駆虫薬(内用)

駆虫薬(内用)と寄生虫感染症

駆虫薬(内用薬)は、体内の寄生虫を駆除するために使用される薬です。
寄生虫は人間や動物の体内に寄生し、栄養を奪ったり、感染症を引き起こすことがあります。
駆虫薬は、寄生虫を殺すか排出させて健康を取り戻します。

寄生虫感染症は、寄生虫が人間や動物の体内に寄生し、栄養を奪ったり、組織に損傷を与えることで発症する病気です。

蚊や水、食品を介して感染することが多いのは、単細胞の微生物の原虫です。
また、土壌や食品、水などを介して感染症になることもあります。

寄生虫感染症になると、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐などを引き起こすことがあります。
特に腸内寄生虫による感染では、これらの症状が顕著です。

また、寄生虫が宿主の栄養を奪うことで、体重減少、貧血、成長の遅れが発生することもあります。
全身症状としては、発熱、疲労、倦怠感などが引き起こされます。

皮膚症状にはかゆみ、発疹、皮膚の硬結などがあり、特に外部寄生虫や皮膚寄生虫による感染でよく見られます。

寄生虫感染症の診断と治療

寄生虫感染症の診断は、以下の方法で行われます。

  • 糞便検査
    寄生虫の卵や幼虫を確認するために、糞便の顕微鏡検査が行われます。

  • 血液検査
    一部の寄生虫感染症では、血液中の寄生虫や抗体を検出するために血液検査が行われます。

  • 画像診断
    超音波、X線、CT、MRIなどの画像診断が、寄生虫の存在や寄生部位を確認するために使用されることがあります。

駆虫薬の具体例「サントニン」

経口投与する駆虫薬には、サントニン(日本新薬)などがあり、体内にいる虫体に影響を及ぼします。
サントニンを服用すると、虫体は正常運動型と呼ばれる動きから、無秩序な運動型に変化します。
その後虫体は運動性を失い、腸管蠕動により体の外へ排出されます。

サントニンは、通常1日2回空腹時に服用するか、就寝前に1回および翌朝1回服用します。
1回の用量は、6歳未満は20mg、6歳以上12歳未満なら40~80mg、12歳以上なら100mgです。

駆虫薬の中には副作用として吐き気、腹痛、下痢、頭痛などがありますが、これらの副作用は通常軽度で一時的なものです。
例えば、サントニンの副作用が起こる確率は 0.1~5%未満です。

駆虫薬の選択と予防

寄生虫感染の疑いがある場合は、医師の診断を受けることが第一です。
感染の種類や重症度に応じて駆虫薬が処方されます。

寄生虫感染を予防するためには、衛生管理を意識しておかなくてはいけません。
手洗いの徹底、生食の回避、飲料水の安全性確保など、基本的な衛生対策を守ることが大切です。

日本ではあまりありませんが、特にリスクの高い地域や環境にいる場合は、定期的な駆虫を行うべきです。