今回は、プレマリンという薬剤についてご紹介していきます。
女性の皆さんに関係がある薬剤で、今は症状がなくても、将来、更年期障害などで服用することがあるかもしれません。
この記事では、プレマリンが何に効くのか、服用中に性行為はできるのか、体重が増えることはあるのかなど、気になる点を解説していきます!
プレマリンは何に効く薬剤?
プレマリンは、女性ホルモンである卵胞ホルモンを補充する役割を持っています。
そのため、以下のような卵胞ホルモンが影響する婦人科疾患を改善します。
- 卵巣欠落症状
- 卵巣機能不全症
- 更年期障害
- 腟炎(老人、小児および非特異性)
- 機能性子宮出血
エストロゲン補充療法(ERT)に使用される薬剤で、主に閉経後の女性や特定の不妊治療に使用されます。
この薬剤は、エストロゲンという女性ホルモンの一種を補充することで、ホルモンバランスを整える役割を果たします。
プレマリンは、馬の尿から抽出された天然のエストロゲンを含んでおり、その名前は「pregnant mare urine(妊娠馬の尿)」に由来しているそうです。
プレマリンの効果
プレマリンは、以下のような効果があります。
1. 更年期症状の緩和
閉経後の女性は、エストロゲンの減少に伴い、ホットフラッシュや夜間の発汗、膣の乾燥、骨密度の低下などの更年期症状を経験する人がいます。
プレマリンを服用することで、これらの症状を緩和することができます。
2. 骨粗しょう症の予防
エストロゲンは骨の健康を維持するのに重要な役割を果たします。
プレマリンを使用することで、骨密度の低下を防ぎ、骨粗しょう症のリスクを減少させられます。
しかし、骨粗しょう症に対し正式には適応していないという特殊な立ち位置でもあります。
骨粗鬆症治療薬としての適用はありませんが、骨量増加と骨折予防効果が世界的に認めらている唯一の女性ホルモン薬で、あくまで骨粗しょう症の予防的観点から良いとされています。
3. 不妊治療
不妊治療においても、プレマリンは重要な役割を果たします。
エストロゲンの補充により、子宮内膜を厚くし、受精卵が着床しやすい環境を作ることができます。
また、他のホルモン剤と併用することで、卵巣機能を刺激し、排卵を促進する効果もあります。
プレマリンの副作用
プレマリンにはいくつかの副作用も報告されています。
以下はその主な例です。
1. 消化器系の副作用
吐き気や嘔吐、腹痛、下痢などの消化器系の副作用が報告されています。
これらの症状は通常、一時的なものであり、薬剤の使用を中止することで改善されることが多いです。
2. 体重増加
プレマリンを服用すると、一部の女性では体重が増加することがあります。
これは、エストロゲンの補充により、水分の保持や食欲の変化が引き起こされるためです。
3. 精神的な副作用
一部の患者さんは、プレマリンの服用によりうつ症状やだるさを感じることがあるそうです。
これらの症状が現れた場合は、医師に相談し、適切な対処法を検討してもらいましょう。
4. その他の副作用
頭痛、めまい、乳房の痛みや腫れ、膣の出血や分泌物の増加なども報告されています。
これらの副作用も、通常は一時的なものであり、医師と相談しながら対処していきます。
プレマリンの服用方法と注意点
では、プレマリンを処方されたら、どのように服用したらいいのでしょうか。
服用中の注意点と一緒に見ていきましょう。
1. 服用方法
プレマリンは、医師の指示に従って適切な量を服用します。
症状によって服用量が変わってきます。
卵巣欠落症状、卵巣機能不全症、更年期障害の場合は、通常、成人は1日1~2錠(主成分として0.625~1.25mg)を服用します。
機能性子宮出血、腟炎の場合は、通常、1日1~6錠(主成分として0.625~3.75mg)を服用します。
いずれの場合も、年齢・症状によって増減されるため、必ず指示された服用方法に従ってください。
飲み忘れた場合は、飲み忘れた場合は気がついた時に1回分を飲むようにしましょう。
ただし、次に飲む時間が近い場合は飲まず、次に飲む時間から飲みます。2回分を一度に飲むことは避けましょう。
プレマリンは錠剤の形で服用されることが一般的ですが、場合によってはクリームやパッチなどの形で使用されることもあります。
2. 性行為
プレマリンを服用中でも、性行為は問題ありません。
ただし、エストロゲン補充療法中は、膣の乾燥や不快感を感じることがあるため、必要に応じて潤滑剤を使用すると良いかもしれません。
3. 生理の異常
プレマリンを服用し、本来生理がないはずの時期に生理が始まった場合、ホルモンバランスの変動や子宮内膜の反応による原因が考えられます。
このような場合は、医師に相談して原因を特定し、適切な対処法を検討してもらうようにしましょう。
4. 服用の中止
プレマリンの服用を中止する際は、医師の指導の下で行ってください。
突然の中止はホルモンバランスに影響を与え、体調不良を引き起こす可能性があります。
プレマリンとデュファストンの併用
デュファストンは、黄体ホルモンの一種であるデドロゲステロンを含む薬剤です。
不妊治療において、プレマリンとデュファストンを併用することがあります。
この組み合わせにより、子宮内膜の状態を整え、受精卵の着床を促進する効果が期待できます。
血栓症予防方法
プレマリンを服用するに当たり、注意しなければならないのは血栓症です。
ピルを処方される際にも気を付けるよう言われることがあります。
薬剤によって異なりますが、服用すると血栓症になる確率が若干上がるものがあるためです。
以下では、血栓症の症状と、その予防方法について解説していきます。
血栓症とは?
血栓症は、血管内で血栓が形成されることによって血流が妨げられ、深刻な健康問題を引き起こす疾患です。
しかし、日常生活における習慣によって血栓症リスクを低減できます。
血栓症の初期症状とは?
血栓症の初期症状は以下の通りです。
- 足の痛み・むくみ
- 突然の息苦しさ・息切れ
- 胸の痛み
- めまい
- 意識の低下
- 意識の消失
- 手足が動かない
- 文字や形がみえにくい
- 視野の異常など
また、血栓症の危険性が高くなる状態になると、身体を動かせない状態や明らかな血圧上昇などが現れる場合があります。
血栓症の予防方法
血栓を作らせないようにするためには、日常生活で以下の点に気を付ける必要があります。
-
適度な運動
適度な運動は血液の流れを良くし、血栓の形成を防ぎます。
特に、ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動がおすすめです。
デスクワークなど長時間座りっぱなしの生活をしている場合は、1時間ごとに立ち上がってストレッチをするよう心がけましょう。 -
水分補給
水分補給をすると、血液をサラサラに保てます。
脱水状態になると血液が濃くなり、血栓が形成されやすくなります。
一日に、少なくとも1.5リットルから2リットルの水を飲むことを心がけましょう。 -
バランスの取れた食事
血栓症予防には、バランスの取れた食事も欠かせません。
野菜や果物、全粒穀物、ナッツ、種子、魚など、抗酸化物質やオメガ3脂肪酸を豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。
また、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を含む食品の摂取は控えめにすることが大切です。 -
禁煙
喫煙は血管を収縮させ、血液の凝固性を高めるため、血栓症のリスクを大幅に増加させます。
そのため、一部の薬剤は喫煙者には処方できない場合もあります。
まとめ
プレマリンは、女性の初症状にも効果がある薬剤です。
女性ホルモンを含むため、服用開始食後にはマイナートラブルがあるかもしれません。
生理不順や出血、精神的なバランスの乱れを感じた際には、医師に相談しましょう。
合う薬剤と出会えたら、人生が変わるほど症状が楽になることもあります。
仕方ないから、体質だからと悩まず、まずは医師に相談してみてくださいね。