこのような風邪の症状を和らげる薬剤で、正式名称を総合感冒薬といい、辛い症状を緩和させるために、解熱薬・抗ヒスタミン薬・鎮咳薬などの様々な成分が含まれているのが特徴です。
複数の症状が出るような風邪を引いた場合、総合風邪薬の成分が幅広い辛い症状を緩和し、回復までの手助けをしてくれるでしょう。
総合風邪薬で眠くなる理由と成分
風邪の様々な辛い症状を和らげてくれる総合風邪薬ですが、中には眠気や集中力低下が現れる可能性があることから、服用後は乗り物や機械の運転操作を禁止する製品もあります。
これは総合風邪薬内に含まれる特定の成分が眠気を引き起こすことが原因です。
ここでは総合風邪薬の中の眠くなる成分3つにフォーカスしていきます。
抗ヒスタミン薬
総合風邪薬を飲むと眠くなる主な成分として挙げられるのが、くしゃみや鼻水を止める抗ヒスタミン薬です。
抗ヒスタミン薬はくしゃみや鼻水を引き起こす原因となるヒスタミンという化学物質の作用を抑制し、症状を和らげる効果があります。
しかし、この抗ヒスタミン薬が脳内へたくさん入ってしまうと、ヒスタミンの持つ脳を覚醒させる作用まで抑制し、眠気や集中力の低下を招いてしまいます。
鎮静性鎮痛薬
解熱鎮痛剤などに配合されることの多い、アリルイソプロピルアセチル尿素やイソプロピルアンチピリンなどの鎮静性鎮痛薬が含まれている総合風邪薬も眠気を感じやすいと言われています。
アリルイソプロピルアセチル尿素には脳に作用して心や身体の緊張を和らげてくれますが、同時に眠気を引き起こす可能性もあります。
解熱鎮痛剤の中には眠くならない成分で構成されているものもあるため、眠くなると困る場合はアリルイソプロピルアセチル尿素やイソプロピルアンチピリンなどの眠気を引き起こす成分が配合されていない総合風邪薬を選ぶとよいでしょう。
咳止め効果のある薬剤
咳止め効果のあるジヒドロコデインリン酸塩やコデインリン酸塩など、成分名に「コデイン」とつく麻薬性鎮咳薬が配合されている総合風邪薬にも眠くなる作用があります。
麻薬性鎮咳薬が脳の咳中枢まで入って咳を止めるために、眠気が起きる言われています。
また、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物やノスカピンという成分にも咳を止める効果があるのですが、こちらもコデイン系ほどではないとはいえ、やはり眠気の副作用があるため注意が必要です。
症状タイプ別眠くならない総合風邪薬の選び方
これまで見てきたように総合風邪薬には様々な眠くなる成分が含まれているケースがあります。
つまり、眠くなりたくない時には、このような眠くなる成分が配合されていない総合風邪薬を選べばよいのです。
逆に夜眠れなくて辛い風邪の場合は、眠くなる成分が含まれているものを購入するなど臨機応変に対応するとよいでしょう。
また、総合風邪薬を選ぶ時に大切なのが、症状に合ったものを選ぶことです。
高熱が辛い時には解熱作用のある成分、咳が苦しい時には咳止め作用のある成分が入った薬剤を選ぶとよいでしょう。
ここでは症状タイプ別の眠くならない総合風邪薬を紹介していきます。
高熱・喉の痛みが辛い
高熱や喉の痛みが辛い時には解熱鎮痛効果があって眠くなりにくいアセトアミノフェンやイブプロフェンが配合された総合風邪薬を選ぶとよいでしょう。
アセトアミノフェンは小さな子どもから高齢者、妊婦まで年齢や性別に関わらず広く使用されている解熱鎮痛剤で、眠くなりにくいだけでなく、胃腸への負担も少ないとされています。
アセトアミノフェンが配合された製品には「パブロン50錠」「改源かぜカプセル」などがあり、どちらの総合風邪薬にも眠くなる成分は入っていません。
イブプロフェンも解熱鎮痛剤として使われる成分の1つで、解熱や喉の痛みの他に頭痛や関節痛を和らげます。
ただし、イブプロフェンは15歳以上が対象となるため、子ども用の市販薬は販売されていません。
イブプロフェンが配合された製品には「リングルアイビーα200」などがあります。
また、熱以外の症状がない場合には総合風邪薬ではなく、解熱鎮痛剤を選択するのも一つの手段です。
「バファリンプレミアムDX」や「タイレノール」などの解熱鎮痛剤であれば、服用しても眠くなりにくいとされています。
咳で苦しい
咳止め成分の多くはコデインリン酸塩水和物やジヒドロコデインリン酸塩などの眠くなるものが配合されているのが一般的です。
そのため、咳止めが飲みたいけれど眠くなりたくない時には、たんを切る成分が配合された「クールワン去たんソフトカプセル」や、気管支を広げる成分が配合された「ミルコデ錠A」などを選ぶとよいでしょう。
また、「クラシエ漢方麦門冬湯エキス顆粒A」や「クラシエ漢方五虎湯エキス顆粒A」などの漢方薬も検討してみてください。
眠くならない総合風邪薬はどこで買える?
これまで紹介してきた総合風邪薬は市販薬のため、薬局やドラッグストアはもちろん、インターネットでも購入可能です。
時間がなくてお店へ行けない時や、風邪を引いて体力が低下している時、周りの方にうつしたくない時には、インターネットを利用すると便利です。
ただし、購入した総合風邪薬を数日服用しても症状がよくならない場合は、医療機関を受診して適切な処置を受けてください。
風邪を早く治すためのコツ
風邪は原因となったウイルスによって症状が異なりますが、治るまでの期間は平均約7~10日と言われています。
しかしながら、現代社会において7~10日も仕事や学校を休んで療養することはなかなかできないかもしれません。
ここでは、できるだけ早く体調を回復させるための対処法を紹介します。
睡眠をしっかりとる
風邪を早く治すためのカギは身体の免疫力であるため、良質な睡眠を十分とることが非常に大切になります。
身体の免疫は熱や咳、鼻水を出してウイルスと戦うため、体力を消耗していることが多いです。
しっかり体力を回復させて免疫に働いてもらうためにも、普段以上に睡眠時間を確保するよう心掛けてください。
咳や鼻水、高熱などで眠れない時には総合風邪薬を服用して、症状を和らげるのも一つの方法です。
風邪を引いている時に無理はせず、いつもより早めに床に就きましょう。
水分補給をこまめにする
風邪を早く治すためには、こまめな水分補給を意識しましょう。
特に発熱などの症状がある場合は脱水症状になりやすいため、こまめな水分補給が大切になります。
また、水分はたんをやわらかくして出しやすくする作用があることから、たんが絡んで苦しい時も水分補給は効果的です。
水分は少しずつこまめに補給し、利尿効果のある緑茶やコーヒー類は避けましょう。
発汗によって失われたミネラルを補給する意味でも、経口補水液やスポーツドリンクなどがおすすめです。
十分な栄養をとる
体力の回復や免疫力アップために積極的にとりたい栄養素は、エネルギー補給のための糖質、抵抗力を高めるタンパク質、ウイルスを撃退するビタミンです。
ただし、風邪の時は消化吸収力が低下しているため、胃腸に負担がかからない食べ物を選ぶことが重要です。
食欲があれば「卵がゆ」「豆腐」「鍋料理」など、食欲がない時には「野菜ジュース」「フルーツゼリー」「蜂蜜レモンティー」など喉ごしがよい食べ物がおすすめです。
無理をせず少しずつ栄養補給をして身体を労わってあげましょう。
総合風邪薬を服用する
「風邪は引き始めが肝心」という言葉が示す通り、引き始めの対応が大切です。
体力や免疫力が落ちきってしまうと、風邪が長引く原因になりかねません。
風邪かもしれないと感じた時には、これまで紹介した睡眠・水分・栄養に留意して、必要があれば症状に応じた総合風邪薬を服用しましょう。
辛い症状が和らげば、ゆっくり身体を休ませられ、風邪を早く治せる可能性も高まります。
眠くならない総合風邪薬で普段通り生活を
総合風邪薬には、熱・喉の痛み・鼻水・咳などの風邪の諸症状を抑える成分が配合されていますが、副作用で眠気が起きる可能性があることから服用後は乗り物や機械の運転操作が禁止されている製品も多くあります。
眠くならない総合風邪薬を選ぶためには、特に抗ヒスタミン薬、咳止め効果のある薬剤が入った製品は避け、使用上の注意に眠気に関する項目がないことを確認しましょう。
眠くならない総合風邪薬は薬局やドラッグストア、インターネットなどで購入することが可能です。
特に体調が辛い時や周りの人にうつしたくない時には、インターネットを利用すると便利です。
できるだけ早く普段通りの生活に戻れるよう、睡眠・水分・栄養をしっかりとって免疫力を高めていきましょう。