帯状疱疹後神経痛治療薬
- 帯状疱疹後神経痛治療薬とは?
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帯状疱疹後神経痛(PHN)は、帯状疱疹ウイルスによる感染が原因で起こる神経痛です。
帯状疱疹は、水痘(みずぼうそう)を引き起こすウイルスが体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化することで発生します。
このウイルスが神経を侵すと、激しい痛みを引き起こし、治癒後も長期間にわたって神経痛が残ることがあります。
この痛みを軽減するために、さまざまな治療薬が使用されます。 - 鎮痛薬と抗てんかん薬
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鎮痛薬は、帯状疱疹後神経痛の初期治療に広く用いられる薬です。
代表的な鎮痛薬にはアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)があり、これらは痛みの原因となる炎症を抑える効果があります。
例えば、イブプロフェンやナプロキセンなどがよく使われます。
これらの薬は市販薬としても入手可能で、軽度から中程度の痛みに対して有効です。抗てんかん薬は、神経痛を緩和するために特に効果的とされています。
神経の過剰な興奮を抑える作用があり、痛みの信号を減少させる効果があるからです。
抗てんかん薬は、痛みが強く、鎮痛薬だけでは効果が不十分な場合に処方されることが多いです。
しかし、眠気やめまいなどの副作用があるため、服用の際には注意が必要です。 - 抗うつ薬と理学療法と心理療法
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抗うつ薬も帯状疱疹後神経痛の治療に有効です。
神経伝達物質のバランスを調整し、痛みの感受性を低下させる効果があります。
抗うつ薬は痛みの軽減だけでなく、神経痛に伴う不安やうつ症状を緩和する効果も期待できます。
特に、長期間にわたる慢性的な痛みに対して有効です。薬物療法に加えて、理学療法や心理療法を取り入れることもあります。
理学療法には、痛みを和らげる運動やマッサージがあり、筋力を強化し、柔軟性を高めることで症状を改善します。
また、心理療法は、痛みと共に生じるストレスや不安を軽減させます。
カウンセリングや認知行動療法(CBT)は、患者が痛みと向き合い、より良い対処法を見つけるのに役立ちます。 - 局所治療と神経ブロック注射
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局所治療は、痛みの部位に直接作用することで効果を発揮します。
皮膚に貼ることで局所的に痛みを和らげるタイプの薬もありますし、唐辛子の成分を利用して痛みを軽減するカプサイシンクリームなどもあります。
これらの局所治療は全身への副作用が少ないため、他の治療法で十分な効果が現れない場合や、副作用が強い場合に有効です。神経ブロック注射も、帯状疱疹後神経痛の治療に用いられることがあります。
これは、痛みの原因となる神経に直接麻酔薬やステロイドを注射する方法です。
痛みを一時的に和らげる効果があり、他の治療法で効果が満足に得られなかった場合に行います。
副作用として、一時的な筋力低下や感覚異常が起こることがありますが、効果が持続する場合も多いです。
帯状疱疹後神経痛治療薬として使われる医薬品成分
- カルバマゼピン
- カルバマゼピンは、てんかんや三叉神経痛の治療に広く使われる薬の成分です。また、双極性障害の躁状態の治療にも用いられることがあります。脳内の神経細胞の過剰な興奮を抑える働きがあり、発作や痛みの軽減に効果を示します。 カルバマゼピンは、てんかんの特に部分発作と全般性強直間代発作に対して高い効果を発揮し...