抗コリン薬

市販で買える抗コリン薬とは?

抗コリン薬は、アセチルコリンという神経伝達物質の働きを抑える薬剤の総称です。
アセチルコリンは、体内のさまざまな神経機能を調節する化学物質で、自律神経系において重要な役割を果たしています。
抗コリン薬は、このアセチルコリンの受容体に結合してその働きをブロックすることで、神経系の活動を抑制します。

よく知られている薬には、ブスコパンなどがあります。
アセチルコリンが副交感神経を優位にすると、胃腸が動いてお腹が痛くなることがあります。
このような腹痛を抑えるためにブスコパンが処方されることがあるため、消化器内科などでよく使われます。

他にも、ロートエキスは市販薬のストッパ下痢止めEX などに含まれているため、抗コリン薬は意外と身近で使える薬でもあります。
急な下痢に困らないよう、いつも使う鞄のポケットなどに入れておくと安心です。

イノキュアS 20カプセルもブスコパンと同様にブチルスコポラミンという成分を配合しており、胃痛や腹痛を緩和する効果があります。
胃の粘膜を保護してくれるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムも配合しているため、胃が弱い方におすすめです。

他にも胆石症や尿路結石症、膀胱炎、月経困難症などに使え、イブやロキソニンなどで胃が荒れる方におすすめです。

抗コリン薬の用途

抗コリン薬は、広い医療分野で使われます。
異なる疾患や症状の管理に効果的であり、以下のような用途があります。

  • 呼吸器疾患
    抗コリン薬は、気管支拡張薬として喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に使用されます。
    気道の筋肉をリラックスさせ、呼吸を楽にする働きがあります。

  • 泌尿器疾患
    過活動膀胱や尿失禁の治療にも抗コリン薬が用いられます。
    膀胱の筋肉の収縮を抑制し、尿意をコントロールしやすくします。

  • 消化器疾患
    抗コリン薬は、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療にも役立ちます。
    また、消化管のけいれんを緩和するため、過敏性腸症候群(IBS)の症状軽減にも使用されます。
    この場合、頓服として処方されることもあります。

抗コリン薬の副作用

抗コリン薬は有効な治療手段ですが、副作用もあります。
以下は、抗コリン薬の一般的な副作用の例です。

  • 口渇
    抗コリン薬は唾液の分泌を抑制するため、口が乾燥することがあります。
    長期間使用する際に特に顕著になることがあります。

  • 便秘
    消化管の運動を抑制するため、便秘が発生することがあります。
    下痢を止めるとき、蠕動運動が激しくて痛いときに飲むためです。
    腹部の不快感や膨満感が生じることがあります。