花粉シーズンになると、薬局の店頭に高く積み上げられる花粉症の飲み薬。
「たくさん種類があるけど、どれを選んだらいいの？」と迷われる方は多いです。

そこで、本記事では効き目の持続時間が長く、眠くなりにくい『第2世代抗ヒスタミン薬』と呼ばれるスイッチOTC薬のうち、特におすすめしたい3製品「クラリチンEX」、「アレグラFX」、「アレジオン20」の違いをあらゆる角度から徹底比較しました！

これを読めば、自分にぴったり合う薬剤の選び方がわかります。
ぜひ参考にしてみてください。

「抗ヒスタミン薬」は何に効く薬剤か

抗ヒスタミン薬は、体内でアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」という化学伝達物質の作用を抑えることにより、花粉症をはじめとするアレルギー症状を改善する薬剤です。

花粉症に効果を発揮するメカニズム

花粉症のくしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状は、体内で花粉に対するアレルギー反応を起こし、肥満細胞から放出されたヒスタミンが目や鼻の粘膜にある「ヒスタミン受容体」に結合することで引き起こされます。

抗ヒスタミン薬は、先にこの受容体と結合してヒスタミンが結合するのをブロックすることでヒスタミンの作用を抑え、花粉症の症状に効果を発揮しています。

第1世代と第2世代の違い

抗ヒスタミン薬は、第1世代と第2世代と呼ばれるものに大きく分けられます。
それぞれの特徴を簡単にまとめました。

現在の花粉症治療においては、医療用と市販薬ともに副作用が軽いとされる第２世代抗ヒスタミン薬が主流となっています。

花粉症市販薬の3強「クラリチンEX」「アレグラFX」「アレジオン20」を徹底比較！

花粉症シーズンにテレビCMでもよく目にするのが、「クラリチンEX」「アレグラFX」「アレジオン20」の3製品です。
この3製品のうち、結局どれを選べばいいの？と迷われている方のために、効き目や副作用の強さ、飲み方など、あらゆる角度から徹底比較していきましょう。

成分について

有効成分は、いずれも第2世代抗ヒスタミン薬であり、花粉症に対して効果を発揮するメカニズムは同じです。
また、3成分とも、もともとは医師の処方箋がないと入手できない医療用医薬品の成分だったものが、薬局やドラッグストアで購入できるようになったスイッチOTC薬です。

いずれの製品も、有効成分の配合量は、医療用と同量配合されています。

効き目の強さと眠気の強さ

一般的に抗ヒスタミン薬の効果の強さと、副作用である眠気（脳への鎮静効果）の強さは比例します。

クラリチンEX、アレグラFX、アレジオン20、どれが効き目が強いか比べると、アレジオン20が強いと言われていますが、その分、アレジオン20は他の2製品と比べて眠気の副作用が出やすいようです。

添付文書の使用上の注意喚起も、アレジオン20にだけ「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください（眠気などがあらわれることがあります。）」という記載がされていて、クラリチンEXとアレグラFXには服用中の運転操作についての注意喚起は特にされていません。

クラリチンEXとアレグラFXとどちらが強いか比べると、ややクラリチンEXの方が効果が強いとされていますが、それほど大きな差はありません。
なお、実際の効果の強さや副作用の感じ方には、個人差があります。

飲み方の違い

まず、1日の服用回数に違いがあります。
クラリチンEX、アレジオン20は1日1回の服用で、アレグラFXは1日2回の服用で効果を持続させます。
1日の中でいつ飲むのが良いかというと、1日1回の服用の場合は夜寝る30分くらい前に、1日2回の服用の場合は朝・夕に飲むことがおすすめされています。

また、飲むタイミングは食前と食後どちらがいいかも気になるポイントですが、クラリチンEXだけ「食後に服用してください」と添付文書に記載があります。
アレグラFXとアレジオン20は、食前・食後に関わらず服用いただけます。

飲み合わせてはいけない薬（併用禁忌薬）について

抗ヒスタミン薬は、飲み合わせてはいけない薬（併用禁忌薬）が様々あります。
多くは3製品とも共通していますが、アレジオン20だけ併用禁忌薬に抗生物質が該当していないという特徴があります。

3製品とも共通してうっかり併用しないよう注意が必要なのが、かぜ薬です。
かぜ薬には抗ヒスタミン薬が配合されている場合が多く、花粉症の薬剤と一緒に飲んでしまうと、抗ヒスタミン薬を過剰に摂取してしまうことになります。

その他にも注意が必要な薬剤が多いので、持病で何か他の薬を飲んでいる場合や何か薬剤を追加したい場合は、必ず薬剤師に相談するようにしましょう。

妊娠中の服用について

妊娠中または妊娠していると思われる方は、抗ヒスタミン薬を服用する前に必ず医師または薬剤師に相談しましょう。

妊娠の時期なども考慮して、服用するメリットとリスクを判断してくれます。
これはクラリチンEX、アレグラFX、アレジオン20ともに共通している注意事項です。

授乳中の服用について

クラリチンEX、アレグラFX、アレジオン20ともに、授乳中の方は服用しないか、もし服用する場合は授乳を控えてください。
これは、母乳に薬剤の成分が移行してしまう可能性があるためです。

子どもの服用について

医療用医薬品のクラリチン、アレグラ、アレジオンには、子どもが服用できるタイプのものもあります。
しかし、市販薬であるクラリチンEX、アレグラFX、アレジオン20はともに、服用可能な年齢は15歳以上となっています。

つまり、15歳未満の子どもはこれら3製品を服用できません。

ただし、アレグラの市販薬には、7～14歳の子どもが服用できる「アレグラFXジュニア」があります。
アレグラFXジュニアは、アレグラ20と同じフェキソフェナジン塩酸塩を有効成分としていますが、1錠あたりの配合量が半分になっています。

このようにアレグラであれば、7～14歳の子どもが服用できる第2世代抗ヒスタミン薬の市販薬を購入できます。
7歳未満の子どもや、クラリチン、アレジオンの小児用を使いたい場合は、病院で処方してもらうようにしましょう。

絶対に、市販のお薬を砕いて対象年齢未満の子どもに飲ませることはしないでください。

価格

※税込価格

それぞれ12～14日分のパッケージで、1日分あたりの価格を算出して比較したところ、希望小売価格ではアレグラFXが3製品の中で1番価格が低いとわかりました。

ただし、薬局やドラッグストアではそれぞれの価格設定がされているため、店頭価格ではどの製品が一番割安なのかは店舗によります。

まとめ：自分が重視したいポイントを確認しよう！

ここまで、市販の花粉症治療薬であるクラリチンEX、アレグラFX、アレジオン20をあらゆる角度から比較してきました。
ポイントをまとめると、以下の通りになります。

花粉症のつらい症状には、長期間悩まされるものだからこそ、しっかりと自分に合った薬剤を選びたいものです。
ぜひこちらのまとめを参考に、まずは自分が一番重視したいポイントを抑えている製品を選んでみてください。