中枢性鎮咳薬

中枢性鎮咳薬とは?

中枢性鎮咳薬は、咳の中枢を抑制することで咳を止める薬です。
咳の中枢は脳の延髄にあり、この部分に作用することで咳の反射を抑えます。
風邪や気管支炎、肺炎などで発生する咳を和らげるために使用されます。
咳反射を抑制するため、刺激があっても咳が出にくくなります。
特に乾いた咳(非生産性咳)を抑えるのに効果的です。

一部の中枢性鎮咳薬には、鎮静作用もあります。
咳だけでなく、患者の不安や不快感も軽減できることがメリットです。
ただし、鎮静作用が強い薬は日中の活動に支障をきたす可能性があるため、使用には注意が必要です。

中枢性鎮咳薬には、麻薬性と非麻薬性があります。
麻薬性は非麻薬性に比べると効果が強い分、眠気を感じたり便秘になるなどの副作用も感じやすくなります。
また、麻薬性中枢性鎮咳薬は12歳未満の子供は服用できません。

主な中枢性鎮咳薬の種類

では、主な中枢性鎮咳薬の種類と、その使用例について見ていきましょう。

  • コデイン
    コデインは麻薬性鎮痛薬の一種で、中枢性鎮咳薬としても使用されます。
    強力な咳抑制効果があり、特に夜間の咳を抑えるのに有効です。
    しかし、依存性があるため長期使用は避けるべきです。
    重度の咳や疼痛を伴う咳に対して処方されます。

  • デキストロメトルファン
    デキストロメトルファンは非麻薬性の中枢性鎮咳薬です。
    依存性が少なく、比較的安全に使用できるため市販の咳止め薬にも広く使用されています。
    一般的な風邪やインフルエンザによる咳に対して使用されます。

  • ノスカピン
    ノスカピンも非麻薬性の中枢性鎮咳薬で、コデインやデキストロメトルファンと同様に咳中枢を抑制します。
    比較的副作用が少ないとされており、軽度から中等度の咳に対して使用します。

中枢性鎮咳薬は何に効く?

中枢性鎮咳薬は咳を抑えるために使いますが、どんな病気のときに服用できるのでしょうか。

  • 風邪やインフルエンザ
    風邪やインフルエンザによる咳は、中枢性鎮咳薬で効果的に抑えることができます。
    夜間の咳を抑えることで、患者の睡眠の質を改善できるのが特徴です。
    市販の咳止め薬としても、風邪やインフルエンザの症状緩和に使用されます。

  • 気管支炎
    気管支炎は、気管支の炎症によって引き起こされる咳です。
    中枢性鎮咳薬は、気管支炎による激しい咳を抑えるのに役立ちます。
    気管支炎の治療が目的の場合、医師の処方により使用します。

  • 肺炎
    肺炎による咳も、中枢性鎮咳薬で軽減できます。
    特に、咳が激しく、睡眠や日常生活に支障をきたす場合に有効です。
    こちらも、医師の指導の下で使用されます。