2023年5月8日に新型コロナウイルスが5類感染症に移行してから、日本国民の生活はコロナ禍前の状況に戻りつつあります。
コロナ禍前の風景が戻っていますが、ウイルスが弱体化したり、感染者数が大幅に減ったりするわけではありません。
そのため、今までどおり自覚症状がある時は抗原検査キットで早めに感染の有無を判断し、まわりにウイルスを広めないことが大切になります。
そこで「コロナ検査キットはどこで市販されているか?」「検査薬で陽性が出たらコロナか?」「市販の抗原検査キットの正確性は?」などの疑問がわく方もいるでしょう。
この記事では以下についてお話しします。
- 新型コロナウイルスの5類移行からの生活や医療・介護状況の変化
- 新型コロナウイルスの感染を防ぐ方法
- 抗原検査キットの購入場所や選び方、使用方法
- 新型コロナウイルスにかかった時の対応
新型コロナウイルスの5類移行後の感染状況や生活の変化、抗原検査キットの購入方法や選び方などが気になる方はぜひ本記事を参考にしてください。
新型コロナウイルスの5類移行から状況はどうなった?
新型コロナウイルスが5類感染症に移行してから、日本の生活はコロナ禍前の風景に戻りつつあります。
厚生労働省によってマスクの着用やアクリル板設置などの感染対策が、個人や事業所の判断に委ねられることになったからです。
国民の過ごし方や医療・介護現場の状況について、詳しくみていきましょう。
国民の生活の変化
新型コロナウイルスの5類移行から1年たった2024年5月時点の情報では、コロナ禍前と同様の生活スタイルやイベントが増えてきました。
飲食店にて客や従業員がマスクをつけずに楽しむ姿や、野球場でファンがふくらました風船を飛ばす風景もみられるようになっています。
福岡市の天神・中洲地区でおこなわれた調査結果(2024年5月7日発表)でも、コロナ禍では当たり前だったマスクの着用が、2023年の夏から2割ほどに減っていると報告されています。
外出自粛などの行動制限がなくなり、活気ある日々が戻ってきているようです。
医療・介護現場の状況
一方で、医療・介護現場では、通常の医療体制で対応する指示がでているものの、感染対策を徹底して続けている場所もあります。
施設内の感染拡大を抑え、患者さんや利用者の発症や重症化を抑えることが重要だからです。
一部の病院や介護施設では、2024年5月時点でも以下のような風景がみられます。
- 面会は1回15分の時間制限
- 職員はマスクやフェイスシールド着用で介助
- 感染が疑われる患者さんは別室に待機
新型コロナウイルスは、5類移行とともにウイルスが弱体化したわけではありません。
また、高齢者や妊婦、基礎疾患のある人など、感染すると重症化しやすい人がいることにも変わりないです。
厚生労働省もこのようなリスクが高い人には、感染対策を徹底することが大切だとしています。
感染を抑えるためには、従来どおりの予防策をしたり、必要に応じて抗原検査キットで感染の有無を確かめたりすることが必要です。
5類移行から新型コロナウイルスの発症状況はどう変わったか?
2023年5月以降の新型コロナウイルスの感染者数は、それより前と同様に増減を繰り返しながら推移しています。
インフルエンザとは異なり流行シーズンが終わっても、感染者がみられやすい傾向にあるようです。
個人それぞれが感染しないように注意を図り、感染が疑われる場合は抗原検査キットを使用しないと、5類移行前と同様に感染者は増加するでしょう。
新型コロナウイルスの感染を防ぐために何をすれば良いか?
行動規制が見られなくなった状況で、新型コロナウイルスの感染を防ぐために具体的に何をすれば良いのか迷う方もいるでしょう。
そこで、新型コロナウイルスの感染の経路や、予防方法をお話ししていきます。
新型コロナウイルスに感染する3つの経路
感染の原因であるエアロゾム感染や飛沫感染、接触感染はウイルスが口や鼻、目などの粘膜から侵入することで生じます。
新型コロナウイルスの感染を防ぐために、まずはそれぞれの感染経路を詳しく知っておきましょう。
エアロゾム感染
エアロゾム感染は、空中に浮遊するエアロゾムを吸い込むことによる感染です。
エアロゾムは口や鼻から排出されるわずかに小さい粒子物質で、感染者のエアロゾムにはウイルスが多く含まれています。
水分を含んでいる飛沫よりも軽い特徴があり、空気中に舞いやすいのが特徴です。
湿度が低く水分がうばわれやすい環境や、空気の出入りが少ない密な空間では特に浮遊しやすいので対策が必要です。
飛沫感染
ウイルスを含む飛沫が口や鼻、目などの粘膜に付着して感染することを飛沫感染といいます。
飛沫は咳やくしゃみによって排出される細かい水滴のことをいい、感染者の飛沫にはウイルスが多く含まれています。
飛沫は1~2mほど空気上に飛ぶ性質があるので、感染者と近い距離にいると感染するリスクはより高まるでしょう。
接触感染
接触感染は、ウイルスを含む飛沫やウイルスが付着したものを直接触った手指で、粘膜を触れた時に起こる感染です。
感染者が咳やくしゃみを抑えた手で触れたドアノブや引き出しなどから感染することも、接触感染に含まれます。
また、無意識に顔を触る場面が多いと、粘膜にウイルスが侵入する原因にもなります。
新型コロナウイルスの予防方法
新型コロナウイルスの感染を予防するには、日頃からマスクや手洗い、室内の換気をおこなって、ウイルスを広めたり取り込んだりしないことが大切です。
また、自覚症状がみられる場合は、抗原検査キットを使用して感染の有無を確かめることも重要になります。
それぞれの項目について見ていきましょう。
マスク
咳やくしゃみで排出する飛沫を抑えたり、鼻や口からウイルスが侵入したりすることを防ぐために、できるだけマスクを利用しましょう。
マスクは正しい方法で使用することで、感染リスクを大幅に減らせます。
口だけでなく鼻も確実におおい、隙間がないようにゴムひもを耳にかけることが大切です。
重症化リスクの高い人と会話する時や人混みの場所で移動する時などは特に気をつけると良いでしょう。
手洗い
石鹸を利用した手洗いは、ウイルスを削減するのに効果的です。
手指についたウイルスを洗い落とすことで、接触感染を防げます。
手洗いは15秒以上かけておこない、手のひらや手の甲、指の間、親指、爪の間なども石鹸と流水で洗うようにしてください。
特に以下の状況では、できるだけ行う習慣をつけると良いでしょう。
- 公共の場所から帰った時
- 咳やくしゃみ、鼻をかんだ時
- ご飯を食べる時
- 病人のケアをした時
- 外にあるものに触れた時
室内の換気
空気の入れかわりを良くして室内にウイルスをためないようにしましょう。
密閉された空間ではエアゾロムが浮遊しやすいため、定期的な換気が大切です。
また、乾燥した空気は特にウイルスが舞いやすいため、適度な湿度(40%前後)を保つようにしましょう。
抗原検査
発熱やのどの痛み、風邪などの症状を自覚し、新型コロナウイルスに感染していることが疑われる場合は、抗原検査キットを利用しましょう。
ウイルスに感染したのかはっきりしないまま日常生活を送ると、まわりの人にウイルスを広める可能性があるからです。
「コロナ検査キットは買いに行ってもいいか?」と思う方もいるかもしれませんが、市販の抗原検査キットを買って自分で検査を行っても問題ありません。
抗原検査キットを使用すれば自宅でも簡単に検査できるため、日頃から常備しておくと良いでしょう。
抗原検査キットを利用するにはどうしたら良いか?
抗原検査キットに手をだそうとしても「抗原検査キットは薬局で買うのか?」「研究用は買っても良いのか?」など疑問に思う方もいるでしょう。
そこで、抗原検査キットの販売場所や選び方、値段の相場、使用方法、市販の抗原検査キットの正確性をお話しします。
抗原検査キットの販売場所
抗原検査キットは薬局や薬剤師がいるドラッグストア、インターネット販売サイトで購入できます。
抗原検査キットのなかでも医療用医薬品は薬剤師が滞在している店舗での取り扱いとなっていますが、一般用医薬品(OTC医薬品)はインターネットでも購入が可能です。
「各地域でコロナ検査キットはどこで市販されているか?」と気になっている方は、以下を参考にしてください。
抗原検査キットの選び方
抗原検査キットを購入する時は、医療用医薬品または一般用医薬品を選びましょう。
これらはいずれも国に承認された医薬品になり「体外診断用医薬品」や「第1類医薬品」と表示されています。
「研究用」と記載されているものは、国に承認されていない医薬品で、性能などが確認されたものではないので注意しましょう。
一般用医薬品のなかには、ツルハグループ(興和株式会社)や薬王堂などからインターネット販売されているものもあり、誰でも購入しやすくなっています。
また、インフルエンザの検査と一体になったものもあります。
その他も様々な製造販売業者から販売されていますので、以下をご覧ください。
検査キットの値段の相場は1回分で約1,400~3,000円です。
抗原検査キットの使用方法と正確性
抗原検査キットの主な使用方法は以下のとおりです。
(※検体の採り方や反応がでるまでの時間などは検査キットによって異なるので、必ず取り扱い説明書の記載どおりに行ってください)
- 専用の綿棒で鼻腔や唾液から検体をとる
- 綿棒を専用の液に入れ、検体と液を混ぜ合わせる
- テストカセットの指定の位置に液を垂らし、結果がでる指定の時間まで待つ
- レファレンスライン(検査が正しく行われた時にでる線)が認められた後に、判定ラインが認められたら陽性と判断する
市販の抗原検査キットの正確性は、医療用医薬品や一般用医薬品であれば国に承認されているので低くはありません。
しかし、採取した検体のウイルス量が少なかったり、使用方法を誤ったりすると、判定窓にうっすら線がでたり、陽性なのに線がでなかったり(偽陽性)する可能性があります。
レファレンスラインが確認できず判定が難しい場合は、再検査を推奨している製造業者もあるようです。
また、結果が陰性でも検査をした後に症状がでると陽性反応を示すこともあるので、自覚症状が続くようなら再び検査するか医療機関に受診するようにしましょう。
新型コロナウイルスになった時はどう対応すれば良いか?
新型コロナウイルスが5類感染症に移行してから、感染者や濃厚接触者の外出の自粛は求められなくなり、個人の判断に委ねられることになりました。
しかし、発症直後はまわりに感染させるリスクが高いことには変わりないため、厚生労働省では外出を控える期間を以下のように推奨しています。
- 発症日を0日目(※)とした5日間(5日目に症状が続いている場合は、熱が下がり痰やのどの痛みなどの症状が軽快して24時間が経過するまで)
- 学校や園の出席停止は、発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで
(※)無症状の場合は検体を採取した日
また、発症から10日間が経過するまでは、まわりの人へ移さないように配慮しながら生活しましょう。
不織布マスクを利用したり、高齢者や妊婦などと接触を控えたりすることが大切です。
まとめ
新型コロナウイルスが5類感染症に移行になり行動規制が緩和されましたが、引き続き抗原検査キットを使用して感染拡大を抑えることは重要です。
抗原検査キットは薬剤師がいる薬局やドラッグストア、インターネットで購入可能です。
国に承認されたものを選び、取り扱い説明書の記載どおりに使用しましょう。
この記事で抗原検査キットの正しい活用方法を学んで、少しでも安心できる毎日を送ってください。