気道分泌促進薬
- 気道分泌促進薬の役割
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気道分泌促進薬は、気道の粘液分泌を助け、異物や病原体を効率よく排出するために使われる薬です。
気道には粘液があり、異物を捕らえて体外に排出する役割を果たしていますが、粘液が不足したり粘り気が強すぎたりすると、呼吸が苦しくなったり、感染症にかかりやすくなったりします。
気道分泌促進薬は、このような状態を改善し、気道を健康な状態に保つ働きがあります。 - 気道分泌促進薬の働き
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気道分泌促進薬は、主に以下のような働きをします。
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粘液の増加
気道粘液の量を増やすことで、異物や病原体を捕らえやすくします。
気道が清潔に保たれ、感染症の予防にもつながります。 -
粘度の低下
気道粘液の粘度を下げることで、粘液が気道をスムーズに流れやすくなります。
異物や病原体が効果的に排出され、呼吸が楽になります。 -
繊毛運動の活性化
気道の繊毛運動を活発にすることで、粘液の流れを促進し異物の排出を助けます。
繊毛は気道内で粘液を運ぶ役割を果たしており、その動きが活発になることで異物の排出がスムーズになります。
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- 代表的な気道分泌促進薬の種類
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気道分泌促進薬にはいくつかの種類がありますが、代表的なものにはブロムヘキシンがあります。
ブロムヘキシンは気道の粘液を増やし、さらにその粘度を下げる働きを持っているため、粘液がよりスムーズに排出され呼吸が楽になります。
慢性気管支炎や気管支拡張症の他、肺結核、塵肺症、手術後などに使われます。用法及び用量は、通常は、成人であれば1回1錠(ブロムヘキシン塩酸塩として4mg)を1日3回経口投与します。
気を付けなければならないのは妊婦、授乳をしている女性や、小児、高齢者で、ブロムヘキシンは処方できないこともあります。
また、ブロムヘキシンの副作用には発疹、血管浮腫、気管支痙攣、呼吸困難、そう痒感等があらわれることがあります。また、去痰薬として有名なのはアンブロキソールです。
アンブロキソールは、気道の粘液分泌を増加させ粘度を下げる効果があります。
さらに、気道の繊毛運動を活発にし、異物を効率よく排出する助けになります。
この薬も、慢性気管支炎や肺気腫などの治療に使用されることが多いです。 - 気道分泌促進薬のメリット
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気道分泌促進薬を使用することで、いくつかのメリットがあります。
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呼吸の改善
気道の粘液が増加し、粘度が低下することで呼吸が楽になります。
特に、慢性気管支炎や気管支拡張症、肺気腫などの呼吸器疾患を持つ患者にとって、大きな助けとなります。 -
感染症の予防
気道の粘液が十分に分泌されることで異物や病原体を効果的に捕らえ、体外に排出できます。
気道の感染症を予防する効果があります。 -
気道の保護
気道の粘液は気道の内壁を保護する役割も果たしています。
気道分泌促進薬を使用することで気道の内壁が適切に保護され、炎症や損傷を防げます。
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